足の指がかゆい…ルリコンってどんな薬?使い方や注意点を解説
足の指がかゆい…ルリコンってどんな薬?
使い方や注意点を解説

水虫で『ルリコン』を使っています。

1日1回の塗布で短期間治療が可能なルリコンは
オンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ルリコナゾール 1%(ルリコン®)とは
ルリコナゾールは、**皮膚真菌症(カビによる皮膚の病気)**に使われる外用抗真菌薬です。薬の分類としては、イミダゾール系に属します。
イミダゾール系とは?
皮膚のカビを治療する薬のグループで、カビの細胞膜を作るために必要な酵素の働きをブロックし、カビの成長を止めたり殺したりします。
📌 イメージ:カビの壁(細胞膜)を作る工場にブレーキをかけるような働きです。
1日1回の塗布で治療できるのが特徴で、日本では以下のように承認されています:
- 2005年:クリーム・液剤
- 2013年:軟膏
特徴と開発の背景
■ 短期間治療をめざして開発
1990年代、日本農薬とポーラ化成が、 **「従来の治療期間の半分で治す」**ことを目標に開発。
- **光学活性体(R‑異性体)**のみを選んで合成することで、 → 効果が強く、安全性も高くなりました。
■ 強い抗真菌スペクトル(幅広いカビに効く)
- トリコフィトン属などの皮膚糸状菌に非常に強力 (※MIC=最小発育阻止濃度:0.00012–0.004 µg/mL)
- カンジダ属・マラセチア属などにも有効
■ 皮膚への高い密着性・貯留性
- モルモット実験で、角層中の薬物濃度が高く保たれた → 短期間の塗布でも効果が持続
剤形と使い分け
使用する部位や使用感に応じて、以下の3つの剤形から選べます:
| 剤形 | 特徴 |
|---|---|
| クリーム | 標準的で扱いやすい |
| 液剤 | 広がりやすく、使用感が軽い |
| 軟膏 | 刺激が少なく、乾燥しやすい部位に向く |
効能・効果
以下の皮膚真菌症の治療に使用されます。
- 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬
- カンジダ症:指間びらん症、間擦疹
- 癜風(でんぷう):マラセチア属による皮膚疾患
臨床試験データ(有効性)
■ 第Ⅲ相試験(クリーム)
- ルリコナゾール2週間 vs ビホナゾール4週間
- 真菌消失率:76.1%(188/247例)
- 皮膚症状改善率:91.5%(226/247例) → 両群で差はなし(非劣勢=「同等の効果がある」と認められた)
■ 液 vs クリームの比較試験(2週間)
- 真菌消失率:65.1% vs 66.3%
- 症状改善率:90.6% vs 88.8% → 差はなく、液でもクリームと同様に有効
用法・用量
- 1日1回、洗って乾かした患部に薄く塗布
- 塗布期間の目安:
- 足白癬:2週間
- その他(体部・股部白癬、カンジダ症、癜風):1〜2週間
※自己判断で中断すると再発リスクがあります。
使用できない方(禁忌)
- 本剤または構成成分にアレルギーがある方
飲み合わせ・併用の注意点
- 全身への吸収が非常に少ないため、飲み合わせの心配は基本的に不要です。
- ただし、他の外用剤と重ねて塗る場合は、刺激や効果の低下を避けるために時間をあけるなどの工夫が必要です。
副作用と注意点
■ 主な副作用(頻度)
| 症状 | 頻度 |
| そう痒感、刺激感、発赤、接触性皮膚炎 | 0.1~5%未満 |
| 灼熱感、ほてり、軽い痛み | 0.1%未満 |
※いずれも軽度かつ局所的で、自然におさまることが多いです。
■ 対処法
- 軽ければ様子を見てOK
- 悪化する場合は使用中止し医師へ
- 目の周りや傷のある部分への使用は避ける
妊婦・小児での使用について
- 妊婦:医師が「必要」と判断した場合のみ使用
- 小児:有効性と安全性の臨床試験データはなし
まとめ
- ルリコナゾール(ルリコン®)は、水虫やカンジダ症に有効な外用抗真菌薬
- 1日1回の塗布で短期間治療が可能
- 副作用は少なく、刺激が少ない剤形も選べる
- 自己判断での中断は再発リスクあり。症状がなくなっても医師の指示に従って使い続けましょう。
📩 当院のオンライン診療でもご相談可能です。 「塗り薬が面倒」「早く治したい」そんな方にも向いています。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
参考文献・出典
PMDA「医療用医薬品 添付文書」:安全性・用法・副作用の一次情報
KEGG DRUG DB(D01980):薬効分類・作用機序の理解に有用
日本皮膚科学会ガイドライン「白癬・カンジダ症・癜風」:治療薬の位置づけが記載
日医工インタビューフォーム(ルリコナゾール):非公開情報まで網羅された資料(製薬会社提供)
医中誌Web、PubMed(“Luliconazole”で検索)などの臨床試験論文
よくある質問(Q&A)
-
この薬の同じ系統の薬と比べて、ルリコンの強みは何ですか?
-
ルリコン(ルリコナゾール)の大きな強みは、短期間で治療効果が得られることです。
一般的な外用抗真菌薬(同じイミダゾール系)では4週間ほど塗る必要がありますが、ルリコンは約2週間の塗布で同等の効果が得られることが臨床試験で確認されています。さらに、以下の点も特徴です:
局所での薬剤の貯留性が高く、1日1回でOK
3剤形(クリーム・液・軟膏)から選べる
強い抗真菌スペクトル(皮膚糸状菌、カンジダ、癜風など広範囲に対応)
-
ルリコン(先発品)はいつ発売された薬ですか?
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クリーム・液剤:2005年4月 承認
軟膏剤:2013年2月 承認
製造販売はサンファーマ株式会社(旧・ポーラファルマ)です。
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ルリコンを1か月(30日)使った場合の薬価と実際の負担額は?
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▼薬価(先発品)
- ルリコンクリーム1%:28.8円/g
- ルリコン液1%:28.8円/mL
- ルリコン軟膏1%:28.8円/g
▼例)1日1回、30日分塗布する場合の薬価目安(1日1g使用の場合)
- 薬価:約865円(28.8円 × 30g)
- 実際の自己負担(3割負担):約260円前後
※処方料・調剤料などは別途かかります。ます
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ルリコンはどれくらいで効きはじめますか?効果はどのくらい持続しますか?
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ルリコンの効果は1日1回の使用で持続する設計です。
塗布開始後すぐにかゆみや赤みがやわらぐケースもありますが、
真菌を完全に消すまでには2週間ほどかかることが多いです。薬の貯留性が高く、角層にしっかり浸透・保持されるため、1日1回の使用でも持続的に効果を発揮します。
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妊娠中にルリコンは使えますか?
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原則として妊娠中は慎重に使用されるべきです。
添付文書では「治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合のみ使用」とされています。- 胎児への影響に関するヒトでの十分なデータはありません
- 動物実験では催奇形性は確認されていませんが、安全性は確立されていません
不安な方は、自己判断での使用は避け、必ず医師に相談しましょう。
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授乳中にルリコンは使えますか?母乳への影響は?
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授乳中の使用について明確な記載はありませんが、
ルリコンは経皮吸収が非常に低く、血中濃度もごくわずかなため、
母乳への影響はほぼないと考えられます。ただし:
念のため使用中は、授乳前に患部を拭き取るなどの対処もおすすめです
乳房や乳輪部など、赤ちゃんの口に触れる場所には使用しないでください
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子どもでもルリコンを使えますか?何歳から?
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ルリコンは小児への使用を前提とした臨床試験が実施されていないため、
添付文書では「小児への有効性・安全性は確立していない」とされています。ただし、医師の判断により実際には処方されることもあります。
使用時は以下の点に注意しましょう:異常が見られた場合はすぐに使用を中止して受診を
皮膚が薄い小児は刺激に注意が必要(赤みやかゆみが出やすい)
顔やびらん面には塗らない



