【週1回でOK】ザファテックってどんな薬?糖尿病の薬を毎日飲むのがつらい方へ
【週1回でOK】ザファテックってどんな薬?
糖尿病の薬を毎日飲むのがつらい方へ

糖尿病で『ザファテック』使っています

ザファテック®錠は、
週1回の服用で効果が続く、経口タイプの「DPP-4阻害薬」と呼ばれる
2型糖尿病治療のお薬です
糖尿病が落ち着いている方はオンラインで処方することができます。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
ザファテック®錠とは
ザファテック®錠(一般名:トレラグリプチンコハク酸塩)は、
週1回の服用で効果が続く、経口タイプの2型糖尿病治療薬です。
分類は「DPP-4阻害薬」と呼ばれるお薬です。
- 食後に腸から出るホルモン「GLP-1」を分解する酵素(DPP-4)を抑える
- その結果、インスリンの分泌をサポートし、血糖を下げます
- 血糖値に応じた作用のため、低血糖が起きにくい特徴があります
「毎日飲むのが大変」「飲み忘れが心配」という方にとって、
週1回で済むのは大きなメリットです。
ザファテック®錠の特徴
- 世界初の「週1回で飲める経口糖尿病治療薬」として登場
- 1回の服用で、DPP-4を7日間しっかり抑えることが臨床試験で確認済み(阻害率77.4%)
- 2015年に2型糖尿病薬として承認
- 腎機能が低い方向けの25mg錠も、2019年に追加
- 現在は、帝人ファーマ株式会社が製造・販売
効能・効果
- 対象:2型糖尿病
- 条件:食事療法・運動療法を行っても血糖コントロールが不十分な場合に使用
※1型糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシスには使用できません
有効性(臨床試験より)
✅ 毎日飲む薬と比べても同じくらいの効果
- 比較対象:アログリプチン25mg/日
- ザファテック100mg/週のHbA1c変化:−0.33%
- アログリプチン25mg/日のHbA1c変化:−0.45%
→ 結果は非劣性(ひれつせい)=「同じくらい効果がある」と認められました。
(※非劣性とは、効果が劣っていないことを示す臨床用語です)
✅ 作用が1週間続く
- 12週試験で、最終投与から7日後もDPP-4阻害率は77.4%
✅ 長期の効果も安定
- 52週間の投与でHbA1cが平均−0.57%、安定した改善が確認されました
✅ 腎機能がかなり低い方にも対応(透析含む)
- 25mg/週投与でHbA1cが−0.71%
- 透析との時間関係は気にせず服用可能
✅ インスリンと一緒に使うと…
- インスリン単独:HbA1c +0.07%
- ザファテック併用:−0.56%
用法・用量
◆ 通常
- 100mgを週1回、経口服用します
◆ 腎機能に応じた調整
| 腎機能レベル | Ccr(クレアチニン・クリアランス) | 服用量(目安) |
|---|---|---|
| 中等度低下 | 30〜50 mL/min | 50mg/週1回 |
| 高度・末期 | <30 mL/min(透析含む) | 25mg/週1回 |
※透析時間は気にせず服用できます
◆ 飲み忘れたときは…
- 気づいた時点で1回分のみ服用
- その後は、決めた曜日に戻して続けます
- 2回分を一度に飲まないでください
注意点
- 毎回同じ曜日に飲みましょう
- 車の運転・高所作業などは低血糖に注意
- GLP-1受容体作動薬との併用は未検証
→効果・安全性は確認されていません
使用できない方(禁忌)
- 1型糖尿病
- 重症ケトーシス・昏睡または前昏睡状態
- 重度の感染症・手術前後・重い外傷がある方
(→このような状態ではインスリンでの血糖管理が必要になります) - 本剤の成分に過敏症のある方
飲み合わせに注意が必要なお薬
✅ 低血糖を起こしやすくなる薬
- スルホニルウレア薬(SU薬)、インスリン
→低血糖リスク↑:減量を検討 - 速効型インスリン分泌促進薬
- α-グルコシダーゼ阻害薬
- ビグアナイド(例:メトホルミン)
- チアゾリジン系薬
- SGLT2阻害薬 など
✅ 糖尿病薬の効果を強める薬
- β遮断薬、サリチル酸製剤、MAO阻害薬、フィブラート系薬
✅ 効果を弱める可能性のある薬
- アドレナリン、副腎皮質ホルモン(ステロイド)、甲状腺ホルモン など
💡 ポイント:
α-グルコシダーゼ阻害薬を服用中の方が低血糖になった場合は、砂糖ではなくブドウ糖を摂取してください。
副作用とその頻度
◆ 重大な副作用(すぐ受診が必要なサイン)
| 副作用 | 主な症状 |
|---|---|
| 低血糖(0.1〜5%未満) | 冷や汗、震え、動悸、空腹感、ふらつきなど |
| 類天疱瘡(るいてんほうそう) | 水ぶくれ、ただれなど |
| 急性膵炎 | 激しいおなかの痛み、繰り返す嘔吐 |
| 腸閉塞 | ひどい便秘、お腹の張り、持続する痛み・吐き気 |
📌上記の症状があれば服用を中止してすぐ受診してください
◆ その他の副作用(報告例)
- 発疹、かゆみ、鼻風邪のような症状(鼻咽頭炎)
- 肝酵素(AST/ALT/γ-GTP)の上昇
- アミラーゼ/リパーゼ上昇
- クレアチンキナーゼ(CK)上昇
- 心房細動
- 尿潜血陽性 など
◆ 臨床試験での副作用頻度の目安
| 試験内容 | 副作用頻度 | 低血糖発現 |
|---|---|---|
| 単独療法(12週) | 9.1% | なし |
| 有効性検証(24週) | 5.0%(主に脂質異常症) | なし |
| 長期投与(52週) | 15.7% | 0.4% |
| 高度腎機能障害(25mg/週) | 18.2% | 12.7% |
| インスリン併用(12週) | 10.3% | 7.8% |
※副作用の出方は、併用薬や体調によって変わることがあります。自己判断での増減は危険です。
まとめ
- 週1回服用で血糖をしっかりコントロール
- 毎日飲むタイプと同等の効果が確認されている
- 腎機能に応じた用量調整が必要
- 単独では低血糖は少ないが、SU薬・インスリンとの併用で注意
- 1型糖尿病や重篤な状態では使用できません
- 飲み忘れたら「1回分のみ」服用し、曜日を戻して継続
💬 最後に
「この薬は自分に合う?」「他の薬と一緒に使える?」など、
疑問がある場合は、必ず主治医に相談してください。
今使っている薬・サプリ・体の状態(腎機能など)を含めて、
ご自身に合った治療を一緒に考えていきましょう。
参考文献・出典
厚生労働省「医薬品リスク管理計画(RMP)」資料
→安全性・副作用の最新情報
PMDA(医薬品医療機器総合機構) の添付文書PDF
→投与量・禁忌・注意点の一次資料
インタビューフォーム(IF)
→臨床試験データや薬物動態が詳しい
主要論文(例):
- 野村ら「トレラグリプチンの週1回投与の有効性と安全性」
- 海外のDPP-4阻害薬比較研究(non-inferiority試験)
よくある質問(Q&A)
-
この薬(ザファテック)の、同じ系統の薬に対する強みは?
-
最大の強みは「週1回で続けられること」です。
ほかのDPP‑4阻害薬(シタグリプチン、アログリプチン、リナグリプチン等)は毎日1回服用が必要ですが、ザファテックは週1回で効果が1週間続きます。比較のポイント
項目 ザファテック 他のDPP‑4阻害薬 服用頻度 週1回 毎日1回 飲み忘れの影響 少なめ(1週間作用) 飲み忘れると効果が途切れやすい 毎日の負担 小さい 大きい 腎機能による調整 25/50/100mgで調整可 調整が必要な薬もあるが種類による →「飲み忘れやすい」「薬が多い」「毎日飲むのが負担」という人にとって大きなメリットです。
-
ザファテックの発売年(先発薬の情報)は?
-
2015年に日本で承認され、同年に発売されました。
2021年に帝人ファーマへ販売が移管され、現在も同社が製造販売しています。
-
1か月(30日)処方されたら薬価はいくら? 自己負担額の目安は?
-
※週1回の薬なので「30日=4週間として4錠」で計算
(100mg錠:806.9円、50mg錠:420.7円、25mg錠:226円)◆ 100mgを週1回(標準量)
- 806.9円 × 4錠 = 3,227.6円(薬価総額)
- 自己負担(3割):約 970円
◆ 50mgを週1回
- 420.7円 × 4錠 = 1,682.8円
- 自己負担(3割):約 505円
◆ 25mgを週1回
- 226円 × 4錠 = 904円
- 自己負担(3割):約 270円
※院内処方・院外処方や薬局調剤料などは別途かかります。
-
効果が出るまでどれくらい?作用の発現時間・持続時間は?
-
飲んだ日からDPP-4の働きをしっかり抑え始めます。
持続時間
→7日間(1週間)しっかり持続
臨床試験では7日後でも DPP-4阻害率 77.4% と確認されています作用発現時間(めやす)
→服用後 数時間以内にDPP-4阻害作用が始まります
-
妊娠中にザファテックは使える?
-
基本的に “妊娠中は避けるべき薬” です。
理由:
- 妊娠中に使ったときの安全性データがほとんど無い
- 動物実験で胎児への影響が完全には否定できていない
→治療が必要な場合は、インスリンなど安全性が確認されている方法が一般的です。
妊娠の可能性がある方は、医師に必ず相談してください。。
-
授乳中は使ってもいい?
-
原則として授乳中の使用は“避けるべき”とされています。
- 母乳中への移行データが不足している
- 乳児への影響が不明
どうしても治療が必要でザファテックが適切と判断される場合は、
- 授乳を一時中止
または - ほかの安全性が高い薬に変更
という選択肢が検討されます。
-
子ども(小児)が飲んでも大丈夫?
-
18歳未満の小児については “使用経験がないため推奨されません”。
理由:
- 小児での臨床試験が実施されていない
- 成長期のホルモンバランス・代謝に対する影響が不明
→小児には原則使用しません。
-
飲み忘れたらどうすればいい?
-
気づいた時点で1回分のみ飲み、以降は予定の曜日に戻します。
間隔が短くても、次の分は「予定の曜日」に統一するのが基本
2回分をまとめて飲むのは✖
-
透析中でも飲めるって本当?
-
はい。透析の有無にかかわらず使えます。
透析が薬の効き方に大きく影響しない
25mg/週で効果があり、副作用も許容範囲
-
インスリンと併用すると低血糖になりやすいの?
-
併用すると低血糖のリスクが上がります。
- インスリン単独では低血糖は多くありません
- ザファテック併用で低血糖:7.8%(12週試験)
そのため、
インスリン側を減量するケースが多い です。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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