腰やひざが痛いときの湿布、モーラスは何が違う?副作用や注意点を解説

腰やひざが痛いときの湿布、モーラスは何が違う?
副作用や注意点を解説

腰痛で『モーラステープ』を使っています。

1994年から発売され、使用している人も多い湿布剤となります。

関節リウマチの方に保険適応があります。

モーラステープはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ケトプロフェン(モーラス)の外用製剤とは

ケトプロフェンは、痛みや炎症を抑える**非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)**の一種です。
その外用剤であるモーラスは、皮膚に貼るタイプの鎮痛・消炎薬で、腰痛や関節痛、筋肉痛などの緩和に広く使われています。


ケトプロフェン(モーラス)の特徴

✅ 1日1回で使いやすい

通常は1日1回貼るだけで効果が持続します。

✅ 全身への負担が少ない

飲み薬に比べて血中濃度が低く、胃腸障害などのリスクが比較的少ないとされています。

✅ 紫外線対策が重要

接触皮膚炎や光線過敏症のリスクがあるため、使用中や使用後も紫外線を避ける必要があります


効能・効果

✅ 痛み・炎症をやわらげる疾患や症状

  • 腰痛症(筋・筋膜性腰痛、変形性脊椎症、椎間板症、腰椎捻挫)
  • 変形性関節症
  • 肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)
  • 腱・腱鞘炎、腱周囲炎
  • 上腕骨上顆炎(テニス肘など)
  • 筋肉痛
  • 外傷後の腫れや痛み
  • 関節リウマチにおける局所の関節痛

有効性(有効性試験など)

一般的な痛みへの有効性(1,206例の国内臨床試験より)

  • 腰痛症:89.8%が改善
  • 変形性関節症:93.4%が改善
  • 筋肉痛:97.3%が改善
  • 外傷後の腫脹・疼痛:97.6%が改善

※改善率は軽度改善以上の割合。投与期間は原則2週間。

関節リウマチでの有効性(676例のプラセボ対照試験)

  • 手関節での痛み軽減において有意な効果あり(p=0.0153)
  • 副作用発現率:8.9%(主に接触性皮膚炎)

用法・用量

  • 1日1回、患部に貼付します。
  • 医師の指示に応じて、1枚または複数枚を使う場合もあります。

※貼付後24時間で新しいものに貼り替えるのが基本です。


使用できない方(禁忌)

以下に該当する方は使用できません

  • ケトプロフェンやモーラス成分にアレルギーがある方
  • アスピリン喘息の方、またはその既往歴がある方
  • 光線過敏症の既往歴がある方
  • チアプロフェン酸・スプロフェン・フェノフィブラートなどにアレルギーがある方
  • 妊娠後期の女性

飲み合わせに注意が必要な薬

メトトレキサートとの併用に注意

ケトプロフェン経口剤と同様、メトトレキサートとの併用で副作用リスクが増加するおそれがあります。
服薬中の薬は、必ず医師または薬剤師に報告してください。


副作用と発生頻度

主な副作用

副作用内容
接触皮膚炎(5%未満)発疹、赤み、かゆみ、水ぶくれ、色素沈着など
光線過敏症(頻度不明)紫外線に反応して皮膚症状が悪化することがある
アナフィラキシー(0.1%未満)蕁麻疹、呼吸困難、顔面のむくみなど
アスピリン喘息の誘発(0.1%未満)呼吸困難、喘鳴などの症状に注意

注意ポイント

  • 症状が貼付部だけでなく全身に広がることもあります。
  • 発症は数日〜数カ月後に遅れて現れる場合もあるため、使用後も注意が必要です。

まとめ

モーラス(ケトプロフェン)外用剤は、高い鎮痛・消炎効果1日1回で済む使いやすさが魅力の湿布薬です。

ただし、光線過敏症や皮膚トラブルのリスクもあるため、使用中および使用後の紫外線対策が非常に重要です。

使用の際のポイント

  • 貼付部は衣服で遮光する
  • 異常があればすぐに中止し、医療機関を受診する
  • 妊娠中や薬の併用がある方は必ず医師と相談する

つらい痛みに対して、安全かつ適切に使うことで生活の質を高めることが期待されます。
不安や疑問があれば、遠慮なくご相談ください。ど気になる点があれば、自己判断せず医師に相談することが大切です。

参考文献・出典

厚生労働省「医療用医薬品添付文書」

KEGG Drug / PMDA医薬品情報

モーラス製品の添付文書(2024年10月改訂)

モーラスのインタビューフォーム(臨床成績・薬物動態・副作用の詳細あり)

よくある質問(Q&A)

モーラスって、他の湿布(NSAIDs)とどう違うの?

モーラス(ケトプロフェン)は、皮膚からの吸収率が高いのが特徴で、深い部位の痛みにもよく効くとされています。
また、関節リウマチなど適応病名が多いのが特徴です。

モーラスっていつから使われてる薬なの?

モーラスの有効成分ケトプロフェンのテープ剤は、1994年に発売されました。
発売から30年近く使われていて、国内外の豊富な使用実績があります。

モーラスを1か月分もらったらいくらかかるの?

モーラステープL40mg(1枚あたり27.6円)を1日1枚使用した場合:

  • 薬価:27.6円 × 30日 = 828円
  • 3割負担なら 約250円前後/月

※薬局によって調剤料などが加わるため、実際の窓口負担は若干前後します。

モーラスってどれくらいで効いて、どれくらい続くの?

  • 効き始め:貼ってから数時間以内に徐々に効果が出始めます(約3~6時間)
  • 効果の持続:1回貼れば、約24時間持続するとされています。

そのため、1日1回の貼付で十分とされています。

妊娠中でもモーラスって使って大丈夫?

妊娠中の使用には注意が必要です。

  • 妊娠後期(8ヶ月以降)は絶対に使ってはいけません。
     → 胎児の動脈管が閉じてしまうリスクがあります。
  • 妊娠中期までは、どうしても必要なときだけ最小限の使用にとどめます。

自己判断では使わず、必ず主治医に相談してください。

子どもに使っても大丈夫?

小児への安全性は確立されていません。

  • 臨床試験は実施されておらず、添付文書でも「小児への使用実績なし」と記載されています。
  • どうしても使用する場合は、医師の判断のもとで慎重に使う必要があります。

皮膚が敏感な子どもは副作用(かぶれなど)も起こりやすいため、自己判断で使わないようにしましょう。