エレトリプタン(レルパックス)はどんな薬?片頭痛に効く理由と注意点をわかりやすく
エレトリプタン(レルパックス)はどんな薬?
片頭痛に効く理由と注意点をわかりやすく

頭痛で『エレトリプタン』を使っています。

頭の中(脳内)血管への選択性が高く
副作用の出方が比較的おだやか(眠気などが軽い)な
エレトリプタン(レルパックス)はオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
エレトリプタン(レルパックス)とは?
**エレトリプタン(商品名:レルパックス)**は、片頭痛の発作が起きたときだけに使う飲み薬です。
脳の血管の広がりや、それにともなう炎症を抑えることで、ズキズキする頭痛・吐き気・光や音に敏感になる症状をすばやくやわらげます。
目次
エレトリプタン(レルパックス)の特徴
● 開発の経緯
- イギリスのファイザー社で開発され、「脳の中の血管への作用」に注目した新しいタイプの片頭痛薬です。
- 2001年にスイスで販売が始まり、世界各国で使われています。
- 日本では1998年から試験が行われ、2002年4月に正式に承認されました。
- 2021年からはヴィアトリス製薬が販売しています。
● 速く効いて、効果が長く続く
- 服用2時間後には、約60%の方で痛みが軽くなるか消えるという結果が出ています。
- 再び痛くなるまでの平均時間は約11時間。
- 24時間以内の再発率は、
20mg服用時で10%、40mg服用時で17%と比較的低くなっています。
● 効果が安定している
- 海外のデータでは、何度使っても効果が落ちにくいとされ、長く安心して使える薬と評価されています。
効能・効果
- 片頭痛の治療薬として使われます。
- 前兆がある片頭痛/前兆がない片頭痛のどちらにも使えます。
- ※ただし、「片頭痛」と診断された方のみ使用可能です(国際頭痛学会の基準に基づく)。
有効性(臨床試験のデータ)
| 試験用量 | 2時間後の頭痛改善率 |
|---|---|
| 国内試験(20mg) | 64% |
| 国内試験(40mg) | 67% |
| 多国籍試験(40mg) | 62% |
| プラセボ(偽薬) | 19〜51% |
| エルゴタミン+カフェイン(参考) | 33% |
※改善率とは、「重度または中等度の頭痛」が「軽度または消失」に変わった割合です。
👉 すべての試験で、偽薬よりも明確に効果があり、従来のエルゴタミン製剤よりも高い改善率を示しました。
用法・用量(飲み方)
| 内容 | 説明 |
|---|---|
| 基本 | 頭痛が起きたときに1回20mgを服用 |
| 効果が不十分な場合 | 2時間以上あけてもう1回(20mg)服用可 |
| 最大量 | 1日合計40mgまで(20mg×2回) |
| 次回以降について | 20mgで効かない場合は、最初から40mgでの服用も可能です |
※この薬は予防薬ではありません。発作が起きたときだけに使用します。
使用できない方(禁忌)
以下に当てはまる方は、この薬を使えません:
- 成分にアレルギーがある方
- 以下の病歴や状態がある方:
- 心臓の病気(心筋梗塞・狭心症など)
- **脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)**の経験がある方
- 重い肝臓の病気
- 末梢血管の病気
- コントロールできていない高血圧
- 特殊な片頭痛(片麻痺型、脳底型、眼筋麻痺型など)
以下の薬を使っている方は、併用できません(併用禁忌)
- 他のトリプタン系薬(スマトリプタン、ゾルミトリプタンなど)
- エルゴタミン・ジヒドロエルゴタミン
- HIV治療薬(リトナビル、パキロビッドなど)
飲み合わせに注意が必要な薬・飲食物
⚠️ 併用に注意が必要なもの(副作用や血中濃度の増加)
- マクロライド系抗菌薬(例:クラリスロマイシン)
- 抗真菌薬(例:イトラコナゾール、フルコナゾール)
- カルシウム拮抗薬(例:ベラパミル)
- グレープフルーツジュース
- セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)
⚠️ セロトニン症候群のリスクがある組み合わせ
- SSRI/SNRI(例:パロキセチン、デュロキセチン)
※併用時に、不安・発熱・筋肉のこわばり・ふらつきなどが出ることがあります。異変を感じたらすぐ受診を。
副作用と発生頻度
よくある副作用(発生率1%以上)
- ふわふわするようなめまい
- 眠気
- 吐き気
- 口の渇き
- 疲れやすさ(倦怠感)
- 顔のほてり・熱感
まれだが注意が必要な副作用
- 胸の痛みや圧迫感など(心臓に関係する症状)
- アナフィラキシー(急激なアレルギー反応)
- けいれん発作
- 薬の使いすぎによる頭痛(薬剤乱用性頭痛)
※全体の副作用の出現率は約28%ですが、ほとんどは軽くて一時的です。
ただし、強い胸の痛みや呼吸の異常などがあれば、すぐに医療機関を受診してください。
まとめ
エレトリプタン(レルパックス)は、以下のような特徴を持つ信頼性の高い片頭痛治療薬です。
- 速く効いて、長く持続する効果
- 2時間後の改善率は60%以上
- 1日最大40mgまで。通常は20mgから開始
- 再発率が低めで、安定した効果
- 心臓・脳の病気がある方には使用できないため、事前確認が必要
- 眠気やめまいがあるため、運転や危険作業は控える
- 月10回以上の使用がある方は「使いすぎ」の可能性 → 医師に相談を
当院のオンライン診療について
片頭痛は、日常生活に大きな影響を与えるつらい症状です。
「市販薬が効かない」「仕事や育児に支障がある」「急な発作が不安」など、どんな悩みでもお気軽にご相談ください。
当院ではオンライン診療にも対応しております。
ご自身のライフスタイルに合わせた、安心・安全な治療法をご提案いたします。す。
でも、正しい薬を、正しいタイミングで使えば、コントロール可能です。
当院では、あなたのライフスタイルやお薬の状況に合わせて、片頭痛治療の最適なご提案をしています。
お気軽にご相談ください。
参考文献・出典
PMDA医薬品医療機器総合機構 公開の添付文書(最新版)
→ https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
KEGG DRUGデータベース(D01973)
→ https://www.genome.jp/kegg-bin/show_drug?D01973
インタビューフォーム(ヴィアトリス製薬)
→ 臨床試験データ・作用機序・副作用頻度など詳細に記載されています
PubMed等の文献
よくある質問(Q&A)
-
レルパックスってどんな片頭痛薬?ほかの薬との違いは?
-
レルパックス(成分名:エレトリプタン)は、「トリプタン系」と呼ばれる片頭痛専用の薬です。
同じグループには、スマトリプタン(イミグラン)、ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)などがあります。その中でもレルパックスの強みは、
- 頭の中(脳内)血管への選択性が高い
- 効果の再現性が高く、何度使っても効き目が安定
- 副作用の出方が比較的おだやか(眠気などが軽い)
といった点です。特に「何度も再発する片頭痛」に悩む方には使いやすい薬とされています。
-
レルパックス(先発品)はいつから使われている薬ですか?
-
レルパックスは2001年にスイスで初めて承認・発売され、
日本では2002年4月に片頭痛治療薬として承認されました。
-
レルパックスの薬価はいくら?30日分でいくらぐらいかかる?
-
薬価は以下のとおりです(2024年改定時点)。
製品名 薬価(1錠) 30日分(20mg ×1日1錠) 自己負担(3割負担) レルパックス錠20mg(先発) 346.9円 約10,407円 約3,120円 エレトリプタン錠20mg「DSEP」など(後発) 約119〜133円 約3,600〜4,000円 約1,080〜1,200円 ※診察料・処方料・調剤料は別途かかります。
※片頭痛治療では「必要なときだけ服用」が基本なので、月10錠以内の方も多いです。
-
効果が出るまでどのくらい?どのくらい持続する?
-
服用後1〜2時間で効果を実感しやすい
効果の持続時間は平均で約11時間とされています
24時間以内の再発率は、20mgで10%、40mgで17%程度と比較的少なめです
-
妊娠中でもレルパックスは飲めますか?
-
妊娠中の使用は、**「どうしても必要と判断された場合のみ使用」**とされています。
動物試験では大きな問題は報告されていませんが、人への安全性データは十分ではありません。したがって、
- 妊娠中はできるだけ使用を避ける
- どうしても使用する場合は、医師と相談しリスクを考慮する
という方針になります。
-
授乳中にレルパックスを飲んでも大丈夫?
-
レルパックスは、ごく少量(約0.02%)が母乳に移行するとされています。
そのため、- 授乳直後に服用し、次の授乳まで24時間あける
- 服用後は一時的に搾乳・廃棄して授乳を休む
といった工夫で、赤ちゃんへの影響を最小限に抑えることができます。
ただし、乳児の月齢や体調によっては影響を受けやすいため、医師と相談のうえで使用してください。
-
子どもにも使えますか?
-
日本国内では、小児(未成年)に対する有効性・安全性のデータが不十分なため、
使用は推奨されていません。とくに小学生以下の子どもや成長期の中学生には使用すべきでないとされています。
※海外では小児向けトリプタン製剤が認可されている国もありますが、
日本では原則「成人のみ」が適応です。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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