オイラックスってどんな薬?かゆみ・湿疹・虫さされへの使い方と注意点まとめ

オイラックスってどんな薬?
かゆみ・湿疹・虫さされへの使い方と注意点まとめ

痒みがあるので『オイラックスクリーム』を使っています。

かゆみ止めで、昔からある薬ですね。

小児でも使えるのが特徴で、ステロイドの入ってないクリームもありなす。

オイラックスクリームはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

オイラックス(オイラックスHクリーム/オイラックスクリーム10%)とは

キーワード:オイラックス/オイラックスHクリーム/オイラックス 使い方/効能・効果/副作用

当院でも処方することがある「オイラックス」は、かゆみをしずめる成分「クロタミトン」を主成分とした塗り薬(外用剤)です。日本では主に次の2つのタイプがあります:

  • オイラックスクリーム10%:非ステロイドのかゆみ止め(クロタミトン100mg/1g)
  • オイラックスHクリーム:クロタミトンにヒドロコルチゾン(ステロイド成分)を加えた、かゆみ+炎症を同時に抑えるタイプ

本記事では、オイラックスについて解説します。


オイラックスの特徴

クロタミトンは、スイスのガイギー社(現在のノバルティス ファーマ)で開発された成分で、1948年にスペインで発売、1957年には日本でも市販されました。

その後、医薬品表示の見直しに伴い、2006年に「オイラックスクリーム10%」という名称へ変更され、薬価収載されました。

さらに、2018年には製造販売承認が日新製薬に承継され、現在に至ります。

Hクリームの特徴

「オイラックスHクリーム」は、かゆみを抑えるクロタミトンに加え、炎症をしずめるステロイド「ヒドロコルチゾン(糖質コルチコイド)」を配合しています。

炎症の元になる物質を抑えることで、赤み・腫れ・かゆみを一度におさえることができます。


効能・効果

●オイラックスHクリーム(クロタミトン+ヒドロコルチゾン)

  • 湿疹・皮膚炎群(例:進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎など)
  • 皮膚そう痒症(かゆみが強い状態)
  • 小児ストロフルス(虫さされなどが原因の子どものかゆみ)
  • 虫さされ
  • 乾癬(かんせん)

●オイラックスクリーム10%(クロタミトン単剤)

  • 非ステロイドのかゆみ止め外用剤
  • 皮膚感染がある場合の湿疹や皮膚炎には原則使いません
     (どうしても必要な場合は抗菌薬や抗真菌薬の併用を検討)

有効性(臨床試験によるデータ)

国内臨床試験(対象:1,374名)では…

  • 有効以上の成績:80%
  • 湿疹・皮膚炎群:81.5%(993/1,219例)
  • 皮膚そう痒症:76.9%(10/13例)
  • 小児ストロフルス:84.6%(11/13例)
  • 虫さされ:78.9%(15/19例)
  • 乾癬:33.3%(1/3例)

作用機序(成分の働き)

●クロタミトン

皮膚に軽い温感(灼熱感)を与えることで、かゆみの神経を一時的にまぎらわせて抑えると考えられています。

●ヒドロコルチゾン

ステロイド成分で、体内の炎症物質(プロスタグランジン、ロイコトリエンなど)の産生を抑える作用があります。
また、炎症細胞のはたらきを弱めることでも抗炎症効果を発揮します。


比較データ(ヒドロコルチゾン単剤との違い)

  • 動物実験では:オイラックスHクリームで発赤・びらん・かさぶたの消失が早く、非ステロイドクリーム単独では効果に差が出にくい。
  • かゆみ試験では:オイラックスHクリームが、1%ヒドロコルチゾンやオイラックスクリーム10%よりも強い止痒(ちんよう)作用を示しました。
  • ヒスタミンによる皮膚反応の抑制も、Hクリームがより強力であると報告されています。

用法・用量(使い方)

  • 通常:1日1〜数回、患部に薄く塗るか軽くすり込む
  • 必要に応じて無菌ガーゼで貼付も可能
  • 症状に応じて回数は調整
  • 目やその周り、粘膜には使用しないこと

ODT(密封法)は原則NG

  • ラップなどで覆う方法(ODT)は、副作用リスクを高めるため避けることが基本です。
  • おむつの中も密封状態になるため、注意が必要です。
  • 改善しない・悪化する場合は中止して受診を。

使用できない方(禁忌)

以下の方には使えません:

  • 感染性の皮膚病(細菌、真菌、ウイルスなど)
  • 本剤の成分にアレルギーがある方
  • 深い傷(潰瘍)、重度のやけど・凍傷

理由:治りが悪くなったり、感染が悪化する可能性があるため


使用に注意が必要なケース

  • 感染を伴う皮膚炎:原則避ける。抗菌薬や抗真菌薬の併用を。
  • 妊婦・妊娠の可能性がある方:医師判断で、有益性が危険性を上回る場合にのみ使用。
  • 小児:長期使用・広範囲への使用は避ける。おむつ部位は特に注意。
  • 高齢者:体の機能が落ちており、副作用が出やすいため注意。
  • 顔・目の周り・粘膜:使用しないこと。
  • 長期使用で皮膚症状が出たとき:使用量を減らし、ステロイドを含まない薬に切り替える。
  • 誤って飲まないように注意:内服は厳禁。誤飲時はすぐに受診を。

副作用と頻度

●オイラックスクリーム10%(非ステロイド)

文献調査では953例中58例(6.1%)に副作用。

症状発生率
刺激感・ひりひりなど3.2%
熱感・灼熱感1.7%
発赤・紅斑0.2〜0.7%
分泌物の増加・浸潤0.2〜0.3%

●オイラックスHクリーム(配合剤)

  • 皮膚感染症(伝染性膿痂疹、白癬、毛のう炎、ウイルス性)
     → 密封法(ODT)で起こりやすい
  • ステロイド皮膚障害(ニキビ、皮膚のうすさ・内出血、毛細血管の拡張、多毛、色抜け、皮膚線状、口まわりの湿疹)
  • ホルモンバランスの乱れ(HPA軸抑制)
  • 目の障害(白内障・緑内障)

多くは「0.1〜5%未満」または「頻度不明」とされ、異常を感じたら必ず中止・受診を。


まとめ(受診の目安)

オイラックスには次の2タイプがあります:

製品特徴
オイラックスクリーム10%非ステロイド。かゆみを抑える
オイラックスHクリームステロイド配合。かゆみ+炎症を抑える

使い方は1日1〜数回の外用が基本。目・粘膜は避ける/ODTは原則避ける/おむつ部は特に注意が必要です。

感染を伴う場合はまず感染治療を優先
長期使用で違和感があれば早めに中止し、受診してください。

添付文書による臨床試験では、Hクリームで有効以上80%という高い効果が確認されています。

最後に(受診のタイミング)

  • かゆみや湿疹が1〜2週間で改善しない
  • 症状をくり返す
  • 顔・陰部・おむつ部などに広がる

こうした場合は、自己判断で使い続けず、早めに受診しましょう。
医師が部位や症状に応じて、最適な塗り薬の種類や量、使う期間を提案します。


参考文献・出典

日本の添付文書(2024年5月改訂版):「オイラックスHクリーム」添付文書。

ガイドライン:「痒疹(ようしん)診療ガイドライン2020」では、クロタミトン配合薬(オイラックス®など)が鎮痒性外用薬の代表として記載されています。

公的データベース:KEGG DRUGデータベース(D04801)で成分・薬価・効能などの情報あり。

海外の添付情報およびレビュー:例えば「Eurax Cream(クロタミトン) SmPC」から有効時間や適用上の注意が参照できます。

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する「強み」は何ですか?

オイラックスクリーム10% は「かゆみ止め成分(クロタミトン)」単剤のクリームで、
虫さされや軽い皮膚炎などに向いています。

一方、オイラックスHクリーム はこれにステロイド成分(ヒドロコルチゾン)を加えたもので、
炎症を伴う湿疹や強いかゆみにより効果的です。

  • ✅ オイラックス10%:ステロイドなし。刺激感が少なく、小児や敏感肌にも使いやすい
  • ✅ オイラックスH:軽度ステロイド配合。炎症・赤み・湿疹にも対応できる。

他の外用薬(例:レスタミン軟膏、リンデロンVなど)と比べて、
鎮痒と抗炎症のバランスが取れており、副作用も比較的軽い点が強みです。

先発薬の発売年の情報を教えてください。

クロタミトン(オイラックス)は1948年にスペインで発売

日本では1957年に市販されました。

ヒドロコルチゾン配合の「オイラックスHクリーム」はその後開発され、
 2006年12月に現行の販売名として承認・薬価収載されています。

1か月(30日)処方時の薬価・実際の目安価格(自己負担額含む)を教えてください。

製品名薬価1日使用量目安(約1.5g)30日分薬価自己負担額(3割負担時)
オイラックスHクリーム14.4円/g45g約648円約195円
オイラックスクリーム10%約13.4円/g45g約603円約180円

※診察料・処方料は別途かかります。

作用発現時間・持続時間はどのくらいですか?

塗布後数分〜10分程度でかゆみが軽減します。
クロタミトンの温感刺激によってかゆみ信号を打ち消すため、即効性が比較的高いのが特徴です。
持続時間は数時間ですが、症状が続く場合は1日数回の塗布で安定した効果が得られます。

ヒドロコルチゾン配合のオイラックスHでは、炎症改善効果が1〜2日で現れ、数日持続します。

妊娠中の使用(使用の可否、リスク、注意点)

妊婦または妊娠の可能性がある人は、
「治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ」使用可能とされています。

  • 広範囲・長期の使用は避ける(ステロイドの吸収による胎児への影響の可能性)
  • 短期間・少量であれば、医師の指導のもとで使用可

オイラックス(非ステロイド)は比較的安全性が高く、
軽いかゆみや虫さされには妊娠中でも使用されることがあります。

授乳中の使用(母乳への移行、使用の可否と注意点)

授乳中も医師の判断で使用可能です。
ヒドロコルチゾンは全身吸収が少なく、母乳移行もほぼないとされています。

ただし、

  • 乳房・乳首周囲への塗布は避ける(乳児が口に入れる恐れ)
  • 長期・広範囲の使用は控える

オイラックス(非ステロイド)であればさらに安心度は高く、
授乳中でも比較的安全に使えます。

子ども(小児)への使用可否と注意点

どちらの薬も子どもに使用可能です。
ただし、注意すべき点は以下の通りです。

  • オイラックスH:ステロイド成分を含むため、長期・広範囲の使用は避ける。
     おむつ部位は密封状態になりやすく、吸収量が増えるため注意。
  • オイラックス10%:刺激が少なく、小児ストロフルス(虫さされ性湿疹)にも有効。

どちらもかゆみや赤みが強い部分に短期間使用するのが望ましいです。

注意ポイント

小児は皮膚が薄く、薬の吸収が大人より高くなりやすいため、塗る量・回数・範囲を厳守すること。

おむつ部分や密封(覆う)状態になりやすい部位では、薬剤の吸収が増してしまうため特に注意。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら