ツイミーグってどんな薬?効果・副作用・飲み方をわかりやすく解説

ツイミーグってどんな薬?
効果・副作用・飲み方をわかりやすく解説

糖尿病で『ツイミーグ』を使ってみたいです。

2型糖尿病のための新しい飲み薬ですね。

低血糖をおこしにくく単独でも併用でも使える選択肢があります。

HbA1cを0.5〜1%程度下げる可能性があります。

ツイミーグはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ツイミーグ錠とは

販売名:ツイミーグ錠500mg
一般名:イメグリミン塩酸塩(Imeglimin Hydrochloride)
薬の種類:2型糖尿病用の飲み薬(経口血糖降下薬)
対象:2型糖尿病の方

※インスリンがまったく出ない「1型糖尿病」や、糖尿病性昏睡などの重い状態には使えません。こうしたケースではインスリン注射や点滴による集中的な治療が必要です。


ツイミーグ錠の特徴

① ミトコンドリアに作用する新しい糖尿病薬

ツイミーグは、スイスのMerck Serono社で創製され、その後フランスのPoxel社、日本では住友ファーマにより開発され、2021年に2型糖尿病治療薬として承認されました。

特徴は、膵臓と肝臓・筋肉の両方に作用する「二重のはたらき(Dual Action)」があることです。

  • 膵臓では
     血糖値が高いときに限って、インスリンの分泌を助けます(※「グルコース濃度依存的インスリン分泌促進」といいます)。
  • 肝臓・筋肉では
     肝臓で糖をつくる働き(糖新生)を抑え、
     筋肉への糖の取り込みをよくする(インスリンの効きが悪い状態=インスリン抵抗性を改善)作用があります。

つまり
「インスリンが出にくいタイプ」にも「インスリンが効きにくいタイプ」にも、両方に対応できるお薬です。


② 単独でも併用でも使える

ツイミーグは以下のように幅広い使い方が可能です:

  • 単独療法(ほかの薬を使わずツイミーグだけ)
  • 他の飲み薬との併用
  • インスリンとの併用

→ いずれでも有効性と安全性が検証されており、2型糖尿病の治療選択肢のひとつとして位置づけられています。


③ 低血糖には「併用時」に注意

ツイミーグ単独では、血糖値が高いときだけインスリンを出させるので、低血糖は起こりにくいです。

ただし以下の薬と併用する場合は要注意:

  • インスリン
  • スルホニルウレア薬(SU薬)
  • 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド系)

これらと一緒に使うと、低血糖が起こりやすくなります。

▶「新しい薬=安全」ではなく、「どの薬と一緒に使うか」によって注意点が変わると理解しておくことが大切です。


効能・効果

  • 効能・効果(正式な適応):2型糖尿病

まずは食事療法・運動療法を行っても血糖が下がらないときに、薬物療法のひとつとして検討されます。


有効性(臨床試験から)

① 単独療法での効果

日本人の2型糖尿病患者を対象に、24週間の試験が実施されました。

  • 開始時のHbA1c:約8%
  • ツイミーグ(1回1000mg×1日2回)で:約0.7〜0.9%低下
  • プラセボ(偽薬)では変化なし(やや悪化)

※1500mg×2回でも効果は見られましたが、副作用(吐き気・下痢など)も増加したため、現在は1000mg×2回が正式な用量です。


② 長期使用(52週間)の試験

以下の併用パターンで検証されました:

  • ツイミーグ単独
  • 他の経口糖尿病薬(SU薬、メトホルミン、DPP-4阻害薬など)との併用
  • インスリンとの併用

→ 多くのグループでHbA1cは0.5〜1.0%程度の低下が持続しており、長期効果が維持されたとされています。


③ インスリンとの併用試験(16週+延長)

  • 開始時のHbA1c:約8.8%
  • 16週後の変化
     ・プラセボ群:−0.03%(ほぼ変わらず)
     ・ツイミーグ併用群:−0.6%(有意な改善)
  • 延長して52週後も、効果はおおむね維持されました。

飲み方(用法・用量)

基本の服用方法

  • 1回1000mgを1日2回(朝・夕)
  • 錠剤は1錠500mg → 1回2錠を1日2回服用

※食前・食後の指示はありませんが、毎日決まった時間に服用することが推奨されます。


腎臓が悪い方は用量調整が必要

ツイミーグは腎臓から排泄されるため、腎機能が悪い方では体内に薬がたまりやすくなります。

→ eGFR(腎機能の指標)を見ながら、
 - 用量を減らす
 - 1日1回にする
などの調整が行われます。

※腎機能がかなり悪い方(eGFR低下、透析中など)は使用できないことがあります。必ず医師に伝えてください。



使えない方(禁忌)

以下の方は原則として使用できません

  • ツイミーグで過敏症(発疹、息苦しさなど)を起こしたことがある方
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡・前昏睡の方
  • 1型糖尿病
  • 手術前後、重い感染症やけが(外傷)がある方

また、以下の方も使用が推奨されません

  • eGFRが非常に低い方(透析中など)
  • 妊娠中・妊娠の可能性がある女性

慎重に使うべき方(使用には注意が必要)

  • 低血糖を起こしやすい状態(栄養不良、激しい運動、多量の飲酒など)
  • 脳下垂体機能・副腎機能に問題がある方
  • 肝機能障害や腎機能障害のある方
  • 授乳中(母乳に移行の可能性あり)
  • 小児・高齢者(安全性未確立 or 全身の機能が低下している可能性)

医師に必ず伝えましょう。


飲み合わせに注意が必要な薬

① 他の糖尿病薬との併用(低血糖のリスク)

  • インスリン
  • SU薬(グリメピリドなど)
  • グリニド系(ナテグリニドなど)
  • α-GI(α-グルコシダーゼ阻害薬)
  • DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など

→ 特にインスリン・SU・グリニドと併用する場合は、それらの薬の用量調整が検討されます。


② メトホルミンとの併用

  • 吐き気や下痢などの副作用が出やすい傾向
    → 特に飲み始めに注意。つらければ早めに主治医へ相談を。

③ 血糖を下げる作用のある薬

  • β遮断薬(心臓や高血圧の薬)
  • 高用量アスピリン
  • MAO阻害薬 など
    → ツイミーグの効果が強くなりすぎることがあります。

④ 血糖を上げてしまう薬

  • 副腎皮質ステロイド
  • アドレナリン
  • 甲状腺ホルモン薬 など
    → ツイミーグの効果が薄く見える場合があります。

主な副作用とその頻度

① 重大な副作用:低血糖

  • 全体では約6〜7%の方に低血糖が報告
     ・ツイミーグ単独:1〜2%程度
     ・SU薬との併用:12%前後
     ・インスリンとの併用(52週):21%まで上昇

※重い(第三者の介助が必要な)低血糖は報告されていません。

低血糖の症状

  • だるさ・ふるえ・冷や汗・空腹感・動悸・集中できない感じ

対処法

  • ブドウ糖を取る、安静にする
  • α-GIと併用中は砂糖ではなくブドウ糖を使用してください。

② 消化器症状(よくある副作用)

1〜5%未満:悪心(気持ち悪さ)、下痢、便秘
1%未満:嘔吐、腹部不快感、胃の張り、胸やけ など

→ 多くは自然に治まりますが、つらければ必ず医師に相談を。


③ その他まれな副作用

  • 膀胱炎
  • 食欲低下
  • 網膜症・黄斑浮腫の悪化
  • 血液検査異常(乳酸、リパーゼなど)
  • 体重減少 など

乳酸アシドーシスについて

※乳酸アシドーシス(血液が酸性に傾く重い状態)はメトホルミンで知られる副作用。

ツイミーグでは、動物実験・臨床試験で報告はありませんが、以下に当てはまる方は注意が必要です:

  • 腎・肝機能障害
  • 脱水・下痢・利尿薬の飲みすぎ
  • 過度の飲酒
  • 高齢者
  • 低酸素状態になりやすい病気がある方

→ 医師の指導のもと慎重に使用されます。


まとめ:ツイミーグ錠はどんな方に向いている薬か

  • 2型糖尿病のための新しい飲み薬
  • 膵臓と肝臓・筋肉に働き、幅広く血糖を下げる
  • 単独でも併用でも使える選択肢
  • HbA1cを0.5〜1%程度下げ、効果が1年ほど持続

注意すべき点

  • 低血糖(特に他の薬と併用時)
  • 消化器症状
  • 腎機能や肝機能による用量調整

最後に

ツイミーグ錠は、2型糖尿病治療の可能性を広げる薬ですが、「誰でも安全に使える魔法の薬」ではありません。

以下を踏まえて、使うかどうかは主治医と相談しましょう:

  • 今使っている薬
  • 腎臓・肝臓の状態
  • 食事・運動の習慣やライフスタイル

▶ 「ツイミーグについて聞きたい」と診察時に遠慮なく申し出てください。
その方に合わせた最適な治療の提案が可能になります。

参考文献・出典

医薬品添付文書・インタビューフォーム(IF):PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)

日本糖尿病学会 編『糖尿病治療ガイド』(最新版)

厚生労働省「最適使用推進ガイドライン」(該当時は特記)

住友ファーマの医療関係者向けサイト

論文:

Pirags V et al. (2020) "Efficacy and safety of imeglimin in patients with type 2 diabetes mellitus."

Dubourg J et al. (2014) "Imeglimin: a new oral antidiabetic agent that targets mitochondrial bioenergetics."

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

ツイミーグ(イメグリミン)は、ビグアナイド系(メトホルミンなど)と似た作用の一部を持ちつつ、膵臓へのインスリン分泌促進作用も併せ持つ新しいタイプの糖尿病治療薬です。

比較項目ツイミーグメトホルミン
膵臓への作用あり(血糖値に応じて)なし
肝・筋への作用あり(インスリン抵抗性改善)あり
低血糖リスク単独では少ない非常に少ない
胃腸の副作用あり(むかつき・下痢など)あり(頻度や程度は個人差)
用量調整の柔軟性腎機能に応じて必要腎機能に応じて必要

ツイミーグの強みは、「インスリン分泌が落ちてきた人」「インスリン抵抗性がある人」両方に使いやすく、単剤でも併用でも効果が持続しやすい点にあります。

ツイミーグの先発薬はいつ発売されましたか?

ツイミーグ錠(イメグリミン塩酸塩)は、2021年6月に日本で承認・発売された薬です。

欧米では承認されておらず、世界初承認は日本で行われました。

ツイミーグを30日処方された場合の薬価と自己負担額は?

項目内容
薬価(1錠)34.1円(500mg/錠)
1日用量2錠 × 2回 = 4錠/日
30日分の薬価34.1円 × 4錠 × 30日 = 4,092円
自己負担(3割)1,230円/月

※処方料・調剤料・他の薬との合算により総額は異なります。

ツイミーグは飲んでからどれくらいで効く?どれくらい続く?

作用発現時間:服用して数日〜1週間程度で少しずつ血糖値に変化が現れ始めると言われています。

最大効果2〜4週間前後でHbA1cの改善が見られやすくなります。

作用の持続時間:血糖コントロール改善は1日2回の服用で安定して維持されます。

※即効性のある薬ではないため、効果の判定には2〜3か月の継続使用と検査(HbA1cなど)が重要です。

妊娠中にツイミーグは使える?

ツイミーグは、妊娠中の使用は推奨されていません。

  • 妊婦を対象とした十分な安全性データがありません。
  • 動物実験では胎児への影響が示唆される結果もありました。
  • 妊娠中はインスリン製剤を優先的に使うことが推奨されています。

▶ 妊娠がわかったら、すぐに医師へ相談しましょう。

授乳中にツイミーグを飲んでも大丈夫?

動物実験では母乳中への移行が確認されています。

ヒトでの移行データはありませんが、 授乳中の使用は慎重に判断する必要があります。

医師によっては、

一時的に授乳を中断する

インスリンなど別の薬に切り替える などの対応をとる場合もあります。

▶ 授乳中でツイミーグの服用を検討している場合は、医師に必ず伝えてください。

子どもには使える?

現時点では、小児(18歳未満)への安全性・有効性は確立していません。

ツイミーグは成人(18歳以上)を対象に開発・試験されています。

▶ 小児への処方は原則として行われません。  もし小児糖尿病の治療についての検討が必要な場合は、専門の医師(小児内分泌科など)と相談してください。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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