整腸剤ビオスリーは何に効く?下痢や便秘、腸内バランスを整える3つの菌

整腸剤ビオスリーは何に効く?
下痢や便秘、腸内バランスを整える3つの菌

下痢気味なので『ビオスリー配合錠』を飲んでいます。

整腸剤の中でも3つの菌が合わさった薬ですね。

ビオスリー配合錠は当院で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ビオスリー(酪酸菌配合剤)とは

**ビオスリーは、3種類の活性菌(乳酸菌・酪酸菌・糖化菌)を組み合わせた整腸剤(生きた菌を含む薬)**です。

  • 製品タイプ:ビオスリー配合散、配合錠、配合OD錠(口の中で溶ける錠剤)
  • 有効成分:
    • 乳酸菌(ラクトミン):腸内のpHを下げて悪玉菌の増殖を抑える
    • 酪酸菌:腸内で酪酸をつくり、腸の粘膜を守る
    • 糖化菌:善玉菌の働きをサポートし、腸内バランスを整える

ビオスリーの特徴

✅ ① 3種の活性菌が共に働く「共生作用」

  • 糖化菌 → 乳酸菌を約10倍に増やす(試験管レベルのデータ)
  • 乳酸菌 → 酪酸菌を約10倍に増やす
  • → 結果的に3種が互いを助け合って増殖し、整腸作用を高めます

✅ ② 有害菌の増殖を抑える

  • 乳酸菌と酪酸菌は以下のような悪玉菌に対抗:
    • 大腸菌O157
    • 腸炎ビブリオ
    • ボツリヌス菌
    • MRSA(多剤耐性黄色ブドウ球菌)
  • 3種の共存により抗菌作用がさらに強化されます

✅ ③ ビフィズス菌の増殖もサポート

  • 糖化菌がビフィズス菌(善玉菌)の増殖も助ける
  • → 腸内のバランス改善に一役買います

✅ ④ 選べる剤形

  • 散剤、錠剤、OD錠(口腔内崩壊錠)
  • 患者さんの年齢や飲みやすさに応じて選択可能

効能・効果

腸内細菌のバランスが乱れたことによる以下のような症状に効果があります。

  • 下痢
  • 便秘
  • 腹部膨満感(お腹の張り)
  • その他、腸内フローラの乱れに起因する症状

有効性(臨床試験より)

▶ 小児での有効性

疾患名有効率
胃腸炎100%(13/13例)
下痢症93.2%(82/88例)
消化不良性下痢症88.8%(142/160例)
便秘症83.3%(20/24例)

▶ 成人での有効性

疾患名有効率
急性・慢性腸炎97.8%(44/45例)
下痢便秘交代症60.0%(3/5例)
便秘症(錠剤)53.3%(8/15例)
過敏性腸症候群(錠剤)50.0%(2/4例)

全体:355例中、副作用の明確な報告はなし


用法・用量

※年齢や症状に応じて医師が調整します。

💊 ビオスリー配合散

  • 通常:1日1.5〜3gを3回に分けて経口投与

💊 ビオスリー配合錠

  • 通常:1日3〜6錠を3回に分けて経口投与

💊 ビオスリー配合OD錠

  • 通常:1日3〜6錠を3回に分けて経口投与
  • 水なしでも服用可能(ただし唾液または水で飲み込む必要あり)

使用できない方(禁忌)

  • 本剤の成分にアレルギーのある方は使用できません
  • ※明確な「絶対禁忌」はありませんが、心配な場合は医師にご相談ください

飲み合わせに注意が必要な薬

  • 重大な相互作用の報告は現在ありません
  • ただし、抗生物質と併用する場合はタイミングの調整が必要なことがあります
    • 抗生物質が善玉菌まで殺してしまうため

副作用と発生頻度

▶ 重篤な副作用:報告なし

▶ ごくまれに見られる軽微な症状

  • 軽度の下痢
  • お腹の張り(腹部膨満感)など

※気になる症状があれば早めに医師へ相談しましょう


まとめ

項目内容
製品名ビオスリー(配合散・錠・OD錠)
有効成分乳酸菌・酪酸菌・糖化菌
特徴3種の菌が共生し、腸内環境を整える
効果下痢・便秘・腹部膨満など
副作用非常に少ない(安全性が高い)
対象子ども〜高齢者まで幅広く使用可能

💡 ビオスリーは、腸内バランスを整えたい方や、便通が安定しない方に適した整腸剤です。
安全性が高く、複数の剤形から選べるため、長期的に服用するにも向いています。


参考文献・出典

  • 医薬品インタビューフォーム(IF)(東亜薬品工業株式会社)
  • 医薬品添付文書(PMDA)
  • KEGG薬剤データベース(KEGG DRUG D08702

よくある質問(Q&A)

ビオスリーは他の整腸剤と何が違う?強みはあるの?

ビオスリーの最大の強みは、3種類の菌(乳酸菌・酪酸菌・糖化菌)を組み合わせている点です。
この“共生設計”によって、菌同士が増殖を助け合いながら腸内に届き、次のようなメリットが得られます。

  • 腸内フローラの乱れに幅広く対応できる(下痢・便秘どちらにも)
  • ビフィズス菌の増殖を助ける働きもある
  • 酪酸菌が作る酪酸や酢酸が、腸のエネルギー源となり便通を整える
  • 病原菌の増殖を抑える効果も確認されている

ほかの整腸剤には単一菌のみのものも多く、複数菌の相乗効果で腸内環境を整えられる点が、ビオスリーならではの特徴です。

ビオスリーはいつ発売された薬ですか?

ビオスリーは歴史のある整腸剤で、以下のように承認・販売されています。

  • ビオスリー配合散(粉薬):1963年承認
  • ビオスリー配合錠(錠剤):1965年承認
  • ビオスリー配合OD錠(口腔内崩壊錠):2015年承認、2016年発売

ビオスリーの薬価はいくら?30日分の自己負担額は?

2022年時点の薬価は以下の通りです。

剤形薬価1日上限量30日分の薬剤費3割負担の目安
ビオスリー配合散8.4円/g3g252円約76円
ビオスリー配合錠6.6円/錠6錠198円約60円
ビオスリー配合OD錠6.6円/錠6錠198円約60円

※自己負担額は目安であり、処方内容や調剤料によって異なります。

妊娠中にビオスリーは飲んでも大丈夫?

添付文書上は妊婦への禁忌・警告の記載はありませんが、以下の点に注意してください。

ただし、安全性に関する十分な臨床データはなく、妊娠中の服用は医師の判断を仰ぐべきです

有効成分は生菌製剤であり、全身吸収されにくい性質があります

母体や胎児への明確なリスクは報告されていません

授乳中でもビオスリーは使える?

ビオスリーの成分は基本的に腸内で働き、母乳中に移行することは考えにくいとされています。
添付文書にも授乳に関する禁止事項の記載はありません

  • 母乳への移行性に関する明確なデータはないものの、
    一般的には安全とされており、授乳中の使用も医師の管理下で可能です。

子どもにも使える薬?

はい。ビオスリーは小児にも使用される整腸剤であり、臨床試験でも下記のような効果が確認されています。

疾患名有効率
小児の下痢症93.2%(82/88例)
消化不良性下痢症88.8%(142/160例)
  • 年齢に応じて用量を調整します(医師の処方に従ってください)
  • 粉薬(配合散)は特に小児向けに使いやすい剤形です

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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