足のかゆみやカンジダに「アトラント」ってどんな薬?1日1回で効く外用薬の効果と使い方

水虫で『アトラント』を使っています。

アトラントは、真菌に加えて一部の細菌(グラム陽性菌・嫌気性菌)にも効果があり、
幅広い皮膚感染症に対応できます。
アトラントはオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
アトラント®(ネチコナゾール塩酸塩)とは
**アトラント®**は イミダゾール系の抗真菌外用薬 で、以下のような皮膚の真菌感染症に使用されます。
- 白癬(はくせん):足・体・股にできるかゆみのある皮膚病
- 皮膚カンジダ症:指の間や皮膚のこすれやすい部分にできる湿疹
- 癜風(でんぷう):皮膚がまだらに変色する症状
1日1回の塗布で十分な効果が得られ、皮膚への刺激も少ないことが特徴です。
イミダゾール系とは?
イミダゾール系とは、真菌(カビ)の細胞膜の成分「エルゴステロール」の合成を妨げる抗真菌薬の一種です。 細胞膜の形成ができなくなることで、カビの増殖を抑えたり死滅させたりします。 皮膚感染症の治療に広く使われています。
アトラント®の特徴
広い抗菌スペクトル
皮膚糸状菌(いわゆる白癬菌)、酵母状真菌、癜風菌などに強く作用します。 一部の細菌(グラム陽性菌・嫌気性菌)にも効果があり、幅広い皮膚感染症に対応できます。
強力かつ持続的な抗真菌活性
モルモットの皮膚試験で、薬が皮膚内にとどまりやすい(貯留性)ことが確認されました。 そのため1日1回の使用で十分な治療効果が得られます。
剤形バリエーションが豊富
- クリーム
- 外用液(ローション)
- 軟膏
すべて1%濃度で、患部の状態や乾燥・湿潤の程度にあわせて選べます。
効能・効果
- 白癬:足白癬・体部白癬・股部白癬
- 皮膚カンジダ症:指間びらん症・間擦疹
- 癜風
有効性(臨床試験データ)
318例の国内試験で、**総合有効率は89.3%**と高い効果が示されています。
| 疾患名 | 有効率(%) |
|---|---|
| 体部白癬 | 97.0 |
| 股部白癬 | 96.6 |
| 癜風 | 96.7 |
| 足白癬 | 73.2 |
| 指間びらん症 | 95.7 |
| 間擦疹 | 89.8 |
用法・用量
1日1回、患部を清潔にし、乾かした後に薄く塗布します。
※皮膚の表面の菌は消えても、角質の奥に残っていることがあるため、症状がなくなってからも1〜2週間継続することで再発予防になります。
使用できない方(禁忌)
- 本剤の成分にアレルギーのある方(過去にかぶれなどの症状が出たことがある場合)
飲み合わせに注意が必要な薬は?
外用薬なので、全身に吸収される量はごくわずかで、特別な飲み合わせの問題は報告されていません。 ただし、他の外用薬と一緒に使う場合は吸収や刺激性に影響する可能性があるため、医師や薬剤師にご相談ください。
副作用と発生頻度
市販後調査では**1.47%**に副作用が見られました。
主な内容は以下のとおりです。
- 接触性皮膚炎:0.67%
- 投与部位の反応(発赤、刺激感、かゆみなど):0.46%
- 刺激感のみ:0.36%
※重い副作用(全身症状など)の報告はありません。
まとめ
**アトラント®**は、1日1回で効果が得られる使いやすい抗真菌外用薬です。
- 患部の状態に応じて、クリーム・ローション・軟膏を選べる
- 高い治癒率と低い副作用率
- 継続使用で再発予防にもつながる
皮膚のかゆみや赤みが気になる方は、早めに治療することが大切です。 オンライン診療でも対応可能なので、ご自宅から気軽にご相談いただけます。
参考文献・出典
添付文書(久光製薬/PMDA/JAPIC)
インタビューフォーム(久光製薬)
KEGG DRUG:D01620
KEGG DGROUP:DG01883
「臨床皮膚科」や「真菌と真菌症」など国内専門誌
再審査報告書(2000年通知)
血中濃度・臨床成績に関する承認時資料(PMS含む)
よくある質問(Q&A)
-
この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?
-
アトラントは、同じイミダゾール系抗真菌薬の中でも以下の点が強みです:
- 皮膚糸状菌への強力な活性(とくにTrichophyton属に対するMICが低い)
- 皮膚内への貯留性が高く、1日1回の塗布で十分な効果
- 刺激感が少ない剤形バリエーション(クリーム・外用液・軟膏)
- 白癬・カンジダ・癜風に対しバランスよく高い有効率(約90%)
既存薬(クロトリマゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール等)に比べて、皮膚刺激が少ないことと剤形の選択肢が多い点が臨床で高評価されています。
-
先発薬の発売年はいつ?
-
1993年:アトラント®クリーム1%・アトラント®外用液1%が発売
1998年:アトラント®軟膏1%が追加発売
その後、2003年に販売名が変更され現在の名称で再収載されています。
-
1か月(30日)処方時の薬価と実際の目安価格(自己負担額含む)は?
-
アトラントの薬価(すべて先発品)
- クリーム・軟膏:24.3円/g
- 外用液:24.3円/mL
例:1日1回、1部位に1g(または1mL)使用の場合(30日分)
剤形 薬価計 自己負担額(3割) 備考 30gチューブ 約729円 約220円 体部白癬などに1日1回使用想定 30mL外用液 約729円 約220円 足や広範囲の癜風など ※実際の自己負担額は調剤料・管理料などを含めると500〜900円前後が目安です。します。
-
作用が出るまでの時間や効果の持続時間は?
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塗布後8時間以内に皮膚内濃度がピークに達し、その後24時間以内に減衰
モルモット試験では皮膚内への貯留性が示され、1日1回で持続効果が見込まれます
→ **実臨床でも「1日1回の塗布で十分な効果」**が得られる薬剤です。
-
妊娠中に使用しても大丈夫?
-
基本的には慎重に使用されますが、医師の判断で使用されることがあります。
- 動物実験で胎児毒性は報告されていません(ラット・ウサギで催奇形性なし)
- 添付文書上は「妊娠中の使用に関する十分なデータがないため、必要最小限に留めること」とされています
- 広範囲またはびらん面への使用は避けるのが一般的です
※自己判断での使用は避け、医師と相談の上で使用してください。
-
授乳中に使用しても大丈夫?
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通常の範囲での使用であれば、母乳への影響はほとんどないと考えられます。
- 外用薬であり、血中濃度は非常に低く、母乳への移行はごくわずか
- 添付文書では特に「授乳中の使用禁止」は記載なし
- 乳房付近に塗る場合は授乳前に洗い流すなどの配慮が必要
→ 医師の指示に従えば使用可能とされています。
-
子どもにも使える薬ですか?注意点はありますか?
-
使用可能ですが、以下の点に注意が必要です。
- 添付文書上、小児に対する使用制限は明記されていません
- 乳幼児など皮膚が薄く吸収が高い層では、広範囲塗布は避ける
- びらん面やオムツかぶれへの誤使用にも注意が必要
→ 医師の診察を受けた上で、使用部位や量に配慮すれば小児にも使用可能です。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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