肩・関節の痛みや腫れの塗り薬|インテバンの使い方と副作用まとめ

肩・関節の痛みや腫れの塗り薬|
インテバンの使い方と副作用まとめ|

関節の痛みで『インテバン軟膏』を塗っています。

鎮痛剤で、湿布ではなく、軟膏、クリームなど塗るタイプのお薬です。

インテバンはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

インドメタシン(インテバン)とは

インドメタシンは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種で、痛みや炎症、腫れなどを抑える働きがあります。 内服薬として長年使われてきましたが、「インテバン」という外用薬としても、軟膏・クリーム・外用液などが開発・販売されています。

外用薬としての利点

インテバンは、塗布した部位に直接作用することで、全身性の副作用を抑えつつ、患部の炎症や痛みの緩和が期待できます。 使用される主な疾患は、変形性関節症・肩関節周囲炎・腱鞘炎・筋肉痛・打撲後の腫れなどです。


開発の経緯

  • 1963年:Shenらによってインドメタシンが合成される
  • 鎮痛・解熱・抗炎症作用が強く評価される一方、副作用の課題も指摘される
  • 局所治療による副作用軽減を目的に、外用剤の開発が進む
  • 1980年:軟膏を発売
  • 1984年:外用液・クリームを発売(アルコール不使用)
  • 2008年3月:「インテバン軟膏1%」「クリーム1%」「外用液1%」に名称変更
  • 2014年:帝國製薬が大日本住友製薬より製造・販売を移管

特徴と作用

高い鎮痛・抗炎症効果

  • NSAIDsの中でも比較的強力な鎮痛作用あり
  • 組織に浸透し、局所の炎症病巣で直接作用

製剤の種類と特徴

  • インテバン軟膏1%
    • 水溶性ゲル化軟膏(ゼリー状)
    • さらっとしていて伸びがよく、べたつきにくい
  • インテバン外用液1%
    • 直接患部に塗布可能な液体タイプ
    • 手を汚さず使える
  • インテバンクリーム1%
    • アルコールを含まず、においや皮膚刺激が少ない

効能・効果

以下の疾患や症状に伴う鎮痛・消炎に使用されます。

  • 変形性関節症
  • 肩関節周囲炎
  • 腱・腱鞘炎、腱周囲炎
  • 上腕骨上顆炎(テニス肘など)
  • 筋肉痛
  • 外傷後の腫脹・疼痛

※原因を治療する薬ではなく、対症療法薬です。


用法・用量

  • 軟膏・クリーム・外用液ともに「症状に応じて1日数回、患部に塗布」
  • 目や粘膜、ただれた皮膚への使用は避ける
  • 使用量や回数は医師の指示に従う

使用できない方(禁忌)

以下の方は使用を避ける必要があります。

  • インドメタシンにアレルギーのある方
  • アスピリン喘息またはその既往歴のある方

併用に注意が必要な薬

  • 他のNSAIDs(内服薬など)
  • 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)

※広範囲や長期間の使用時は、必ず医師に相談



副作用と発現頻度

比較的よくみられる(0.1~5%未満)

  • かゆみ、発赤、発疹

まれに起こる(0.1%未満)

  • ヒリヒリ感、乾燥感、熱感、腫れ など

※異常が出た場合はすぐに使用を中止し、医療機関に相談


有効性の検証

臨床試験結果(インテバン軟膏1%)

  • 変形性関節症:有効率 約45%
  • 肩関節周囲炎:約51%
  • 腱鞘炎・テニス肘:約53%
  • 筋肉痛:約50%
  • 打撲など外傷後の痛み:約68%

※従来薬と比べ、有用性が確認されています。


作用機序と薬理試験

  • 作用機序:プロスタグランジンの合成を阻害
  • 動物試験では、抗炎症・鎮痛作用が確認され、特に塗布部位に集中して効果が現れる


まとめ

インテバンは、痛みや腫れを抑える外用薬として、幅広い疾患に対応できる信頼性の高い製剤です。

  • 鎮痛・抗炎症効果が強力
  • 外用タイプで副作用が少ない
  • 種類が選べて使いやすい

ただし、禁忌・副作用・併用薬には十分注意し、医師の指示に従って使用しましょう。

参考文献・出典

KEGG DRUGhttps://www.kegg.jp/)

JAPIC 添付文書情報https://www.japic.or.jp/)

PMDA医薬品医療機器総合機構 添付文書・インタビューフォーム

よくある質問(Q&A)


Q&A:この薬は、他の同じような塗り薬と比べてどんな強みがありますか?

インテバンは、インドメタシンを有効成分とした塗り薬の中でも、比較的高い鎮痛・抗炎症効果が特徴です。
動物実験や臨床試験において、変形性関節症や外傷後の腫れ・痛みに対して、従来の消炎鎮痛剤と比べて有用性が確認されています
また、軟膏・クリーム・外用液といった複数の剤型が用意されているため、症状や肌質に応じて使い分けしやすい点も強みです。

インテバンはいつから発売されている薬ですか?

外用薬としてのインテバンは、1980年に軟膏が初めて発売されました。
その後、1984年に外用液とクリームが追加され、2008年に現在の名称(インテバン軟膏1%など)に変更されています。40年以上の使用実績がある薬です。

インテバンを1か月(30日)使うと薬代はいくらくらいかかりますか?

薬価は以下のとおりです(すべて1gまたは1mLあたり3.3円):

  • インテバン軟膏1%:3.3円/g
  • インテバンクリーム1%:3.3円/g
  • インテバン外用液1%:3.3円/mL

例えば、1日3gを30日使用すると約90g。**薬価ベースで297円(3割負担で約90円)**程度が目安です。
診察料・処方料・調剤料などは別途かかります。ります。

インテバンを塗ったらすぐ効きますか?どのくらい効果が続きますか?

一般的に、塗布して30分〜1時間ほどで痛みの軽減を感じ始めることが多いとされています。
持続時間は個人差がありますが、4〜6時間程度持つことが一般的です。
ただし、症状の重さや塗る量、部位によって変わるため、継続的な使用が必要なケースもあります。

妊娠中にインテバンは使っても大丈夫ですか?

妊娠中の使用は原則として必要最小限にとどめるべきとされています。
特に妊娠中期以降(妊娠16週〜)は、シクロオキシゲナーゼ阻害による胎児動脈管の収縮や腎障害の報告もあるため、広範囲や長期間の使用は避けてください

当院ではお出ししません。

授乳中でもインテバンは使えますか?母乳に影響しますか?

インドメタシンは母乳中へ移行する可能性があるとされていますが、外用薬として適量を短期間使用する分には大きな影響は少ないと考えられています。
ただし、乳房や赤ちゃんの口に触れる部位への使用は避けるようにしてください。心配な場合は医師または薬剤師に相談を。

子供にも使って大丈夫ですか?

インテバンは小児への使用に関する臨床試験データがなく、安全性が十分に確認されていません
特に乳幼児への使用は避け、使用の必要がある場合は必ず医師の判断を仰ぐ必要があります

当院ではお出ししません。