花粉やハウスダストの目のかゆみに「トラニラスト点眼液0.5%」は効く?使い方・注意点まとめ

花粉やハウスダストの目のかゆみに
「トラニラスト点眼液0.5%」は効く?使い方・注意点まとめ

花粉症で『トラニラスト点眼液0.5%』を使っています。

トラニラスト点眼液0.5%は、

花粉やハウスダスト、ダニ、動物の毛などが原因で起こる

アレルギー性結膜炎(けつまくえん)の治療に使われる目薬です。

トラニラスト点眼液0.5%はオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

トラニラスト点眼液0.5%とは

トラニラスト点眼液0.5%は、
花粉やハウスダスト、ダニ、動物の毛などが原因で起こる
アレルギー性結膜炎(けつまくえん)の治療に使われる目薬です。

  • 一般名:トラニラスト(Tranilast)
  • 薬の種類:アレルギー性結膜炎治療薬
  • 位置づけ:抗アレルギー薬(いわゆる「抗ヒスタミン点眼薬」とは少し違うタイプ)

かゆみ・充血・ゴロゴロ感など、
アレルギーによる目のつらい症状を抑えるために、眼科でよく処方される薬の一つです。

※この記事は、当院を受診される方に向けた一般的な説明です。
実際の使用は、必ず担当医・薬剤師の指示に従ってください。


トラニラスト点眼液0.5%の特徴

トラニラストは、
もともと「リザベン点眼液0.5%」や「トラメラス点眼液0.5%」などの先発品で使われてきた成分です。
その後、同じ成分・濃度で作られた後発品(ジェネリック医薬品)が各社から登場しました。


開発の流れ

「トラニラスト点眼液0.5%『FFP』」の例では、

  • 富士フイルムファーマ株式会社が
    ・規格や試験方法を設定
    ・安定性試験を実施
    ・生物学的同等性試験(先発品と同じ効き方かどうかを確認する試験)を行い、
  • 2011年7月に承認 → 同年11月に発売
  • 2019年2月から共創未来ファーマ株式会社が製造販売を引き継ぐ

という経緯(けいい)で、現在も使われています。


特徴的なポイント

  • 先発品と同じ効果・安全性が確認されている
  • 費用を抑えやすい
  • ステロイドではない抗アレルギー薬なので、軽度〜中程度の症状に使いやすい

これらが患者さんにとっての大きなメリットです。


効能・効果

トラニラスト点眼液0.5%の効能・効果はひとつだけです。

アレルギー性結膜炎

つまり、

  • 花粉症
  • ハウスダスト・ダニ
  • ペットの毛(犬・猫など)
  • カビ

などが原因の目のかゆみ・充血に対して使用します。

反対に、以下のような症状には効果がありません:

  • 細菌感染による結膜炎(めやにが多く出るタイプ)
  • ウイルス性結膜炎(流行性角結膜炎など)
  • ドライアイによる不快感

医師による診察で、アレルギーが原因かどうかを確認したうえで処方されます。


有効性(試験による根拠)

クロモグリク酸ナトリウムとの比較試験

国内で実施された第III相(だいさんそう)二重盲検比較試験(にじゅうもうけんひかくしけん)では、
アレルギー性結膜炎の患者200人を対象に、

  • トラニラスト点眼液0.5%
  • クロモグリク酸ナトリウム点眼液2%(別の抗アレルギー薬)

を比較しました。

使用方法(両群とも):

  • 1回1〜2滴
  • 1日4回(朝・昼・夕方・就寝前)
  • 4週間継続

結果は次のとおりです:

  • トラニラスト群:中等度改善以上の割合 63.4%
  • クロモグリク酸ナトリウム群:同 52.7%

この差は、統計的に同等(どうとう)と認められた=効果に大きな差はないとされました。
副作用としては、「しみる」症状が1.0%(98人中1人)に見られた程度です。



用法・用量(使い方)

点眼の基本

  • 1回:1〜2滴
  • 1日:4回(朝・昼・夕方・就寝前)

必ず医師の指示通りの回数と期間で使用してください。


正しいさしかたのポイント

  1. 手を洗う
  2. 顔を上に向けて、下まぶたを軽く引きポケットを作る
  3. 容器の先が目に触れないように、1〜2滴さす
  4. 点眼後は1〜5分ほど目を閉じ、目頭(めがしら)を軽く押さえる
     → 鼻への流出を防ぎ、副作用のリスクを減らす
  5. こぼれた液は清潔なティッシュなどで拭き取る

他の目薬を併用している場合

  • 5分以上間隔をあけることが必須です。
  • 成分が混ざることで効果が落ちる/刺激が強くなることがあります。
  • 点眼する順番は目薬の種類によって異なるため、医師に確認しておくと安心です。

保管の注意点

  • 冷蔵庫での保管はNG
     → 低温で成分が結晶化してしまう可能性があります
  • 光を避けて保管
     → 光でも変色するため、遮光が必要です

使用できない方(禁忌)

絶対に使用してはいけない方

  • 成分にアレルギー(過敏症)のある方

過去に以下のような症状があれば必ず医師へ:

  • 発疹(ほっしん)
  • まぶたの腫れ・かゆみ
  • 目のまわりの赤み・かぶれ

慎重な使用が必要な方

  • 妊婦(特に妊娠初期)・妊娠の可能性がある方
     → 動物実験で骨格異常の増加が報告あり
  • 新生児・乳児・6歳未満の幼児
     → 臨床試験が行われていません

これらに該当する場合、医師とよく相談してから使用してください。


併用に注意すべき薬や状況

  • 添付文書には、明確な併用禁忌や注意薬は記載されていません
  • 点眼薬としての全身への影響は非常に少ないとされています

とはいえ、

  • 複数の点眼薬を使っている
  • 緑内障治療中
  • ステロイド点眼も使っている
  • トラニラストの内服薬も使っている

などの場合は、総合的に治療方針を調整する必要があります。


副作用と発生頻度

比較的よく見られる副作用(頻度:0.1〜1%未満)

  • 過敏症(かびんしょう)反応
  • まぶたの皮膚炎・炎症
  • 接触性皮膚炎(目のまわり)
  • 目の刺激感・充血・かゆみ・腫れ

多くは軽く一時的ですが、症状が強い・続く・悪化する場合は、必ず受診してください。


重大な副作用(ごくまれ)

  • 急激な目のかゆみ・腫れ
  • 顔全体の腫れ・じんましん
  • 息苦しさ・胸のつかえ

こういった場合は、ただちに使用を中止して救急を含め医療機関を受診してください。


長期使用に関する注意

添付文書では、

「重症例では本剤単独では十分な効果が得られないことがあるため、漫然と長期に使用しないこと」

とされています。
効果が弱い・続かない場合は治療方針を見直すことが大切です。


まとめ

冷蔵庫保管は避け、光を避けて保存するか知りたい」「治療方針を整理したい」という方も、どうぞ受診時にお話しください。

トラニラスト点眼液0.5%はアレルギー性結膜炎の治療薬

かゆみ・充血・ゴロゴロ感を抑えるのに用いられる

通常は1回1〜2滴、1日4回の使用

妊娠中や小児は慎重な判断が必要

副作用は少ないが、重い症状が出たら必ず受診を

他の目薬との併用は5分以上間隔をあける

参考文献・出典

公的・公式情報

  • PMDA 添付文書・インタビューフォーム
    (最新の公式情報。副作用・臨床成績を確認できる)
  • 厚生労働省「糖尿病治療薬の適正使用に関するガイドライン」
  • 日本糖尿病学会「治療ガイド」

● 学術論文(一般向けにわかりやすいテーマ)

医療用医薬品添付文書(PMDA・JAPICで検索可)

KEGG DRUG:D02027(薬効分類、代謝酵素など)

『臨床医薬』1993年 第9巻3号:トラニラストの第III相比較試験の報告

『日本薬理学雑誌』1978年 第74巻:作用機序に関する動物実験データ

日本アレルギー学会による『アレルギー性結膜炎診療ガイドライン』も参考になります

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

トラニラスト点眼液0.5%は、他の抗アレルギー点眼薬(クロモグリク酸ナトリウムなど)と比べて、抗ヒスタミン成分を含まずにヒスタミンやロイコトリエンの放出自体を抑えるという点が特徴です。

  • クロモグリク酸ナトリウムなどはヒスタミン放出抑制が中心
  • オロパタジンなどは抗ヒスタミン作用が強い

それに対して、トラニラストはより幅広い化学伝達物質に働きかける作用があり、副作用が比較的少ないとされる点がメリットです。

先発薬の発売年の情報

この薬の先発品は「リザベン点眼液0.5%」(キッセイ薬品)で、1989年に日本で発売されました。

1か月(30日)続けた場合の薬価と、実際の自己負担額は?

トラニラスト点眼液0.5%「FFP」の薬価は203円/瓶(5mL)です。

  • 通常、1瓶で約10〜15日分の使用量となるため、
  • 30日分処方時には2〜3本(406〜609円程度)

【3割負担の目安】

約120〜180円の自己負担(薬局の技術料・処方箋料等を除く)含まれないため、実際はもう少し高くなることがあります。

作用発現時間・持続時間

作用発現時間:一般に、点眼後30分〜1時間程度で効果が現れ始めます。

作用の持続時間:通常は数時間(4〜6時間程度)。そのため、1日4回の定期使用が基本です。

※個人差があり、症状や季節によっても変わります。

妊娠中の使用

妊娠中、特に妊娠初期(3か月以内)の使用は、望ましくないとされています。

動物実験(マウス)では、大量投与により胎児の骨格異常の報告があります。

点眼薬は全身への移行はごく微量ですが、原則的に医師と相談のうえ使用することが推奨されます。

授乳中の使用

授乳中の母乳への移行に関する明確なデータはありません。

ただし、点眼薬としての全身移行量はごく少ないため、医師の判断のもと使用可とされるケースが一般的です。

念のため、点眼後に目頭を軽く押さえる(涙のう圧迫)ことで、薬の全身移行を抑える工夫も有効です。

子どもへの使用可否と注意点

低出生体重児、新生児、乳児、6歳未満の幼児への臨床試験は実施されていません

そのため、安全性は未確立ですが、実際の小児アレルギー性結膜炎治療で処方されることもあります。

使用する場合は、医師が症状や体重に応じて慎重に判断し、経過観察を行う必要があります

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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