フシジンレオ軟膏とは?とびひ・膿に効く塗り薬の効果と副作用

フシジンレオ軟膏とは?
とびひ・膿に効く塗り薬の効果と副作用

とびひで『フシジンレオ』を塗っています。

フシジンレオ軟膏は「ブドウ球菌に特化した抗菌薬」で、

他の抗生物質とは異なり、交叉耐性(効かなくなる重なり)がほとんどありません。

また、ステロイド成分を含まないため、「腫れや赤みに抗菌のみで対処したい場合」にも選ばれます。

フシジンレオ軟膏はオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

フシジンレオ軟膏2%とは

フシジンレオ軟膏2%は、有効成分フシジン酸ナトリウム(Sodium Fusidate)を2%含む皮膚用の抗生物質です。
主に
ブドウ球菌(特に黄色ブドウ球菌)が原因の皮膚感染に使用されます。


フシジンレオ軟膏2%の特徴

起源と歴史

1960年、デンマークのLEO社研究チームがFusidium coccineum(ふしじうむ・こっきねうむ)という真菌(カビの一種)の培養液からフシジン酸を発見しました。
その後、研究が進み、日本では1972年に輸入承認
されました。

評価の更新

  • 2004年: 抗菌薬としての記載が整理される
  • 2008年: 医療事故防止のため、「フシジンレオ軟膏」から「フシジンレオ軟膏2%」に名称変更

抗菌スペクトル(作用のある菌)

  • 特にブドウ球菌属に強い抗菌力があります。
  • コリネバクテリウム属、クロストリジウム属、ナイセリア属にも効果があります。
  • ただし、グラム陰性桿菌(がんいんせいかんきん)には効きません。

作用機序(どのように効くか)

  • 細菌のたんぱく質合成を妨げて、増殖を抑えます(静菌的:菌を殺さず増やさないタイプ)。

交叉耐性(他の抗生物質との関係)

  • ペニシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコールなどと交叉耐性がほとんどないのが特徴です。

患部への浸透性

  • 外用でも皮膚の中まで浸透し、病巣部に十分な濃度で届くことが患者検体で確認されています(外国人データ)。

効能・効果

適応菌種

  • 本剤に感受性のあるブドウ球菌属

適応症

  • 表在性皮膚感染症(例:とびひなど)
  • 深在性皮膚感染症
  • 慢性膿皮症(なんぴしょう)
  • 外傷・熱傷・手術創などの二次感染

※「とびひ」等の表記は一般の方向けの補足であり、実際の診断・処方は医師が行います。

ポイント

  • ブドウ球菌が原因の可能性が高いときに第一選択肢になります。
  • グラム陰性桿菌が主因の場合は適しません

有効性(臨床試験データ)

国内14施設、362例で行われた臨床試験では、
有効率:79.3%(287/362例)と良好な成績でした。

病気ごとの有効率:

感染症の種類有効率
表在性・深在性皮膚感染症、慢性膿皮症78.2%(229/293例)
外傷・熱傷・手術創の二次感染87.5%(42/48例)

用法・用量

  • 患部を清潔にしたあと、1日数回、薄く塗布します。
  • 直接患部に塗るか、無菌ガーゼにのばして貼る方法もあります。

使用上の注意

  • 目(眼科領域)には使用できません。
  • 耐性菌の出現を防ぐため、できるだけ短期間で使用します。
  • 医師の指示がある場合を除き、自己判断で量や回数を増減しないでください。

使用できない方(禁忌)

  • 本剤の成分に対して過敏症(アレルギー)の既往がある方

※アレルギー歴がある場合は、必ず医師にお伝えください。


併用に注意すべき薬

添付文書には明確な併用禁忌や注意薬は記載されていませんが、
以下の場合は注意が必要です。

  • 他の外用薬(抗生物質、ステロイド、消毒薬など)を同じ部位に使う場合
     → 順番やタイミングで効果や副作用が変わることがあります。

※自己判断での重ね塗りは避け、医師・薬剤師の指示に従いましょう。


副作用と発生頻度

種類症状発生頻度
過敏症発疹1〜2%未満
投与部位ヒリヒリ感・痛み(刺激感)1〜2%未満

感作(アレルギー反応)の兆候に注意

  • かゆみ
  • 赤み
  • はれ
  • ぶつぶつ
  • 小さな水ぶくれ

上記のような症状が出た場合は、使用を中止し、速やかに受診してください。


まとめ

  • フシジンレオ軟膏2%は、ブドウ球菌による皮膚感染に使う抗生物質の軟膏です。
  • 交叉耐性が少なく、静菌的に作用し、患部にしっかり浸透します。
  • とびひ・手術後の感染・膿がたまる皮膚の炎症などに効果があります。
  • 国内臨床試験でも約8割に効果ありという結果が報告されています。
  • ただし、長期間の自己判断使用や、目への使用は避けてください。

受診の目安

以下のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  1. 膿(うみ)を伴う赤い腫れがある
  2. 痛みや熱感が強い
  3. 赤みや腫れが広がってきた
  4. 数日使っても改善しない

参考文献・出典

添付文書(2024年7月改訂 第2版)(厚生労働省/PMDA)

KEGG DRUG ID: D00213(京都大学の医薬品データベース)

安田利顕ら「皮膚科の臨床」1971年、谷川瑞子「西日本皮膚科」1971年など臨床報告

J Antibiot(中沢昭三ら)、日本細菌学雑誌(田中信男ら)

→ 公的文書はPMDAサイトやKEGG(https://www.genome.jp/kegg/)で検索できます。

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

フシジンレオ軟膏は「ブドウ球菌に特化した抗菌薬」で、他の抗生物質とは異なり、交叉耐性(効かなくなる重なり)がほとんどありません。
例えば、ペニシリン系やマクロライド系の抗生物質が効かない黄色ブドウ球菌にも作用する可能性があり、「他の薬で効かなかったとき」に使えるのが特徴です。
また、ステロイド成分を含まないため、「腫れや赤みに抗菌のみで対処したい場合」にも選ばれます。

フシジンレオ軟膏の発売年はいつ?

日本では1972年4月に輸入承認されました。
その後、2008年に販売名が「フシジンレオ軟膏」から「フシジンレオ軟膏2%」に変更されています(医療事故防止対策として)。

1か月(30日)処方された場合の薬価と自己負担額の目安は?

1gあたり25円なので、30g処方された場合の薬価は750円。

1割負担(高齢者など)→ 約75円
※実際は薬局での調剤料や管理料が加わるため、もう少し高くなります。
※処方日数上限があるため、実際には7〜14日程度での処方が多いです。高くなります。

3割負担の場合 → 約225円

フシジンレオ軟膏はどれくらいで効きはじめて、どのくらい続きますか?

早ければ数回塗布(1〜2日)で改善の兆しが見られます。
ただし、感染の程度によっては3〜5日以上の継続使用が必要です。
1日数回塗布し、患部に有効濃度が届くことが確認されており、作用は持続性があります。
ただし耐性菌を防ぐためにも、必要以上の長期使用は控えるよう指導されます。

妊娠中でも使えますか?リスクは?

妊娠中の使用については、慎重投与とされています。
動物実験では胎児への影響は報告されていませんが、人での明確な安全性は確認されていないため、「治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用」とされます。
→ 妊娠中の場合は、必ず医師に妊娠中であることを伝えてください。

授乳中でも使えますか?母乳に移行しますか?

授乳中の使用は可能とされていますが、注意が必要です。
経皮吸収された成分が微量ながら母乳中に移行する可能性があるため、

  • 広範囲や長期使用は避ける
  • 乳頭・乳輪部への使用は避ける(赤ちゃんがなめてしまうおそれ)

などの配慮が必要です。使用中は医師や薬剤師に相談してください。

子どもにも使えますか?注意点は?

小児にも使用可能です(添付文書にも年齢制限の記載はありません)。
ただし、

必ず保護者が管理し、自己判断での使用継続・中止は避けましょう。

とびひ(伝染性膿痂疹)など他人にうつる感染症では、使用部位を清潔に保ち、タオルや衣類の共有を避けることが重要です。

目や口に入らないように注意してください。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら