おしっこの出が悪い…病院でもらったハルナールってどんな薬?
おしっこの出が悪い…
病院でもらったハルナールってどんな薬?

夫が前立腺肥大症で『ハルナール』飲んでいます。
どんなお薬ですか?

ハルナールは前立腺肥大症にともなう排尿障害を改善する内服薬です。
尿道や前立腺に多い「α1Aサブタイプ」に選択的に作用するので血圧が下がる副作用は少ないです。
ハルナールオンライン診療で処方することができます。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ハルナール(タムスロシン)とは
ハルナールは、前立腺や尿道の平滑筋(へいかつきん)にあるアドレナリンα1受容体を選択的にブロックし、尿の通り道の締めつけを緩めるお薬です。
前立腺肥大症によって生じる以下のような排尿障害をやわらげます:
- 尿が出にくい
- 尿の勢いが弱い
- 残尿感がある
※原因そのもの(前立腺肥大)を治す薬ではなく、症状を和らげる対症療法です。
効能・効果
前立腺肥大症に伴う排尿障害の改善
対象となる主な症状:
- 尿の勢いが弱い
- 出始めに時間がかかる
- 残尿感がある
- 頻尿、夜間の頻尿
有効性(有効性試験の要点)
- 国内試験で尿道内圧の低下が確認
- 尿流率(尿の勢い)や残尿量が用量に応じて改善
- 臨床試験(0.2mg 1日1回)での中等度改善以上の割合:37.3%(62/166例)
用法・用量(のみ方)
- 通常は0.2mgを1日1回、食後に服用
- 高齢者で腎機能が弱い方は、0.1mgから開始し、医師が慎重に調整します。
増量の注意点
- 0.2mgで効果が不十分でも、それ以上の増量は推奨されません。
- 効果が乏しい場合は、治療方針を見直します。
使用できない方(禁忌)
- 成分に過敏症の既往がある方(アレルギーを起こしたことがある方)
使用に注意が必要な方(要申告)
- 起立性低血圧のある方(立ち上がったときにふらつきやすい方)
- 重度の腎・肝機能障害がある方(薬の血中濃度が上がるおそれ)
- 高齢者(腎機能低下がある場合、用量調整が必要になることあり)
- 白内障・緑内障の手術予定がある方
→ IFIS(術中虹彩緊張低下症候群)という合併症が知られており、眼科での手術前に必ず服薬歴の申告をお願いします。
飲み合わせに注意が必要な薬
ハルナールと併用することで、血圧が下がりすぎてしまう可能性があります。
主な注意薬
- 降圧薬(高血圧の薬)
- PDE5阻害薬(ED治療薬)
- 例:シルデナフィル(バイアグラ等)、バルデナフィル
併用時は医師が慎重に管理します。服用開始時や増量時は、立ちくらみやめまいに特に注意してください。
副作用と発生頻度
【重大な副作用】(頻度不明)
- 失神・意識喪失:血圧が下がりすぎたときに一過性に意識を失うことがあります
- 肝機能障害・黄疸:AST/ALTの上昇、皮膚や白目が黄色くなるなど
【よく見られる副作用(概ね0.1~5%未満)】
- めまい、ふらつき、頭痛、全身倦怠感(だるさ)
- 胃の不快感、吐き気
- 頻脈(脈が早くなる)
- 発疹
【その他の報告(頻度不明)】
- 立ちくらみ、しびれ感、眠気、いらいら感
- 血圧低下、起立性低血圧、動悸、不整脈
- かゆみ、じんましん、血管浮腫(むくみ)
- 胃痛、口の渇き、便秘・下痢、嚥下障害
- 鼻づまり、射精障害、持続勃起症(きわめてまれ)
- 視力障害、かすみ目、IFIS(白内障手術で虹彩が柔らかくなる)
まとめ
- ハルナール®は前立腺肥大症にともなう排尿障害を改善する内服薬です。
- 基本用量は0.2mg/日1回食後服用
- 効果が不十分な場合、増量せず治療法の見直しを行います。
- 降圧薬やED薬と併用時は注意(立ちくらみ・失神リスクあり)
- 白内障手術の予定がある方は、服薬歴を申告してください。
参考文献・出典
- KEGG DRUG:D01024
- PMDA(医薬品医療機器総合機構)添付文書:
→ https://www.pmda.go.jp で「ハルナール」で検索可能 - 医中誌/PubMed等の論文検索:
キーワード例:「tamsulosin」「BPH treatment」「α1 blocker Japanese study」 - 日本泌尿器科学会 ガイドライン(前立腺肥大症)
- 日本泌尿器科学会 男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン(第2版・2017)
よくある質問(Q&A)
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この薬(ハルナール®)の同じ系統の薬と比べたときの強みは?
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ハルナール(タムスロシン塩酸塩)は、α1受容体の中でも特に尿道や前立腺に多い「α1Aサブタイプ」に選択的に作用する特徴があります。
これにより、血圧への影響が比較的少なく、めまいや立ちくらみが出にくいとされています。
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ハルナール®の発売はいつ?
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ハルナール(0.1mg・0.2mgカプセル)は、1993年7月に日本で承認・発売されました。
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1か月(30日)処方された場合の薬価と自己負担額は?
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先発品ハルナールD錠(アステラス製薬)の薬価は以下の通りです(2024年改定時点):
用量 薬価(1錠) 30日分薬価 自己負担(3割) 自己負担(1割) 0.1mg 15.3円 459円 約138円 約46円 0.2mg 25.3円 759円 約227円 約76円 ※後発品では0.2mg錠で15〜18.5円程度と、さらに安価になります。
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ハルナール®は飲んでからどのくらいで効き始めて、効果はどれくらい持続する?
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効果発現時間(Tmax):服用後 約7〜8時間で血中濃度がピークに達します。
作用持続時間(半減期):約9〜12時間程度。
ただし、徐放性製剤のため、1日1回の服用で24時間効果が持続します。
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子ども(小児)にも使える薬なの?
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小児(こども)への安全性・有効性は確立されておらず、使用経験もありません。
そのため、小児には使用しません。対象となる「前立腺肥大症」は、中高年以降の男性に多い疾患であり、小児には基本的に起こりません。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
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【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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