打撲や関節の痛みに効く冷湿布、MS冷シップの特徴とは?

打撲や関節の痛みに効く冷湿布
MS冷シップの特徴とは?

打撲で『MS冷シップ』を使っています。

MS冷シップは、

サリチル酸メチル/dl-カンフル/l-メントールという3つの有効成分を含む、

冷たい感触の鎮痛・消炎パップ剤(冷湿布)です。オンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

MS冷シップとは

MS冷シップは、
サリチル酸メチル/dl-カンフル/l-メントールという3つの有効成分を含む、
冷たい感触の鎮痛・消炎パップ剤(冷湿布)です。

代表的な製品には以下があります:

  • MS冷シップ「タイホウ」(岡山大鵬薬品)
  • MS冷シップ「タカミツ」(タカミツ)

これらはいずれも同じ有効成分を持つジェネリック医薬品です。

分類

薬効分類は「鎮痛・消炎冷感パップ剤」に属し、
捻挫(ねんざ)・打撲・筋肉痛などの局所の痛みや炎症をやわらげる目的で使われます。


MS冷シップの特徴

1. 泥状から成形パップへ進化した湿布

サリチル酸メチル含有のパップ剤は、かつては泥状(カオリンベース)の湿布でした。
そこから、

  • 製剤としての安定性
  • 皮膚への安全性
  • 使いやすさ(貼りやすさ・はがしやすさ)

といった点が改良され、現在のようなシートタイプ(成形パップ剤)になりました。


2. 「冷やす+痛みをおさえる」仕組み

MS冷シップは以下のような作用で痛みをやわらげます:

  • 水分の蒸発によって皮膚の熱を奪う
  • l-メントールによる冷感刺激で「ひんやり」感を与える
  • サリチル酸メチル炎症をおさえ、痛みを軽くする
  • dl-カンフル血行を促進し、清涼感を補う

とくに、打撲や捻挫の直後などの急性炎症(きゅうせいえんしょう)に適しています。


3. 貼りやすく、関節にもフィット

MS冷シップは、

  • 白い膏体(こうたい)を不織布に塗り広げたシートタイプ
  • 適度な粘着力があり
  • 関節(ひざ・ひじ・足首など)にもフィットしやすい

ように設計されています。


効能・効果

次の症状の「痛みや炎症をやわらげる」ことが目的です

  • 捻挫(ねんざ)
  • 打撲(ぶつけたときの痛みや腫れ)
  • 筋肉痛
  • 関節痛
  • 骨折の痛み(ギプスなどと併用)

※あくまで痛みや腫れの対症療法であり、骨折や捻挫自体を治す薬ではありません


有効性(基礎試験による裏付け)

1. 抗炎症作用の確認(動物実験)

モルモットを使った試験で、
炎症による毛細血管の腫れ(透過性亢進)を抑える効果が認められました。

2. 鎮痛作用の確認(動物実験)

ラットに対する痛みの耐性テスト(Randall & Selitto法)で、
痛みの感覚を抑える効果が示されています。

3. 生物学的同等性試験

ジェネリック医薬品として、先発品と同じように成分が吸収され、効果が期待できることが社内資料で示されています。


用法・用量と使い方のポイント

基本的な使い方(添付文書より)

  • 表面のプラスチック膜をはがして患部に貼る
  • 1日1〜2回使用

実際の使用時の注意点

  • 汗や水分をふき取ってから貼る
  • 同じ場所に長時間貼りっぱなしにしない
  • 1日2回を上限にし、重ね貼りや頻回な貼り替えはNG

※製品によって「切って使ってよいか」は異なります。外袋や医師の指示を確認してください。


使用できない方(禁忌)

1. アレルギー歴のある方

過去にMS冷シップで発疹・息苦しさなどが出た方は、再使用できません。

2. 貼ってはいけない部位

  • 傷(すり傷、切り傷など)
  • 湿疹や発疹のある部位
  • 目の周り・口・鼻などの粘膜

3. 妊婦さん・妊娠の可能性がある方

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に分類される薬剤で、胎児に影響する可能性があるため、
医師の判断が必要です。

4. 小児・乳幼児

  • 小児を対象にした試験は行われていません
  • 乳幼児には刺激が強すぎるおそれがあり、必ず医師に相談を

併用時の注意点

他の痛み止めとの併用

以下の薬との重ね使いは注意が必要です:

  • 飲み薬(ロキソニン、イブプロフェンなど)
  • 他の湿布(ロキソプロフェンテープなど)
  • サリチル酸メチルを含む他の塗り薬

併用により副作用(胃や腎臓への影響)が増すことがあります。

アレルギー・喘息のある方

アスピリン喘息など、NSAIDsで症状が悪化した経験のある方は要注意です。


副作用と対処法

主な副作用

貼付部位に次のような皮膚の症状が出ることがあります:

  • 赤み
  • 発疹
  • 腫れ
  • かゆみ・ヒリヒリ感

※これらは「過敏症(かびんしょう)」と呼ばれる反応です。

発生頻度

添付文書上は「頻度不明」とされ、正確な割合は不明です。

受診すべき症状

次のような症状が出たら、すぐに使用を中止して受診してください

  • 強い赤み・水ぶくれ・ブツブツ
  • 我慢できないかゆみ
  • 息苦しさ・顔や唇の腫れ

→ アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)の可能性もあります。


まとめ

MS冷シップは、以下のような特徴をもつ冷湿布タイプの外用薬です:

  • 成分:サリチル酸メチル/dl-カンフル/l-メントール
  • 働き:冷却作用+痛み・炎症の軽減
  • 使い方:1日1〜2回、直接患部に貼付
  • 注意点:皮膚症状が出たら中止/同じ場所に長時間貼らない/妊婦・乳幼児には慎重に

参考文献・出典

以下の公的な資料・論文が参考になります:

医療用医薬品 添付文書(最新版)

インタビューフォーム(IF)

サリチル酸メチル含有冷感パップ剤の
生物学的同等性試験(社内研究報告書)

よくある質問(Q&A)


MS冷シップは、ほかの冷湿布と比べて何が強みなの?

「冷やす力」と「刺激の強さ」のバランスがちょうどいい点が強みです。

MS冷シップは、

  • サリチル酸メチル(痛み・炎症をやわらげる)
  • l-メントール(ひんやり感)
  • dl-カンフル(清涼感・血行サポート)

の3成分だけで構成されています。

そのため、

  • ロキソプロフェンテープやジクロフェナクテープのような
    「薬の力が強い湿布」に比べると
    副作用リスクが比較的低め
  • 市販の冷感湿布よりは
    しっかり医療用としての鎮痛・消炎効果が期待できる

という中間的な立ち位置の薬です。


「捻った直後」「ぶつけてすぐ腫れた」

「強い薬はまだ使いたくない」

といったケースで使いやすいのが強みです。

MS冷シップの先発薬は、いつ頃発売されたの?

サリチル酸メチル含有パップ剤自体は、かなり古くから使われている薬です。

MS冷シップの有効成分である
サリチル酸メチルを含む冷感パップ剤は、

  • 昭和期(数十年前)から
  • 泥状湿布 → シート状湿布へ改良されながら

長年、医療現場で使われてきました。

MS冷シップ自体はジェネリック医薬品ですが、
成分としては「新しい薬」ではなく、実績のある古典的な外用鎮痛薬に分類されます。

30日分処方された場合、薬代はいくらくらい?

自己負担3割の方で、数百円程度が目安です。

MS冷シップの薬価は
0.89円/g です。

例:1日1枚(20g)×30日使用した場合

  • 使用量:20g × 30日 = 600g
  • 薬価:600g × 0.89円 = 約534円
  • 自己負担3割:約160円前後

※1日2回使用でも、自己負担は300円前後が目安です。
※診察料・処方料は別途かかります。

「とりあえず貼って様子を見る薬」としては、
かなり安価な部類に入ります。

効果はどれくらいで出て、どれくらい続く?

貼って数分〜30分以内にひんやり感が出て、数時間持続します。

  • 作用が出るまで
    → 貼付後、早い人で数分
    → 多くは15〜30分以内に冷感を実感
  • 効果の持続時間
    → 冷感は数時間
    → 痛みの軽減効果も数時間程度

飲み薬のように「何時間効く」と明確ではありませんが、
急性期の痛みを一時的に和らげる目的の薬です。

妊娠中でもMS冷シップは使える?

原則は「医師が必要と判断した場合のみ使用」です。

MS冷シップは外用薬ですが、
成分的にはNSAIDs系(痛み止め系)に近い作用があります。

飲み薬のNSAIDsでは、

  • 胎児の腎機能への影響
  • 羊水が減る
  • 胎児の血管(動脈管)が縮む

といった報告があります。

そのため、

  • 妊娠中、とくに中期以降
  • 「自己判断で使う」のは避ける

ことが重要です。


「どうしても必要なときだけ、短期間」

「必ず主治医に相談してから」

が基本的な考え方です。

授乳中に使っても母乳に影響はある?

母乳への影響は少ないと考えられますが、注意は必要です。

MS冷シップは皮膚に貼る薬なので、
体内に入る量はごくわずかです。

そのため、

  • 母乳への移行量は非常に少ない
  • 授乳中でも使われることはある

とされています。

ただし、

  • 長時間・広範囲に貼る
  • 枚数を多く使う

といった使い方は避け、


必要最小限

赤ちゃんに触れる部位(胸・腹部)には貼らない

といった配慮が大切です。

不安があれば、授乳中であることを必ず医師・薬剤師に伝えてください。

子どもにもMS冷シップは使える?

小児向けの試験はなく、特に乳幼児は注意が必要です。

MS冷シップは、

  • 小児を対象とした臨床試験は行われていません
  • 添付文書でも
    「乳幼児には刺激が強すぎることがある」
    と記載されています

特に注意が必要なのは、

  • 皮膚が薄い
  • かぶれやすい
  • 自分で異常を訴えにくい

といった小さなお子さんです。


小学生以上でも、使う場合は短時間・様子を見ながら

乳幼児は自己判断で使わないが基本です。

MS冷シップはどんな人に向いている薬?

「軽〜中等度の急な痛み」を冷やしながら抑えたい人です。

向いているケース:

  • 捻挫・打撲の直後
  • 腫れて熱をもっている痛み
  • 強い痛み止めはまだ使いたくない

逆に、

  • 強い痛みが続く
  • 歩けない・動かせない
  • 何日も改善しない

といった場合は、
湿布だけで様子を見ず、整形外科受診が必要です。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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