トリメブチンマレイン酸塩の効果と副作用をわかりやすく解説
トリメブチンマレイン酸塩の効果と
副作用をわかりやすく解説

過敏性腸症候群で『トリメブチンマレイン酸塩』を処方されました。

下痢にも便秘にも使われるお薬ですね。
トリメブチンマレイン酸塩は当院で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
トリメブチンマレイン酸塩とは
トリメブチンマレイン酸塩は、**胃や腸の動きを整える薬(消化管運動調律剤)**です。
1970年にフランスで開発され、日本では「セレキノン®」などの商品名で使われています。
主な対象となる症状・病気
- 慢性胃炎による
腹部膨満感・腹痛・悪心(吐き気)・噯気(げっぷ) - **過敏性腸症候群(IBS)**による
下痢・便秘・残便感など
トリメブチンマレイン酸塩の特徴
✅ 消化管の筋肉に直接作用
神経を介さず、胃や腸の筋肉(平滑筋)に直接働きます。
- 動きが弱いときは促進
- 動きが強すぎるときは抑制
→ 状態に応じてちょうどよい動きに整えます(二面的作用)
✅ 胃や腸の動きを正常に整える
- 胃の内容物の移動(胃排出能)をスムーズにします
- 大腸の運動も整えて、便通異常(便秘や下痢)を改善します
✅ 幅広い症状に対応
- 腹部の痛み・不快感
- 下痢・便秘
- 食欲不振 など
効能・効果(添付文書より)
● 慢性胃炎に伴う症状
- 腹部膨満感
- 腹痛
- 吐き気
- げっぷ
● 過敏性腸症候群(IBS)
- 下痢型・便秘型・混合型すべてに適応あり
有効性データ
🔬 フランスでの開発
1970年、アミノエステル誘導体として発見されました。
🇯🇵 日本での展開
- 「セレキノン®」として承認・発売
- 多くの後発品も登場し、**先発と同等の効果(生物学的同等性)**が確認されています
用法・用量(通常の飲み方)
● 慢性胃炎の場合
- 1日300mg(100mg錠×3回)
● 過敏性腸症候群(IBS)の場合
- 1日300〜600mg(100mg錠×3〜6回)
※年齢や体調により、医師が調整します
※高齢の方には減量が必要な場合があります
使用できない方(禁忌)
明確な絶対禁忌はありませんが、以下の方は注意が必要です:
- 本剤でアレルギーを起こしたことがある方
- 妊娠中・授乳中・小児・高齢者:医師と相談を
飲み合わせに注意が必要な薬
明確な相互作用は報告されていませんが、注意が必要な薬として:
- 他の整腸剤や消化管運動薬
- 眠気・めまいを起こす薬(中枢神経系作用薬)
- 肝臓に負担をかける薬 など
副作用と発生頻度
主な副作用(頻度 0.1〜1%未満)
- 消化器:便秘、下痢、吐き気、嘔吐、腹鳴、口のしびれ感
- 神経系:眠気、めまい、頭痛、倦怠感
- 過敏症:発疹、かゆみ、じんましん
- その他:口渇、排尿障害、尿が出にくい
▶ 治験データ:1,515例中74例(副作用発生率 4.88%)
最も多かった副作用:便秘(1.32%)
重大な副作用(まれだが注意が必要)
- 肝機能障害・黄疸
→ AST・ALT・ALPなどの上昇をともなう可能性あり
「皮膚や白目が黄色い」「だるさが続く」などの症状があれば、すぐに医師へ相談を
まとめ
- トリメブチンマレイン酸塩は、胃や腸の動きを整えて、さまざまな消化器症状を改善する薬です
- 下痢・便秘・膨満感・腹痛など、日常に支障のある症状の緩和に役立ちます
- 比較的安全性は高いですが、まれに肝機能異常などの重い副作用もあるため、注意が必要です
▶ 自己判断せず、医師・薬剤師の指示に従って服用してください。。
参考文献・出典
医薬品添付文書(セレキノン錠・後発品各種)
KEGG DRUGデータベース
製薬企業公開情報・インタビューフォームなど
よくある質問(Q&A)
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他の似た薬と比べて、トリメブチンマレイン酸塩の強みは何ですか?
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トリメブチンマレイン酸塩の最大の特徴は、消化管の動きを“整える”二面的作用です。
胃や腸の動きが弱っていれば促進し、過剰に動いていれば抑えることで、下痢と便秘の両方に対応できます。神経系を介さず、消化管の平滑筋に直接作用するのもポイントで、他の薬(例えばドンペリドンなどの制吐薬)とは異なる作用機序を持ちます。
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トリメブチンマレイン酸塩の先発薬っていつ発売されたの?
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日本国内では、1972年に「セレキノン錠」として初めて登場しました。
その後、2007年に販売名の変更があり、「セレキノン錠100mg」として再承認・再収載されています。
後発医薬品は1990年代〜2000年代にかけて順次発売されています。現在は先発薬は販売中止となっています。
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トリメブチンマレイン酸塩って、1か月分でいくらかかるの?
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もっとも使われている後発品(例:トリメブチンマレイン酸塩錠100mg「サワイ」など)の薬価は、1錠あたり6.1円です。
▷ 目安の自己負担額(30日分の場合)
処方内容 総薬価 自己負担(3割) 1日3錠 × 30日 約549円 約165円 1日6錠 × 30日 約1,098円 約330円 ※調剤料などを含まない薬代のみの計算です。
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妊娠中でもトリメブチンマレイン酸塩は使えますか?
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妊娠中の使用については安全性が確立されていません。
動物実験では重大な胎児への影響は報告されていないものの、ヒトでの十分なデータはありません。
ポリフルは消化管から吸収されにくい薬のため、全身への影響は少ないとされていますが、妊娠中の服用経験が十分とはいえません。
妊娠中に便秘・下痢で悩んでいる方は、必ず医師に相談した上で処方を受けましょう。
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授乳中に飲んでも大丈夫?母乳への影響は?
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授乳中の使用は慎重に検討すべきとされています。
動物実験では、投与後に母乳中へ微量の移行が確認されています。
当院では使用しません
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子どもにもこの薬は使えるんですか?
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当院では使用しません。
日本では、小児に対する臨床試験は行われていません。
添付文書でも「小児等への安全性は確立していない」と記載されています。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
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【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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