ザイザルはどんな症状に効く?花粉・鼻炎・湿疹などへの効果と注意点
ザイザルはどんな症状に効く?
花粉・鼻炎・湿疹などへの効果と注意点

鼻炎で『ザイザル』を使っています。

ジルテックの進化した薬として発売され、効果が高い内服薬です。
お子様にも処方できる点も優れています。
レボセチリジン(ザイザル)はオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
レボセチリジン(ザイザル)とは
レボセチリジン(商品名:ザイザル®)は、第2世代抗ヒスタミン薬「セチリジン」から有効成分(R-エナンチオマー)だけを取り出した薬です。
ヒスタミンH₁受容体を選択的にブロックし、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・皮膚のかゆみなど、アレルギー症状を緩和します。
✅ セチリジン10mgと同等の効果を、半量の5mgで発揮
✅ 副作用(眠気など)を抑えつつ、24時間持続
特徴まとめ
- 高い受容体親和性
ヒスタミンH₁受容体への結合力はセチリジンの約2倍。 - 速効性と持続性
内服後1時間程度で効果が現れ、24時間持続。 - 眠気が少なめ
成人治験で眠気の発現率は約5%(セチリジンは約6%)。 - 少量で同等効果
セチリジン10mg ≒ レボセチリジン5mg - 豊富な剤形
錠剤(5mg)、シロップ(0.05%)、OD錠(5mg・2.5mg) - 小児適応あり
シロップは生後6か月から使用可能
効能・効果
対象 | 適応症 |
---|---|
成人 | アレルギー性鼻炎/蕁麻疹/湿疹・皮膚炎/痒疹/皮膚そう痒症 |
小児(7歳以上) | 同上 |
小児(7歳未満) | アレルギー性鼻炎・蕁麻疹・皮膚疾患に伴うそう痒 |
有効性(臨床試験データより)
- 季節性アレルギー性鼻炎(成人・海外)
レボセチリジン5mgは、プラセボよりも有意に症状を改善。
セチリジン10mgと同等の効果(スコア差 –0.12)。 - 通年性アレルギー性鼻炎
6週間の服用でプラセボに比べスコアを約1.2ポイント改善。 - 慢性特発性蕁麻疹
4週間でそう痒スコアを約40%低減。 - 小児(セチリジンデータを外挿)
2~15歳でも有効性が示され、眠気発現率は1%未満。
用法・用量の目安
区分 | 1回量 | 回数 | 備考 |
---|---|---|---|
成人 | 5mg | 1日1回(就寝前) | 最大10mg/日 |
小児(7~15歳) | 2.5mg | 1日2回(朝・就寝前) | |
腎障害(CrCl) | 調整が必要 | 50–79:2.5mg/日 30–49:2.5mgを隔日 10–29:2.5mgを週2回 | |
高齢者 | 2.5mgから開始検討 | 腎機能に応じて調整 |
⚠ CrCl<10 mL/minの重度腎障害は禁忌
使用できない方(禁忌)
- 本剤またはピペラジン系薬(セチリジン/ヒドロキシジン)に過敏症歴のある方
- 重度腎障害(クレアチニンクリアランス<10 mL/min)
飲み合わせに注意すべき薬剤
薬剤 | 注意点・機序 |
---|---|
テオフィリン | セチリジンのクリアランス16%低下 → レボセチリジンも上昇の可能性あり |
リトナビル | レボセチリジンの曝露量が40%増加 |
中枢抑制薬・アルコール | 眠気・注意力低下が強まる可能性 |
ピルシカイニド | 血中濃度の上昇報告あり |
主な副作用と頻度
重篤(頻度不明)
- ショック・アナフィラキシー
- 痙攣
- 肝機能障害/黄疸
- 血小板減少
よくある副作用
- 眠気:約5%
- 頭痛:約3%
- 口渇:約2%
- 倦怠感:約1%
- ALT/AST上昇:0.6%
小児では眠気の頻度は1%未満。
副作用が持続する場合は服用を中止して受診してください。
まとめ
- レボセチリジン(ザイザル)は、セチリジンの有効成分のみを使用した第2世代抗ヒスタミン薬。
- 5mgで24時間効果、眠気は比較的少ない。
- 幅広いアレルギー症状に適応(鼻炎・蕁麻疹・皮膚のかゆみ)。
- 腎機能や年齢に応じて用量調整が必要な場合あり。
- 飲酒や眠くなる薬との併用には注意。
症状が改善しない場合や、眠気が強い・発疹・息苦しさが出た場合は、早めの受診を推奨します。
当院でも、オンライン・対面でご相談を承っています。
参考文献・出典
厚生労働省「医薬品インタビューフォーム(IF)」
医療用医薬品添付文書(JAPIC・PMDAデータベース)
KEGG DRUG(https://www.kegg.jp)
日本アレルギー学会ガイドライン
医中誌・PubMedなどの論文データベース
よくある質問(Q&A)
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ザイザルはどんなアレルギーに効きますか?
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ザイザルは、アレルギー性鼻炎(花粉症や通年性)やじんましん、湿疹、皮膚のかゆみなどに使われる抗ヒスタミン薬です。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、皮膚のかゆみといった症状に効果があります。
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ザイザルの特徴や強みは?他の抗ヒスタミン薬と何が違いますか?
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ザイザルは、セチリジン(ジルテック)から有効成分だけを取り出した薬で、
同等の効果を**半量(5mg)**で発揮できます。- セチリジンよりヒスタミン受容体への結合力が約2倍
- 副作用(特に眠気)の頻度がやや低い
- 効果の発現が早く、1時間以内で効き始め、24時間作用が持続
- シロップ剤ありで、生後6か月から使用可能
このように、効果・安全性・使いやすさのバランスに優れています。
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ザイザルはいつ発売された薬ですか?
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日本では2010年10月に製造販売承認を取得し、グラクソ・スミスクライン社から発売されました。
欧州では2001年にドイツで初めて承認されています。
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ザイザルの薬価と自己負担の目安はいくらですか?
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2025年6月時点の薬価および30日分の目安は以下の通りです:
製品 規格 1日量 薬価 30日分薬価 自己負担(3割) ザイザル錠(先発) 5mg 1錠 41.1円 約1,230円 約370円 後発品(アメル) 5mg 1錠 12.3円 約370円 約110円 ザイザルシロップ 0.05% 10mL 73円 約2,190円 約660円 ※調剤料等は別途必要になる場合があります。
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ザイザルはどれくらいで効いて、どのくらい効果が続きますか?
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通常、服用後1時間以内に効果が現れます。
持続時間は約24時間とされており、1日1回の服用で安定した効果が期待できます。
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妊娠中にザイザルを使っても大丈夫ですか?
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妊娠中の使用は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限り使用可とされています。
動物実験では胎盤を通過することが報告されており、安全性は完全に確立されていません。
妊娠中は、必ず医師に相談のうえ使用してください。
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授乳中にザイザルを使ってもいいですか?
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授乳中の使用には注意が必要です。
ヒトでの研究において、セチリジン(ラセミ体)の乳汁中移行が報告されており、レボセチリジンも同様の可能性があります。
医師と相談のうえ、授乳の中止か、薬の中止を検討してください。
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子どもでもザイザルは使えますか?
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はい、使えます。
シロップ剤は生後6か月から使用可能で、年齢に応じた用量設定があります。
7歳未満はシロップ、7歳以上は錠剤やOD錠も使用できます。
眠気は少ないとされますが、使用中は様子をよく観察してください。
