ゼポラステープとは?関節や筋肉の痛みに効く貼り薬を医師が解説
ゼポラステープとは?
関節や筋肉の痛みに効く貼り薬を医師が解説

腰痛で『ゼポラスハップ』が処方されました。

ゼポラス(ゼポラステープ/ゼポラスパップ)は、
関節、筋肉、腱(けん)などの痛み・腫れをやわらげる目的で使うフルルビプロフェンを含む
「NSAIDsの貼り薬」です
オンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ゼポラスとは
貼るタイプの痛み止め「NSAIDs(エヌセイド)」
ゼポラス(ゼポラステープ/ゼポラスパップ)は、フルルビプロフェンという成分を含む「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:えぬせいど)の貼り薬」です。
成分:フルルビプロフェン(Flurbiprofen)
剤型:
- テープ剤:ゼポラステープ20mg/40mg
- パップ剤:ゼポラスパップ40mg
薬効分類:経皮吸収型(けいひきゅうしゅうがた)鎮痛・消炎剤
→ 皮膚から成分が吸収され、痛みや炎症を和らげる貼り薬です。
膝(ひざ)や肩、肘(ひじ)、筋肉の痛み・腫れに使われ、整形外科ではよく出されるタイプの「湿布薬(しっぷやく)」です。
ゼポラスの特徴
① 飲み薬フルルビプロフェンから生まれた貼り薬
もともと、フルルビプロフェンは飲み薬として、さまざまな痛みや炎症に使われてきました。
しかし、飲み薬には以下のような副作用がありました:
- 胃の不快感・胃潰瘍(いかいよう)などの消化器トラブル
- 腎臓(じんぞう)への負担
こうした全身的な副作用(ふくさよう)を減らすために、「貼る薬」として開発されたのがゼポラスシリーズです。
→ 血中の薬の量を抑えて、痛いところに効かせることを目指した設計です。
② 痛いところに直接貼ることで効果を発揮
ゼポラスは、皮膚からゆっくりと成分が吸収されます。
痛みや炎症のもととなる「プロスタグランジン」という物質の産生を抑えることで、痛みを和らげます。
これは「シクロオキシゲナーゼ」という酵素をブロックする働きによるものです。
→ このしくみは、他のNSAIDsと共通です。
飲み薬との違いは?
- 痛い部位に直接貼れる
- 成分が局所(きょくしょ)※患部の近くに集まりやすく、全身には広がりにくい
※とはいえ、少量は血液に入るため、後述するような注意も必要です。
③ ゆっくり吸収、体内にたまりにくい
ゼポラステープ40mgを健康な方に貼った場合:
- 血中のピークまで:約14時間
- 薬の半分が抜けるまで:約10時間(半減期)
- 毎日2回、29日間貼っても4日目以降は一定の濃度に
- はがしてから48時間でほぼ体内から消失
→ 体にたまりにくい作りになっており、長期使用にも配慮されています。
効能・効果
痛みや炎症(腫れ)をおさえる
適応となる病気や症状(添付文書より):
- 変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)
…関節がすり減って痛む病気 - 肩関節周囲炎(けんかんせつしゅういえん)
…五十肩など - 腱炎・腱鞘炎(けんしょうえん)・腱周囲炎
- 上腕骨上顆炎(じょうわんこつじょうかえん)
…テニス肘など - 筋肉痛
- 外傷後の腫れや痛み(捻挫、打撲など)
有効性(どれくらい効く?)
ゼポラステープ40mgを使った臨床試験では、以下のような結果が出ています(国内143施設・414例):
| 症状 | 有効率 |
|---|---|
| 変形性関節症 | 約58% |
| 肩関節周囲炎 | 約64% |
| 腱炎・腱鞘炎 | 約65% |
| テニス肘など | 約59% |
| 筋肉痛 | 約75% |
| 外傷後の腫れ・痛み | 約81% |
→ わかりやすく言うと「6〜8割の方で、痛みや腫れが楽になった」という結果です。
ただし、ゼポラスだけですべての痛みが治るわけではなく、
- リハビリ
- 運動療法
- 生活改善
などと組み合わせて使うのが現実的です。
用法・用量
基本の使い方
- 1日2回、患部に貼る(朝・夜など)
貼り方のポイント:
- 痛い部分を中心に貼る
- 1枚で足りなければ、医師の指示で複数枚使用も可
- 同じ場所に貼り続けない
- はがすときは皮膚を押さえながら、ゆっくりはがす
注意:
- 傷口や粘膜、かぶれている場所には貼らない
- 使用枚数・期間は、医師が判断します
使用できない方(禁忌)
以下の方には使えません。
- ゼポラスやフルルビプロフェンでアレルギーが出たことがある方
(貼って腫れた、全身にじんましんが出た、など) - アスピリン喘息(ぜんそく)のある方
(バファリンなどの薬で息がゼーゼーするタイプ)
→ 貼り薬でも発作を誘発することがあります。
特に注意が必要な方(慎重投与)
次のような方は、使う前に必ず医師に相談してください。
- 気管支喘息のある方
→ アスピリン喘息でないことをしっかり確認 - 皮膚感染がある方(とびひ、化膿など)
→ 感染を悪化させないように、抗菌薬と併用するなど注意が必要 - 妊娠中/妊娠の可能性がある方
→ 中期以降に使用すると、胎児(たいじ)に影響が出る可能性があります - 小児
→ 臨床試験がなく、通常は使いません - 高齢者
→ 皮膚が薄くなっているため、貼る場所に注意が必要
飲み薬との併用注意
ゼポラスは貼り薬ですが、血液中に少し成分が入るため、次のような薬との併用は要注意です。
主に注意すべき薬:
- 他のNSAIDs(ロキソニン、ボルタレンなど)
→ 胃や腎臓への副作用が増える可能性 - 血液サラサラの薬(ワルファリン、アスピリンなど)
→ 出血しやすくなるリスクあり - 腎臓に負担をかけやすい薬(利尿薬、ACE阻害薬など)
大切なこと:
「貼り薬だから大丈夫」と思わず、
すべての薬・サプリ・市販薬も医師に伝えましょう。
副作用
① 重い副作用(まれだけど注意が必要)
- ショック・アナフィラキシー
→ 胸の締めつけ、冷や汗、じんましん、血圧低下 など - 喘息発作(アスピリン喘息)
→ 貼って数時間以内に、ゼーゼー・息苦しさが出ることも
どちらも命に関わることがあるため、すぐに中止して受診が必要です。
② よくある副作用(皮膚症状が中心)
- かゆみ、赤み、発疹、かぶれ、ヒリヒリ感
パップ剤のデータでは、副作用の頻度は約1.7%でした。
→ ゼポラステープも、同様に貼った部位の皮膚トラブルが中心と考えられます。
③ 異常が出たときの対応
次のようなときは、貼るのをやめて医療機関を受診してください。
- 貼ったところが赤く腫れる、水ぶくれができる
- 強いかゆみや痛みが出る
- 全身にじんましん
- 息苦しさ、胸の違和感、ゼーゼー音
まとめ
ゼポラス(ゼポラステープ/ゼポラスパップ)は、
- フルルビプロフェンを含む「NSAIDsの貼り薬」
- 関節、筋肉、腱(けん)などの痛み・腫れをやわらげる目的で使う
飲み薬よりも、局所に効かせつつ全身への影響を抑える目的で開発されました。
ポイント:
「痛みを軽くするための一手段」であり、根本治療ではない個別の症状・体質に応じて異なります。ぜひ一度ご相談ください。
臨床試験では6〜8割で効果あり
アレルギーや喘息の方には使えない
皮膚トラブルが主な副作用
参考文献・出典
【PMDA】添付文書検索:https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
【くすりのしおり】患者向け情報:https://www.rad-ar.or.jp/siori/
【KEGG DRUG】フルルビプロフェン: https://www.genome.jp/entry/D00330
【文献例】
塩川優一ら:炎症 7巻(1987)203-211
菅原幸子ら:Therapeutic Research 6巻(1987)289-294
よくある質問(Q&A)
-
ゼポラスって、他の湿布薬と比べて何がいいの?
-
ゼポラスの強みは、「痛みにしっかり効きながら、体にたまりにくい」ところです。
他の湿布薬(ロキソニンテープやボルタレンテープなど)と比べて…- 血中濃度が上がりすぎず、胃や腎臓への負担が少ない
- 貼ってから長く効く(半日〜1日しっかり)
- 臨床試験では痛みが軽くなった割合が60〜80%台と比較的高め
また、「フルルビプロフェン」は古くから内服薬としても使われていた実績のある成分なので、信頼感があります。
-
ゼポラス(先発薬)の発売年はいつ?
-
ゼポラスシリーズ(パップ・テープ剤)は、2008年に承認され、同年7月に販売開始されました。
それ以前から、同じ成分「フルルビプロフェン」の飲み薬は使われており、実績のある有効成分といえます。
-
ゼポラスを1か月分もらったら、いくらくらいかかるの?
-
【例】ゼポラステープ40mgを1日2枚使った場合(60枚/月)
- 薬価:1枚あたり16.7円
- 合計薬価:16.7円 × 60枚 = 1,002円
自己負担額の目安(薬だけ):
- 3割負担:約300円前後
- 1割負担(高齢者など):約100円前後
※実際の支払いは、診察料・処方箋料・薬局調剤料なども加わるため、もう少し高くなります。
-
効き始めるのはいつ?どのくらい効果が続くの?
-
効き始め(作用発現時間):貼ってから約10〜14時間で血中濃度がピークになります
持続時間(半減期):およそ10時間程度
1日2回貼り替えで、安定した効果が持続するよう設計されています
急に効くタイプというよりは、じわじわ効いて、長く持つ湿布薬です。
-
妊娠中でもゼポラスは使える?
-
妊娠中の使用は原則として避けた方がよいです。
- 特に妊娠中期以降に使用すると、
→ 胎児の動脈管が縮む
→ 胎児の腎機能が低下して羊水が減る
などの報告があります。
どうしても使う場合は「リスクより効果が大きいと判断されるときに限る」とされています。
不安なときは、かならず医師に相談してください。 - 特に妊娠中期以降に使用すると、
-
授乳中でも使えるの?
-
授乳中の使用について、特別に禁止とはされていませんが…
- フルルビプロフェンの成分が少量でも母乳に移行する可能性があります
- 長期使用・広範囲貼付などでは影響が出るおそれも
そのため、
- 必要最低限の使用にとどめる
- 赤ちゃんの様子をよく観察する
- 不安があれば、授乳中でも使える他の選択肢を医師に相談
という姿勢が安心です。
-
子どもにゼポラスは使っても大丈夫?
-
基本的に、小児への使用は推奨されていません。
- ゼポラスは小児を対象とした臨床試験が行われていないため、安全性が確立していません
- 特に皮膚が敏感な年齢では、かぶれ・発赤などの皮膚トラブルが出やすいことも
どうしても使う場合は、医師が慎重に判断する必要があります。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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