アロプリノール(ザイロリック)とは?痛風・尿酸値が高いときの効果・飲み方・副作用
アロプリノール(ザイロリック)とは?
痛風・尿酸値が高いときの効果・飲み方・副作用

痛風で『アロプリノール』を使っています。

アロプリノールは、
痛風や「尿酸値が高い」と言われたときに使われます。
体の中で尿酸を作る働きをブロックすることで、
根本から尿酸を減らすタイプの薬です。
アロプリノールは、オンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
目次
アロプリノール(ザイロリック)とは
アロプリノールは一般名、ザイロリックはその先発品の商品名です。
日本の電子添文では、次の病気でみられる高尿酸血症を改善する薬とされています。
- 痛風
- 高尿酸血症を伴う高血圧症
この薬の基本的な働きは、尿酸を作る酵素であるキサンチンオキシダーゼを抑えることです。
その結果、体の中で作られる尿酸が減り、尿酸値を下げていきます。
アロプリノール(ザイロリック)の特徴
アロプリノールは、比較的長い歴史をもつ薬です。
GSKのインタビューフォームでは、
1956年に英国ウエルカム研究所で発見され、
海外では1962年から臨床使用、
日本では1968年に承認、1969年に発売されたとされています。
その後、剤形の変更や承認内容の見直しを経て、2002年に50mg錠が追加されました。
長く使われてきた実績がある点は、この薬の大きな特徴のひとつです。
薬としての特徴
アロプリノールの特徴は、尿酸が作られるのを抑えることにあります。
インタビューフォームでは、次のような点が示されています。
- キサンチンオキシダーゼを特異的に阻害し、尿酸産生を抑える
- 血液中だけでなく、尿中の尿酸値も低下させる
- 尿酸が作られすぎるタイプでも、排泄が低下しているタイプでも、血清尿酸値の改善がみられる
- 長期維持治療でも効果が落ちにくい
つまり、病型にかかわらず使いやすく、長く尿酸値をコントロールしやすい薬といえます。
効能・効果
現在の添付文書上の効能・効果は、下記の場合における高尿酸血症の是正です。
具体的には、
- 痛風
- 高尿酸血症を伴う高血圧症
が対象です。
そのため、「尿酸値が少し高いからすぐ使う薬」ではありません。
患者さんの症状、合併症、治療の必要性をみながら、医師が判断して処方する薬です。
有効性(有効性試験等)
国内の臨床試験では、延べ15施設・343例で有効性が検討されました。
その結果、次のような成績が示されています。
- 痛風:88.0%(146/166例)
- 高血圧症を伴う高尿酸血症:86.4%(153/177例)
もちろん、すべての方に同じように効くわけではありません。
ただ、尿酸コントロールを目指すうえで、長年使われてきた実績のある薬といえます。
用法・用量
通常、成人では1日200〜300mgを2〜3回に分けて食後に内服します。
また、添付文書では、治療初期1週間は1日100mgから始めるのが望ましいとされています。
これは、急に尿酸値が動くことで、かえって痛風発作が一時的に起こりやすくなることがあるためです。
開始時に注意したいこと
添付文書には、次の点も記載されています。
- 急性痛風発作がおさまるまで開始しない
- 投与初期には、一時的に発作が強くなることがある
そのため、「尿酸値を下げる薬だから早く始めればよい」というわけではなく、始めるタイミングも大切です。
腎機能・肝機能が気になる方
次のような方では、特に注意が必要です。
- 腎機能が低下している方
→ 減量や、飲む間隔をあける調整が必要になることがあります。 - 肝疾患のある方
→ 定期的な肝機能チェックが勧められています。 - 高齢の方
→ 腎機能が低下していることが多く、用量に注意が必要です。
生活面での注意
使用中は、水分をしっかり取ることも大切です。
添付文書では、1日の尿量を2L以上に保つことが望ましいとされています。
使用できない方(禁忌)
はっきりした禁忌は、本剤の成分に対して過敏症の既往がある方です。
たとえば、以前にアロプリノールやザイロリックで、
- 強い発疹
- アレルギー症状
- 重い副作用
を起こしたことがある方は使用できません。
慎重な判断が必要な方
次のような方は、禁忌ではなくても特に慎重な判断が必要です。
- 腎機能障害のある方
- 肝疾患のある方
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある方
- 授乳中の方
- 高齢者
受診時には、過去の副作用歴だけでなく、
腎臓や肝臓の病気、妊娠・授乳の状況も必ず伝えましょう。
使い合わせに注意が必要な薬
飲み合わせで特に重要なのは、アザチオプリンとメルカプトプリンです。
これらは、骨髄抑制(血液を作る働きが強く抑えられること)などの副作用が強まるおそれがあり、添付文書では用量を1/3〜1/4に減量するとされています。
かなり重要な相互作用なので、併用中の方は必ず主治医に伝える必要があります。
そのほか注意が必要な薬
次の薬でも、作用が強く出たり、副作用が増えたりする可能性があります。
- ワルファリン
- テオフィリン
- フェニトイン
- シクロスポリン
- シクロホスファミド
- ジダノシン
- クロルプロパミド
- ビダラビン など
また、以下の薬では過敏反応や発疹が出やすくなる報告があります。
- ペントスタチン
- カプトプリル
- ヒドロクロロチアジド
- アンピシリン
処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントも含めて、服用中のものは毎回確認してもらうことが大切です。
副作用と発生頻度
現在の添付文書では、比較的みられる副作用として、次のものが0.1〜5%未満に分類されています。
- 発疹
- 食欲不振
- 胃部不快感
- 軟便
- 下痢
- 全身倦怠感
- 脱毛
このほか、
- 0.1%未満:貧血、浮腫
- 頻度不明:腎機能異常、白血球減少、口内炎、味覚障害、末梢神経障害 など
が報告されています。
重い副作用
重大な副作用として、次のようなものが報告されています。
- 中毒性表皮壊死融解症(TEN)
→ 皮膚が広い範囲でただれたり、はがれたりする重い副作用 - Stevens-Johnson症候群
→ 高熱や発疹、目や口のただれを伴う重い皮膚障害 - 薬剤性過敏症症候群
→ 発疹や発熱に加え、肝障害など全身に影響が出る重いアレルギー反応 - ショック・アナフィラキシー
- 重い血液障害
- 重い肝障害
- 腎障害
- 間質性肺炎
- 横紋筋融解症
- 無菌性髄膜炎
受診の目安
次のような症状があれば、自己判断で続けず、すぐに医療機関へ連絡してください。
- 発熱
- 発疹
- 皮膚がむける
- 息苦しい
- 強いだるさ
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 尿が出にくい
- 筋肉痛
古い副作用集計データ
なお、インタビューフォームにある承認時〜1973年7月までの調査では、副作用は2,866例中118件(4.12%)でした。
主な内訳は次のとおりです。
- 皮疹:0.91%
- 胃部不快感:0.67%
- 下痢:0.49%
- 食欲不振:0.42%
- 痛風発作誘発:0.35%
- 便秘:0.32%
古い集計ではありますが、副作用の全体像を知る参考になります。
まとめ
アロプリノール(ザイロリック)は、尿酸を作る酵素を抑えて尿酸値を下げる薬で、長い使用実績があります。
国内試験でも有効性が示されており、痛風や高尿酸血症の管理で重要な選択肢のひとつです。
一方で、次のような点には注意が必要です。
- 開始初期に痛風発作が悪化することがある
- 腎機能に応じた調整が必要
- 重い皮膚障害を含む副作用に注意が必要
- 飲み合わせに注意が必要な薬が多い
自己判断で量を変えたり中止したりせず、尿酸値や腎機能を確認しながら、医師と相談して続けることが大切です。つきの改善・睡眠効率向上・中途覚醒の短縮が確認
参考文献・出典
厚生労働省:医薬品添付文書
PMDA(医薬品医療機器総合機構):医薬品情報
日本痛風・尿酸核酸学会:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン
KEGG DRUGデータベース
各製薬会社インタビューフォーム
よくある質問(Q&A)
-
アロプリノールってどんな薬?何のために飲むの?
-
尿酸を作るのを抑えて、尿酸値を下げる薬です。
痛風や「尿酸値が高い」と言われたときに使われます。
体の中で尿酸を作る働きをブロックすることで、根本から尿酸を減らすタイプの薬です。
-
この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?
-
長年の実績と、どのタイプの人にも使いやすい点が強みです。
他の代表的な薬(例:フェブキソスタットなど)と比べると、
- ✔ 60年以上の使用実績がある(安心材料)
- ✔ 尿酸が多く作られるタイプでも、排泄が少ないタイプでも使える
- ✔ 薬価が安く、後発品も豊富
一方で、
- 新しい薬より副作用(特に皮膚障害)に注意が必要
- 腎機能によっては用量調整が必要
👉 「実績重視・コスト重視ならアロプリノール」という位置づけです。
-
先発薬はいつから使われているの?
-
日本では1969年から使われています。
- 発見:1956年(イギリス)
- 海外使用開始:1962年
- 日本承認:1968年
- 日本発売:1969年
👉 非常に長い歴史があり、昔から使われている定番薬です。
-
1か月飲むといくらくらい?
-
目安は1か月で約700〜1,000円(3割負担)です。
例:1日200mg(100mg錠×2)の場合
- 薬価(先発):約11.8円/錠
→ 約24円/日
→ 約720円/月(薬価ベース)
💡自己負担(3割)の場合
👉 約200〜300円程度/月※後発品ならさらに安くなることもあります
- 薬価(先発):約11.8円/錠
-
どれくらいで効き始める?いつまで続く?
-
数日〜1週間で尿酸値が下がり始め、効果は飲み続ける限り持続します。
- 効果発現:数日〜1週間程度
- 安定した効果:数週間〜数か月
- 持続:毎日飲めば持続
👉 ただし、最初は逆に痛風発作が出ることがあるため注意が必要です。
-
妊娠中でも使える?
-
原則として慎重に判断され、必要な場合のみ使用されます。
- 明確な安全性は確立されていない
- 動物実験では影響が示唆された報告あり
👉 基本は「必要性が高い場合のみ」医師が判断して使用
💡自己判断での継続・中止はNG
必ず医師に相談してください。
-
授乳中でも使える?
-
母乳に移行するため、注意して使用します。
- 母乳中に移行することが確認されている
- 赤ちゃんへの影響ははっきりしない
👉
場合によっては授乳を避ける選択も
使用する場合:授乳を続けるか中止するかを医師と相談
-
子どもでも使えるの?
-
基本は慎重に使用され、一般的にはあまり使われません。
- 小児への使用経験は限られている
- 特別な病気(例:腫瘍など)で使われることはある
👉
通常の痛風や尿酸値の高さでは、小児への使用は一般的ではない
→ 必ず専門医の判断が必要です。
-
副作用が心配…どこに注意すればいい?
-
特に「皮膚症状」と「全身症状」に注意が必要です。
注意したい症状:
- 発疹
- 発熱
- 皮膚がむける
- 強いだるさ
👉 これらは重い副作用のサインの可能性あり
→ すぐ受診してください
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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