肩こりや腰の痛みに|病院で出される筋肉をゆるめる薬「ミオナール」とは?

肩こりや腰の痛みに|
病院で出される筋肉をゆるめる薬「ミオナール」とは?

肩こりで『ミオナール』を内服しています。

中枢神経に作用し、筋緊張の改善だけでなく、

血管を拡張して血流増加作用させる薬です。

ミオナールはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

エペリゾン塩酸塩(ミオナール)とは

エペリゾン塩酸塩は、筋肉のこわばり(筋緊張)をやわらげる筋緊張改善薬です。
1983年に「ミオナール」として発売され、長年使用されている実績ある医薬品です。


特徴:筋肉のこわばり+血流の悪循環を断つ

✅ 主な作用

  • 中枢神経に作用して筋肉の緊張をやわらげる
  • 血管を拡張し血流を改善、痛みの悪循環を断ち切る

✅ 痛みの悪循環を遮断

筋緊張亢進 → 血流障害 → 痛み → さらなる緊張
このループを多面的に断ち、症状改善へ導きます。

✅ スムーズな動きをサポート

痙性麻痺のような状態でも筋力を落とさず、動作をスムーズに保ちます。


効能・効果

【筋緊張の改善】

  • 頸肩腕症候群
  • 肩関節周囲炎
  • 腰痛症

【痙性麻痺の改善】

  • 脳血管障害
  • 脊髄疾患(脊髄損傷、頸部脊椎症など)
  • 術後・外傷後の後遺症
  • 難病(ALS、脳性麻痺、SMON など)

有効性(試験データ)

● 筋緊張への有効性

  • 有効率:52.1%
  • やや改善を含むと 80.4%

● 痙性麻痺に伴う症状改善

  • 「つっぱり」への改善率:42.3%
  • 「こわばり」への改善率:45.1%

用法・用量

🔹 通常の服用方法

製剤用量用法
ミオナール錠50mg1回1錠 × 1日3回食後に服用
ミオナール顆粒10%1回0.5g × 1日3回食後に服用

※年齢や症状により調整されることがあります。


使用できない方(禁忌)

以下に当てはまる方は使用できません

  • エペリゾン塩酸塩にアレルギー歴がある方

飲み合わせに注意が必要な薬

⚠ 併用注意薬

  • メトカルバモール
     …類似薬(トルペリゾン)で眼の調節障害が報告されています。

服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に必ず伝えましょう。


副作用と発生頻度

🚨 重篤な副作用(頻度不明)

  • ショック・アナフィラキシー:呼吸困難・蕁麻疹・顔面浮腫など
  • 皮膚障害(TEN・SJS):発熱、水疱、眼の充血など

これらの症状が出た場合は、すぐに服用を中止し医療機関を受診してください。


🌀 比較的よくある副作用

0.1〜5%未満

  • 肝機能異常(AST・ALT上昇など)
  • 消化器症状(胃部不快感、食欲不振、下痢)
  • 精神神経系(眠気、しびれ)
  • 全身症状(脱力感、ふらつき)

頻度不明のもの

  • 発疹、そう痒感、筋緊張低下、浮腫、動悸、口内炎、尿失禁 など

※眠気・ふらつきが出ることがあるため、車の運転は控えましょう。


まとめ|ミオナールは“こわばりの悪循環”に効く薬

  • 中枢神経と血流の両面から、筋肉のこわばりを改善
  • 肩こり、腰痛、神経疾患に伴う痙性などに適応
  • 長期使用実績があり、再審査も終了済み

💡 服用のポイント

持病や併用薬がある方は、必ず医師に伝えることく主治医にご相談ください。

1日3回食後が基本

眠気やふらつきが出たら医師に相談

参考文献・出典

医薬品添付文書(PMDA):https://www.pmda.go.jp

インタビューフォーム(KEGG、JAPIC、製薬企業サイト)

医中誌・PubMed:エペリゾン塩酸塩に関する臨床研究論文

よくある質問(Q&A)

他の筋弛緩薬と比べて、ミオナールにはどんな強みがありますか?

ミオナール(エペリゾン塩酸塩)は、筋肉のこわばりをゆるめる作用に加えて、血流を改善する作用もあるのが特徴です。
同じ系統の筋緊張緩和薬(例:チザニジン、メトカルバモールなど)は中枢性の筋弛緩作用に限定されがちですが、ミオナールは血管拡張作用によって痛みの悪循環を断ち切る点が大きな違いです。
また、随意運動を妨げずに筋肉の緊張を和らげるという点も、痙性麻痺の治療などで評価されています。

ミオナールはいつから使われている薬ですか?

ミオナール(エペリゾン塩酸塩)は1983年2月に日本で発売されました。
もともとはエーザイが1960年代に開発を始め、痙性麻痺に対する効果で1982年に承認を受けています。

ミオナールを30日分もらった場合、どれくらいの値段になりますか?

1日3錠(150mg)を30日分処方された場合の薬価と自己負担目安は以下の通りです。

製品名薬価(1錠あたり)30日分(90錠)薬価自己負担額(3割)
ミオナール錠(先発品)8.6円774円約230円
ジェネリック(例:日医工)6.1円549円約165円

※実際には調剤料や処方料が別途かかります。

ミオナールは飲んでからどれくらいで効き始めますか?効果はどれくらい続きますか?

ミオナールを服用すると、約1.6〜1.9時間で血中濃度のピークに達します。
効果の持続時間(消失半減期)は1.6〜1.8時間程度ですが、1日3回の服用で効果を一定に保つ設計になっています。
即効性はそれほど強くありませんが、継続的に使うことで筋肉のこわばりの改善が期待されます。

妊娠中でもミオナールは使えますか?

妊娠中のミオナール使用は、**「治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用可」**とされています。
明確な催奇形性は報告されていませんが、安全性の十分なデータはなく、基本的には慎重な判断が必要です。

当院ではお出ししません。

授乳中にミオナールを飲んでも大丈夫ですか?

動物実験では、乳汁中への移行が確認されています。
そのため、授乳中の使用については「授乳を続けるか、中止するかを医師と相談のうえ判断」とされています。
母乳への移行リスクがゼロではないため、使用時は慎重に検討されます。

当院ではお出ししません。

ミオナールは子どもにも使えますか?

ミオナールは、小児に対する臨床試験が行われていません。
そのため、基本的には小児への使用は推奨されておらず、慎重投与とされます。
特に5歳未満の子どもには、代謝や副作用のリスクを考慮して原則使用を避けるべきと考えられます。