ボルタレンゲル・ローションの使い方と注意点|腰痛・関節痛に効果ある?

ボルタレンゲル・ローションの使い方と注意点
腰痛・関節痛に効果ある?

腰痛があり『ボルタレンゲル』を使っています。

ボルタレンゲルもともとは飲み薬として使われてきた

「ボルタレン錠」の成分を、

皮膚から吸収させるために開発されたゲル状の軟膏です。

ボルタレンゲルはオンラインで処方することができます。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。



ボルタレンゲル1%とは

ボルタレンゲル1%の特徴

  • 有効成分:ジクロフェナクナトリウム 1%
  • 薬の種類:経皮鎮痛消炎剤(塗り薬タイプのエヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬)

もともとは飲み薬として使われてきた「ボルタレン錠」の成分を、皮膚から吸収させるために開発されたゲル状の軟膏です。

日本では2000年に発売され、2008年には「ボルタレンゲル1%」という現在の名称になりました。

ゲル状であることによる特徴

  • ベタつきにくく、よくのびる
  • 関節まわりや腰などに塗りやすい

さらに、炎症を起こしている関節の内側の膜(滑膜:かつまく)に成分がよく届くことが研究で確認されています。


ボルタレンゲル1%の効能・効果

以下のような痛みや炎症による症状の改善に使われます。

  • 変形性関節症(ひざや股関節などの変形による痛み)
  • 肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)
  • 腱・腱鞘炎、腱周囲炎(使いすぎによる腱の炎症)
  • 上腕骨上顆炎(テニス肘)
  • 筋肉痛(筋・筋膜性腰痛症など)
  • 外傷後の腫れ・痛み(打撲やねんざ後など)

※この薬は「痛みや腫れを軽くする」対症療法の薬であり、病気の原因そのものを治すものではありません。


ボルタレンゲル1%の有効性(臨床試験データ)

1%ジクロフェナクナトリウム軟膏として935例で行われた臨床試験では、「中等度改善以上」の割合は以下の通りです。

  • 変形性関節症:64パーセント
  • 肩関節周囲炎:60パーセント
  • 腱・腱鞘炎・腱周囲炎:67パーセント
  • テニス肘など:66パーセント
  • 筋肉痛:75パーセント
  • 外傷後の腫れや痛み:78パーセント

※症状によってばらつきはありますが、6〜8割の方に一定の改善が見られたと報告されています。


ボルタレンゲル1%の用法・用量

  • 通常の使用方法:1日数回、適量を患部にすりこむように塗布します。
  • 使用量や回数:年齢や症状、他の薬との兼ね合いにより変わるため、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。

使用時の注意点

  • 目・口などの粘膜には使用しない
  • 皮膚が大きくめくれているところは避ける(ヒリヒリすることがあります)
  • ラップなどで密閉しない(密封包帯法:オーディーティー)
     → 全身に成分が吸収され、副作用が出ることがあります。

ボルタレンゲル1%を使用できない方(禁忌)

次の方は使用できません。

  • この薬でアレルギーを起こしたことがある方
     例:強い発疹、息苦しさ、腫れなどが出たことがある
  • アスピリン喘息(非ステロイド性鎮痛薬によって発作を起こすタイプの喘息)をお持ちの方、または過去に起こしたことがある方

※上記に当てはまるか不安な場合は、必ず医師に相談してください。


ボルタレンゲル1%と使い合わせに注意が必要な薬

  • ニューキノロン系抗菌薬(抗生物質):例:レボフロキサシンなど

これらと併用すると、まれにけいれんが起きる可能性があります。

  • 抗菌薬を飲んでいる
  • 過去に抗菌薬と痛み止めを併用して体調が悪くなった経験がある

という方は、市販薬を自己判断で使用せず、医師・薬剤師に相談してください。


ボルタレンゲル1%の副作用と発生頻度

よくある副作用(軽〜中等症)

  • 臨床試験(1062例)では約3.9パーセントに副作用がみられました。
  • 主な症状は、塗った部位の皮膚トラブルです。
症状発生頻度(%)
皮膚炎・湿疹・かぶれ約2.5
かゆみ約0.8
赤み約0.8
カサつき(皮膚のあれ)約0.4
ヒリヒリ感・刺激感約0.3
  • 市販後の調査(3157例)では、副作用報告は0.6パーセント程度とされています。
  • 光線過敏症(塗布した部位が日光で赤くなる・湿疹が出る)も報告があります。
     →日差しの強い日には直射日光を避けてください。

重大な副作用(頻度は不明)

  • ショック、アナフィラキシー
     (じんましん、顔や唇の腫れ、息苦しさ、冷や汗など)
  • 重い接触皮膚炎
     赤みやかゆみ → 腫れ、水ぶくれ、全身に発疹が広がる

※このような症状が出た場合はすぐに使用を中止して、医療機関を受診してください。


ボルタレンゲル1%のまとめ

  • 長年使用されている「ボルタレン」の成分を塗り薬にした製剤
  • 痛みや炎症をやわらげる目的で、関節痛・腰痛・打撲などに用いられる
  • 臨床試験では6〜8割の方に症状改善
  • 皮膚症状の副作用はあるが、多くは軽度〜中等度
  • ただし、アレルギー反応や喘息持ちの方には使用できない

ボルタレンローション1%とは

ボルタレンローション1%の特徴

  • 有効成分:ジクロフェナクナトリウム 1%
  • 薬の種類:経皮鎮痛消炎剤(液体タイプ)

ボルタレンゲルと同じ有効成分をローションタイプにした製剤で、
2006年に発売されました。

ゲルとの違い(使い心地)

  • 広い範囲にムラなく塗りやすい
  • 毛の多い部位にも塗りやすい

効果の違いはありません。
角層内の薬の濃度が軟膏と同等であることも確認されています。


ボルタレンローション1%の効能・効果

内容はボルタレンゲルと同じです。

  • 変形性関節症
  • 肩関節周囲炎
  • 腱・腱鞘炎、腱周囲炎
  • テニス肘
  • 筋肉痛・腰痛
  • 打撲・ねんざ後の腫れ・痛み

ボルタレンローション1%の有効性(臨床試験データ)

1%ジクロフェナクナトリウム軟膏の臨床試験データをもとに評価されています。

  • 変形性関節症:64パーセント
  • 肩関節周囲炎:60パーセント
  • 腱炎・腱鞘炎など:67パーセント
  • 筋肉痛・捻挫後:75〜78パーセント

ローションでも軟膏と同程度の効果が期待できます。


ボルタレンローション1%の用法・用量

  • 1日数回、適量を患部に塗布

※回数や量は医師・薬剤師の指示を守ってください。

使用時の注意点(ゲルと共通)

  • 粘膜には使用しない
  • 傷のある部位には避ける
  • 密封して使わない(ラップ、サポーター等)
  • 使用後は必要に応じて手を洗う

ボルタレンローション1%を使用できない方(禁忌)

  • この薬でアレルギーを起こしたことがある方
  • アスピリン喘息のある方、または過去に起こしたことがある方

ボルタレンローション1%と注意が必要な薬

  • ニューキノロン系抗菌薬(例:レボフロキサシン)との併用に注意
     → まれにけいれんを起こす可能性があります。

ボルタレンローション1%の副作用と発生頻度

よくある副作用(皮膚症状)

  • 皮膚炎、赤み、かゆみ、刺激感、乾燥など
  • 頻度はおおむね0.1〜数パーセント程度

まれな副作用

  • 水ぶくれ
  • 色素沈着
  • 光線過敏症(紫外線でかぶれやすくなる)

重大な副作用

  • ショック、アナフィラキシー
  • 重い皮膚炎(ただれ・全身の発疹)

異常が出た場合は早めに受診を


まとめ:ゲルとローションの選び方

共通点

  • 有効成分:ジクロフェナクナトリウム 1%
  • 効能・効果、副作用、効果の強さもほぼ同じ

違い

特徴ボルタレンゲルボルタレンローション
形状ゲル(ジェル)液体(ローション)
塗りやすさ局所に塗り込みやすい広い範囲にサラッと広がる
使いやすい場面関節、腰などピンポイント毛のある部位、広い面積

最後に(医師としてお伝えしたいこと)

ボルタレンゲル/ローションは「症状を和らげる薬」であり、根本治療薬ではありません。

特に変形性関節症や慢性腰痛の場合、以下のような多角的な治療が重要です。

  • 運動療法やリハビリ
  • 体重管理
  • 日常生活の工夫や改善

また、次のような症状があればすぐに使用をやめ、受診してください。

  • 強い発疹や水ぶくれ
  • 息苦しさ
  • 全身のだるさや熱

この記事はあくまで事前に薬の特徴を知るための情報です。
実際の治療は、必ず主治医・薬剤師の指示を優先してください。


参考文献・出典

医薬品添付文書(最新版)

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の公開情報

日本整形外科学会の変形性関節症・腰痛に関するガイドライン

臨床医薬誌に掲載された国内臨床試験論文(2000年前後)

よくある質問(Q&A)


ボルタレンゲル・ローションは、同じタイプの塗り薬と比べて何が強みですか?

「効き目の実績が長く、炎症の中心まで届きやすい」ことが一番の強みです。

ボルタレンゲル・ローションは、
ロキソニンテープやフェルビナク配合の塗り薬などと同じ「エヌセイズ(痛み止めの仲間)」ですが、

  • 世界的に長く使われてきた成分(ジクロフェナク)
  • 炎症が起きている関節の内側(滑膜)まで薬が届くことが確認されている
  • 飲み薬と比べて、体の中に入る量が少ない

という特徴があります。

簡単に言うと、

  • 効き目の裏付けが多い
  • 関節の痛み・腫れに向いている
  • 胃や全身への負担を抑えたい人に使いやすい

という点が、同じ系統の塗り薬の中でも評価されています。

ボルタレンの塗り薬(先発薬)は、いつ発売された薬ですか?

塗り薬としては2000年に日本で発売されています。

  • 飲み薬のボルタレン錠:1974年に日本発売
  • ボルタレンゲル(塗り薬):2000年発売
  • 現在の名称「ボルタレンゲル1%」:2008年から

20年以上使われている塗り薬で、使用経験や安全性データが多いのが特徴です。

1か月(30日)使った場合、薬代はいくらくらいかかりますか?

1日2回使用した場合、自己負担は数百円〜1,000円前後が目安です。

例として、

  • ボルタレンゲル1%(薬価 約3.2円/g)
  • 1回2〜3gを1日2回使用
  • 1日あたり約13〜19円(薬価ベース)

30日分の薬価合計は、おおよそ400〜600円程度です。

自己負担額の目安(保険適用時)

  • 3割負担:約120〜180円
  • 1割負担:約40〜60円

※ 処方量や塗る範囲によって前後します。

この薬の効果は、塗ってからどれくらいで出て、どのくらい続きますか?

早い人では30分〜1時間ほどで効き始め、数時間持続します。

  • 塗布後:皮膚から吸収
  • 痛みや炎症の部位に届くまで:約30分〜1時間
  • 効果の持続:数時間程度

ただし、
慢性的な関節痛や腰痛では「即効性」よりも、
「毎日続けて少しずつ楽になる」タイプの薬です。

妊娠中にボルタレンゲル・ローションは使えますか?

原則として、自己判断での使用はおすすめされません。

理由として、

  • 痛み止めの仲間(エヌセイズ)は、妊娠中期以降に胎児への影響が報告されている
  • 塗り薬でも、体に吸収される量はゼロではない

ためです。

どうしても使う必要がある場合は、

  • 妊娠週数
  • 塗る範囲
  • 使用期間

を考慮したうえで、医師が「利益の方が大きい」と判断した場合に限られます。

妊娠が分かった時点で、必ず主治医に相談してください。欧米では妊娠糖尿病やPCOSでの使用例もあり、ガイドラインにより対応が異なるため、担当医との相談が不可欠です。

授乳中にボルタレンゲル・ローションは使えますか?

医師と相談のうえで、短期間・少量なら使われることがあります。

ジクロフェナクは、

  • 母乳への移行はごくわずか
  • 全身に入る量も少ない

とされています。

ただし注意点として、

  • 乳房やその周辺には塗らない
  • 使用後は手を洗う
  • 長期間の連用は避ける

といった配慮が必要です。

不安がある場合は、必ず医師または薬剤師に確認してください。

子どもにもボルタレンゲル・ローションは使えますか?

小児を対象とした十分な試験が行われていないため、原則として慎重に判断されます。

  • 添付文書上、小児での使用データは限定的
  • 皮膚が薄く、薬が吸収されやすい

といった理由から、

  • 自己判断での使用は避ける
  • 医師の指示がある場合のみ使用

が基本です。

特に、乳幼児には使わない方が安全です。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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