かゆみ・湿疹・水虫に…皮膚のトラブルに十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)って効くの?
かゆみ・湿疹・水虫に…
「皮膚のトラブルに十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)って効くの?

にきびで『十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)』を飲んでいます

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、
皮膚の化膿性疾患(おできやにきびなど)、
じんましん、急性湿疹、水虫などに使用される漢方薬です。
十味敗毒湯はオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)とは
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、皮膚の化膿(かのう)や赤み・かゆみなどに対して処方される医療用漢方薬です。江戸時代の医師・華岡青洲(はなおかせいしゅう)が、『万病回春(まんびょうかいしゅん)』の「荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)」をもとに創案しました。現在は「十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)」として保険適用で処方されることがあります。
特徴
● 歴史と由来
江戸時代、華岡青洲が10種の生薬を組み合わせて創製した処方です。「十味」は10の生薬を、「敗毒」は皮膚にたまった毒素(膿など)を取り除くという意味から名付けられました。
● 製剤技術の工夫
- 10種の生薬(キキョウ、サイコ、センキュウ、ブクリョウ、ボクソク、ドクカツ、ボウフウ、カンゾウ、ケイガイ、ショウキョウ)を水だけで煎じてエキスを抽出。
● 薬理作用
薬効薬理試験では、抗アレルギー作用が認められており、かゆみや赤みの緩和に役立つとされています。特に、カンゾウ(甘草)由来のグリチルリチン酸が関与しています。
効能・効果(適応症)
- 化膿性皮膚疾患
- 急性皮膚疾患の初期段階
- じんましん(蕁麻疹)
- 急性湿疹
- 水虫(足白癬)
※漢方では「証(しょう)=体質や症状の傾向」を見て適応判断するため、上記に当てはまっても必ず医師の診断が必要です。
用法・用量
- 通常、食前または食間に服用(吸収を高めるため空腹時が望ましい)。
- 製剤によって異なりますが、例として錠剤の場合は1日18錠を2~3回に分けて服用。
- 年齢・体重・症状に応じて用量を調整。
- 効果が不十分な場合は継続しないことが原則です。
使用できない方・注意が必要な方
● 明確な「禁忌」はありませんが、以下の方には慎重な使用が求められます:
- 生薬にアレルギーのある方
- 体力が極端に低下している方:皮膚症状が悪化する可能性あり
- 胃腸が弱い方、食欲不振や嘔吐がある方:下痢や悪化の恐れ
- 妊婦・妊娠の可能性がある方:有益性が危険性を上回る場合にのみ使用
- 授乳中の方:授乳継続の可否を医師と相談
- 小児:十分な臨床試験データがなく慎重投与
- 高齢者:生理機能の低下により、減量などの調整が必要
飲み合わせ注意(相互作用)
カンゾウ(甘草)を含む製剤との併用に注意が必要です。以下のような薬剤と併用すると、副作用のリスクが高まります。
● 注意が必要な併用薬
- 芍薬甘草湯
- 補中益気湯
- 抑肝散
- グリチルリチン酸を含む漢方や配合錠、シロップなど
● なぜ注意が必要か?
- グリチルリチン酸はカリウムの排出を促進する作用があり、低カリウム血症(けいれん・筋力低下)や偽アルドステロン症(むくみ・高血圧など)のリスクが高まります。
副作用とモニタリング
● 重篤な副作用(頻度不明)
- 偽アルドステロン症:むくみ、体重増加、血圧上昇、だるさ、血液中カリウム低下
- ミオパチー:筋力低下、四肢のけいれん、まひ感など(低カリウムが原因)
→ 異常を感じた場合はすぐに受診を。
● その他の副作用
- 過敏症状:発疹、かゆみ、じんましん
- 消化器症状:食欲不振、胃の不快感、悪心、下痢など
● モニタリングのポイント
- 血圧や血清カリウムの定期的な確認が推奨されます。
- むくみ、力が入りにくい、こむら返りが多いなどは医師に伝えてください。
まとめ
- 十味敗毒湯は、皮膚の急性炎症やじんましん、水虫などに使われる医療用漢方です。
- 10種の生薬を煎じたエキスを顆粒化し、抗アレルギー作用を活かして処方されます。
- 食前または食間に内服し、効果がなければ継続は避けます。
- カンゾウ(グリチルリチン酸)含有薬との併用は要注意。むくみ・けいれんなどの異常があれば中止し、早めに受診を。
- 妊娠・授乳中、小児、高齢者などでは個別に評価が必要です。
ご相談ください
当院では、皮膚症状や体質(証)を丁寧に診断した上で処方を検討します。
現在使っているお薬(市販薬・健康食品・他の漢方薬など)をご持参のうえ、お気軽にご相談ください。、最適な治療計画をご提案します。
気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。
参考文献・出典
【KEGG DRUG】: D06982
【PMDA 添付文書】「ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)」
【JAPIC 薬剤情報データベース】
【ツムラ公式】インタビューフォーム・製品情報
よくある質問(Q&A)
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十味敗毒湯はどんな症状に使う漢方薬ですか?
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十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、皮膚の化膿性疾患(おできやにきびなど)、じんましん、急性湿疹、水虫などに使用される漢方薬です。とくに皮膚の炎症が始まった初期段階での使用が効果的とされています。
-
この薬の同じ系統の既製漢方薬と比べて、十味敗毒湯の強みは何ですか?
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十味敗毒湯の強みは、「抗アレルギー作用が明確に確認されている」点にあります。
さらに、江戸時代の華岡青洲による創製で、皮膚疾患に特化した処方であることが特徴です。皮膚症状に幅広く対応できる点で、他の消炎・解毒系の漢方(例:荊芥連翹湯など)に比べて適応の幅が広く、アレルギー性のじんましんなどにも有用です。
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先発薬の発売年はいつ?
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医療用漢方製剤としてのツムラ十味敗毒湯エキス顆粒は1985年(昭和60年)に承認されました。
なお、十味敗毒湯自体は江戸時代に華岡青洲によって創製された歴史ある処方です。
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1か月(30日)処方時の薬価と自己負担額の目安は?
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例)ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)
- 薬価:14.1円/g
- 1日量:約7.5g(通常用量)
- 30日分:317円 × 30日 = 約9,510円(薬価ベース)
【自己負担目安(3割負担の場合)】
→ 約2,850円前後/30日分(薬局調剤料など除く概算)
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どれくらいで効き始めて、効果はどのくらい続く?
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● 作用発現時間: 体質により異なりますが、数日~1週間ほどで皮膚症状に変化を感じるケースが多いとされます。
● 持続時間: 生薬の効果は緩やかに持続しますが、1日2~3回の服用が必要です(体質改善的な意味も含むため、即効性より“継続で効く”印象)。
※急性症状での使用の場合は短期間で効果を見ながら判断されます。
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妊娠中でも十味敗毒湯は使えるの?
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慎重投与です。
妊娠中は原則として「有益性が危険性を上回るときのみ使用」とされています。カンゾウ(甘草)による偽アルドステロン症リスクがあるため、むくみ・高血圧などの兆候には注意が必要です。→ 妊娠中に処方された場合は、必ず医師の管理下で使用してください。
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授乳中の服用は大丈夫?
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母乳への明確な移行データはありませんが、使用は可能とされることがあります。
ただし、カンゾウの影響による電解質異常などがまれに起こるため、医師と相談の上、授乳を続けるか中止するかの判断が必要です。
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子どもに使っても大丈夫?
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小児への使用は慎重に行われます。
ツムラの添付文書では、「小児等を対象とした臨床試験は実施していない」とされていますが、医師の経験的判断で処方されることはあります。使用時は、年齢や体重に応じた適切な用量調整が不可欠です。
また、服用時の味やにおいで嫌がる場合もあるため、剤形の工夫(錠剤or顆粒)も検討されます。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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