花粉症の貼り薬「アレサガテープ」とは?飲み薬が苦手な人におすすめ?
花粉症の貼り薬「アレサガテープ」とは?
飲み薬が苦手な人におすすめ?

錠剤がのめないので『アレサガ®テープ』が使えますか。

アレサガ®テープは、皮膚から薬を吸収させる新しい選択肢として登場しています。
世界で初めて承認された経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤とされています。
アレサガ®テープはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
アレサガ®テープとは
アレサガ®テープは、エメダスチンフマル酸塩を有効成分とする、皮膚に貼って使うアレルギー性鼻炎治療薬です。
いわゆる抗ヒスタミン薬の一種で、
- 鼻水
- くしゃみ
- 鼻づまり
などのアレルギー症状をやわらげるために使われます。
製剤は貼り薬で、
- アレサガ®テープ4mg
- アレサガ®テープ8mg
の2規格があります。
飲み薬ではなく、皮膚に貼ることで薬が少しずつ体の中に入っていき、効果が長く続きやすいのが特徴です。
アレサガ®テープの特徴
アレサガ®テープの大きな特徴は、アレルギー性鼻炎に使う貼り薬であることです。
エメダスチンフマル酸塩そのものは、もともと飲み薬として使われてきた成分ですが、アレサガ®テープはその成分を貼り薬にした新しいタイプの製剤として開発されました。
日本ではこれまで、抗ヒスタミン薬は飲み薬や点鼻薬が中心でした。
その中でアレサガ®テープは、皮膚から薬を吸収させる新しい選択肢として登場しています。製造販売元の資料では、世界で初めて承認された経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤とされています。
患者さんにとっての主なメリット
1日1回で、24時間効果が期待できる
貼っている間に薬が安定して吸収されるため、薬の効き方が急に弱くなりにくいように設計されています。
飲み込みが苦手な方にも使いやすい
飲み薬が苦手な方や、高齢の方、誤嚥(ごえん:食べ物や薬が気管に入ってしまうこと)が心配な方にも使いやすい可能性があります。
貼ってあるかを目で確認しやすい
家族や介護者が、貼っているかどうかを見て確認しやすいのも利点です。
飲み忘れや、反対に重ねて使ってしまうことの防止にもつながります。
食事の影響を受けにくい
食前・食後を細かく気にせず使いやすいため、日常生活の中に取り入れやすい薬です。
効能・効果
アレサガ®テープの効能・効果は、アレルギー性鼻炎です。
季節性アレルギー性鼻炎、いわゆる花粉症の方にも、通年性アレルギー性鼻炎の方にも使用が検討されます。
一方で、同じエメダスチン成分でも、アレサガ®テープ自体の適応はアレルギー性鼻炎です。
じんましんや湿疹などを目的に使う薬ではありません。
有効性(有効性試験等)
アレサガ®テープの効果は、国内の第III相試験で確認されています。
季節性アレルギー性鼻炎の試験
季節性アレルギー性鼻炎の患者さんを対象に、4mgまたは8mgを1日1回、2週間使用した比較試験では、主要評価項目である鼻症状合計スコア(くしゃみ・鼻汁・鼻閉の合計点)で、プラセボより有意な改善が示されました。
変化量は、
- プラセボ群:-0.29
- 4mg群:-1.10
- 8mg群:-1.35
でした。
つまり、4mg・8mgのどちらでも効果が確認され、8mgのほうが改善量はやや大きい結果でした。
通年性アレルギー性鼻炎の長期試験
通年性アレルギー性鼻炎の患者さんを対象とした、最長52週間の長期投与試験でも、投与開始1週後から鼻症状スコアの低下がみられ、その改善は52週まで維持されました。
最終評価時の変化量は、
- 4mg群:-2.59
- 8mg群:-2.47
でした。
このようにアレサガ®テープは、短期間の症状改善だけでなく、長く使う中でも症状のコントロールが期待できる薬といえます。
用法・用量
通常、成人にはエメダスチンフマル酸塩として1回4mgを、
- 胸部
- 上腕部
- 背部
- 腹部
のいずれかに貼付し、24時間ごとに貼り替えます。
症状に応じて、1回8mgに増量できます。
使うときに知っておきたいポイント
貼る場所
傷がある場所や、湿疹・皮膚炎がある場所には貼らないようにします。
貼る前の準備
貼る前は皮膚を清潔にし、汗や水分をよく拭き取ってから使います。
毎回同じ場所に貼らない
皮膚への刺激を減らすため、貼る場所は少しずつ変えることが大切です。
途中ではがれたとき
途中ではがれた場合は、その時点で新しいテープを貼ります。
そのうえで、次の貼り替えはもともとの予定時刻に行います。
貼り替え時間の決め方
1日ごとに貼り替える薬なので、入浴の時間もふまえて、続けやすい時刻を決めておくと使いやすくなります。
使用できない方(禁忌)
アレサガ®テープを使用できないのは、本剤の成分に対して過敏症の既往がある方です。
過去にこの薬で、
- 強いかぶれ
- 発疹
- 息苦しさ
などのアレルギー反応が出たことがある場合は使用できません。
また、禁忌(使ってはいけない)ではないものの、使用前に医師へ相談したい方もいます。
- 肝機能障害がある方
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある方
- 授乳中の方
- 長期ステロイド療法を受けている方
- 高齢の方
- 小児
(小児を対象とした臨床試験は実施されていません)
使い合わせに注意が必要な薬
アレサガ®テープは、眠気を強める可能性がある薬との併用に注意が必要です。
具体的には、
- 向精神薬
- 鎮静薬
- 催眠薬
- 他の抗ヒスタミン薬
などです。
これらを一緒に使うと、眠気や集中力の低下が強く出るおそれがあります。
また、アルコールにも注意が必要です。
飲酒によって、中枢神経系の副作用、特に眠気が強くなることがあります。
アレルギー薬や風邪薬の中には、抗ヒスタミン成分を含むものがあります。
市販薬も含めて、今使っている薬は受診時に必ず伝えるようにしてください。
副作用と発生頻度
アレサガ®テープで比較的よくみられる副作用は、貼った部位の皮膚症状と眠気です。
主な副作用として報告されているのは、次のとおりです。
- 適用部位紅斑:10.9%
(貼った場所の赤み) - 適用部位そう痒感:4.5%
(貼った場所のかゆみ) - 適用部位丘疹:2.0%
(貼った場所のぶつぶつ) - 眠気:4.9%
貼り薬なので、飲み薬以上にまず気をつけたいのは皮膚トラブルです。
赤み、かゆみ、ぶつぶつが出た場合は貼付部位を確認し、症状が続くときは医療機関へ相談してください。
また、アレサガ®テープは眠気を起こすことがある薬です。
添付文書でも、自動車の運転など危険を伴う機械の操作には十分注意することとされています。
特に、8mgのほうが4mgより眠気が出やすい傾向があるため、増量時は注意が必要です。
季節性アレルギー性鼻炎を対象とした試験
副作用発現頻度は、
- 4mg群:11.2%
- 8mg群:14.2%
でした。
主な副作用は、
4mg群で
- 適用部位紅斑 3.9%
- 傾眠 3.4%
- 適用部位そう痒感 2.3%
8mg群で
- 適用部位紅斑 5.0%
- 傾眠 4.7%
- 適用部位そう痒感 2.6%
でした。
長期投与試験
副作用発現頻度は、
- 4mg群:26.6%
- 8mg群:23.6%
でした。
主な副作用は、
4mg群で
- 適用部位紅斑 16.9%
- 適用部位そう痒感 11.3%
- 傾眠 6.5%
8mg群で
- 適用部位紅斑 15.4%
- 傾眠 10.6%
- 適用部位そう痒感 9.8%
でした。
そのほかにみられることがある症状
このほか、
- 発疹
- 色素沈着
- 口の渇き
- 頭痛
- ふらつき
- 肝機能検査値の上昇
などがみられることがあります。
強い眠気、広い範囲の皮膚症状、日常生活に支障が出る症状がある場合は、自己判断で続けず、医師や薬剤師に相談することが大切です。
まとめ
アレサガ®テープは、アレルギー性鼻炎に使う1日1回の貼り薬です。
飲み薬が苦手な方や、服薬管理をしやすい方法を探している方にとって、有力な選択肢になり得ます。
一方で、貼った場所の赤みやかゆみ、眠気には注意が必要です。
特に8mgでは眠気が強く出ることがあるため、症状の強さと副作用のバランスを見ながら使うことが大切です。
花粉症や通年性アレルギー性鼻炎で、
「飲み薬以外の治療法も知りたい」
「アレサガ®テープが自分に合うか気になる」
という方は、診察時に相談してみるとよいでしょう。
参考文献・出典
医薬品医療機器総合機構(添付文書・審査報告書)
日本アレルギー学会(ガイドライン)
KEGG DRUGデータベース(薬理・分類情報)
👉 特にPMDAの添付文書は、
副作用や使い方を確認するうえで最も信頼性が高い資料です。
よくある質問(Q&A)
-
アレサガテープはどれくらいで効き始めますか?どれくらい続きますか?
-
貼ってから数時間以内に効果が出始めるとされており、
その後は約24時間しっかり効果が続く設計です。これは、皮膚からゆっくり薬が体に入ることで、
血中濃度(体の中の薬の量)が安定するためです。👉 そのため、1日1回の貼り替えでOKです。
-
アレサガテープの強みは?飲み薬と何が違うの?
-
一番の違いは、「貼るだけで1日効く」ことです。
主な強み
- ✔ 飲まなくていい(飲み忘れ防止)
- ✔ 1日1回でOK(楽に続けやすい)
- ✔ 効果が安定しやすい(効きムラが少ない)
- ✔ 食事の影響を受けない
飲み薬との違い
- 飲み薬 → 飲むタイミング・食事の影響あり
- テープ → 貼るだけ・時間を気にしなくていい
👉 「薬を飲むのが苦手」「毎日忘れがち」な人に向いています。
-
アレサガテープはいつ発売された薬ですか?
-
アレサガテープは、2018年1月に承認された比較的新しい薬です。
👉 特徴的なのは、
世界で初めての“貼るタイプの花粉症治療薬”という点です。
-
1か月使うといくらくらいかかりますか?
-
薬価(目安)は以下の通りです。
- 4mg:約53.8円/枚
- 8mg:約72.1円/枚
30日使用した場合(目安)
- 4mg:約1,614円
- 8mg:約2,163円
自己負担額(3割負担の場合)
- 4mg:約480円前後
- 8mg:約650円前後
👉 実際は診察料・調剤料が加わるため、
トータルで1,500〜3,000円程度になることが多いです。
-
妊娠中でも使えますか?
-
妊娠中の使用は、基本的に医師の判断が必要です。
ポイント
- 明確な安全性データは十分ではない
- 必要性が高い場合のみ使用されることがある
👉 自己判断での使用は避け、必ず医師に相談してください。
-
授乳中でも使えますか?
-
授乳中も、医師に相談のうえで判断されます。
ポイント
- 成分が母乳に移行する可能性あり
- 赤ちゃんへの影響は完全には不明
👉 使用する場合は
- 授乳タイミングの調整
- 赤ちゃんの様子観察
などが行われることがあります。
-
子どもでも使えますか?
-
現時点では、小児への安全性は確立されていません。
👉 そのため
基本的に子どもには使われない薬です。医師が必要と判断した場合のみ、慎重に使用されます。
-
眠くなりやすい薬ですか?
-
眠気は比較的少ない方ですが、出ることはあります(約5%)。
特に注意するケース
- 他の抗ヒスタミン薬と併用
- 睡眠薬や安定剤との併用
- アルコール摂取
👉 「絶対に眠くならない薬」ではないので、
車の運転などには注意が必要です。
-
貼る場所で効果は変わりますか?
-
基本的には大きく変わりませんが、
正しく貼ることが大切です。推奨部位
- 胸
- 腕
- 背中
- お腹
注意点
- 傷・湿疹がある場所は避ける
- 毎回同じ場所に貼らない
👉 皮膚トラブル予防のためにもローテーションが重要です。
-
副作用で一番多いのは何ですか?
-
最も多いのは、貼った場所の皮膚トラブルです。
主な副作用
- 赤み(約10%)
- かゆみ
- ぶつぶつ
- 眠気
👉 かぶれやすい人は特に注意し、
症状が続く場合は医師に相談してください。
-
他の薬(ステロイドやプロトピック)と併用できる?
-
併用は状況によって可能です。
皮膚科では実際に:
- 部位ごとに使い分け(顔はタクロリムス、体はコレクチム等)
- 時間帯で使い分け
- 保湿剤との同時併用
が行われています。
ただし、
- 免疫抑制薬
- 内服ステロイド
- 内服JAK阻害薬
は慎重に扱われます。
-
ステロイドで良くならないときに使う薬なの?
-
使われるパターンとして多いのは:
- ステロイドで薄くなりやすい部位(顔/首/皮膚の薄いところ)
- 長期間ステロイドを避けたいケース
- かゆみが強く掻破(そうは)するケース
ただし、全例でステロイドの代わりになる薬ではありません。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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