パントシンとは?コレステロールや便秘への効果・副作用をわかりやすく解説
パントシンとは?
コレステロールや便秘への効果・副作用をわかりやすく解説

コレステロールの薬でパントシンをのんでいます。

コレステロールの薬の中でも
食事に含まれるビタミン、補酵素に関連しますので体に優しい薬です。
パントシンはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
パントシンとは
パントシンは、パンテチンを有効成分とする医薬品です。
パンテチンは、体内で重要な補酵素であるCoA(コエンザイムA)の前駆物質とされます。
前駆物質とは、体の中で必要な物質に変わってはたらく“材料のようなもの”です。
そのため、パントシンは体内の代謝を支える方向にはたらく薬と考えられています。
パントシンの特徴
パントシンには、パントテン酸の発見からCoAとの関係解明、さらにLBFの研究を経て、パントテン酸よりもCoAに近い物質としてパンテチンが治療に応用されてきたという背景があります。
薬としての主な特徴
パントシンには、次のような特徴があります。
- 総コレステロールや中性脂肪を下げる方向にはたらく
- HDLコレステロールを増やす方向の作用が期待される
- 血管壁の脂質代謝の改善が期待される
- 血小板機能の改善が期待される
- 腸の動きを促す作用がある
便秘にも使われる理由
便秘にも使われるのは、腸管運動促進作用(腸の動きを活発にする作用)があるためです。
そのため、脂質異常だけでなく、腸の動きが弱いタイプの便秘に処方されることもあります。
効能・効果
パントシンに承認されている効能・効果は、以下のとおりです。
1. パントテン酸欠乏症の予防・治療
体内でパントテン酸が不足している場合に使われます。
2. パントテン酸の需要が増えているときの補給
食事からの摂取だけでは不足しやすい場合に補給目的で用いられます。
たとえば次のようなケースです。
- 消耗性疾患
- 甲状腺機能亢進症
- 妊産婦
- 授乳婦
有効性(有効性試験等)
パントシンは、高脂血症や弛緩性便秘で有効性が検討されています。
高脂血症に対する有効性
高脂血症の試験では、200例を対象にした二重盲検比較試験(薬の効果を公平に比べる信頼性の高い試験方法)が行われました。
その結果、1日600mg群は1日150mg群より有意に良好でした。
有意に良好とは、偶然では説明しにくい差がみられたという意味です。
試験結果
- 中等度改善以上
- 600mg群:34.7%
- 150mg群:16.2%
- 軽度改善以上を含む
- 600mg群:77.2%
- 150mg群:43.4%
また、HDLコレステロールが低い患者さんでも、600mg群のほうがHDLコレステロールの上昇がより目立っていました。
さらに、別の488例の臨床試験では次のように報告されています。
- 有効以上:60.9%
- やや有効以上:79.5%
弛緩性便秘に対する有効性
弛緩性便秘に対しては、1日600mgを2週間投与した二重盲検比較試験で、次の結果が示されています。
- パントシン群:72.4%
- プラセボ群:41.4%
プラセボとは、有効成分を含まない比較用の薬です。
この結果から、パントシン群のほうが良い成績でした。
さらに、770例を対象とした臨床試験では、
- 有効以上:60.5%
- やや有効以上:81.4%
とされています。
用法・用量
通常、成人ではパンテチンとして1日30〜180mgを服用します。
ただし、病気によって用量は異なります。
病気ごとの目安
- 血液疾患、弛緩性便秘
→ 1日300〜600mg - 高脂血症
→ 1日600mgを3回に分けて服用
使用できない方(禁忌)
PMDAで公開されているパントシンのインタビューフォームでは、禁忌は「該当しない」とされています。
使い合わせに注意が必要な薬
パントシンのインタビューフォームでは、併用禁忌・併用注意はいずれも「該当しない」とされています。
副作用と発生頻度
添付文書で主に挙げられている副作用は、消化器症状です。
主な副作用
- 下痢・軟便:0.1〜5%未満
- 腹部膨満、嘔吐:0.1%未満
- 食欲不振:頻度不明
経口投与2,020例中、副作用がみられたのは7例(0.4%)でした。
高脂血症の試験で報告された副作用
230例中、以下の副作用が報告されています。
- 軟便・下痢:1.3%
- 便秘:0.9%
- 胃部重圧感:0.4%
- 蕁麻疹:0.4%
- 顔の皮膚の乾燥感:0.4%
- 眼瞼脂漏性皮膚炎:0.4%
- 吐き気・頭痛:0.4%
まとめ
パントシンは、パンテチンを有効成分とするパントテン酸系製剤です。
CoA前駆体(体内で代謝に必要な成分になる材料)として、脂質代謝や腸の動きに関わる薬です。
承認上は、以下のような場面で使われます。
- パントテン酸欠乏症の予防・治療
- 需要増大時の補給
- 高脂血症
- 弛緩性便秘 など
参考文献・出典
■ 公的資料
- PMDA 添付文書(パントシン)
- インタビューフォーム(アルフレッサファーマ)
■ 主な研究・資料
- 老年医学(1980年代:脂質改善データ)
- パンテチン・シンポジウム報告(複数)
- Atherosclerosis(動脈硬化モデル研究)
■ 補足
よくある質問(Q&A)
-
パントシンの強みは?ほかのコレステロールの薬とどう違う?
-
パントシンの強みは、「代謝を整えるタイプの薬」であることです。
一般的なコレステロールの薬(例:スタチンなど)は、
→ コレステロールを直接下げる作用が中心です。一方でパントシンは、
- コレステロールや中性脂肪を下げる方向にはたらく
- HDL(いわゆる“善玉コレステロール”)を増やす方向にはたらく
- 血管や血小板の働きも整える
- 腸の動きを良くする(便秘にも使える)
といった“全体の代謝を底上げする作用”が特徴です。
-
パントシンはいつからある薬?発売されたのはいつ?
-
パントシンは、1966年に日本で承認・発売された薬です。
つまり、50年以上使われている実績のある薬です。
その後も再評価(1977年・1992年)が行われ、
現在も使われ続けています。
-
1か月飲むといくらくらい?自己負担はどれくらい?
-
例としてよく使われる**1日600mg(200mg×3回)**で計算します。
■ 薬価(目安)
- パントシン錠200mg:約8.9円/錠
→ 1日3錠 → 約26.7円/日
→ 30日で 約801円■ 自己負担額(3割負担の場合)
- 約800円 × 30% → 約240円前後
※実際は処方料・調剤料が加わるため、
窓口ではもう少し高くなります。
-
効果はどれくらいで出る?どのくらい続く?
-
■ 効果が出るまで
- 便秘:数日〜1週間程度
- コレステロール:数週間〜1か月程度
■ 持続時間
- 1日3回内服で、1日中作用が持続する設計
■ ポイント
- 即効性というより「じわじわ効く薬」です
- 継続して飲むことが重要です
-
妊娠中に使える?
-
■ 使用可否
→ 原則は慎重に使用(必要な場合のみ)
■ 理由
- 明確な強い危険性は示されていない
- ただし安全性データが十分とはいえない
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授乳中に使える?母乳への影響は?
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■ 母乳移行
→ 一部移行する可能性あり(明確なデータは少ない)
■ 使用可否
→ 基本は使用可能とされることが多い
■ 理由
- ビタミン関連物質であり、比較的安全性が高い
- 重篤な副作用報告が少ない
-
子どもにも使える?
-
■ 使用可否
→ 使用可能(用量調整が必要)
■ 注意点
- 体重に応じて量を調整する
- 下痢などの副作用に注意
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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