打撲でつらい腫れや痛みに…市販じゃない「治打撲一方」の効果とは?
打撲でつらい腫れや痛みに…
市販じゃない「治打撲一方」の効果とは?

打撲で『治打撲一方』使っています

治打撲一方は、打撲による腫れ(はれ)や痛みの改善を目的とする医療用漢方薬です。
組成に血行促進系(センキュウ、ケイヒ)+鎮痛・消炎系(カンゾウ、チョウジ)が
バランスよく配合され
外用薬では届きにくい深部の打撲にも効果が期待できます。
治打撲一方は、オンラインで処方することができます。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
目次
治打撲一方(じだぼくいっぽう)とは
治打撲一方は、打撲による腫れ(はれ)や痛みの改善を目的とする医療用漢方薬です。
「ツムラ治打撲一方エキス顆粒(医療用)」として処方され、漢方製剤に分類されます。
7種類の生薬(ケイヒ、センキュウ、センコツ、ボクソク、カンゾウ、ダイオウ、チョウジ)を配合しており、体質や症状(証:しょう)を見極めたうえで使用されます。
治打撲一方の特徴
江戸時代の医師「香川修庵」が考案した伝統的な処方を、ツムラが現代の技術で服用しやすい顆粒(かりゅう)剤に改良しました。
含有される代表成分
- センキュウ由来:(E)-フェルラ酸
- カンゾウ由来:グリチルリチン酸
- ダイオウ由来:センノシドA
この薬は医師の診察に基づき、「証(しょう)」を考慮したうえで処方される処方薬です。
効能・効果
打撲による腫れや痛み
つまり、ぶつけたあとの「はれ・痛み」が適応となります。
なお、捻挫(ねんざ)や骨折が疑われる場合は、画像検査や整形外科での対応が必要になることがあるため、まずは医療機関の受診が推奨されます。
有効性(試験等に関して)
添付文書上、特定の臨床試験データは明示されていませんが、古来より用いられてきた伝統処方であり、現代でも「打撲による腫れ・痛み」に対する効能が承認されています。
使用上の重要ポイント
- 証(体質や症状の組み合わせ)と合致するかが効果に大きく関わります。
- 使用中は経過をしっかり観察し、改善がみられない場合は中止するのが基本です。
医療機関受診の目安
- 腫れが強い
- 関節が動かしづらい
- 強い痛みやしびれが続く
- 血尿・吐き気などの異常
これらがあれば、早めに受診してください。
用法・用量
- 成人:通常、1日7.5gを2〜3回に分けて、食前または食間に服用
- 年齢・体重・症状に応じて増減可能です。
服用中は体調の変化に注意し、改善がみられない場合は継続しないことが推奨されます。
使用できない方(禁忌)・慎重投与が必要な方
添付文書に絶対的な禁忌は明記されていませんが、以下に該当する方は原則として使用を避けるか慎重な投与が必要です。
妊娠中または妊娠の可能性がある方
- ダイオウに子宮収縮作用や骨盤内の充血作用があるため、流産・早産のリスクがあります。
授乳中の方
- ダイオウ中のアントラキノン誘導体が母乳へ移行し、乳児に下痢を起こす可能性があります。
- 授乳継続の可否は医師と相談してください。
次のような基礎疾患・症状がある方
- 下痢や軟便
- 胃腸が著しく弱い(食欲不振・悪心・腹痛・下痢など)
- 悪心・嘔吐がある
- 体力が著しく低下している
その他の注意すべき方
- 高齢者:生理機能の低下により副作用リスクが高まる → 減量等の配慮が必要
- 小児:臨床試験が実施されていないため、安全性は不明
飲み合わせに注意が必要な薬(相互作用)
この薬に含まれるカンゾウ(甘草)が、以下の薬との併用で偽アルドステロン症を引き起こすおそれがあります。
偽アルドステロン症とは?
- 低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、体重増加などが起こる状態です。
また、低カリウム血症が進むと**ミオパチー(筋力低下・けいれん・麻痺)**を起こすこともあります。
注意が必要な併用薬
- カンゾウ含有の漢方製剤:
芍薬甘草湯、補中益気湯、抑肝散 など - グリチルリチン酸またはその塩類を含む製剤:
- グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン
- グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠
相互作用の仕組み
グリチルリチン酸が腎臓の尿細管でカリウム排泄を促進するため、血中カリウムが下がり、むくみや筋肉の異常が起きやすくなります。
ダイオウとの併用にも注意
- ダイオウは下剤作用(瀉下作用)があり、個人差が大きいため、他のダイオウ含有製剤との併用には特に注意が必要です。
副作用と発生頻度
重篤な副作用(頻度不明)
✅ 偽アルドステロン症
- 症状:低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウムや体液の貯留、むくみ、体重増加など
- 対応:症状出現時は服用を中止し、カリウム補正などの対応が必要です。
✅ ミオパチー
- 症状:脱力感、四肢のけいれんや麻痺など
- 対応:異常があればすぐに中止して医療機関へ。
その他の副作用(頻度不明)
- 過敏症:発疹、赤み、かゆみ
- 消化器症状:食欲不振、胃の不快感、悪心(吐き気)、腹痛、下痢 など
服用開始後に「普段と違う感じ」がした場合は、早めに医師・薬剤師へ相談を。
まとめ
治打撲一方は、打撲による腫れや痛みの改善に用いる医療用漢方薬です。
証(体質や症状の傾向)に合うかどうかが重要であり、効果が乏しい場合は継続せず中止するのが原則です。
注意ポイント
- カンゾウに起因する副作用(偽アルドステロン症・ミオパチー)に要注意
- グリチルリチン酸や他の漢方薬との併用は慎重に
- 妊婦は原則使用不可、授乳中・高齢者・胃腸虚弱・下痢傾向のある方も注意
- 異常(むくみ、筋力低下、動悸、体重増加など)があればすぐ受診
参考文献・出典
添付文書(医療用医薬品):
PMDA 医療用医薬品添付文書検索
KEGG DRUG(ID:D07009):
KEGG治打撲一方ページ
JAPIC 添付文書・相互作用情報:
JAPIC医薬品情報
漢方における「治打撲一方」紹介文献:
香川修庵『一本堂薬選』(原典)
日本東洋医学会雑誌、ツムラ社刊行の学術資料、臨床漢方研究会報など
よくある質問(Q&A)
-
治打撲一方とはどんな薬ですか?
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打撲による腫れや痛みを和らげるために、医師が処方する漢方薬です。
7種類の生薬(ケイヒ・センキュウ・センコツ・ボクソク・カンゾウ・ダイオウ・チョウジ)が配合されており、体質(証)を見て処方されます。
-
この薬の同じ系統の既製薬(市販薬・漢方)に対する強みは?
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治打撲一方の強みは、以下の点にあります:
- ダイオウを含む点で排泄・炎症吸収の促進にも作用が期待できる
- 組成に血行促進系(センキュウ、ケイヒ)+鎮痛・消炎系(カンゾウ、チョウジ)がバランスよく配合
- 外用薬では届きにくい深部の打撲にも効果が期待できる(内服薬ならでは)
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この薬の先発品(元になった薬)はいつ発売されましたか?
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ツムラの「治打撲一方エキス顆粒(医療用)」は、昭和60年(1985年)に厚生省薬務局薬審2第120号通知に基づき承認申請され、製造承認を受けた製剤です。
-
1か月(30日)処方された場合の薬価と実際の自己負担額の目安は?
-
薬価:8.3円/g
通常処方:1日7.5g × 30日 = 225g
薬価総額:約1,867円(225g × 8.3円)
自己負担額(3割負担の場合)
約560円前後(※調剤料等は別)します。
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この薬の作用が出るまでの時間と効果の持続時間は?
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作用発現時間(目安):数時間〜半日ほどで腫れや痛みの改善を感じ始めることがあります
持続時間(体感):個人差はあるが、1日2〜3回の服用で日中は持続しやすい設計
ダイオウ含有による個人差もあり、瀉下(便通)作用が早めに出る場合もあります
-
妊娠中でも使えますか?
-
基本的に使用は推奨されません。
理由:
- 成分のダイオウに子宮を収縮させる作用や、骨盤内臓器への充血作用があるため、
流産・早産のリスクを高める可能性があります。
妊娠中の使用方針:
妊娠中・妊娠の可能性がある方には原則として投与しない方が望ましいとされています。
- 成分のダイオウに子宮を収縮させる作用や、骨盤内臓器への充血作用があるため、
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授乳中に使っても大丈夫ですか?
-
慎重な判断が必要です。
理由:
- ダイオウ中に含まれるアントラキノン誘導体が母乳中に移行し、乳児に下痢を起こす可能性があります。
授乳中の対応:
使用の有益性と、母乳育児のメリットを天秤にかけて判断します。
医師と相談し、授乳を継続するか中止するかを個別に検討する必要があります。
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子ども(小児)にも使えますか?
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小児への投与について:
- 臨床試験が実施されていないため、安全性・有効性は確立されていません。
- 医師が必要と判断した場合に限り、慎重に使用されることがあります。
注意点:
特にダイオウの下剤作用には注意が必要です。
子どもは体重・体力・腸の感受性に個人差が大きいため、副作用が出やすくなる可能性があります。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
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【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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