抗生物質ケフラールの効果と注意点|膀胱炎や扁桃炎に処方されたら

抗生物質ケフラールの効果と注意点
膀胱炎や扁桃炎に処方されたら

爪の周囲炎があるので『セファクロル(ケフラール®)』使えますか?

セファクロル(ケフラール®)は、

皮膚・呼吸器・尿路・耳鼻科・歯科などの感染症に幅広く使われる飲み薬の抗生物質です。

セファクロル(ケフラール®)はオンラインで処方することができます。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。


セファクロル(ケフラール®)とは?

効能・副作用・飲み方をわかりやすく解説

「ケフラールって何に効くの?」「抗生物質って副作用が心配…」と調べている方へ。

この記事では、セファクロル(商品名:ケフラール®)について、患者さんにも理解しやすい言葉で、効能・効果、飲み方、副作用、注意点などを整理して紹介します。


セファクロル/ケフラール®とは

セファクロルは、飲み薬として使われる「セフェム系抗生物質」です。
先発医薬品の「ケフラール®」のほか、同じ成分を使ったジェネリック医薬品も複数販売されています。

なお、「抗生物質=風邪薬」ではありません。
風邪の多くはウイルスが原因であり、セファクロルは「細菌感染」で、かつこの薬が効きやすいと医師が判断した場合に使われます。


セファクロルの特徴

セファクロルは1976年にアメリカで開発された飲み薬の抗生物質です。

「よく吸収され、いろいろな細菌に効く飲み薬」を目指して研究され、日本では1981年に承認、1982年から販売されました。
2005年には抗菌薬再評価をもとに効能・効果の見直しが行われています。

長く使われてきたのは、以下のような理由があります。

◯ 幅広い菌に効果がある(抗菌スペクトル)

ブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌などに効きます。
※「感性(かんせい)」=その菌に薬がよく効く、という意味です。

◯ 細菌の“細胞壁”を壊して殺菌するタイプ

細菌が生きていくうえで必要な「細胞壁」を作れなくし、殺菌的に作用します。

◯ 吸収がよく、飲んだあとすぐに効き始める

経口投与後、血中・尿中にしっかりと薬が届くことが確認されています。

◯ 1日3回の内服で使われることが多い

安定した効果を得るため、1日3回に分けて処方されるのが一般的です。


効かない相手にも注意

セファクロルは以下のような菌・病原体には効果がありません。

  • マイコプラズマ
  • クラミジア
  • ウイルス
  • 真菌(しんきん:カビ)

このため「のどが痛い=抗生物質が必要」とは限らず、医師が必要と判断した場合にのみ処方されます。


効能・効果(何に効く?)

適応菌種(薬が効く菌)

以下の菌に「感性」がある場合に使われます。

  • ブドウ球菌属
  • レンサ球菌属
  • 肺炎球菌
  • 大腸菌
  • クレブシエラ属
  • プロテウス・ミラビリス
  • インフルエンザ菌

適応症(対象となる病気)

  • 表在性・深在性の皮膚感染症、慢性膿皮症、リンパ管炎、リンパ節炎
  • 外傷・熱傷・手術創の二次感染、乳腺炎
  • のど・気道:咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性気道病変の二次感染
  • 尿路:膀胱炎、腎盂腎炎
  • 耳や目:麦粒腫、中耳炎
  • 歯・口腔:歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
  • 猩紅熱(しょうこうねつ)

咽頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎などでは、抗菌薬が本当に必要かどうかを見極めて処方されます。
必要ないケースでは「様子を見る」ことも重要です。


有効性(どれくらい効く?)

臨床試験の結果

セファクロルは、比較試験(ダブルブラインド試験)でも有効性が確認されています。
一般臨床試験では、1418例中1170例が改善(有効率 82.5%)とされています。

疾患別の成績(例)

疾患名有効率
深在性皮膚感染症86.1%
扁桃炎93.7%
膀胱炎85.2%
腎盂腎炎75.0%
中耳炎70.0%
肺炎59.6%

※効果は疾患や原因菌、患者さんの体調によって異なります。


用法・用量(飲み方)

基本的な服用法

  • 成人および体重20kg以上の小児:
     1日750mgを3回に分けて服用
  • 重症例や菌の効きが悪い場合:
     1日1500mgを3回に分けて服用

※年齢や体重、症状によって調整されます。
粉薬(細粒)も含めて、医師の指示に従ってください。

なぜ途中でやめてはいけないの?

  • 症状が軽くなっても菌が残っていることがある
  • 中途半端にやめると「ぶり返し(再燃)」や「耐性菌」が出やすくなる

使えない方(禁忌)

次の方は基本的に使用できません。

  • セファクロル成分にアレルギーがある方(過去に発疹や呼吸困難などを起こしたことがある)

以下の方は医師が慎重に判断します。

  • 他のセフェム系抗生物質でアレルギーを起こした方
  • ペニシリン系でアレルギーを起こした方
  • アレルギー体質の方(ご本人または家族に喘息・蕁麻疹がある等)
  • 腎臓の機能が低下している方(量の調整が必要になる場合あり)
  • 妊婦・授乳中の方・高齢の方(慎重な使用が求められます)

飲み合わせ・検査への影響

本資料では特定の「併用禁忌薬」は明記されていませんが、次のような検査に影響を与える可能性があります。

  • ベネディクト試薬やフェーリング試薬による尿糖検査:偽陽性の可能性
  • 直接クームス試験:陽性になる可能性

健康診断や検査時には、「セファクロルを服用中」と伝えてください。


副作用と頻度

どのくらいの割合で副作用が起こる?

  • ケフラール(カプセル):
     承認時:5.27%(140/2659例)
     再審査時:1.44%(253/17589例)
  • 細粒(小児用):
     承認時:3.3%(26/778例)
     再審査時:1.46%(112/7672例)

比較的よくある副作用

  • 発疹(0.1〜5%未満)
  • 胃腸症状(悪心、下痢、腹痛など)

※軽い下痢はよくありますが、強い腹痛や血便があるときはすぐに受診を。

重い副作用(頻度は低いが注意)

  • ショック・アナフィラキシー(呼吸困難、全身の赤み、むくみ)
  • 偽膜性大腸炎(強い下痢、血便)
  • 急性腎障害(尿が出ない、むくみ、だるさ)
  • 中毒性表皮壊死融解症(ちゅうどくせいひょうひねしゆうかいしょう)
     スティーブンス・ジョンソン症候群
     → 発熱、皮膚のただれ、水ぶくれ
  • 間質性肺炎・PIE症候群(発熱、息切れ、咳)
  • 肝機能障害・黄疸(皮膚が黄色くなる、強いだるさ)
  • 血液障害(発熱・出血・のどの強い痛みなど)

まとめ

セファクロル(ケフラール®)は、皮膚・呼吸器・尿路・耳鼻科・歯科などの感染症に幅広く使われる飲み薬の抗生物質です。

尿糖検査や血液検査に影響を及ぼすことがあるため、服薬中であることを伝えましょう適切な診断のもと使用することが大切です。

特定の菌に対してよく効くとされ、有効率82.5%の臨床成績があります

1日3回の服用が基本で、自己判断で中止しないことが重要です

副作用は発疹や下痢などが比較的多く、重い症状が出ることもあります

アレルギー歴や腎機能などにより、使えない・注意が必要なケースもあります

参考文献・出典

(公的)

  • 厚生労働省:医薬品インタビューフォーム(IF)
  • PMDA医療用医薬品添付文書情報
  • 日本化学療法学会・感染症関連ガイドライン
  • 小児感染症治療ガイドライン

(論文)

  • PubMed(米国国立医学図書館)
  • 日本化学療法学会誌
  • 日本感染症学会誌

よくある質問(Q&A)


ケフラールってどんな薬ですか?

ケフラール(一般名:セファクロル)は、飲み薬の抗生物質です。
細菌の細胞壁の合成を邪魔して、菌を死滅させます(殺菌作用)。
皮膚・喉・気管支・膀胱などの感染症に使われます。

ケフラールは風邪にも効きますか?

いいえ。
風邪の多くはウイルスが原因のため、抗生物質では治りません。
医師が「細菌感染」と判断した場合にのみ処方されます。

この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

同じ飲み薬のセフェム系(例:セファレキシン、セフジトレンピボキシルなど)と比較した強みは次のとおりです:

  • 吸収が良い(バイオアベイラビリティが高い)
     → 内服して血中に届きやすい
  • 幅広い菌に対応(グラム陽性+一部のグラム陰性菌)
     → 肺炎球菌、大腸菌、インフルエンザ菌など
  • 小児の処方実績が長い
  • 1日3回で安定した血中濃度を確保

一方で、マイコプラズマやクラミジアなどには効きません(これは同系統の薬全般に共通する弱点です)。

先発薬の発売年はいつですか?

ケフラール(セファクロル)は
1982年1月18日 に日本で販売開始されました。
(開発は1976年、承認は1981年)

服用してどれくらいで効き始めますか?(作用発現時間・持続時間)

効き始め:半日〜1日程度で症状の改善が目立ち始めることが多い
 ※症状の改善速度は部位と重症度によって変わります

持続時間:血中半減期は約0.6〜0.9時間ですが、組織にはもう少し長く留まります

飲み方:1日3回に分けることで効果を安定させます

妊娠中でも飲むことはできますか?

妊娠中でも医師が必要と判断すれば使用されます。
動物実験および臨床で重大な催奇形性(さいきけいせい:赤ちゃんへの奇形リスク)は確認されていません。

ただし

  • 自己判断で服薬を続けない
  • 初期〜中期は特に医師と相談
  • 感染の重さとのバランスを取る

が大切です。

授乳中に飲んでも大丈夫?

セファクロルは母乳に少量移行します
しかし、一般にその量は少なく、授乳中でも使用可能とされています。

注意点:

  • 赤ちゃんに下痢・発疹が出ないか観察
  • 心配なら授乳時間をずらす(服用後3時間程度空けるなど)

医師に「授乳中」と必ず伝えてください。

子ども(乳児・幼児)でも使えますか?

使えます。日本では小児処方が多い薬の一つです。

注意点:

飲ませにくいときは薬剤師に相談(溶かし方や味の工夫)。

体重に合わせて量を決める(mg/kg)

粉薬(細粒)が処方されることが多い

下痢が出ました。やめた方がいいですか?

軽い下痢はよくある副作用です。
ただし

  • 血が混じる
  • 強い腹痛
  • 発熱
  • 水のような便が続く

などがあれば「偽膜性大腸炎(ぎまくせいだいちょうえん)」の可能性があり、すぐ受診してください。

アルコール(お酒)と一緒に飲んでも大丈夫?

基本的に直接の禁忌ではありません。
ただし

  • 胃腸症状が出やすくなる
  • 代謝に負担がかかる

ため控えめが無難です。受診してください。

飲み忘れたらどうすればいい?

気づいた時点で1回分を内服してください。
ただし

  • 次の時間が近い場合は1回飛ばす
  • 2回分をまとめて飲まないこと

が重要です。

30日処方された場合の薬価や自己負担額の目安は?

例として ケフラールカプセル250mg を1日750mg(3カプセル)使用した場合

<薬価>
54.7円 × 3カプセル × 30日 = 4,923円

<自己負担額の目安>

  • 3割負担:約1,480円
  • 2割負担:約985円
  • 1割負担:約495円

※診察料・調剤料は別途
※2024年時点の公示薬価で計算

同じ抗生物質でも遅れて効くことはありますか?

あります。抗生物質は原因菌がいない場合は効きません
咳や鼻水だけで改善しないときは

  • ウイルス性
  • アレルギー性
  • マイコプラズマ

など他の原因の可能性もあります。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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