リザベンは何に効く?アレルギー・喘息・傷あとへの使い方を解説
リザベンは何に効く?
アレルギー・喘息・傷あとへの使い方を解説

ケロイドで『リザベン』飲んでいます

リザベンは、トラニラストという成分を含む処方薬です。適応は次の4つです。
- 気管支喘息
- アレルギー性鼻炎
- アトピー性皮膚炎
- ケロイド・肥厚性瘢痕
喘息や鼻炎、皮膚炎のようなアレルギー性疾患だけでなく、
盛り上がった傷あとであるケロイド・肥厚性瘢痕にも使えるのが特徴です。
リザベンは、オンラインで処方することができます。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
リザベンとは
リザベンは、トラニラストという成分を含む処方薬です。適応は次の4つです。
- 気管支喘息
- アレルギー性鼻炎
- アトピー性皮膚炎
- ケロイド・肥厚性瘢痕
喘息や鼻炎、皮膚炎のようなアレルギー性疾患だけでなく、盛り上がった傷あとであるケロイド・肥厚性瘢痕にも使えるのが特徴です。
患者さん向けにひと言でいうと、リザベンは
「今ある症状をその場で一気に止める薬」ではなく、「アレルギー反応が起こりにくい状態に整えていく薬」
です。
そのため、飲み始めてすぐに大きな変化を感じるタイプの薬ではありません。じっくり使いながら、症状の土台にある反応を抑える目的で使われます。
リザベンの特徴
リザベンは、ナンテン配糖体の抗アレルギー作用の研究から開発された、わが国初の経口投与できるアレルギー性疾患治療薬です。1982年に気管支喘息の効能を取得し、その後、1985年にアレルギー性鼻炎とアトピー性皮膚炎、1993年にケロイド・肥厚性瘢痕へと適応が広がりました。長く使われてきた、歴史のある薬のひとつです。
作用のポイント
作用の中心は、肥満細胞や炎症細胞から放出されるヒスタミン、ロイコトリエンなどの“症状の引き金になる物質”を抑えることです。
さらに、ケロイド・肥厚性瘢痕では、次のような働きも知られています。
- TGF-β1(傷あとが盛り上がる方向に関わる物質)を抑える
- 活性酸素(炎症や組織障害に関わる物質)を抑える
- 線維芽細胞のコラーゲン合成を抑える
つまり、鼻炎や喘息ではアレルギー反応を抑え、傷あとでは盛り上がりの原因に働きかけるという、2つの面をもった薬です。
抗ヒスタミン薬とは違う
もう1つ大切なのは、抗ヒスタミン薬とは役割が違うという点です。電子添文でも、リザベンはすでに起こっている発作や症状を速やかに軽減する薬ではないと明記されています。
たとえば、喘息の急な発作を止める薬ではありません。 発作時には、別の治療が必要になります。
効能・効果
リザベンの効能・効果は、次の4つです。
- 気管支喘息
- アレルギー性鼻炎
- アトピー性皮膚炎
- ケロイド・肥厚性瘢痕
鼻や気道、皮膚、そして傷あとまで、比較的幅広い場面で使われます。
とくにアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎では、「かゆい」「鼻がつまる」「くしゃみが出る」といった、日常生活の質を下げる症状に対して、背景にあるアレルギー反応を抑える目的で使われます。
また、ケロイド・肥厚性瘢痕では、次のような症状の改善が期待されます。
- かゆみ
- 痛み
- 赤み
- 硬さ
- 盛り上がり
有効性(有効性試験等)
臨床試験では、成人の気管支喘息で4週間投与した場合、「軽度改善以上」の改善率は64.8%で、プラセボの32.0%を上回りました。
小児の気管支喘息でも、承認用量に相当する群で改善率は66%、プラセボ群は34%でした。子ども・大人の両方で、一定の有効性が確認されています。
鼻炎・皮膚炎での有効性
アレルギー性鼻炎の試験では、4週間投与で改善率が75.9%、プラセボは47.7%でした。
アトピー性皮膚炎では、改善率が75.3%で、プラセボの53.4%を上回っています。
このように、鼻や皮膚の症状でも、比較試験で効果が示されています。
ケロイド・肥厚性瘢痕での有効性
ケロイド・肥厚性瘢痕では、12週間投与の第III相試験で、「中等度改善以上」が56.2%、対照群は26.7%でした。
さらに予防的な検討でも、有効率は58.6%で、プラセボの38.5%より高い傾向が示されています。
傷あとに対して、内服薬でアプローチできる点は、リザベンの大きな特徴です。
有効性の見方で大切なこと
ただし、これらの数字は決められた条件で行われた臨床試験の結果です。実際の効き方には個人差があり、症状の重さや併用治療によっても変わります。
そのため、「この数字どおりに必ず効く」と考えるのではなく、効果が期待できる根拠のひとつとして理解するのがよいでしょう。
用法・用量
リザベンの飲み方は、剤形によって異なります。
カプセル100mg
通常、成人は1回1カプセルを1日3回服用します。
細粒10%
- 成人:1回1gを1日3回
- 小児:1日0.05g/kgを3回に分けて内服
ドライシロップ5%
通常、小児に用いられ、1日0.1g/kgを3回に分けて、水に混ぜて服用します。
いずれも、年齢や症状に応じて調整されます。
飲み方の注意点
飲み方で大切なのは、自己判断で増減しないことです。
また、この薬は即効性を期待する薬ではありません。 そのため、喘息の発作が出ているときに、「リザベンを飲めばすぐ落ち着く」とは考えないことが大切です。
季節性アレルギー性鼻炎では、症状が出やすい時期の少し前から開始し、シーズン終了まで続けることが望ましいとされています。
使用できない方(禁忌)
リザベンを使用できない方は、電子添文上、次の2つです。
- 妊婦さん(特に妊娠約3か月以内)、または妊娠している可能性のある方
- この薬の成分で過敏症を起こしたことがある方
一方で、次のような方は絶対に使えないわけではありませんが、慎重な判断が必要です。
- 腎機能障害がある方、またはその既往がある方
- 肝機能障害がある方、またはその既往がある方
- 授乳中の方
- 高齢の方
とくに、腎機能や肝機能に不安がある方は、受診時に必ず医師へ伝えてください。
使い合わせに注意が必要な薬
電子添文で併用注意とされている代表的な薬は、ワルファリンカリウムです。
リザベンを一緒に使ったり、逆にリザベンをやめたりしたときに、ワルファリンの効き方が強くなったり弱くなったりして、血液の固まりやすさが変動する可能性があります。
理由としては、試験管内で行う試験(in vitro試験)で、リザベンがワルファリンの代謝を抑える可能性が確認されているためです。
ワルファリンを飲んでいる方は、リザベンを始めるときだけでなく、中止するときも必ず主治医へ相談してください。
副作用と発生頻度
メーカーのインタビューフォームでは、ケロイド・肥厚性瘢痕を含む再審査終了時の副作用発現率は2.6%(645/24,788例)とされています。
主な内訳は、次のとおりです。
- 消化管障害:0.94%
- 肝臓・胆管系障害:0.62%
- 泌尿器系障害:0.31%
- 皮膚・皮膚付属器障害:0.28%
なお、ケロイド・肥厚性瘢痕の適応だけでみると、5.4%(203/3,744例)でした。
比較的みられる副作用
添文上、比較的みられる副作用としては、次のようなものがあります。
- 発疹
- 食欲不振
- 腹痛
- 下痢
- 胃部不快感
- 消化不良
- 便秘
- 吐き気
- 嘔吐
- 頭痛
- 眠気
- めまい
日常で気づきやすい症状が多いため、
「胃腸が弱くなった気がする」
「いつもより眠い」
「湿疹が出た」
と感じたら、早めに相談すると安心です。
注意したい重大な副作用
とくに注意したい重大な副作用は、次のとおりです。
- 膀胱炎様症状
- 肝機能障害・黄疸
- 腎機能障害
- 白血球減少
- 血小板減少
具体的には、次のような症状があるときは早めの受診が必要です。
膀胱炎様症状
- 頻尿
- 排尿痛
- 血尿
- 残尿感
肝機能障害・黄疸
- 皮膚や白目が黄色い
- 強いだるさ
腎機能障害
- 尿量が減る
白血球減少・血小板減少
- 発熱しやすい
- 感染しやすい
- 出血しやすい
なお、白血球減少は0.14%とされています。
検査の大切さ
リザベンで膀胱炎様症状や肝機能障害が出るときには、好酸球増多(アレルギー反応などで増えやすい白血球の一種が増えること)を伴うことが多いため、投与中は定期的な血液検査が望ましいとされています。
症状がなくても、医師から採血を勧められたら受けるようにしましょう。
まとめ
リザベン(トラニラスト)は、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、ケロイド・肥厚性瘢痕に使われる内服薬です。ヒスタミンなどの放出を抑えることで、アレルギー反応や傷あとの盛り上がりに関わる仕組みに働きかけます。今ある症状をすぐ止める薬ではないため、役割を正しく理解して使うことが大切です。
とくに確認しておきたいのは、次の3点です。
- 妊娠中は使えないこと
- ワルファリンとの併用に注意が必要なこと
- 排尿時の痛みや肝機能異常のサインに気をつけること
リザベンが自分の症状に合うかどうかは、病気の種類、重症度、ほかの薬との兼ね合いで変わります。処方を受けている方、これから使う可能性がある方は、受診時に症状・体質・併用薬を具体的に伝えることが、安全に使ううえで大切です。
参考文献・出典
- PMDA(医薬品医療機器総合機構)の電子添文
- KEGG DRUGデータベース(トラニラスト情報)
- 添付文書改訂情報(2022年版)
- 国内臨床試験(気管支喘息・アレルギー性鼻炎・アトピー・ケロイド)
よくある質問(Q&A)
-
リザベンはどんな薬ですか?何に効きますか?
-
リザベンは、アレルギー反応そのものを起こりにくくする薬です。
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎に加えて、ケロイド(盛り上がった傷あと)にも使われます。
-
リザベンはすぐ効く薬ですか?
-
いいえ、すぐに症状を止める薬ではありません。
アレルギーの原因となる物質(ヒスタミンなど)が出にくくなるように働くため、数日〜数週間かけて徐々に効果が出るタイプです。
-
この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?
-
最大の特徴は、「症状を抑える」ではなく「アレルギー反応の元から抑える」点です。
- 抗ヒスタミン薬(例:くしゃみ・鼻水を止める薬)
→ 今出ている症状を抑える(即効性あり) - リザベン
→ 症状が起こる仕組みを抑える(予防・体質改善寄り)
さらに、
- ケロイドに使える内服薬はほぼこれだけ
- 眠くなりにくい(抗ヒスタミン作用がない)
という点も強みです。
- 抗ヒスタミン薬(例:くしゃみ・鼻水を止める薬)
-
先発薬はいつ発売された薬ですか?
-
リザベンは1982年に気管支喘息の薬として発売されました。
その後、1985年に鼻炎・アトピー、1993年にケロイドへと適応が広がっています。
-
1か月飲むといくらくらいかかりますか?
-
目安として、カプセル(100mg)を1日3回×30日使用した場合:
- 薬価:約10.4円/カプセル
- 1日:約31円
- 30日:約930円(薬剤費)
自己負担額の目安:
- 3割負担:約280円
- 1割負担:約90円
※実際は診察料・調剤料が別途かかります。
-
どのくらいで効き始めて、どれくらい効果は続きますか?
-
効果は数日〜1週間ほどで徐々に感じ始めることが多く、
継続することで安定した効果が出る薬です。1回あたりの作用時間は明確な「○時間効く」というタイプではなく、
1日3回の継続服用で体内の状態を整える薬と考えるとわかりやすいです。
-
妊娠中でも使えますか?
-
原則として慎重投与(必要な場合のみ使用)です。
動物実験では影響が示唆されており、
妊娠中は「本当に必要か」を医師が慎重に判断します。自己判断での服用は避け、必ず相談してください。
-
授乳中でも使えますか?
-
母乳への移行は完全には否定できません。
そのため、
- 必要性が高い場合のみ使用
- 授乳を一時中断するか検討することもある
など、個別に判断されます。こちらも必ず医師に相談してください。
-
子どもでも使えますか?
-
はい、小児にも使用可能な薬です。
実際に、
- 細粒
- ドライシロップ
など、子ども向けの剤形が用意されています。
ただし、
- 体重に応じた用量調整が必要
- 長期使用になることが多い
ため、自己判断での中断・増減は避けることが大切です。
-
副作用にはどんなものがありますか?
-
比較的少ないですが、主に以下があります。
- 胃の不快感・腹痛
- 肝機能の異常(血液検査でわかる)
- 頻尿や排尿時の違和感
まれに、
- 肝障害
- 膀胱炎のような症状
- 血液の異常(白血球・血小板減少)
などが報告されています。違和感があれば早めに受診しましょう。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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