かゆい・じゅくじゅくに使う塗り薬「亜鉛華軟膏」効果や使い方をやさしく解説
かゆい・じゅくじゅくに使う塗り薬
「亜鉛華軟膏」効果や使い方をやさしく解説

かぶれで『亜鉛華軟膏』を使っています。

長いあいだ皮膚の治療に使われてきた実績のある軟膏ですね。
皮膚の水分を適度に吸って、じゅくじゅくした状態をおさえる(収れん作用)
炎症(えんしょう)をしずめる
傷口を物理的に保護する
軽い防腐(ぼうふ)作用(菌の繁殖を防ぐ)がある
のが特徴です。亜鉛華軟膏はオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
目次
亜鉛華軟膏とは
酸化亜鉛(さんかあえん、Zinc Oxide)を有効成分とする、皮膚に塗るタイプの薬です。
- 皮膚の水分を適度に吸って、じゅくじゅくした状態をおさえる(収れん作用)
- 炎症(えんしょう)をしずめる
- 傷口を物理的に保護する
- 軽い防腐(ぼうふ)作用(菌の繁殖を防ぐ)がある
多くは白い軟膏(なんこう)の形で、湿疹・皮膚炎、すり傷、軽いやけどなどに広く使われます。※目には使えません。
亜鉛華軟膏の特徴
✅ 古くから使われてきた外用薬
酸化亜鉛は、長いあいだ皮膚の治療に使われてきた実績のある成分です。
軟膏にすることで肌への密着力が高まり、皮膚をやわらかく保ちます。
- かさぶたをやわらかくして取れやすくする
- 傷の治りに関係する「肉芽(にくげ)形成」「表皮化(ひょうひか)」を促します
※肉芽形成…傷を修復する新しい細胞の土台
※表皮化…皮膚が再び張ってくること
✅ 製造販売の移管(日本国内)
- 2022年4月:マイラン製薬 → マイランEPD(現:ヴィアトリス・ヘルスケア合同会社)へ移管
- 医療現場では引き続き使用されており、流通も安定しています
濃度と剤形(ざいけい)
- 医療用で最も多いのは20%濃度(1000g中に酸化亜鉛200g)
- 10%製剤もあります
- どちらも白色の軟膏で、患部を覆うように使えます
⚠ 混ぜ物に弱い(配合変化に注意)
以下のような市販薬と混ぜて使うのはNGです:
- 脂肪酸(しぼうさん)を多く含むクリーム:固まりやすくなる
- バニシングクリーム:乾いて割れやすくなる
混ぜて使うよりは「重ね塗り」が一般的です。
重ねる場合も順番・間隔などを医師に確認しましょう。
効能・効果(どんなときに使う?)
次のような皮膚トラブルに使います:
- 外傷、軽いやけど(熱傷)、凍傷
- 湿疹・皮膚炎、肛門そう痒症(こうもんそうようしょう)
- 白癬(はくせん:みずむしなど)、面皰(めんぽう:にきび)、せつ・よう(できもの)
- びらん・潰瘍(かいよう)・湿潤面の保護
白癬は抗真菌薬(こうしんきんやく)が主治療です。
亜鉛華軟膏は補助的に使われることが多く、自己判断で長期使用しないでください。
有効性(どう効くの?)
- 酸化亜鉛の収れん作用で浸出液を減らす
- 軟膏の密着性・皮膚をやわらかく保つ性質で、傷の治りを助ける
大規模な臨床試験の数値はありませんが、長年の使用実績と添付文書で効能・効果が正式に認められています。
用法・用量(使い方)
▶ 使用回数・頻度
- 症状に応じて、1日1~数回
▶ 方法
- うすく塗る
- または、ガーゼにのばして貼る(貼布 はりふ)
▶ 注意点
- 目には使えません
- 創(きず)部は清潔にしてから塗布
- 広範囲・深い傷、強い痛み・発熱があるときは医師に相談を
使用できない方(禁忌 きんき)
❌ 重度または広範囲のやけど
- 酸化亜鉛が創部に付着し、傷の回復を遅らせるおそれがあるため
→ 医療機関での治療が必要です
使用に注意が必要なケース
🚫 外用薬を「混ぜて使う」こと
→ 変質する可能性があるため避けてください
🔁 他の薬と重ね塗りする場合
→ ステロイド・抗菌薬などとの併用時は医師に確認を
→ 順番や量によっては効果が弱まったり、刺激になることも
🌿 アレルギー体質の方
→ 以前にかぶれたことがある方は必ず相談を
副作用とその対処
🌟 頻度は不明ですが、以下が報告されています:
- 過敏症状(かゆみ・赤み)
- 皮膚の刺激感・発疹
▶ 対応方法
- 赤み、かゆみ、ヒリヒリが強く出た場合は使用を中止
- 医師の診察を受けてください
- 目に入ったら大量の水で洗い流し、必要に応じて受診
まとめ
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 有効成分 | 酸化亜鉛(Zinc Oxide) |
| 主な作用 | 収れん、消炎、保護、軽い防腐 |
| 用法 | 1日1~数回、うすく塗布またはガーゼ貼付 |
| 禁忌 | 重度・広範囲のやけど |
| 薬価(目安) | 約1.6~3.3円/g(10%・20%製剤、2024年2月改訂) |
| 副作用 | 発疹、刺激感など(頻度不明) |
| 使用時の注意 | 混ぜ物NG/重ね塗りは医師に確認/目に入れない |
参考文献・出典
医療用医薬品添付文書(JAPIC):製品名で検索可能
https://www.japic.or.jp
KEGG DRUG(D01170):薬効分類・分子情報など
https://www.genome.jp/db/kegg/drug
PMDA医療用医薬品情報:副作用や製造販売元情報
https://www.pmda.go.jp
公的な皮膚科学会のガイドライン(湿疹・やけど・白癬など)
よくある質問(Q&A)
-
この薬の同じ系統の薬と比べて、どんな強みがあるの?
-
亜鉛華軟膏は「酸化亜鉛(さんかあえん)」を使った、昔からある実績のある塗り薬です。
ステロイドのように炎症を強く抑える薬ではありませんが、- じゅくじゅくした皮膚を乾かす
- 刺激が少ない
- 赤ちゃんや敏感肌にも使いやすい
という特徴があります。
同じようにかゆみや炎症に使う薬にステロイド外用薬がありますが、それよりもマイルドで長期使用の不安が少ないのが強みです。
-
この薬の先発品(元の薬)はいつからあるの?
-
酸化亜鉛自体は古くから皮膚の治療に使われている成分で、日本薬局方にも掲載されています。
亜鉛華軟膏の製剤としては、数十年前から医療現場で使用されており、
製造販売が2022年4月にヴィアトリス・ヘルスケアに移管されていますが、それ以前から多くの医療機関で処方されてきた歴史ある薬です。
-
1か月分(30日)使ったら、薬代はいくら?
-
使用量によりますが、一般的な使用量(1日1〜数回)で1日約5g前後使うと仮定すると、
- 1か月で約150g使用
- 薬価:約2.1〜3.3円/g(20%製剤)
- → 薬価合計:約315〜495円
【自己負担額の目安(3割負担)】
製剤濃度 自己負担額(30日) 20%製剤(3.3円/g) 約150円〜約500円程度 10%製剤(1.6〜2.7円/g) 約80円〜約400円程度 実際の処方量や保険の種類(高齢者医療など)により異なります。
-
使ってからどのくらいで効果が出る?どれくらい持続するの?
-
効果の出方は症状によりますが、一般的には
- 塗布後すぐに患部を保護し、乾かす効果(収れん)は早期に期待
- 炎症やびらん(ただれ)の改善には数日〜1週間ほど
持続時間は明確な「時間」ではなく、外用部位からの剥離や吸収、汗・洗浄などにより変化します。
→ 1日1〜数回塗り直すことで効果が保たれます。
-
妊娠中だけど、この薬は使っていいの?
-
はい、医師の判断のもとであれば使用可能です。
酸化亜鉛は全身に吸収されにくく、妊娠中に禁忌とはされていません。
ただし、広範囲・長期に使う場合や症状が悪化する場合は、必ず医師に相談してください。
-
授乳中だけど使って大丈夫?母乳には影響ある?
-
基本的に問題ないとされています。
酸化亜鉛は皮膚から吸収されにくいため、母乳に移行する可能性は極めて低いとされています。
ただし、乳頭・乳輪部に使用する場合は授乳前にしっかり拭き取るようにしてください。
-
子どもにも使っていいの?何か注意点はある?
-
はい、子どもにも使えます。
亜鉛華軟膏は赤ちゃんのおむつかぶれなどにも使われることがあるほど、安全性が高い薬です。
ただし以下の点に注意しましょう:
- 誤って口に入れないように
- 目の周りや粘膜には使わない
- 塗布後にガーゼなどで覆うとより安全
症状が改善しないときや広がってきたときは、早めに受診をおすすめします。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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