赤いニキビに効く外用薬|ダラシンTゲル・ローションの違いと使い方
赤いニキビに効く外用薬
ダラシンTゲル・ローションの違いと使い方

赤いニキビで『ダラシンTゲル・ローション』を使っています。

ダラシンTゲル・ローションは赤く腫れた炎症性ニキビの改善に効果があります。
ダラシンTゲル・ローションは、オンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ダラシン T ゲル/ダラシン T ローションとは
ダラシン T ゲル1%およびダラシン T ローション1%は、「クリンダマイシンリン酸エステル」という成分を含む外用の抗生物質です。
ニキビの原因であるアクネ菌(Propionibacterium acnes)やブドウ球菌に対して強力な抗菌作用があり、赤く腫れた炎症性ニキビの改善に効果があります。
ゲルもローションも成分は同じですが、使い心地が異なるため、肌質や使用部位に応じて選ぶことができます。
抗菌のしくみ(作用機序)
有効成分の「クリンダマイシンリン酸エステル」は、皮膚の中で分解されて活性型のクリンダマイシンになります。
この成分が細菌のリボソーム(タンパク質合成を行う装置)の一部(50Sサブユニット)に結合し、タンパク質の合成を止めて細菌の増殖を抑える働きをします。
ゲルとローションの使い分け
| 剤形 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ゲル | 粘着性があり、すぐ乾く | 部分的な使用に向いている |
| ローション | さらっと広がりやすい | 脂性肌やニキビが広がっている範囲に使いやすい |
効能・効果
- 対象となる菌:クリンダマイシンに効くブドウ球菌属およびアクネ菌
- 適応症:化膿性の炎症を伴うニキビ(炎症性ざ瘡)
有効性
| 試験 | 使用方法 | 有効率/結果 |
|---|---|---|
| 国内第Ⅱ相(二重盲検・4週間) | ゲル1%を1日2回 | 有効率:81.8% |
| 国内第Ⅲ相(4週間) | ゲル vs ナジフロキサシン | 72.5%(非劣性=劣っていないと示された) |
| 生物学的同等性試験 | ローション vs ゲル | 炎症性皮疹減少率:58.5% vs 57.6% |
※「著効+有効」の評価基準に基づいています。
→ 約6〜8割の患者さんで改善が期待されます。
用法・用量
- 洗顔後に患部を清潔にしてから塗る
- 1日2回(朝・夕)、必要最小限の範囲に薄く塗布
- 4週間使用して効果が乏しければ医師に相談
- 炎症が落ち着いたら継続使用は避ける(耐性菌を防ぐため)
使用できない方(禁忌)
- 本剤やリンコマイシン系抗生物質にアレルギーがある方
飲み合わせに注意が必要な薬
| 併用薬 | 注意点 |
|---|---|
| エリスロマイシン(内用・外用) | 抗菌作用が相殺される可能性(同じ結合部位を競合) |
| 末梢性筋弛緩薬(スキサメトニウム、ツボクラリンなど) | 筋弛緩作用が強くなりすぎることがある(神経筋遮断作用があるため) |
※他に薬を服用中の方は、必ず医師または薬剤師にご相談ください。
副作用と発生頻度
主な副作用(共通)
- 刺激感、ヒリヒリ感、つっぱり感
- 発赤、かゆみ、接触皮膚炎
- 皮脂の変化(乾燥やベタつき)
発生頻度(承認時データ)
- ゲル:約8%
- ローション:約14%
重大な副作用(頻度不明)
- 偽膜性大腸炎
→ 腹痛、繰り返す下痢、血便が見られた場合は直ちに使用を中止して受診してください。
まとめ
- ダラシン T シリーズは、赤く腫れた炎症性ニキビに対して長く使われている信頼性の高い治療薬です。
- ゲル:乾きやすく部分的な使用に最適
- ローション:広がりやすく、脂性肌や広範囲のニキビに適している
📌 基本は1日2回・4週間の使用。改善後は継続せず中止し、耐性菌や副作用を防ぎましょう。
📌 市販薬との併用や自己判断での長期使用は避けて、症状が改善しない場合は早めに医師へ相談してください。談・処方にも対応しています。お気軽にご利用ください。
参考文献・出典
添付文書(JAPIC、PMDA)
インタビューフォーム(佐藤製薬)
KEGG DRUG:D01073(クリンダマイシンリン酸エステル)
日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡治療ガイドライン 2023」
PubMed収載文献(例:Harada A. et al., 臨床医薬)
よくある質問(Q&A)
-
ダラシンTって他のニキビの薬とどう違う?どんな強みがある?
-
ダラシンTの主成分「クリンダマイシン」は抗生物質(リンコサマイド系)で、アクネ菌やブドウ球菌に対して強い殺菌力を持っています。
同じ抗菌外用薬である「ナジフロキサシン(アクアチム®)」「過酸化ベンゾイル(ベピオ®)」などと比べ、- 炎症が強い赤ニキビ(化膿性のざ瘡)に対して即効性がある
- ゲルとローションから選べて、肌質に合わせやすい
- 皮膚刺激が比較的少なく、耐容性が良い
といった「使いやすさ」と「実績」が強みです。
-
ダラシンTの先発薬はいつから使われているの?
-
ダラシンTゲル1%:2002年7月 承認、9月販売開始
ダラシンTローション1%:2010年1月 承認
もともとはアメリカで1980年代から使われていた薬で、30年以上の使用実績がある安全性の高い製剤です。
-
1か月分(30日)もらった場合の薬価と実際の負担額は?
-
先発品(佐藤製薬)
製品名 1g/1mLあたりの薬価 目安量(1日1g使用換算) 30日分薬価 自己負担額(3割負担) ダラシンTゲル1% 22.6円/g 約30g 678円 約203円 ダラシンTローション1% 22.6円/mL 約30mL 678円 約203円 ※診察料や調剤料は別。用量はニキビの範囲により増減します。
-
どれくらいで効果が出る?どのくらい持続する?
-
作用発現時間:早ければ数日〜1週間で赤ニキビの炎症がやわらぎます。
持続時間:1日2回塗布で効果が持続しますが、治療期間は4週間が目安です。
※4週間使っても効果がない場合は使用中止が推奨されています。
-
妊娠中でもダラシンTは使えるの?
-
基本的には、妊娠中の使用は避けたほうがよいとされています。
胎児への影響を完全には否定できないため、「治療の必要性が高い場合」に限り慎重に使用が検討されます。
医師とよく相談し、「ベピオ®など他の外用薬」も含めて安全性を比較したうえで判断されるケースが多いです。
-
授乳中に使っても大丈夫?
-
皮膚に塗った際の母乳中への移行は不明です。
ただし、全身吸収がごく微量であることや、局所使用であることから、
「授乳を中止せずに使用できる」可能性が高いとされています。
-
子どもには使える?年齢制限や注意点はある?
-
ダラシンTのゲル・ローションともに、小児への使用実績はあります。
特に12歳以上の思春期ニキビにおいて使用されることが多いです。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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