フリバスの効果って本当?前立腺肥大による尿トラブルを改善するしくみとは
フリバスの効果って本当?
前立腺肥大による尿トラブルを改善するしくみとは

夫が尿の出が悪くて困っています。『フリバス』使えますか?

フリバス®(ナフトピジル)は、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬です。
「尿が出にくい」「残尿感がある」「夜間に何度もトイレに起きる」といった症状を改善します。
尿道や前立腺の緊張をゆるめ、尿の通り道を広げることで、排尿をスムーズにします。
フリバス®はオンラインで処方することができます。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
フリバス®とは
フリバス®(一般名:ナフトピジル)は、前立腺肥大症による排尿障害(尿が出にくい、残尿感、夜間頻尿など)を改善するα1受容体遮断薬です。
尿道や前立腺の交感神経の緊張をゆるめて尿道内圧を下げ、**尿の通りをよくする薬(対症療法)**です。
※前立腺そのものを縮小する薬ではありません。
剤形は錠剤のほかに、**口の中で溶けるOD錠(口腔内崩壊錠)**もあり、1日1回の服用で使用します。
フリバス®の特徴
▶ 開発の歴史
- ドイツのベーリンガー・マンハイム社で開発
- 日本では1999年に25mg・50mgが発売、2005年に75mgを追加
- 嚥下が苦手な高齢者のため、**2006~2008年にOD錠(50→75→25mg)**が順次登場
▶ 前立腺・尿道への選択性
- 血管よりも前立腺や尿道に強く作用
- 血圧への影響を抑えつつ、排尿症状を改善することを狙っています
▶ 持続時間と投与回数
- 半減期:10.3〜20.1時間と長め
- 吸収が速く(Tmax:約0.5〜0.8時間)、1日1回の服用で効果が続きます
▶ 名称の由来
- 「尿道(vas)をフリー(free)」にする→フリバス
▶ QOL(生活の質)の改善
- 排尿困難・残尿感などの自覚症状だけでなく
- 尿流率などの客観的な数値も改善が確認されています
効能・効果
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害
※この薬は対症療法です。
期待する効果が得られない場合は、手術など他の治療も検討されます。
有効性(臨床試験の結果)
▶ 臨床薬理試験(患者対象)
- 最大尿道閉鎖圧・最小尿道抵抗が有意に低下
- 最大尿流率・平均尿流率が有意に上昇
▶ 国内臨床試験(合計496例)
| 試験内容 | 改善率(「改善」以上) |
|---|---|
| 一般臨床試験(400例) | 58.5%(234例) |
| 二重盲検比較試験(96例) | 71.9%(69例) |
さらに、30例の長期投与試験でも効果が持続。
※上記は製造元公表の国内試験結果に基づくデータです。個人差があります。
用法・用量
▶ 開始方法
- 通常は**25mgを1日1回(食後)**から始めます
▶ 増量
- 効果が不十分なら、1〜2週間ごとに50mg→75mgへ段階的に増やします
- 最大は1日75mgまで
▶ 高齢者の場合
- 肝機能の低下が考慮され、低用量(12.5mgなど)から慎重に投与されます
▶ 飲み方の注意点
- 起立性低血圧(立ちくらみなど)を防ぐため、立ち上がるときはゆっくり
- 服薬開始直後・増量時は、車の運転や高所作業を控えるよう注意します
使用できない方(禁忌)
- 本剤の成分にアレルギー(過敏症)の既往歴がある方
※以下は「禁忌」ではありませんが、注意が必要です
- 重い心疾患・脳血管障害のある方(使用経験が限られる)
- 肝機能障害のある方(血中濃度が上がりやすい傾向)
飲み合わせに注意が必要な薬
▶ 降圧薬・利尿薬
- 併用により血圧が下がりすぎて立ちくらみ・ふらつきのリスクあり
- 血圧をモニタリングし、必要に応じて減量・中止を検討
▶ PDE5阻害薬(ED治療薬)
- シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィルなど
- 併用で血圧低下が強くなることがある
- 使用中は必ず医師に申告してください
▶ その他のα1遮断薬など
- 効果が重なる薬は個別に安全性評価が必要です
- 自己判断で併用しないこと
副作用とその発生頻度
■ 重大な副作用(頻度不明)
- 肝機能障害・黄疸
→AST・ALT・γ-GTPの上昇を伴うことあり - 失神・意識消失
→血圧低下により一時的に意識を失うケース
■ よくある副作用
| 頻度 | 内容例 |
|---|---|
| 0.1〜1%未満 | 発疹、めまい、ふらつき、頭痛、立ちくらみ、低血圧、胃不快感、下痢、AST/ALT上昇 |
| 0.1%未満 | 倦怠感、眠気、耳鳴、しびれ感、振戦、味覚異常、動悸、便秘、口渇、嘔気、腹痛、浮腫、勃起障害 など |
| 頻度不明 | 多形紅斑、頻脈、血小板減少、IFIS(眼の合併症)、色視症、女性化乳房、胸痛など |
受診の目安と注意事項
▶ すぐ受診が必要な症状
- 失神・強い立ちくらみ
- 皮膚や白目の黄ばみ(黄疸)
- 息切れ・胸痛・じんましん・全身の発疹
▶ 眼科手術の予定がある方へ
- フリバス®などのα1遮断薬を飲んでいると、**白内障手術中に虹彩が緩くなる(IFIS)**ことがあります
- 眼科受診時に、服薬中であることを必ず伝えてください
まとめ
- **フリバス®(ナフトピジル)**は、前立腺肥大症による排尿障害の治療薬
- 1日1回の服用で、尿道や前立腺の緊張をやわらげて症状を改善
- 血圧への影響が比較的少なく、QOL(生活の質)向上にも寄与
- 25mgから開始 → 効果を見ながら50mg・75mgへ増量
- 副作用や飲み合わせに注意しながら、安全に使うことが大切
参考文献・出典
🧾PMDA 医薬品医療機器総合機構の添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
→「フリバス」または「ナフトピジル」で検索してください
KEGG DRUG(京都大学による医薬品DB)
https://www.genome.jp/kegg-bin/show_drug?D01674
PubMedの臨床論文例:
- Yasuda K, et al. The Prostate. 1994;25:46–52.
- Takei R, et al. Jpn J Pharmacol. 1999;79:447–454.
添付文書(最新版PDF)
JAPIC(日薬連の医薬品情報センター)に掲載されています (2): 155–159, 1993年
よくある質問(Q&A)
-
フリバスはどんな症状に使う薬ですか?
-
フリバス®(ナフトピジル)は、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬です。
「尿が出にくい」「残尿感がある」「夜間に何度もトイレに起きる」といった症状を改善します。
尿道や前立腺の緊張をゆるめ、尿の通り道を広げることで、排尿をスムーズにします。
-
この薬の同じ系統の薬と比べた強みは何ですか?
-
フリバス®はα1受容体遮断薬に分類され、同じ系統には**ハルナール®(タムスロシン)、ユリーフ®(シロドシン)**があります。
フリバスの特徴は:
- 血管よりも前立腺・尿道に選択的に作用し、血圧への影響が比較的少ない
- 1日1回で効果が持続する(半減期が10~20時間程度)
- **口腔内崩壊錠(OD錠)**があるため、嚥下が苦手な方にも使いやすい
特に高齢者に優しい設計がされており、夜間頻尿や残尿感の改善に効果的です。
-
フリバス(先発品)はいつ発売された薬ですか?
-
1999年に日本で承認・発売されました。
当初は25mgと50mg錠が発売され、2005年に75mg錠、2006年以降にOD錠(口腔内崩壊錠)も追加されました。
-
1か月(30日)処方された場合の薬価と実際の目安費用は?
-
2025年現在の薬価に基づくおおよその費用は以下のとおりです。
(※1日1錠×30日分で計算、3割負担の場合)製剤・用量 薬価(1錠) 1か月の薬価合計 自己負担(3割負担) フリバス錠25mg 18.5円 約555円 約170円 フリバス錠50mg 36.5円 約1,095円 約330円 フリバス錠75mg 44.7円 約1,341円 約402円 後発品75mg 15.5円 約465円 約140円 ※処方料・調剤料は含まれていません。薬局によって多少異なります。
-
フリバスの効果はどれくらいで出ますか?持続時間は?
-
フリバスは内服後30分~1時間で吸収されはじめ、数時間以内に効果が現れることが多いです。
持続時間はおおむね24時間以内で、1日1回の服用で効果が持続します。- Tmax(最高血中濃度到達時間):0.5〜0.8時間
- 半減期(効果が半分になるまでの時間):10.3〜20.1時間
そのため、毎日同じ時間に1回だけ服用すれば、安定した効果が得られます。
-
子どもにフリバスは使えますか?
-
小児(15歳未満)に対する使用は原則行われていません。
- 子どもを対象とした安全性・有効性のデータが不足しているため
- 前立腺肥大症は成人男性特有の疾患であり、小児への処方は基本的に想定されていません
万が一、前立腺肥大以外の目的での投与を検討する場合も、専門医の厳密な判断が必要です。
-
服用時に気をつけることはありますか?
-
立ちくらみ・ふらつき防止:急に立ち上がらない
服薬後すぐに車の運転は避ける
白内障などの手術予定がある方は、必ず申告(IFISのリスク)
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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