炎症ニキビや膿ニキビに使える抗生物質「ゼビアックス」とは?
炎症ニキビや膿ニキビに使える抗生物質|
「ゼビアックス」とは?

にきびで『ゼビアックス(オゼノキサシン)』使えますか?

ゼビアックス(オゼノキサシン)は、
にきび(炎症性)や表在性皮膚感染症に使用される1日1回塗るタイプの外用抗菌薬です。
ゼビアックス(オゼノキサシン)は、オンラインで処方することができます。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
目次
ゼビアックス(オゼノキサシン)とは
ゼビアックスは、にきび(化膿性かのうせい炎症を伴う尋常性じんじょうせいざ瘡そう)や表在性皮膚感染症の治療に使う、処方箋医薬品の外用抗菌薬です。
有効成分はオゼノキサシンというキノロン系の合成抗菌薬で、以下の2つの剤形があります。
- ゼビアックスローション2%
- ゼビアックス油性クリーム2%
日本での臨床試験により、1日1回塗布で効果があることが確認されています。
ゼビアックスの特徴
広い抗菌スペクトル
ゼビアックスは以下の細菌に対して殺菌的に作用します。
- アクネ菌(C. acnes)
- 表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)
- 黄色ブドウ球菌(S. aureus)
試験管内試験(in vitro)では、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対しても高い抗菌活性を示しています。
作用機序
オゼノキサシンは細菌のDNA複製に必要な「DNAジャイレース」や「トポイソメラーゼIV」という酵素を阻害し、細菌の増殖を抑えます。
1日1回の塗布でOK
国内の臨床試験で、1日1回の塗布で有効性と安全性が評価・確認されています。
使いやすさにも配慮された製剤
- ローション2%
垂れにくい粘性のあるタイプで、指先で塗りやすい特徴があります。 - 油性クリーム2%(W/O型)
油中水型で、乾燥しやすい部位や敏感な皮膚にも使用しやすいしっとりした質感です。
全身への影響が少ない
皮膚からの吸収量は極めてわずかで、血中濃度は非常に低く(ピコグラム/ミリリットルレベル)、全身作用のリスクはほとんどありません。
耐性菌への配慮
実験では耐性(薬が効かなくなる状態)が生じにくい傾向がありました。
ただし、臨床では必要最小限の期間にとどめることが大切です。
効能・効果
適応菌種
- オゼノキサシンに感受性のあるブドウ球菌属
- アクネ菌
適応症(使える症状)
- 表在性皮膚感染症(例:毛包炎、毛瘡、伝染性膿痂疹 など)
- 化膿性炎症を伴う尋常性ざ瘡(にきび)
※注意:結節(けっせつ)や嚢腫(のうしゅ)タイプのにきびには、ゼビアックス以外の治療が推奨されます。
有効性(臨床試験のポイント)
にきび:国内第III相試験(ローション2%)
- 炎症性皮疹数の減少率(中央値)は54.77%
- プラセボより有意に効果が高く、比較薬であるナジフロキサシンに対して非劣性(劣っていないこと)が示されました。
表在性皮膚感染症:国内第III相試験(ローション2%)
- 有効率70.0%(対象:毛包炎、毛瘡)
伝染性膿痂疹:国内第III相試験(油性クリーム2%)
- 1歳以上を対象にした試験で、有効率97.6%
いずれも1日1回の使用方法で検討されました。
用法・用量(正しい使い方)
基本的な使い方
- 1日1回、患部に適量を塗布
にきびの場合
- 洗顔後に患部へ薄く塗布します。
使用期間の目安
- 表在性皮膚感染症:1週間以内に効果が出ない場合は中止
- にきび:4週間使用しても効果が乏しい場合は中止
炎症が消えた場合はそれ以上使わないようにします。
塗布時の注意点
- 目に入れないよう注意
入った場合はすぐに水でよく洗い流してください。 - 過酸化ベンゾイル(BPO)と重ねて使うと黄色に変色することがあります。
(皮膚や衣服への着色に注意)
使用できない方(禁忌)
- オゼノキサシンに過敏症の既往歴(過去にアレルギー反応があった方)がある方
使用に注意が必要な薬
過酸化ベンゾイル(BPO)製剤
- 重ねて塗布すると黄色く変色するため、併用方法に注意
- 効果や安全性に大きな影響はありませんが、衣服への色移りなどに配慮が必要です
※その他、明確な「併用禁忌」はありませんが、複数の外用薬を使うときは医療者に相談を
使用に注意が必要な方(妊娠・授乳・小児など)
- 妊婦:使用しないことが望ましいとされています
- 授乳中:医師と相談のうえ、授乳継続の可否を判断
- 低出生体重児・新生児・乳児:臨床試験成績が不足
- 1歳以上の小児:伝染性膿痂疹の治療において有効性が確認されています(油性クリーム2%)
副作用と発生頻度
多くは軽度の局所症状です。異常を感じたらすぐに使用を中止し、医師に相談してください。
よくある副作用
| 頻度 | 症状 |
|---|---|
| 1%以上 | 乾燥 |
| 1%未満 | 刺激感、鱗屑(りんせつ)・落屑(らくせつ)、紅斑(こうはん)、かゆみ、ほてり、乾皮症(かんぴしょう)など |
| 頻度不明 | 接触皮膚炎、違和感など |
検査値の変化(まれ)
- 血中ビリルビンの増加
- 肝酵素(AST、ALT、γ-GTP)の上昇
- 好酸球の増加
光線過敏の注意点
- 経口のキノロン系抗菌薬では光線過敏症の報告がありますが、
ゼビアックス外用薬ではそのような反応は確認されていません(パッチテストでも問題なし)
まとめ
ゼビアックス(オゼノキサシン)は、にきび(炎症性)や表在性皮膚感染症に使用される1日1回塗るタイプの外用抗菌薬です。
- アクネ菌やブドウ球菌に殺菌的に作用
- 国内試験で以下のような有効性が確認
- にきび:皮疹数の中央値約55%減
- 表在性皮膚感染症:70%
- 伝染性膿痂疹:97.6%
- 必要最小限の期間だけ使用し、効果がなければ中止
- にきびの炎症が治まったら使い続けないのが基本
- 副作用は主に軽い皮膚の症状
- 妊娠中の使用は避けるのが望ましく、授乳・小児では医師と相談
- BPOとの併用では黄色変色の可能性があるため、使用順序や場所に注意
参考文献・出典
国内の添付文書:添付文書改訂版(2025年5月/第3版)に効能・用法・注意事項が記載されています。KEGG
臨床実績論文:例えば「Investigation of the safety and effectiveness of ozenoxacin lotion (…)」などに安全性・有効性データあり。J-STAGE
薬理・抗炎症作用の論文:「Anti‑inflammatory effects of ozenoxacin…」も有用です。Nature
皮膚科ガイドライン・治療ガイド:例えば「尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017」等、新薬も記載あり。
公的機関データベース:医薬品医療機器総合機構(PMDA)の『医薬品承認情報』や『RMP提出品目一覧』。
これらを参考にすることで、使用の適正・安全性・根拠を確認できます。
よくある質問(Q&A)
-
この薬の“同じ系統の既製医薬品”に対する強みは何ですか?
-
1日1回でOK:ざ瘡・表在性皮膚感染症とも1日1回塗布で有効性が示されています。
MRSA含む広い抗菌スペクトル(in vitro):C. acnes/S. epidermidis/S. aureus(MRSA含む)などに殺菌的作用を示します。
耐性化しにくさの示唆(in vitro):28継代でもMIC上昇2倍、自然耐性出現頻度10⁻⁸未満。
臨床での裏づけ:ざ瘡でプラセボに有意差、ナジフロキサシンに対し非劣性を確認。伝染性膿痂疹(1歳以上)で有効率97.6%。
全身移行が少ない示唆:皮膚透過0.35%以下(in vitro)、ヒト血中濃度は極めて低値。
-
この薬の先発薬はいつ発売されましたか?
-
ゼビアックスローション2%:2015年9月 製造販売承認(適応:表在性皮膚感染症、ざ瘡〔化膿性炎症を伴うもの〕)。
ゼビアックス油性クリーム2%:2021年1月 製造販売承認(同上)。
-
1か月(30日)処方時の薬価・実際の目安価格(自己負担額含む)は?
-
価:51.4円/g(ローション/油性クリームとも)。標準包装10gなら514円。
使用量に幅がある(「適量を1日1回」)ため、月間必要量は病変範囲で変動します。
目安例:多め(約2.0 g/日)→ 60 g/月:薬剤費 約3,084円、自己負担3割で約930円+調剤料等
※自己負担は薬剤費のみの概算。実際は調剤基本料・薬学管理料・後発品調整等で増減します。少量(約0.5 g/日)→ 15 g/月:薬剤費 約771円、自己負担3割で約230円+調剤料等
中等量(約1.0 g/日)→ 30 g/月:薬剤費 約1,542円、自己負担3割で約460円+調剤料等
-
作用発現時間・持続時間はどれくらい?
-
表在性皮膚感染症:臨床試験は7日で評価(1日1回×7日)。添付文書上も1週間で効果なければ中止。
ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの):臨床試験は12週間評価。添付文書は4週間で効果なければ中止、消失後は継続しない。
⇒ 実臨床では数日〜1週間で局所所見が軽快し始めることが多いが、正式な判定は上記の評価時点に従うのが安全。
-
妊娠中の使用:使用の可否・リスク・注意点は?
-
「使用しないことが望ましい」(添付文書)。
必要時は他の治療選択肢を優先し、やむを得ず検討する場合はリスク・ベネフィットを慎重に評価。
-
授乳中の使用:母乳への移行・使用の可否と注意点は?
-
乳汁移行が動物で確認。
治療上の有益性と母乳栄養の有益性を比較し、授乳の継続または中止を検討。局所製剤とはいえ、広範囲・長期使用は避ける等、最小限の使用を心がける。
-
子どもへの使用可否と注意点は?
-
低出生体重児・新生児・乳児の臨床試験なし。
一方で、**1歳以上の伝染性膿痂疹で有効率97.6%(7日塗布)**のデータあり。
小児では必要最小限・短期間、目や口唇・粘膜回避、皮膚刺激や接触皮膚炎に注意。効果乏しければ早期に再評価。
-
どのくらいでやめる(中止基準)は?
-
表在性皮膚感染症:1週間で効果がなければ中止。
ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの):4週間で効果がなければ中止、炎症性皮疹が消失したら継続しない。
耐性化防止のため、必要最小限の期間のみ使用。
-
副作用は何が多い?
-
≥1%:乾燥
<1%:刺激感、鱗屑/落屑、紅斑、そう痒、ほてり、乾皮症 など
頻度不明:接触皮膚炎 等
ざ瘡第III相では血中ビリルビン増加(0.5%)程度が報告。異常あれば中止・受診。
-
製剤ごとの使い分け(塗り心地・性状の違い)は?
-
ローション2%:垂れにくい粘性ローション。指先で塗りやすく、顔面や毛包部位にも使いやすい。
油性クリーム2%(W/O):保湿感・付着性を求めるときに向く。角層内薬物量はローションと生物学的同等(単回塗布・12/24時間)。
-
一緒に使って色が変わることはある?
-
過酸化ベンゾイル(BPO)と重ね塗りで黄色変色することがある。皮膚や衣服の着色に注意。
目への使用不可。入ったらすぐ洗い流す。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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