膝が痛い時に貼る湿布、ロキソニンテープってどう?貼るロキソニンの正しい使い方

膝が痛い時に貼る湿布、ロキソニンテープってどう?
貼るロキソニンの正しい使い方

腰痛に『ロキソプロフェンNaテープ』使っています。

ロキソプロフェンNaテープは、飲み薬のロキソニン錠と同じ成分を、

貼り薬として使用できるように開発された薬です。

ロキソプロフェンNaテープはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ロキソニンテープ/パップとは

ロキソニンテープ/パップは、有効成分としてロキソプロフェンナトリウム水和物を含む、いわゆる「貼るロキソニン」です。

  • 薬効分類:経皮吸収型鎮痛・抗炎症剤(NSAIDs:非ステロイド性抗炎症薬)

主な製品(先発品)

  • ロキソニンテープ50mg/100mg
  • ロキソニンパップ100mg

この他にも、多数のジェネリック製剤(「ロキソプロフェンNaテープ○○」「パップ○○」など)が販売されています。

効能・効果(正式な適応症)

  • 変形性関節症
  • 筋肉痛
  • 外傷後の腫れ・痛み(打撲やねんざなど)

関節や筋肉の痛みがある部分に直接貼り、1日1回使用する湿布タイプの薬です。


ロキソニンテープ/パップの特徴

ロキソプロフェンNaテープは、飲み薬のロキソニン錠と同じ成分を、貼り薬として使用できるように開発された薬です。

  • 日本ではテープ剤が2008年に発売されました
  • その後、ジェネリックとして「ロキソプロフェンNaテープ50mg/100mg『JG』」などが登場
  • 生物学的同等性試験(血中濃度や効果の出方が先発品と同じかを確認する試験)で、先発品と同等の効果・安全性が認められています

テープ剤とパップ剤の違い(ざっくりとしたイメージ)

テープ剤

  • 薄く、はがれにくい
  • 衣服の下でも違和感が少なく、動きやすい
  • 日常生活や仕事中に使いやすい

パップ剤

  • 水分を多く含んだ「一般的な湿布」のようなタイプ
  • ひんやりした冷感(れいかん)があり、使用感を好む人も

いずれも、皮膚から吸収された有効成分が、体内で「活性代謝物(trans-OH体)」に変化し、痛みや炎症を抑える仕組みです。


ポイント

  • ロキソニンテープ/パップは「対症療法(たいしょうりょうほう)」の薬です
     → 痛みの原因そのものを治すわけではなく、痛みや炎症を一時的に和らげる薬です
  • 特に変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)などの慢性疾患(まんせいしっかん)では
     → 湿布薬だけでなく、リハビリや運動療法なども併せて行うことが重要です

効能・効果

添付文書に記載された正式な効能・効果は以下の3つです:

  • 変形性関節症
  • 筋肉痛
  • 外傷後の腫れや痛み(ねんざ・打撲など)

実際の診療でも、変形性膝関節症(しっかんせつしょう)やスポーツによる筋肉痛などに処方されるケースが多く見られます。


有効性(臨床試験の結果より)

※ここでは、添付文書に掲載されている人での試験結果を、わかりやすく紹介します。

① 変形性関節症に対する効果

  • 2週間使用(1日1〜2回)で、約80%の方に改善が見られました
  • 4週間使用でも、ロキソニン錠(180mg/日)とほぼ同等の効果(改善率:約78%)
  • 12〜24週間使用でも、約73%の方が症状の改善を実感

② 筋肉痛に対する効果

  • ロキソニン錠と比較した試験では、改善率は約75%
  • インドメタシン貼付剤との比較では、改善率は約86%

③ 外傷後の腫れ・痛みに対する効果

  • ねんざや打撲などの患者さんで、7日間使用したところ、約98%で改善が見られました

※これらの数値は、添付文書に示された臨床試験の結果です。効果には個人差があります。


用法・用量(使い方)

基本的な使い方は:

  • 1日1回、患部に貼ること

使用のポイント(一般的な注意点)

  • 医師の指示通りの枚数・期間・部位を守る
  • 同じ部位に何枚も重ねて貼らない
  • 傷・かさぶた・ただれ・湿疹のある場所には貼らない
  • 入浴前後の貼付は避ける(皮膚がふやけてかぶれやすくなる)

使用できない方(禁忌)

以下に該当する方は使用できません:

  • 本剤の成分に過敏症(かびんしょう)の既往がある方
     → 以前に発疹・かゆみ・呼吸困難
    などが出た場合は必ず医師へ伝えましょう
  • アスピリン喘息(ぜんそく)の方、またはその既往歴がある方
     → NSAIDs(解熱鎮痛薬)で発作が出た経験がある方は使用できません

特に注意が必要な方(慎重投与)

  • 一般的な喘息もちの方
  • 貼る場所に皮膚感染がある方
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある方
  • 小児(こども)
  • 65歳以上の高齢者

高齢者では、副作用が出る割合が高く、特に皮膚のトラブルに注意が必要です。


使い合わせに注意が必要な薬

  • ロキソニン錠など、同じ成分の飲み薬との併用
  • 他のNSAIDsの貼り薬や塗り薬との併用

これらの併用は、副作用のリスク(胃腸・腎機能など)を高めることがあります。


副作用と発生頻度

① 重大な副作用(頻度は不明)

  • ショック
  • アナフィラキシー(急な全身アレルギー反応)

症状例:

  • めまい、急な血圧低下
  • 息苦しさ、喉の腫れ、じんましん
  • 顔面・唇の腫れ

※これらが出たらすぐに使用を中止し、医療機関を受診してください。

② その他の副作用

  • 1〜3%未満:かゆみ、赤み、接触性皮膚炎、発疹
  • 0.5〜1%未満:皮下出血、刺激感、水ぶくれ、胃の不快感など
  • まれに:肝機能検査値の異常、むくみなど

高齢者での注意点

  • 高齢者の副作用発現率:3.7%(若年者の約2倍)
  • 主な副作用は貼った部分の皮膚症状

※ご家族が定期的に皮膚の様子をチェックしてあげると安心です。


こんなときは受診を

  • 貼った部分に赤みやかゆみ、水ぶくれが強く出ている
  • 貼っていない場所にも発疹が出てきた
  • 胃の不快感やむくみ、息切れが続く

まとめ

ロキソニンテープ/パップは:

  • 飲み薬と同じ成分を貼り薬として使える
  • 変形性関節症・筋肉痛・外傷後の腫れや痛みに
     → 7〜8割以上の方で症状の改善が期待される
  • 1日1回貼るだけで良い、使いやすい外用薬

一方で:

  • 痛みの原因を治す薬ではなく、対症療法であること
  • 皮膚のかぶれなどの副作用が比較的多いこと
  • ごくまれに重いアレルギー(ショック、アナフィラキシー)があること
    を理解しておく必要があります。

「湿布だけで何とかしよう」と放置すると、
治療が遅れ、関節の変形が進むおそれもあります。

症状が良くならない、悪化していると感じたら、
早めに整形外科などを受診しましょう。

参考文献・出典

PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)の添付文書
 → 医療用医薬品 情報検索ページ(PMDA)

KEGG DRUGデータベース(ロキソプロフェンNa:D01709)

論文例:
 ・菅原幸子ほか. 臨床医薬. 22(5): 393-409, 2006.
 ・浜本哲和ほか. 臨床医薬. 22(3): 179-186, 2006.

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の湿布と比べた強みは?

ロキソニンテープ/パップの最大の特長は、有効成分が飲み薬ロキソニンと同じで、強力かつ安定した鎮痛効果がある点です。

他の湿布と比べると:

比較項目ロキソニンテープボルタレンテープ(ジクロフェナクNa)モーラステープ(ケトプロフェン)
主成分ロキソプロフェンNaジクロフェナクNaケトプロフェン
皮膚刺激比較的少ないやや多い光線過敏症のリスクあり
服薬との併用飲み薬と成分重複注意同様に注意同様に注意
強み安定した鎮痛効果、貼りやすさ即効性、やや強い肩こり腰痛によく使われる
注意点高齢者・長期使用で皮膚障害胃腸障害などに注意光過敏、湿布跡の炎症に注意

ロキソニンテープの先発薬はいつ発売されたの?

日本でのロキソニンテープ(先発品)は、2008年に発売されました。
もともとロキソニン錠が先に登場し、テープ剤・パップ剤としての経皮吸収型製剤が追加された形です。

その後、2013年以降、さまざまなジェネリック(後発)品が登場しています。

1か月(30日)分を処方された場合の薬価と自己負担額は?

たとえば、ロキソニンテープ100mg(先発品)を1日1枚使用した場合

  • 薬価:17.6円/枚
  • 30日分の薬価合計:528円
  • 自己負担額(3割負担):約160円程度

※後発品(ジェネリック)でも価格はほぼ横並びで、100mg製剤は多くが17.6円/枚です。
※パップ剤でもほぼ同額ですが、製品により多少前後します。

💡 貼る薬は一見高そうに思えて、実は1か月あたり数百円のコストで収まるケースが多いです。

貼ったらどれくらいで効き始める?持続時間は?

作用発現時間:1〜2時間ほどで効果が出始めることが多いとされています

持続時間:おおよそ12〜24時間程度の効果が持続

そのため、基本的には1日1回の貼付で十分とされており、貼り直しの必要はほとんどありません。

妊娠中はロキソニン湿布を使ってもいいの?

原則として妊娠中の使用は避けるべきとされています。

特に妊娠中期〜後期では、以下のリスクが報告されています:

  • 胎児の動脈管(どうみゃくかん)収縮
  • 腎機能障害(じんきのうしょうがい)
  • 羊水過少(ようすいかしょう)

➡ 医師が「どうしても必要」と判断したときのみ使用可能ですが、基本的には非推奨です。
妊娠が分かっている場合、必ず医師に伝えましょう

授乳中でも使って大丈夫?

ロキソプロフェンは、経口薬では母乳中移行はごくわずかとされており、授乳中の使用は比較的安全と考えられています。

ただし湿布薬でも:

  • 貼る部位に赤ちゃんが触れる可能性がある
  • 皮膚からの吸収に個人差がある

授乳中でも使える可能性は高いですが、自己判断せず医師または薬剤師に確認しましょう。

子どもには使える?年齢制限はあるの?

添付文書上では、小児への使用は臨床試験が行われていないため、安全性・有効性が確立されていません

  • 年齢制限の記載はないものの
  • 通常は成人のみに処方されることが多いです
  • 小児に処方する際は、医師がリスク・ベネフィットを慎重に判断します

👉 市販の湿布とは異なり、「医療用医薬品」としての使用ルールがあり、小児には基本的に処方ベースです。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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