腰や首の痛みに出される「テルネリン」って大丈夫?副作用や飲み合わせに注意

腰や首の痛みに出される「テルネリン」って大丈夫?
副作用や飲み合わせに注意

肩こりで『テルネリン』を内服しています。

中枢性のアドレナリンα2作動効果により筋緊張の改善させる薬です。

脳性麻痺などにも使用されます。

テルネリンはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

チザニジン塩酸塩(テルネリン)とは

チザニジン塩酸塩は、筋肉のこわばりや過剰な緊張をやわらげるために使われる「筋弛緩薬」です。

日本ではテルネリンという名前で広く知られ、ジェネリック医薬品も多数あります。


✅ 主な作用

  • 脳や脊髄(中枢神経)に働きかけ、筋肉の異常な緊張をやわらげます。
  • これにより、筋肉のつっぱり感や痛みが軽減されます。

チザニジン塩酸塩(テルネリン)の特徴

◆ 中枢に作用するタイプの筋弛緩薬

脳や脊髄に直接作用する「中枢性筋弛緩薬」です。

◆ 服用形態

  • 錠剤(1mg)
  • 顆粒剤(0.2%)

◆ 適応範囲が広い

  • 一般的な筋肉のこわばりだけでなく、
  • **脳性麻痺などによる“痙縮(けいしゅく)”**にも使われます。
    • ※痙縮とは、脳や脊髄の障害により筋肉がつっぱってしまう状態。

◆ 腎機能が弱い人では注意が必要

  • チザニジンは主に腎臓から排泄されるため、
  • 高齢者や腎臓が弱い方では、効きすぎたり副作用が出やすくなることがあります。

効能・効果

◆ 筋肉のこわばりをやわらげる

  • 頸肩腕症候群(首や肩、腕の痛みを伴う症状)
  • 腰痛症 など

◆ 痙性麻痺の症状緩和

以下のような病気に伴う筋肉の異常な緊張(痙縮)に使用されます:

  • 脳卒中後の後遺症(脳血管障害)
  • 痙性脊髄麻痺
  • 頸部脊椎症
  • 脳性麻痺(小児)
  • 脊髄損傷・頭部外傷
  • 脊髄小脳変性症
  • 多発性硬化症
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

有効性(臨床試験データ)

◆ 筋緊張の改善効果(例:肩こり・腰痛)

  • 改善率(中等度以上):55.8%
  • 副作用発現率:6.7%
  • 主な副作用:眠気、胃の不快感、めまい、発疹

◆ 痙性麻痺の改善効果(脳卒中後・脳性麻痺など)

  • 改善率(中等度以上):32.1%
  • 副作用発現率:20.7%
  • 主な副作用:眠気、口の渇き、だるさ、脱力感

※ いずれも2週間以上の服用で有用性が確認されています。


用法・用量(成人の場合)

◆ 筋緊張状態(肩こり・腰痛など)

  • 通常:1回1mgを1日3回、食後に服用
  • 年齢や症状により調整

◆ 痙性麻痺(中枢神経の障害が原因の筋肉のこわばり)

  • 開始:1日3mg(1回1mg × 3回)
  • 段階的に増やして最大1日9mgまで調整可能

※増量は医師の指示のもとで慎重に行います。


使用できない方(禁忌)

以下の方は使用できません:

  • チザニジン成分にアレルギーがある方
  • フルボキサミン(抗うつ薬)、シプロフロキサシン(抗菌薬)を服用中の方
     → これらの薬と一緒に使うと、チザニジンの血中濃度が急上昇し危険
  • 重い肝臓の病気がある方

飲み合わせに注意が必要な薬

◆ 相互作用のある薬と影響

薬の分類注意点
降圧薬利尿薬、血圧を下げる薬血圧が下がりすぎる、脈が遅くなる
中枢神経抑制薬睡眠薬、アルコールなど強い眠気や集中力の低下
CYP1A2阻害薬シメチジン、経口避妊薬、エノキサシン血中濃度が上がり、副作用が出やすくなる
CYP1A2誘導薬リファンピシン、喫煙(1日10本以上)効果が弱くなる可能性

※「CYP1A2」とは、薬を分解する酵素の一種です。


副作用とその頻度

◆ 比較的よくある副作用

  • 眠気、ふらつき、めまい
  • 口の渇き、胃の不快感、吐き気、下痢
  • 倦怠感(だるさ)、脱力感、発疹

◆ 重大な副作用(まれだが注意が必要)

  • ショック症状(顔面蒼白、意識消失など)
  • 急激な血圧低下(特に高齢者や降圧剤使用中)
  • 心不全、呼吸障害
  • 肝炎・黄疸

異常を感じたら、自己判断せずすぐに医療機関へ相談してください。


まとめ

チザニジン塩酸塩(テルネリン)は、筋肉のこわばりやつっぱりをやわらげる薬で、特に神経の病気に伴う痙性麻痺にも効果があります。

◆ 安全に使うためのポイント

  • 眠気が出やすいため、車の運転や危険作業は注意
  • 他の薬との飲み合わせに要注意
  • 定期的に血液検査が必要な場合もあり

症状や体の状態に応じて、医師の指示を守って安全に使用することが大切です。・肝機能などをふまえて医師が判断します。
不安な点があれば、遠慮なく主治医にご相談ください。

参考文献・出典

PMDA 医薬品添付文書
https://www.pmda.go.jp

KEGG DRUG:チザニジン塩酸塩 D00776

インタビューフォーム(サンファーマ提供)

よくある質問(Q&A)

テルネリン(チザニジン)って、他の筋弛緩薬と何が違うの?

テルネリン(チザニジン)は、中枢性アドレナリンα2受容体作動薬という特殊な作用機序を持つ筋弛緩薬です。他の筋弛緩薬(例:エペリゾン、メトカルバモールなど)と比べて以下の点が特徴です:

  • 脊髄・脳幹に直接作用し、痙縮(けいしゅく)に対しても有効
  • γ運動ニューロンの抑制作用により、筋紡錘の感受性を低下させる
  • 慢性的な神経疾患(脳卒中後のこわばりや多発性硬化症など)にも適応がある

つまり、単なる肩こり・腰痛に加え、神経系の病気による筋のこわばりにも効果がある点が強みです。

テルネリンはいつから使われている薬なの?

テルネリンは1984年にスイスで初めて発売され、日本では1988年に錠剤(1mg)が承認されました。顆粒剤(0.2%)はその後の1994年に承認されています。

テルネリンの薬価はいくら?自己負担額の目安は?

2024年時点でのテルネリンの薬価(保険適用・1日3回服用を想定):

  • テルネリン錠 1mg(先発品):8.1円/錠 → 1日3錠で 24.3円/日
  • テルネリン顆粒 0.2%:18.1円/g → 通常1回0.5g使用として 27.15円/日

【30日分の目安負担額(3割負担)】

  • 錠剤:約 220〜250円前後
  • 顆粒:約 250〜300円前後

※処方料・調剤料・薬局ごとの差で上下します。

テルネリンはどのくらいで効き始める?効果はどれくらい続くの?

テルネリン(チザニジン)の薬物動態によると:

  • 効果が出るまでの時間(Tmax):錠剤で約1時間
  • 作用時間(半減期):約1.5時間

ただし、効果持続感はもう少し長く、1日3回の定期服用で安定した効果が出ます。即効性はそこまで強くなく、数日~1週間程度で徐々に効いてくるイメージです。

テルネリンは妊娠中でも使えるの?胎児への影響は?

妊娠中は慎重投与です。
添付文書では「治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ使用」とされています。

  • ラット実験では、高用量で胎児の奇形(脳ヘルニア、小眼球)、出生時死亡率の上昇が報告されています。
  • 人での安全性は確立していません。

当院ではお出ししません。

授乳中にテルネリンを使っても大丈夫?

授乳中の使用は慎重に判断されます。

  • 動物実験では母乳への移行が確認されています。
  • 人での明確なデータは少なく、安全性は不明です。

当院ではお出ししません。

子どもにもテルネリンって使えるの?

小児への使用は基本的に避けられます。

  • 日本では小児への臨床試験が行われていないため、添付文書上も使用は推奨されていません。
  • 小児に対する安全性・効果が確認されておらず、自己判断での使用は厳禁です。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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