アミティーザってどんな薬?慢性便秘に悩む人向けにわかりやすく解説

アミティーザってどんな薬?
慢性便秘に悩む人向けにわかりやすく解説

便秘で『アミティーザ』を処方されました。

自然な排便で、長期使用の効果も研究されている薬ですね。

アミティーザはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ルビプロストン(アミティーザ®)とは

ルビプロストンは、小腸上皮の「ClC-2クロライドチャネル」を活性化し、腸管内に水分を分泌させて便を軟らかくし、自然な排便を促すお薬です。

「アミティーザ®カプセル(12μg/24μg)」として、**慢性便秘症(器質的疾患を除く)**に保険適用されています。
従来の下剤とは異なる、新しい作用機序を持つ治療薬です。


特徴:アミティーザが選ばれる理由

✅ 世界初の作用機序「ClC-2チャネル活性化」

水分を小腸内へ分泌させることで、便を自然に軟らかくします。

✅ 排便までが早い

試験では約60%の方が24時間以内に排便を認めています。

✅ 症状の幅広い改善

  • 排便困難
  • 残便感
  • お腹の張り など、便秘に伴う不快な症状も軽減されます。

✅ 長期使用でも効果維持

48週間の長期投与でも、自発排便の改善効果が持続しています。

✅ 同等性あり

1回24μgと、12μg×2カプセルで、効果は同等とされています。


効能・効果

保険適用の対象疾患

  • 慢性便秘症(器質的疾患を除く)

※薬剤性・症候性の便秘に対する臨床試験は実施されていません。


有効性:臨床試験での結果

国内第III相試験(4週間)

  • 対象:慢性便秘症患者
  • 投与:1日2回24μg
  • 結果
    • 初回投与24時間以内に排便…約58%
    • 排便回数の増加(プラセボとの差:+2.40回/週)

国内長期試験(48週間)

  • 対象:209名の便秘症患者
  • 効果:自発排便回数の改善が継続
  • 対応
    • 減量:45%
    • 休薬:16%

海外試験(12週間/オピオイド使用中の便秘)

  • 週3回以上の排便を得た割合:アミティーザ群 27.1% vs プラセボ群 18.9%

用法・用量

標準的な服用方法

  • 通常:1回24μgを朝食後・夕食後の1日2回服用

体調に応じた調整

  • 効果が出過ぎた場合や副作用が出たときは、減量や休薬を行うことがあります。

特に注意が必要な方

  • 肝機能障害(中等度~重度)
  • 腎機能障害(重度)

→ いずれも1回24μgを1日1回から慎重に開始


使用できない方(禁忌)

以下に該当する方は服用できません:

  • 腸閉塞のある方・疑われる方(腫瘍、ヘルニア等)
  • 薬の成分にアレルギーのある方
  • 妊婦・妊娠の可能性がある方

→ 妊娠検査での確認や、確実な避妊が求められます。


飲み合わせに注意が必要な薬

明確な併用禁忌は記載されていませんが、以下に注意:

⚠ CYP2A6を阻害する可能性

  • 他の薬の血中濃度に影響を与える可能性あり
  • 持病や併用薬がある場合は医師や薬剤師に相談を

副作用と発生頻度

よくある副作用(5%以上)

  • 下痢(30%)
  • 悪心(23%)
  • 腹痛(6%)
  • 胸部不快感(5%)

その他の副作用(一部抜粋)

項目
神経系頭痛、めまい、失神
消化器嘔吐、腹部膨満、食欲不振
心血管系動悸、ほてり、低血圧
皮膚発疹、紅斑、湿疹

※副作用が出た場合は、減量・休薬で改善することも多いです。
体調の変化があれば、すぐに主治医へ相談を。


まとめ

アミティーザ®は、「便が硬くて出にくい」「残便感がある」といった慢性便秘に悩む方にとって、新しい選択肢となる薬です。
自然に近い排便を促し、長期間でも効果が続く一方、副作用が出ることもあります。

✔ 服用を始める前に、必ず医師と相談を
✔ 自己判断での中断や併用は避けること
✔ 不安な症状があればすぐに報告を

便秘にお困りの方は、我慢せず一度医師にご相談ください。
「アミティーザ®」が、快適な生活の一助となるかもしれません。全性が確認されており、長期使用も可能です。

参考文献・出典

PMDA医薬品医療機器総合機構 添付文書(最新の副作用・用法・禁忌情報)

インタビューフォーム(IF):薬の特徴が詳しく載っている

PubMedなどの国際論文検索サイト

国内治療ガイドライン(便秘症ガイドラインなど)

よくある質問(Q&A)

他の便秘薬とどう違う?アミティーザ(ルビプロストン)の強みは?

アミティーザは、**「クロライドチャネルアクチベーター」**という、ほかの下剤とはまったく違う新しいタイプの薬です。

一般的な下剤(刺激性や浸透圧性)は、大腸を動かしたり水分を引き込んだりして便を出しますが、アミティーザは小腸にあるクロライドチャネルを開いて水分を分泌させ、自然に近い排便を促すのが特徴です。

そのため、

  • 腹痛やクセになりにくい
  • 自然に近い排便ができる
  • 長く使っても効果が続きやすい

という点が評価されています。

アミティーザっていつからある薬なの?

日本では2012年6月に24μg製剤が、2018年9月に12μg製剤が発売されました。

海外では米国をはじめ、シンガポール・メキシコ・タイなどでも慢性便秘症の治療薬として使われています。

アミティーザを1か月使うといくらかかる?

薬価は以下の通りです(2024年7月時点):

製剤名1カプセルあたり1日2回×30日自己負担(3割)
アミティーザ 24μg96.9円約5,814円約1,744円
アミティーザ 12μg×296.4円約5,784円約1,735円

※処方日数や保険点数により、若干の差が生じる可能性があります。

妊娠中でもアミティーザは飲めるの?

妊娠中は服用できません
ラットなどの動物実験で、胎児への悪影響(流産など)が報告されており、非常に慎重な対応が必要です。

服薬前には妊娠していないことを確認する検査が推奨されています。
また、服用中は確実な避妊が必要です。
妊娠が判明したら、すぐに医師へ連絡しましょう。

授乳中だけどアミティーザは飲んでいい?

授乳中の使用は、主治医とよく相談する必要があります。

動物実験では、薬の成分が母乳中に移行することが報告されています。
そのため、当院では処方いたしません。

子どもには使えるの?

アミティーザは、小児には使えません
子どもを対象とした臨床試験は行われていないため、効果や安全性が不明です。