頭皮のかゆみ・足の皮むけ…放っておくと悪化する「白癬」に効くニゾラールローション

頭皮のかゆみ・足の皮むけ…
放っておくと悪化する「白癬」に効くニゾラールローション

頭皮の脂漏性皮膚炎の診断で『ニゾラールローション』を使っています。

真菌で頭皮のかゆみやフケが長引く場合ローションタイプがあり使いやすいお薬です

ケトコナゾール(ニゾラール®)はオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ケトコナゾール(ニゾラール®)とは

ケトコナゾールは「イミダゾール系」と呼ばれる外用抗真菌薬で、水虫を中心とした皮膚の感染症に使われます

📌 「イミダゾール系」とは? カビの細胞膜を作る酵素をブロックし、成長や繁殖を止めるタイプの薬です。

体内(血液)への吸収がほとんどなく、全身への副作用が少ないのも特徴です。


ケトコナゾールの特徴

▶ 開発の経緯

  • 1976年:ベルギー・ヤンセン社が合成
  • 1988年~:日本で臨床試験開始
  • 1993年:クリーム剤が承認
  • 1997年:脂漏性皮膚炎に国内初の効能追加
  • 2003年:頭部にも使いやすいローション剤が登場

▶ 高い抗真菌活性

白癬菌・カンジダ属・癜風菌(マラセチア菌)など、さまざまな真菌に強く作用します。

▶ 優れた浸透力と持続効果

  • 角質層(皮膚の一番外側)に浸透し、長時間とどまる性質あり
  • 動物実験で72時間後でも感染を防ぐ効果が確認

▶ 脂漏性皮膚炎にも効果あり

皮脂を好む癜風菌(Malassezia属)に効くため、頭皮のかゆみやフケの改善にも有効です。


効能・効果

以下の皮膚真菌症に使用されます:

  • 白癬(足白癬・体部白癬・股部白癬)
  • 皮膚カンジダ症(指間びらん症・間擦疹・乳児寄生菌性紅斑)
  • 癜風(背中や首の皮むけ)
  • 脂漏性皮膚炎(頭皮のかゆみ・フケ)

有効性(臨床試験データ)

● 白癬・皮膚カンジダ症・癜風(1日1回塗布、計245例)

疾患名菌陰性化率有効率
足白癬76.9%(70/91)71.4%(65/91)
体部白癬80.9%(38/47)80.9%(38/47)
股部白癬97.3%(36/37)94.6%(35/37)
癜風100%(34/34)97.1%(33/34)

● 脂漏性皮膚炎(1日2回塗布、148例)

項目数値
菌陰性化率71.4%(15/21)
改善率79.1%(117/148)

菌の除去と症状改善の両方に優れた効果が報告されています。


用法・用量

適応症1回の使用量塗布回数治療のポイント
白癬・皮膚カンジダ症・癜風患部に薄く塗る程度1日1回症状がなくなっても菌が残る可能性あり。数週間継続が必要
脂漏性皮膚炎同上1日2回洗顔・洗髪後など、清潔な状態で使用することが望ましい

使用できない方(禁忌)

  • ケトコナゾールにアレルギーのある方(過去にかぶれたことがあるなど)

飲み合わせに注意が必要な薬

  • 外用薬なので、体に吸収される量はごくわずかです。
  • ただし、同じ部位に他の薬(特にステロイド)を使う場合は、念のため医師に相談してください。

副作用と発生頻度

ほとんどが軽度で一時的な皮膚症状です。

● よくある副作用(0.1〜5%未満)

  • 接触皮膚炎
  • かゆみ
  • 赤み
  • 刺激感
  • 皮膚のめくれ など

● まれな副作用(0.1%未満)

  • 水ぶくれ
  • ひび割れ
  • 灼熱感
  • 湿疹 など

● 頻度不明の症状

  • じんましん
  • 塗った部分の乾燥、むくみ、違和感など

異常を感じたら使用を中止し、医師に相談してください。


まとめ

**ケトコナゾール(ニゾラール®)**は、白癬・癜風・脂漏性皮膚炎など幅広い皮膚真菌症に対応する抗真菌薬です。

  • 1日1〜2回の使用で高い効果
  • 真菌の除去と再発予防に役立つ
  • 副作用は軽度で、全身への影響も少ない

📌 こんなときは早めにご相談を:

  • 市販の水虫薬で効果が出ない
  • 頭皮のかゆみやフケが長引く

当院ではオンライン診療にも対応しています。 気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。



参考文献・出典

PMDA医薬品添付文書(ニゾラール®クリーム、ローション)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/

KEGG DRUG
→ ケトコナゾールの薬理・薬効・化学情報:https://www.kegg.jp/entry/D00351

医中誌・PubMedでの「ketoconazole」「topical」「Malassezia」等の検索論文

日本皮膚科学会ガイドライン(皮膚真菌症診療ガイドラインなど)

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

ケトコナゾールはイミダゾール系抗真菌薬のひとつで、同じ系統にはミコナゾール、エコナゾールなどがありますが、以下の点が強みです:

角質層への親和性が高く、真菌の根本部に届きやすい

脂漏性皮膚炎に保険適用がある初の外用抗真菌薬

Malassezia(癜風菌)への抗菌力が高いことが実験・臨床で示されており、頭皮のトラブルにも有効

皮膚への浸透性と滞留性に優れており、1日1回塗布でも十分な持続効果

ケトコナゾール(ニゾラール®)の先発品はいつ発売された?

ニゾラール®クリーム(帝國製薬):1993年10月に承認

ニゾラール®ローション(岩城製薬):2003年3月に承認(当初はヤンセンファーマが製造販売)

脂漏性皮膚炎への適応は1997年に追加承認されています

1か月(30日)処方時の薬価と実際の目安価格(自己負担額)は?

使用量により異なりますが、以下は目安です。

製剤薬価(1gあたり)30g使用時の薬価合計自己負担(3割負担)
ジェネリック(クリーム)13.3円/g約400円約120円
先発(ニゾラール®クリーム)16円/g約480円約145円
先発(ニゾラール®ローション)22.1円/g約660円約200円

※診察料・処方料等は別途かかります。

作用発現時間と持続時間は?

作用発現時間:塗布後、皮膚の角質層にすぐに届きますが、症状の改善は数日~1週間程度で実感されることが多いです。

持続時間:動物試験では塗布後72時間経っても感染防御効果が持続しており、1日1回の使用で十分な効果が持続します。

妊娠中の使用は可能ですか?注意点は?

使用は慎重に

外用薬であり皮膚からの吸収は極めて少ないものの、経口投与時には動物実験で催奇形性が報告されています。

医師の判断のもとで、治療上の有益性がリスクを上回る場合にのみ使用されます。

授乳中に使用できますか?母乳への影響は?

外用薬のため、母乳への移行はごくわずかと考えられています。

ただし、授乳中に乳頭や乳輪部に使用する場合は注意が必要です。

医師と相談のうえ、授乳直後に塗布し、次の授乳までに洗い流すなどの対応が推奨されます。

子どもにも使えますか?年齢制限や注意点は?

小児にも使用可能ですが、注意点があります。

低出生体重児や新生児への臨床試験は実施されていないため、慎重に使用されます。

赤ちゃんに使う際は、皮膚の状態や使用部位に応じて、医師の指示を厳守してください。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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