中性脂肪を下げる薬ロトリガとは?効果・飲み方・注意点まとめ
中性脂肪を下げる薬ロトリガとは?
効果・飲み方・注意点まとめ

中性脂肪が高くて『ロトリガ』が処方されました。

ロトリガは、EPAとDHAを含む医療用医薬品で、
高脂血症のうち、特に中性脂肪が高い患者さんで使われることの多い薬です。
ロトリガはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ロトリガとは
ロトリガ粒状カプセル2gは、EPA・DHA製剤に分類される処方薬です。
主成分は、以下の2つです。
- イコサペント酸エチル(EPA-E)
- ドコサヘキサエン酸エチル(DHA-E)
これらは、肝臓からのトリグリセライド(中性脂肪)の放出を抑え、さらに血液中の中性脂肪が減るのを助けることで、中性脂肪を下げる方向に働く薬です。
ロトリガの特徴
ロトリガの大きな特徴は、EPAとDHAを両方含んでいることです。
インタビューフォームでは、日本で初めてEPA-EとDHA-Eを含有した医療用医薬品とされています。
もともとは、ノルウェーのPronova Bio Pharma ASAが製造した高濃度オメガ-3脂肪酸エチルをもとに開発されました。
開発の流れ
- 1994年:ノルウェーで初めて承認
- 2012年9月:日本で「高脂血症」治療薬として承認
また、ロトリガは1日1回から始められる使いやすさも特徴です。
中性脂肪の値に応じて1日2回まで増量できるため、患者さんの状態に合わせて調整しやすい薬です。
効能・効果
ロトリガの添付文書上の効能・効果は、「高脂血症」です。
ただし、使い始める前には、検査で本当に高脂血症であることをしっかり確認する必要があります。
また、薬を使う前提として、食事・運動などの生活習慣の改善を行うことが大切です。
さらに、以下のような動脈硬化や心臓の病気の危険因子も、あわせて見直す必要があります。
- 高血圧
- 喫煙
- 糖尿病 など
治療中は血液中の脂質を定期的に確認し、十分な効果が見られない場合は、薬を続けるかどうかを見直します。
また、ロトリガではLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が上がる可能性があるため、LDLも定期的に検査しながら使います。
有効性(有効性試験等)
国内第III相試験では、生活習慣の改善指導を受けている中性脂肪が高い患者さん610例を対象に、12週間の比較試験が行われました。
12週間の試験結果
- ロトリガ4g/日
空腹時TG変化率は -22.65% - 比較薬のEPA-E 1.8g/日
空腹時TG変化率は -11.30%
この結果から、ロトリガ4g/日は、比較薬よりもより強く中性脂肪を下げる効果(優越性)が確認されました。
一方、ロトリガ2g/日は -10.93% で、EPA-E 1.8g/日に対して非劣性(同程度の効果があること)が示されています。
わかりやすくいうと
- 1日1回2gでも一定の効果が期待できる
- さらにしっかり下げたい場合は1日2回まで増量できる
という位置づけです。
長期投与試験
52週間の長期投与試験でも、中性脂肪の低下は安定して続きました。
- 2g/日:TG変化率 -13.94%
- 4g/日:TG変化率 -25.52%
このため、短期間だけでなく、長く使った場合の効果も確認されている薬といえます。
用法・用量
通常、成人では1回2gを1日1回、食直後に服用します。
中性脂肪高値の程度によっては、1回2gを1日2回まで増量できます。
飲み方で大切なポイント
食直後に飲む
ロトリガは、空腹時だと吸収が悪くなるため、食後すぐの服用が基本です。
噛まずに飲む
本剤は噛まずに服用します。
使用できない方(禁忌)
ロトリガを使用できないのは、出血している方と、本剤の成分に過敏症の既往がある方です。
出血している方の例
- 血友病
- 毛細血管脆弱症
- 消化管潰瘍
- 尿路出血
- 喀血
- 硝子体出血 など
これは、ロトリガに出血しやすくなるおそれがあるためです。
また、禁忌ではないものの、慎重に使う必要がある方もいます。
事前に慎重な確認が必要な方
- 出血しやすい方
- 手術予定がある方
- 肝機能障害のある方
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方
- 授乳中の方
- 小児
特に肝機能障害がある場合は、ASTやALTなどの肝機能検査値を見ながら使うことが望ましいとされています。
使い合わせに注意が必要な薬
ロトリガで特に注意したいのは、以下の薬です。
- ワルファリンなどの抗凝固薬
→ 血液を固まりにくくする薬 - アスピリンなどの抗血小板薬
→ 血小板の働きを抑えて血栓をできにくくする薬
ロトリガにも血小板が集まりにくくなる作用があるため、これらの薬と一緒に使うと、出血しやすくなるおそれがあります。
気をつけたい変化
- 鼻血が増えた
- 歯ぐきから血が出やすい
- 青あざが増えた
- 便が黒っぽい
こうした変化があれば、早めに主治医へ相談するのが安心です。
これは添付文書上の「出血等の副作用に注意すること」を、患者さん向けにわかりやすく言い換えた内容です。
副作用と発生頻度
比較的よくみられる副作用は下痢です。
電子添文では「1〜5%未満」に位置づけられ、インタビューフォームでは**主な副作用として2.5%**と記載されています。
国内第III相試験でも、下痢は以下のように報告されています。
- 2g/日:2.0%
- 4g/日:2.9%
そのほかに報告されている副作用
- 悪心
- 腹痛
- おくび
- 腹部膨満
- 便秘
- 鼓腸
- 頭痛
- めまい
- 発疹
- そう痒
- 鼻出血
- 肝機能検査値の上昇 など
長期投与試験では、副作用全体の発現頻度は以下のとおりでした。
- 2g/日:13.3%
- 4g/日:9.9%
重大な副作用
重大な副作用としては、以下があります。
肝機能障害・黄疸
肝臓の働きが悪くなったり、皮膚や白目が黄色くなったりすることがあります。
心房細動・心房粗動
心房細動・心房粗動は、脈が不規則になったり速くなったりする不整脈です。
PMDAは2024年11月、オメガ-3脂肪酸エチル製剤の「重大な副作用」に、心房細動・心房粗動を追記する改訂を行っています。
受診の目安になる症状
- 動悸
- 脈の乱れ
- 息切れ
- 強いだるさ
- 皮膚や白目が黄色くなる
- 尿が濃い
このような症状があれば、自己判断で飲み続けず、早めに受診してください。
まとめ
ロトリガは、EPAとDHAを含む医療用医薬品で、高脂血症のうち、特に中性脂肪が高い患者さんで使われることの多い薬です。
国内試験では、中性脂肪をしっかり下げる効果が示されており、1日1回から開始できるのも使いやすい点です。
一方で、以下には注意が必要です。
- 下痢
- 肝機能障害
- 心房細動・心房粗動
- 出血リスク
健診で中性脂肪高値を指摘された方や、すでに処方されていて不安がある方は、検査値や併用薬もふまえて主治医に相談しながら使うことが大切です。
参考文献・出典
- PMDA(医薬品医療機器総合機構) 添付文書
- インタビューフォーム(武田薬品)
- 動脈硬化性疾患予防ガイドライン(日本動脈硬化学会)
- KEGG DRUG(薬の基本情報)
- JAPIC(医薬品情報)
よくある質問(Q&A)
-
ロトリガの強みは?他の中性脂肪の薬と何が違う?
-
ロトリガの一番の特徴は、EPAとDHAの両方が入っていることです。
他の代表的な薬との違い
- EPA製剤(例:エパデール)
→ EPAだけが主成分 - ロトリガ
→ EPA+DHAの両方を含む
そのため、ロトリガは
👉 よりしっかり中性脂肪を下げる効果が期待できる
👉 1日1回から使える(飲みやすい)一方で、
👉 LDLコレステロール(悪玉)が上がる可能性がある
という点は注意が必要です。
- EPA製剤(例:エパデール)
-
ロトリガはいつ発売された薬?
-
ロトリガは
- 海外:1994年(ノルウェー)に初承認
- 日本:2012年9月に承認
比較的新しめの中性脂肪の薬で、
海外では長く使われている実績があります。
-
1か月飲むといくらくらい?(薬代の目安)
-
ロトリガの薬価は
👉 1包(2g)あたり 約144円1日1回(2g)の場合
- 1日:約144円
- 30日:約4,320円
自己負担の目安
- 3割負担:約1,300円
- 1割負担:約430円
1日2回(4g)の場合
- 約8,640円/月
- 3割負担:約2,600円
※実際は診察料・調剤料などが別途かかります
-
効果はどのくらい続く?持続時間は?
-
ロトリガは、すぐに効く薬ではなく、じわじわ効くタイプです。
効果が出るまで
- 早い人で:2〜4週間
- しっかり評価:8〜12週間
効果の持続
- 飲み続けている間は効果が持続
- 中止すると元に戻ることが多い
👉 生活習慣改善とセットで継続する薬です
-
妊娠中でも使える?赤ちゃんへの影響は?
-
結論
👉 基本は慎重に判断(必要な場合のみ使用)
理由
- 人での十分な安全性データが少ない
- 動物実験では問題ないが、人での確実な安全性は未確立
ポイント
- 医師が「メリットが上回る」と判断した場合のみ使用
- 自己判断での継続はNG
👉 妊娠中は必ず主治医に相談してください
-
授乳中でも使える?母乳に影響はある?
-
結論
👉 使用するかは慎重に判断(ケースバイケース)
理由
- 動物実験で母乳への移行あり
- 人でのデータは十分ではない
対応の考え方
- 薬を優先 → 授乳を中止
- 授乳を優先 → 薬を中止
👉 医師と相談して決めるのが基本です
-
子どもでも使える薬?
-
結論
👉 基本的に子どもには使われません
理由
- 小児での臨床試験が行われていない
- 安全性・有効性が確立していない
👉 子どもの中性脂肪はまず生活改善が優先されます
-
一緒に飲んではいけない薬はある?
-
完全に「絶対ダメ」という薬はありませんが、
出血しやすくなる薬には注意が必要です。注意が必要な薬
- ワルファリン(血をサラサラにする薬)
- アスピリン など
なぜ?
ロトリガにも
👉 血を固まりにくくする作用があるためこんな症状に注意
- 鼻血が増える
- あざが増える
- 歯ぐきから出血
👉 気づいたら早めに医師へ相談
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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