耳がつまる・めまいがつらいときに出される薬「イソバイド」の効果とは?

耳がつまる・めまいがつらいときに出される薬
「イソバイド」の効果とは?

メニエール病で『イソバイド』を使えますか?

イソバイド®は、体の「浸透圧(しんとうあつ)」を使って、余分な水分を尿として体の外に出す薬です。

特に内耳に水ぶくれがたまるメニエール病や、脳圧・眼圧が高いときの症状改善、

結石による利尿などに使われます。オンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

イソバイド®とは

イソバイド®(一般名:イソソルビド)は、体の**浸透圧(しんとうあつ)**のはたらきを利用し、余分な水分を体の外へ出す薬です(経口浸透圧利尿薬)。

  • 内耳の水ぶくれ(内リンパ水腫)をしずめ、めまい・耳鳴り・耳閉感など、メニエール病の症状を改善します。
  • その他、**脳の圧(脳圧)目の圧(眼圧)**を下げたり、腎臓や尿管の結石による利尿にも使われます。
  • 製剤はシロップ剤(70%)で、500mL瓶タイプと、携帯しやすいスティック分包があります。

イソバイド®の特徴

🧪 歴史・開発の背景

  • 1927年:イソソルビドが初めて報告
  • 1965年(米国):利尿薬・脳圧/眼圧低下薬として承認(※現在は販売なし)
  • 1968年(日本):国内で承認
  • 1988年:メニエール病への適応追加
  • 現在は国内ガイドラインにも掲載されています

💡 作用のしくみ

  • 体内でほとんど代謝されず、服用すると組織の水分が血液に引き寄せられます。
  • 腎臓で再吸収されにくく、尿として排出されることで、
    脳圧・眼圧・内リンパ圧が低下します。

⏱ 薬の動き(薬物動態)

  • 半減期:約6.8時間
  • 投与後24時間以内に、約80%が未変化で尿中に排泄されます。

🍶 飲みやすさへの配慮

  • 500mL瓶のほか、20mL/23mL/30mLのスティック分包
  • 冷水で約2倍に薄めて飲めます(※味はやや苦味あり)

効能・効果

  • 脳腫瘍による脳圧の上昇時の脳圧降下
  • 頭部外傷に伴う脳圧上昇時の脳圧降下
  • 腎・尿管結石による利尿促進
  • 緑内障による眼圧降下
  • メニエール病

有効性(有効性試験等の要点)

🧪 国内臨床試験の主な結果(経口投与)

対象疾患有効率主な副作用
脳腫瘍に伴う脳圧亢進84.3%(75/89例)悪心 1.1%、嘔吐 1.1%
頭部外傷に伴う脳圧亢進96.9%(63/65例)下痢 6.2%、上腹部熱感 3.1%、食欲不振 1.5%、嘔気 1.5%
腎・尿管結石の利尿72.9%(43/59例)悪心 5.1%
緑内障の眼圧降下94.0%(63/67例)悪心 3.0%、嘔吐 3.0%、口渇 1.5%
メニエール病(最大449日投与)有用以上 40.2%/やや有用以上 66.4%頭痛 1.9%、胃もたれ 1.4%、嘔気 1.4%、不眠 1.4%

※メニエール病に対する承認用量は次項「用法・用量」をご参照ください。


用法・用量

🧠 脳圧・眼圧の低下、利尿目的

  • 成人:1日70〜140mLを2〜3回に分けて経口投与
  • 必要に応じて増量可/冷水で約2倍に希釈して服用可能

🎧 メニエール病

  • 体重1.5〜2.0mL/kg/日が標準用量
  • 成人:1日90〜120mLを3回(毎食後)に分けて服用
  • 冷水で薄めることも可

【取り扱いの注意】
分包タイプは服用直前に開封し、残った薬は保存せず廃棄してください。


使用できない方(禁忌)

  • 本剤または成分に過敏症の既往がある方
  • 急性頭蓋内血腫のある方
    → 頭蓋内圧が下がると、止まっていた出血が再発する可能性があります。
    確実に出血が止まっていないときは使えません。

飲み合わせに注意が必要な方・状況

※添付文書に具体的な薬剤との記載は多くありませんが、次のような方は必ず医師に相談を。

  • 利尿薬や強力な下剤など脱水・電解質異常を起こしやすい薬を使っている方
  • **尿が出にくい状態(尿閉)**のある方
  • うっ血性心不全、腎機能低下がある方
  • 妊娠中・妊娠の可能性がある方
    → 必要性が明らかに高い場合のみ使用します

副作用と発生頻度

⚠️ 重大な副作用(頻度不明)

  • ショック、アナフィラキシー
    発疹・息苦しさ・急な血圧低下や動悸が現れたら、すぐに受診してください。

📉 よくみられる副作用(0.1〜5%未満)

  • 消化器:嘔気(おうき)・悪心(おしん)、下痢、嘔吐、食欲不振
  • 精神神経系:不眠、頭痛
  • 皮膚:発疹、紅斑(こうはん)
  • 電解質:長期使用で電解質異常の可能性あり

【観察のポイント】
めまい、ふらつき、動悸、口の渇き、体重の急激な変化、尿量の増減などがあれば、早めに医師に相談を。


まとめ

  • **イソバイド®(イソソルビド)**は、浸透圧を利用して体内の余分な水分を排出する薬です。
  • 内リンパ圧の低下により、メニエール病の症状改善に使われます。
  • 他にも脳圧・眼圧の低下、結石時の利尿に活用されます。

💊 用量の目安

使用目的用量の目安
メニエール病成人:1日90〜120mL(体重1.5〜2.0mL/kg)を3回に分けて服用
その他(脳圧・眼圧・結石)成人:1日70〜140mLを2〜3回に分けて服用
  • 冷水で2倍希釈も可
  • 禁忌:過敏症、急性頭蓋内血腫
  • 注意:脱水・心不全・腎機能低下・尿閉・妊娠中は慎重に
  • 副作用:消化器症状が中心。重篤な場合はすぐ受診
  • 分包は直前開封・飲み残しNG

💬 オンライン相談受付中

当院では、めまい・耳鳴り・耳閉感などメニエール病が疑われる症状についても、オンライン相談を受け付けています。

現在服用中のお薬や持病、生活スタイルなどをふまえて、最適な治療計画をご提案します。
気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。

参考文献・出典

添付文書(興和株式会社):JAPIC公開サイト

KEGG DRUG:D00347(KEGG公式

厚生労働省・PMDAの医薬品情報提供サイト

『薬理と治療』や『病院薬学』などに掲載されたイソソルビド関連文献(例:北原正章 他)

よくある質問(Q&A)


イソバイド®ってどんな薬?何に効くの?

イソバイド®は、体の「浸透圧(しんとうあつ)」を使って、余分な水分を尿として体の外に出す薬です。特に内耳に水ぶくれがたまるメニエール病や、脳圧・眼圧が高いときの症状改善、結石による利尿などに使われます。

この薬は、他の同じ系統の薬と比べてどんな強みがあるの?

同じ「浸透圧利尿薬」としては**マンニトール(注射)グリセロール(内服)**もありますが、イソバイドには以下のような特徴があります:

  • 内服薬で継続投与しやすい(マンニトールは注射のみ)
  • 内リンパ圧を効果的に下げられるため、メニエール病に特化した適応がある
  • 再吸収されにくく、尿量増加が安定している
  • スティック状の分包製剤があり携帯性◎

特にメニエール病に対する保険適応を持つ点は、ほかの薬剤と差別化されます。

イソバイド®の発売はいつ?歴史は古いの?

はい。イソバイド®(一般名:イソソルビド)は以下のような歴史があります:

  • 1965年:米国で承認(※現在は販売終了)
  • 1968年:日本で承認(脳圧・眼圧・利尿目的)
  • 1988年:日本でメニエール病への適応が追加

50年以上の使用実績があり、安全性・有効性の評価が蓄積された薬です。

1か月分(30日分)の薬価は?実際の自己負担額の目安も知りたい

2023年時点の薬価に基づいた30日分の目安です(※3割負担の場合):

▼ 代表的な処方例(メニエール病/1日90mLと想定)

製品名(先発)剤形価格30日分の薬価自己負担(3割)
イソバイドシロップ70%瓶(500mL)2.7円/mL約7,290円約2,190円
イソバイド分包30mL分包74.2円/包約6,678円約2,003円

※剤形によって価格が変わるため、医師と相談して選ぶのがオススメです。

飲んでからどのくらいで効くの?効果はどれくらい持つの?

原則と用発現時間:服用後 30分〜1時間以内 に利尿効果が現れます

持続時間:効果は 約6〜8時間持続
→ 血中半減期は約6.8時間、尿中への排泄は24時間以内に約80%とされています

妊娠中にイソバイド®は飲んでもいいの?

母乳基本的には慎重投与です。

  • 動物試験での催奇形性(奇形リスク)報告はありません
  • ですが、ヒトでの安全性データは十分ではないため、
    → **「治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用」**されます。

つまり、医師とよく相談して決める必要がある薬です。

授乳中に飲んでも大丈夫?母乳には移行する?

イソバイドが母乳中にどの程度移行するかは不明です。

ただし、構造的に母乳への移行はあまり多くないと考えられています。

実際には、授乳中も使用された報告があり、重大な影響は少ないとされます。

しかし、念のために「授乳直後に服用し、次の授乳まで時間をあける」などの工夫が推奨されることもあります。

子どもにも使えるの?使うときの注意点は?

はい、子どもにも使用実績があります。ただし注意が必要です。

  • **用量は体重で厳密に調整(1.5〜2.0mL/kg/日)**する必要があります。
  • 味が苦く、飲みにくいため、冷水で薄めて与える工夫が必要です。
  • 利尿による脱水・電解質異常が起きないよう、水分補給の管理も重要です。

医師・薬剤師としっかり相談のうえで、症状と体重に合わせて慎重に投与されます。ロールします。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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