下痢や便秘が続く人へ|お腹の調子を整える薬「ミヤBM」の効果とは?

下痢や便秘が続く人へ|
お腹の調子を整える薬「ミヤBM」の効果とは?

下痢のお薬で『ミヤBM』を飲んでいます。

下痢にも便秘にも処方される整腸剤で酪酸菌ですね。

ミヤBMは当院で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ミヤBM(酪酸菌)とは?

ミヤBMは、整腸作用をもつ「酪酸菌(宮入菌:Clostridium butyricum MIYAIRI)」を主成分とする薬です。1933年に千葉大学医学部で発見され、1940年には製剤化されました。

芽胞という強固な殻に包まれているため、胃酸などに負けず腸まで届く特徴があり、80年以上にわたり使用されています。


ミヤBMの特徴

胃酸に強い「芽胞」構造

  • 酪酸菌は芽胞の状態で製剤化
  • 胃酸・胆汁酸・消化酵素の影響を受けず、腸に届く

腸内フローラを整える

  • 発芽後、腸内で増殖し有用菌を優位に
  • 悪玉菌や病原菌の増殖を抑制

抗生物質による腸内トラブルにも対応

  • 抗生物質投与による下痢などに改善効果

長年の実績

  • 80年以上使用されており、安全性が高い

効能・効果

ミヤBMは以下のような腸内環境の乱れに伴う症状の改善に使われます。

  • 急性・慢性下痢
  • 便秘
  • 胃腸炎、消化不良
  • 抗生物質・抗がん剤・手術後の腸内バランス異常による症状

有効性(試験結果)

消化器症状に対する改善率

対象症状改善率
胃腸炎75%(3/4例)
腹部症状80%(271/338例)
下痢97%(117/121例)
便秘67%(6/9例)
交替性便通異常80%(8/10例)
軟便59%(94/159例)

その他の有効性

  • 抗生物質使用中の下痢発症率が約半分に(47.5% → 18.7%)
  • カンピロバクター腸炎:抗生物質+酪酸菌で最も回復が早い
  • 過敏性腸症候群(IBS):80.5%(123例中99例)で改善

用法・用量

細粒タイプ

  • 成人:1日1.5〜3gを3回に分けて服用
  • 年齢・症状に応じて調整可

錠剤タイプ

  • 成人:1日3〜6錠を3回に分けて服用
  • 年齢・症状に応じて調整可

※医師の指示に従って使用してください。


使用できない方(禁忌)

添付文書上、明確な禁忌はありません。ただし、以下に該当する方は注意が必要です。

  • 酪酸菌や添加物にアレルギーがある方
  • 他に服用中の薬がある方(必ず医師・薬剤師に相談)

飲み合わせに注意が必要な薬

  • アミノフィリン、イソニアジド:混合で着色の可能性あり
  • その他:抗生物質などとの併用は、医師の指示に従うこと

副作用と発生頻度

重篤な副作用

  • 報告なし(長期使用実績あり)

注意が必要な軽度症状

  • 発疹・かゆみなどのアレルギー症状
  • 腹部膨満感

異常を感じた場合は、服用を中止して医師に相談しましょう。


まとめ

  • ミヤBMは腸まで届く強い整腸菌(酪酸菌)
  • 下痢や便秘、抗生物質使用後の腸内トラブルにも対応
  • 臨床試験での改善率が高く、安全性にも優れる

参考文献・出典

  • 添付文書(ミヤリサン製薬)
  • 公的データベース(KEGG、PMDA等)
  • 臨床試験・薬効薬理資料(添付文書第1版/2022年11月改訂)

よくある質問(Q&A)

ミヤBMは他の整腸剤とどう違う?同じ系統の薬と比べた強みは?

ラックビーは、生きたビフィズス菌(B. longumB. infantis)を凍結乾燥した生菌製剤です。
他の整腸剤には乳酸菌や酪酸菌などがありますが、ラックビーの強みは次の点です:

  • 乳酸だけでなく抗菌作用のある酢酸を産生し、有害菌の発育を抑える
  • 1956年からの使用実績がある老舗製剤で、安全性が高い
  • 粉末タイプと錠剤タイプで服用しやすさが選べる
  • 下痢・便秘の両方に有効性が示された臨床データがある(便秘78.9%、下痢85.3%の有効率)

ミヤBMの発売年は?いつから使われている薬?

ミヤBMの主成分である酪酸菌(宮入菌)は、1933年に発見され、1940年から医薬品として製造・販売されています。

80年以上の歴史があり、国内では非常に長い使用実績がある整腸剤です。

ミヤBMの30日分の薬価と実際の自己負担額は?

錠剤タイプ(ミヤBM錠)

  • 薬価:5.9円/錠
  • 通常量:1日6錠 × 30日 = 180錠 → 1,062円(薬価)
  • 自己負担(3割負担の場合):約320円

● 細粒タイプ(ミヤBM細粒)

  • 薬価:6.5円/g
  • 通常量:1日3g × 30日 = 90g → 585円(薬価)
  • 自己負担(3割負担の場合):約175円

※薬局の調剤料などは含まれていません。目安としてご確認ください。

妊娠中でもミヤBMは使える?使用の可否・リスク・注意点は?

妊娠中のミヤBM使用に関する重大な副作用や禁忌の報告はありません。
添付文書でも、妊娠を理由とする禁忌や制限の記載はなしです。

授乳中でもミヤBMは飲める?母乳への影響は?

授乳中でもミヤBMの使用は可能とされています。添付文書上、授乳に関する特別な注意や制限は記載されていません。

理由として:

  • 宮入菌は腸内にとどまり、血中には吸収されにくい
  • したがって、母乳中に移行する可能性は極めて低いと考えられる

とはいえ、乳児に下痢などの症状が出た場合は、一時中止し医師に相談してください。

子どもにもミヤBMは使える?年齢制限や注意点は?

ミヤBMは小児・乳児にも使用可能です。特に以下の場面で処方されることがあります:

  • 抗生物質使用中の下痢予防(乳児〜小児)
  • 小児の腸炎や便通異常(便秘・軟便)

ただし、用量は年齢・体重に応じて調整が必要です。自己判断で市販薬として使うのではなく、小児科または医師の処方での使用をおすすめします。