クラリチンってどんな薬?眠気が少ないアレルギー薬の特徴と効果
クラリチンってどんな薬?|
眠気が少ないアレルギー薬の特徴と効果

蕁麻疹で『クラリチン』を使っています。

1日1回タイプで、ドライシロップもありお子様にも使いやすい薬です。
眠気も少ないのも特徴です。
クラリチンはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ロラタジン(クラリチン)とは
ロラタジン(商品名:クラリチン®)は、第2世代抗ヒスタミン薬に分類される 持続性選択 H1 受容体拮抗薬 です。
1981年に米国シェリング・プラウ社(現メルク)により開発され、1988年にベルギーで初承認。
日本では2002年に発売され、世界では延べ**約4億人(30日換算)**に処方され、102か国以上で使用されているロングセラー薬です。
特徴とメリット
特徴 | 解説 |
---|---|
眠気が少ない | プラセボと同等の眠気発現率。日中の活動や車の運転にほぼ影響しません。 |
1日1回で効果持続 | 半減期が長く、1回の服用で24時間効果が持続。 |
剤形が豊富 | 口腔内速溶錠(レディタブ®)は水なしで服用可能。ドライシロップは3歳以上の小児に適応。 |
心血管への安全性 | 通常量の4倍を13週間投与しても、心電図に異常は認められず。 |
運転能力に影響なし | サーキット走行やフライトシミュレーターでもプラセボと差なし。 |
効能・効果
- アレルギー性鼻炎(季節性・通年性)
- 蕁麻疹
- 湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒症に伴うかゆみ
有効性(臨床試験データより)
疾患・試験 | 用量・期間 | 改善率・主な結果 |
---|---|---|
通年性アレルギー性鼻炎(国内・9週間) | 10mg/日 | 65.3%(中等度改善以上) |
アレルギー性鼻炎(メキタジン比較) | 1週間 | 49.4% vs 45.8% |
アレルギー性鼻炎(プラセボ比較) | 2週間 | 54.9% vs 39.1%、5症状スコアで有意改善 |
慢性蕁麻疹 | 8週間 | 有効以上:87.4% |
蕁麻疹(ケトチフェン比較) | 2週間 | 80.5% vs 62.1%(差:+18.4%) |
用法・用量と年齢別対応
年齢区分 | 通常量 | 剤形 |
---|---|---|
成人・7歳以上 | 10mgを1日1回(食後) | 錠剤またはレディタブ |
3〜6歳 | 5mg相当/日 | ドライシロップ1% |
3歳未満 | 使用不可 | ― |
※年齢・症状に応じて医師の判断で増減します。
使用できない方(禁忌)
- 本剤成分に過敏症の既往がある方
飲み合わせに注意が必要な薬
ロラタジンは CYP3A4 / CYP2D6 により代謝されるため、下記薬剤との併用には注意が必要です。
併用薬 | 血中濃度変化(Cmax) | 補足 |
---|---|---|
エリスロマイシン | +53% | QT延長報告なし |
シメチジン | +121% | 活性代謝体DCLは変化なし |
ケトコナゾール(全身投与時) | +223% | 日本では外用剤のみ流通 |
副作用とその頻度
種類 | 主な症状 | 頻度 |
---|---|---|
重大 | ショック、アナフィラキシー、てんかん・痙攣、肝障害・黄疸 | 頻度不明 |
よくある | 眠気、倦怠感 | 1%以上 |
その他 | めまい、頭痛、口渇、腹痛、発疹など | 0.1%未満〜1% |
※眠気発現率は約5〜13%で、第2世代抗ヒスタミン薬の中でも比較的低い水準です。
まとめ
- ロラタジン(クラリチン)は、眠気が少ない1日1回タイプの抗ヒスタミン薬
- アレルギー性鼻炎・蕁麻疹・かゆみに対する第一選択薬
- 運転や仕事への影響が少なく、小児や高齢者にも使いやすい剤形が用意されています
- CYP3A4 / 2D6阻害薬との併用時や重篤な副作用の兆候には要注意
参考文献・出典
医療用医薬品添付文書(PMDA)
インタビューフォーム(バイエル薬品)
KEGG DRUG データベース:D00364(Loratadine)
医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「くすりのしおり」
よくある質問(Q&A)
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クラリチンはどんなアレルギー薬?同じ系統の薬と比べたときの強みは?
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クラリチン(一般名:ロラタジン)は、第2世代の抗ヒスタミン薬で、「眠気が少ない」「1日1回で効果が長時間持続」「運転や学業に影響しにくい」といった点が特長です。
同じH1受容体拮抗薬の中では、以下の点が強みとされています:口腔内速溶錠(レディタブ®)や小児用ドライシロップなど、剤形が豊富
眠気の頻度がプラセボ(偽薬)と同程度
QT延長などの心血管系への影響が少ない
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クラリチンの先発薬はいつ発売されたの?
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クラリチンは米国シェリング・プラウ社(現メルク)によって開発され、
1988年にベルギーで初めて承認・販売されました。
日本では2002年9月に「クラリチン錠10mg」として先発品が発売されています。
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クラリチンの薬価と、30日処方時の自己負担額の目安は?
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以下のとおりです(2025年時点の薬価):
製品名 薬価 30日分の薬価総額 3割負担の場合の目安負担額 クラリチン錠10mg(先発品) 31.7円/錠 約951円 約285円 ロラタジン錠10mg(ジェネリック) 14.8円/錠 約444円 約133円 ※薬局調剤料・管理料等は別途加算されます。量が増えると費用も増えます。ースで297円(3割負担で約90円)**程度が目安です。
診察料・処方料・調剤料などは別途かかります。
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クラリチンはどれくらいで効き始めて、どのくらい効果が続きますか?
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作用発現時間:服用後約1〜2時間以内に効果が出始めます。
効果の持続時間:約24時間持続するため、1日1回の服用で十分とされています。
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妊娠中にクラリチンを飲んでも大丈夫?
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原則として妊娠中の服用は避けることが望ましいとされています。
ラットやウサギを使った動物試験では催奇形性は確認されていませんが、胎児への移行が報告されており、
医師の判断のもと、必要性が高い場合に限り使用されることがあります。
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授乳中にクラリチンを飲んでも大丈夫?
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クラリチン(ロラタジン)は少量が母乳中に移行することが確認されています。
AUC比(母乳/血漿)は、ロラタジン1.2、DCL 0.8とされています。
そのため、授乳中に使用する場合は、医師と相談のうえで授乳を一時中止するか、代替薬を検討することが推奨されます。
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子どもにもクラリチンは使えますか?
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はい、使用可能です。年齢別に以下のような対応があります。
年齢 使用可否 用量と剤形 7歳以上 使用可 10mg/日(錠剤またはレディタブ) 3〜6歳 使用可 ドライシロップ1%(1日1回、5mg相当) 3歳未満 使用不可 国内での臨床試験なし/適応外
