ネシーナの効果・副作用・飲み合わせ|糖尿病の薬をくわしく知りたい人へ

ネシーナの効果・副作用・飲み合わせ|
糖尿病の薬をくわしく知りたい人へ

糖尿病で『ネシーナ®錠』使っています

ネシーナ®錠は1日1回で続けやすいDPP-4阻害薬

腎機能に応じて用量調整可能で、透析中の方も服用可となっています。

ネシーナ®錠はオンラインで処方することができます。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。


💊ネシーナ®錠とは

薬の種類

DPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)
→ 食後に分泌されるホルモン「GLP-1(ジーエルピー・ワン)」を分解する酵素「DPP-4」を選択的に抑えることで、GLP-1の量を保ち、血糖を下げる薬です。

対象となる方

  • 2型糖尿病の方(食事・運動療法だけで血糖コントロールが十分でない場合)

用法の特長

  • 1日1回の内服でOK
  • 食事の影響をほとんど受けず、続けやすい設計です

製品名・規格

  • ネシーナ錠 25mg/12.5mg/6.25mg

🔍ネシーナ®錠の特徴

高い選択性

DPP-4だけを標的として働くため、副作用を起こしにくい特長があります。

低血糖が起こりにくい

単独使用での低血糖は 0.1〜5%未満
ただし、SU薬(スルホニルウレア)やインスリンと一緒に使う場合は低血糖のリスクが上がるため注意が必要です。

1日1回で安定した血糖コントロール

半減期(薬の効果が半分になる時間)は約17時間
主に腎臓から排泄されるため、腎機能に応じて用量調整ができます。


🧾承認の歩み

内容
2010年日本国内で承認
2014年効能が「2型糖尿病」へ拡大
2019年再審査で適正性が確認
2021年以降帝人ファーマへ販売移管

💡効能・効果

適応症: 2型糖尿病

※次のような状態では使用できません

  • 1型糖尿病
  • 糖尿病性ケトアシドーシス
  • 昏睡/前昏睡など、インスリンによる速やかな治療が必要な状態

📊有効性(臨床試験の要点)

国内第II相試験(12週・プラセボ対照)

  • HbA1c変化量:−0.77%(ネシーナ) vs +0.05%(プラセボ)
  • 低血糖の副作用なし
  • 主な副作用:腹部膨満感など軽度中心

海外第III相試験(26週・プラセボ対照)

  • HbA1c変化量:−0.59%(ネシーナ) vs −0.02%(プラセボ)

併用療法(12週)

併用薬:

  • α-グルコシダーゼ阻害薬
  • チアゾリジン薬
  • SU薬
  • メトホルミン

いずれの併用でもHbA1cが有意に低下。
SU薬との併用では低血糖リスクが上昇。

インスリン製剤との併用(12週/二重盲検)

  • HbA1c群間差:−0.66%(併用がより効果的)
  • 低血糖副作用:約12%

長期投与(52週)

継続使用で安定した血糖コントロールが確認されています。
※効果には個人差があります。


💊用法・用量

  • 成人: 25mgを1日1回内服

腎機能が低下している場合

腎機能の状態用量
中等度(Ccr 30〜50 mL/分)12.5mgを1日1回
高度・末期腎不全(Ccr<30 mL/分)6.25mgを1日1回(透析の時間に制限なし)

💡注意

  • 飲み忘れ・自己判断での増減は重大な事故につながります。

🚫使用できない方(禁忌)

次の方は服用できません。

  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡/前昏睡、1型糖尿病
  • 重症感染症、手術前後、重度の外傷
  • 本剤成分に対して過敏症の既往がある方

⚠️服用に注意が必要な方

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 小児
  • 高齢で腎機能が低下している方
    → 必ず医師に相談して個別に判断します。

💊飲み合わせに注意が必要な薬

低血糖になりやすくなる組み合わせ

  • SU薬(スルホニルウレア)
  • インスリン製剤
    → 低血糖リスク↑。併用時は減量を検討。

その他の注意薬

  • β遮断薬
  • サリチル酸製剤
  • MAO(まお)阻害薬
  • フィブラート系薬剤
  • ワルファリン
    → 血糖降下作用が強まるおそれ。

血糖が上がりやすくなる薬

  • アドレナリン
  • 副腎皮質ホルモン
  • 甲状腺ホルモン
    → 血糖降下作用が弱まるおそれ。

むくみに注意する薬

  • ピオグリタゾン(チアゾリジン系)
    → むくみが出た場合は早めに受診し、薬を調整。

併用を避けたい薬

  • GLP-1受容体作動薬(作用が重複するため、有効性・安全性は未確認)

💡注意
α-グルコシダーゼ阻害薬と併用時に低血糖が起きた場合は、ブドウ糖を摂取(砂糖は吸収が遅い)。

市販薬やサプリを使う前にも、必ず医師・薬剤師に相談を。


🩹副作用と発生頻度

【重大な副作用】(見られたらすぐ受診)

症状主なサイン
低血糖(0.1〜5%未満)冷や汗、手の震え、動悸、眠気、意識もうろう
急性膵炎激しい腹痛、背中の痛み、吐き気
肝機能障害・黄疸倦怠感、食欲低下、皮膚や白目が黄色い、濃い尿
皮膚粘膜眼症候群(SJS)発熱、発疹、水疱、粘膜のただれ
横紋筋融解症筋肉痛、脱力感、茶色い尿
腸閉塞便秘、腹痛、嘔吐
間質性肺炎乾いた咳、息切れ、発熱
類天疱瘡(るいてんぽうそう)水ぶくれ、ただれ

【その他の副作用(主に0.1〜5%未満)】

  • 皮膚:発疹、かゆみ、じんましん
  • 消化器:腹部膨満、鼓腸、腹痛、胃腸炎、便秘
  • 神経・全身:頭痛、めまい、しびれ、倦怠感
  • その他:鼻咽頭炎、浮腫、動悸、関節痛、筋肉痛、貧血

🚗 運転や高所作業の前には、低血糖症状に注意してください。


✅まとめ

  • ネシーナ®錠は1日1回で続けやすいDPP-4阻害薬
  • 単独では低血糖が少ないが、SU薬・インスリン併用時は注意。
  • 腎機能に応じて用量調整可能で、透析中の方も服用可。
  • HbA1cを下げる効果長期安定性が臨床試験で確認されています。
  • 食事・運動療法と併用し、定期的な検査・診察を忘れずに。

参考文献・出典

● 公的文書(日本語)

  • ネシーナ錠 添付文書(PMDA)
    効果・副作用・相互作用の一次情報
  • インタビューフォーム(IF)
    開発経緯・薬理データ・臨床試験成績など詳細
  • 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド」
    DPP-4阻害薬の位置づけ、妊娠中・授乳中の方針

● 論文(英語, 概要は日本語で読めるものも多い)

EXAMINE試験(心血管イベントに対する安全性検証)

Clinical efficacy and safety of alogliptin in type 2 diabetes(複数の第II/III相試験まとめ)

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統(DPP-4阻害薬)の中での強みは?

「腎機能が悪い方にも使いやすい」「1日1回で続けやすい」が大きな強みです。

DPP-4阻害薬の代表例には、ジャヌビア(シタグリプチン)、トラゼンタ(リナグリプチン)、オングリザ(サキサグリプチン)などがあります。

ネシーナの特徴を比較すると…

項目ネシーナ他の代表薬
投与回数1日1回多くは1日1回
腎機能低下時の使いやすさ用量調整で使用可能トラゼンタ以外は調整が必要
DPP-4選択性非常に高い薬剤で差がある
低血糖の少なさ単独では少ない同程度(SU薬併用時は増える)

→ 特に「腎機能が落ちている人」「薬を何種類も飲んでいる人」に扱いやすいのがネシーナの強みです。

この薬(先発品)の発売年はいつ?

日本での発売年は 2010年(平成22年) です。

武田薬品が創製し、国内で先行して承認・販売された国産のDPP-4阻害薬です。

ネシーナを30日分もらうと薬価はいくら?実際の自己負担の目安は?

ネシーナの薬価(2024年度改定)は以下の通り:

  • 25mg錠:1錠 84.9円
  • 12.5mg錠:1錠 51.4円
  • 6.25mg錠:1錠 28.8円

● 30日(30錠)処方時の薬価

規格1錠薬価30日分薬価
25mg84.9円2,547円
12.5mg51.4円1,542円
6.25mg28.8円864円

● 自己負担額の目安(薬局調剤料などは含まない純薬価ベースの目安)

負担割合25mgの1か月負担目安
3割負担760円前後
1割負担250円前後

※ 実際には薬局での技術料・調剤料が加算されるため、総額は+500〜1,000円程度が一般的です。

ネシーナの作用発現時間・持続時間は?

作用発現時間:
血糖値への明確な効果は 内服後1〜2週間 で徐々に現れることが多い。

1回飲んだあとの薬の持続時間:
血中の半減期は約17時間 → 1日1回で安定して効きます。

HbA1cとしての改善:
4〜8週ほどで低下が見えてきます。

妊娠中にネシーナは使える?

原則「慎重投与(基本は控える)」です。

  • 妊娠中の十分な安全データがありません
  • 動物試験で大きな奇形などは認められていませんが、人での確実なデータが不足
  • 妊娠中に糖尿病治療が必要な場合は、インスリン治療が第一選択とされています

→ 妊娠がわかった時点で、必ず医師へ相談し、治療方針の見直しが必要です。

授乳中にネシーナは使える?母乳に影響は?

授乳中は「慎重投与」。原則は授乳を中断して使用します。

  • 動物では乳汁移行が確認されている
  • 人での乳汁中移行データは不足
  • 新生児・乳児は低血糖が起きやすいため注意が必要

→ 授乳を続けたい場合は、別の治療法(インスリンなど)への変更を検討します。

子ども(小児)はネシーナを使える?

小児(15歳未満)への安全性は確立していません。

  • 国内外ともに小児での有効性・安全性試験がほとんどない
  • 添付文書でも「小児への投与は行わないことが望ましい」とされています

→ 小児の糖尿病治療は専門医の管理が必須です。

ネシーナは他の薬と比べて太りやすい?やせやすい?

基本的に体重への影響はほとんどありません。

DPP-4阻害薬(ネシーナ)は体重変化が少ないのが特徴です。

SU薬は太りやすい傾向

SGLT2阻害薬はやせることが多い

腎臓が悪くても使えるって本当?

はい、腎機能に応じて用量調整すれば使用できます。

トラゼンタを除く多くのDPP-4と同様に、腎排泄型の薬ですが、ネシーナは調整幅が明確で扱いやすいです。

中等度の腎障害:12.5mg

高度の腎障害・透析中:6.25mg

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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