【コンタクトOK?】パタノール点眼液の効果・副作用や注意点まとめ

【コンタクトOK?】
パタノール点眼液の効果・副作用や注意点まとめ

目のかゆみで『パタノール』を使っています。

花粉症の内服薬アレロックの成分と同じで、目薬タイプとなります。

コンタクトレンズは外して使う必要があります。

パタノールはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

オロパタジン(パタノール点眼液0.1%)とは

オロパタジン(一般名:オロパタジン塩酸塩)は、アレルギー性結膜炎による目のかゆみ・充血を和らげる抗アレルギー点眼薬です。
2006年7月に国内で承認され、**先発品「パタノール®点眼液0.1%」(ノバルティスファーマ)**として販売されています。

後発品(ジェネリック)も複数販売されています。


オロパタジンの特徴

特徴ポイント
二つの作用機序ヒスタミンH₁受容体拮抗+肥満細胞からの化学伝達物質遊離抑制(抗炎症効果)
即効性と持続性点眼4時間後でもそう痒感と充血を有意に抑制(抗原誘発試験)
涙に近い製剤特性pH ≈7.0、浸透圧比 0.9〜1.1:刺激感が少なくコンタクト装着者にも使いやすい
全身移行がごくわずか1日4回×4日間点眼でCmax 0.52 ng/mL —— 全身性副作用が起こりにくい

効能・効果

  • アレルギー性結膜炎
    → 目のかゆみ(そう痒感)、充血、流涙などの不快症状を改善します。

有効性(臨床試験エビデンス)

■ 海外第Ⅱ相抗原誘発試験(0.1%群 n=35)

  • そう痒感スコア:プラセボ比 −1.19(95% CI −1.52, −0.85)
  • 総合充血スコア:プラセボ比 −0.93(95% CI −1.49, −0.37)
  • 副作用:なし

■ 国内第Ⅲ相比較試験(ケトチフェン0.05%対照、n=247)

  • 28日間点眼でかゆみ・充血の重症度はケトチフェンと同等の有効性
  • 副作用発現率:4.8%(眼痛2.4%など)

用法・用量

  • 通常:1回1〜2滴、1日4回(朝・昼・夕方・就寝前)両眼に点眼
  • 他の点眼薬を併用する場合は5分以上の間隔を空ける
  • ソフトコンタクトレンズ:点眼前に外し、10分後に再装着

使用できない方(禁忌)

  • 本剤成分に過敏症の既往がある方

飲み合わせに注意が必要な薬

  • 点眼薬のため全身移行はごく少なく、重大な相互作用は基本的にありません。

ただし、以下の場合には注意が必要です。

  • 他の抗アレルギー点眼薬・防腐剤入り目薬 → 眼刺激・重複投与に注意
  • 全身性の抗ヒスタミン薬との併用 → 眠気などが強まる可能性

副作用と発生頻度

頻度主な症状補足
0.5〜5%未満眼痛点眼直後の軽度刺激感など
0.5%未満角膜炎、そう痒感、眼刺激、眼瞼浮腫、頭痛 などほとんどが軽度・一過性
頻度不明眼乾燥、めまい、味覚異常、接触皮膚炎、過敏症 など異常を感じたら使用中止・受診を推奨

💡 ポイント
・全身移行が少なく、眠気や口渇などの全身副作用はほぼありません。
・効果が不十分な場合、自己判断での長期使用は避けましょう。


まとめ

  • **オロパタジン(パタノール点眼液0.1%)**は、
    ヒスタミンH₁拮抗+化学伝達物質遊離抑制の“二刀流”で、目のかゆみ・充血を効果的にブロック。
  • 即効性・安全性に優れた短時間作用型。コンタクト装用者にもやさしい処方設計。
  • 妊娠中・授乳中の方は医師と相談を。
    ※低出生体重児〜乳児の使用はデータ不足のため注意。
  • 目薬を併用する場合は5分以上あけて点眼を。レンズは外してから点眼しましょう。


参考文献・出典

医療用医薬品添付文書(PMDA・JAPIC):
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/

医薬品インタビューフォーム(パタノール点眼液):
製造販売元(ノバルティスファーマ)による公式資料

KEGG DRUGデータベース:
https://www.genome.jp/db/kegg/drug/D01192

よくある質問(Q&A)


他のアレルギー用目薬と比べて、パタノールの強みは?


パタノール(オロパタジン)は、アレルギー症状の原因となる「ヒスタミンH1受容体への拮抗作用」に加えて、化学伝達物質(ヒスタミン・ロイコトリエンなど)の遊離も抑える“二重の抗アレルギー作用”を持っています。
この点で、単なる抗ヒスタミン点眼薬(例:ケトチフェンなど)より
持続性・即効性ともに優れる
とされています。

パタノール点眼液の発売はいつ?

日本国内では、2006年7月に承認・販売が開始されました。
有効成分「オロパタジン塩酸塩」は、それ以前に経口薬(アレロック)としても利用されています。

30日処方での薬価と実際の自己負担額は?

先発品(パタノール点眼液0.1%):85.9円/mL

後発品(ジェネリック):34.9〜39.5円/mL

▼30日分(1回1滴×両眼×1日4回で約10mL使用)の薬価目安:

区分薬価合計(10mL)3割負担目安1割負担目安
先発品約859円約260円約90円
後発品約350〜400円約105〜120円約35〜40円

※診察料・処方料・調剤料は別途かかります。

パタノールの効果はどのくらいで出る?持続時間は?

点眼後約4時間後でもそう痒感・充血の抑制効果が確認されています。
1日4回投与の設計から、効果持続時間は約4〜6時間程度と考えられます。

妊娠中にパタノールは使える?

妊娠中の使用は**“治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合に限り”**使用可能とされています。
動物実験では胎児毒性は報告されておらず、眼局所投与による全身移行もごくわずかとされていますが、主治医と相談して使用判断を行ってください。

授乳中に使っても赤ちゃんに影響はない?

ラットの実験で乳汁中への移行が確認されており、人間でも母乳中に成分がわずかに移行する可能性があります。
使用の可否は、治療上の必要性と授乳の継続を天秤にかけて判断されます。基本的に医師の指導のもとで使用してください。

子どもにもパタノールは使える?

小児への使用は可能です。ただし、低出生体重児・新生児・乳児に対する安全性データは不十分です。
年齢・症状に応じて点眼可能かどうかを小児科・眼科で相談するのが望ましいです。