アレルギー鼻炎や風邪で鼻水が止まらない時に小青竜湯は効く?
アレルギー鼻炎や風邪で鼻水が止まらない時に…
小青竜湯は効く?

水っぽい鼻水で『小青竜湯』使っています

小青竜湯は、「水っぽい鼻水・痰」をともなう風邪や花粉症などの
アレルギーに対し、
くしゃみ・鼻水・咳をトータルに改善できる漢方薬です
小青竜湯はオンラインで処方することができます。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
小青竜湯とは
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、漢方の古典『傷寒論』『金匱要略(きんきようりゃく)』に記載される処方です。
水っぽい鼻水・痰(たん)、くしゃみ、咳(せき)、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)などの症状に使われます。
現代医学では、以下のような病気に使われています:
- アレルギー性鼻炎
- 風邪(感冒)
- 気管支炎
- 気管支喘息
- アレルギー性結膜炎
☑️ ポイント:透明でサラサラした鼻水・痰が出るタイプに合う漢方薬です。
小青竜湯の特徴
医療現場で使用されている小青竜湯は、次の8種類の生薬を煎じて抽出・乾燥エキス化し、服用しやすい顆粒剤または錠剤に加工されたものです。
- ハンゲ
- カンキョウ(しょうが)
- カンゾウ(甘草)
- ケイヒ(シナモン)
- ゴミシ
- サイシン
- シャクヤク
- マオウ(エフェドリンを含む)
また、以下のような成分を含み、アレルギーや炎症に関わるメカニズムに作用します:
- エフェドリン(気道拡張作用など)
- グリチルリチン酸(抗炎症・副腎皮質ホルモン様作用)
☑️ 抗ヒスタミン作用・好酸球抑制・アセチルコリン応答抑制などの薬理作用も確認されています。
効能・効果
次の疾患にともなう以下の症状に用いられます:
- 水様の痰・鼻水、鼻づまり、くしゃみ、喘鳴、咳、涙目
対象疾患:
- 気管支炎
- 気管支喘息
- 鼻炎
- アレルギー性鼻炎
- アレルギー性結膜炎
- 感冒(風邪)
有効性(有効性試験など)
通年性鼻アレルギー患者に対し、小青竜湯を1日9.0g(3回分割)で2週間内服した臨床試験では、以下の結果が示されています:
| 改善度 | 小青竜湯群 | プラセボ群 |
|---|---|---|
| 中等度改善以上 | 44.6% | 18.1% |
| 軽度改善以上 | 83.7% | 43.6% |
- 副作用発現率:6.5%(主に消化器症状)
☑️ くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善が明確に示されました。
用法・用量
- 通常、成人は1日9.0gを2〜3回に分けて、食前または食間に内服します。
- 年齢・体重・症状に応じて適宜調整します。
☑️ 証(体質や症状のタイプ)を考慮し、効果が乏しい場合は中止も検討します。
☑️ カンゾウ(甘草)を含むため、高血圧や低カリウム血症のリスクがある方は注意が必要です。
使用できない方(禁忌)
以下に当てはまる方は服用できません:
- アルドステロン症(ホルモン異常による高血圧など)
- ミオパチー(筋肉の病気)
- 低カリウム血症
とくに注意が必要な方
以下に該当する場合、副作用が出やすいため慎重な投与が必要です。
- 病後の衰弱期や体力が著しく低下している方
- 胃腸が弱い方(悪心・下痢・腹痛が出やすい)
- 発汗が多い体質の方
- 循環器疾患の既往(狭心症・心筋梗塞など)
- 高血圧(重症)、排尿障害、甲状腺機能亢進症
- 腎機能障害(高度)
飲み合わせに注意が必要な薬
以下の薬剤と併用すると、副作用リスクが高まる可能性があります。
❗ 交感神経刺激作用を強める薬
- マオウ含有漢方:葛根湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯 など
- エフェドリン、メチルエフェドリン、プソイドエフェドリン配合薬
- フェキソフェナジン(抗アレルギー薬)+プソイドエフェドリン製剤
- MAO阻害薬(セレギリン、ラサギリンなど)
- 甲状腺ホルモン薬:チロキシン、リオチロニン
- アドレナリン、イソプレナリンなど
→ 不眠、動悸、発汗過多、興奮、脱力感などが出やすくなります。
❗ 偽アルドステロン症・ミオパチーを起こしやすくする薬
- カンゾウ(甘草)含有薬:芍薬甘草湯、補中益気湯、抑肝散 など
- グリチルリチン酸含有薬
- 利尿薬(ループ系/チアジド系):
- ループ系:フロセミド、アゾセミド、トラセミド
- チアジド系:トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド など
☑️ カリウムの排出が促進され、低カリウム血症→ミオパチーや偽アルドステロン症を起こしやすくなります。
→ 併用時は用量調整・モニタリングが重要です。
副作用と発生頻度
■ 重篤な副作用(頻度不明)
- 間質性肺炎:咳・息切れ・発熱 → すぐに受診
- 偽アルドステロン症:むくみ、体重増加、高血圧、低カリウム血症
- ミオパチー:脱力、けいれん、手足のまひ
- 肝機能障害・黄疸:AST/ALT/ALP/γ-GTPの上昇、黄疸
■ その他の副作用(頻度不明)
- 過敏症:発疹、かゆみ、赤みなど
- 自律神経系:不眠、動悸、発汗、興奮、全身のだるさ
- 消化器症状:食欲不振、悪心、胃もたれ、下痢、腹痛
- 泌尿器系:排尿障害
☑️ 臨床試験では副作用率6.5%、主に軽微な消化器症状でした。
☑️ 重大な副作用はまれですが、初期症状が出たら早めに受診を。
まとめ(当院からのアドバイス)
小青竜湯は、「水っぽい鼻水・痰」をともなう風邪やアレルギーに対し、くしゃみ・鼻水・咳をトータルに改善できる漢方薬です。
一方で、体質(証)や持病・飲み合わせによっては、偽アルドステロン症・間質性肺炎・ミオパチーなどの副作用が出る可能性があります。
☑️ 効果が乏しい場合は早めに医師へ相談を。長期使用は避けましょう。
当院では、症状・体質・服薬歴をふまえて、必要に応じて用量調整を行っています。
気になる症状や飲み合わせについては、受診時に遠慮なくご相談ください。
参考文献・出典
■ 添付文書(ツムラ小青竜湯エキス顆粒)
- 医療用添付文書(JAPIC)
- 改訂年月:2023年12月
■ インタビューフォーム(製薬企業が作成する詳細資料)
- 「ツムラ小青竜湯エキス顆粒(医療用)」のPDFが公開されています(ツムラ公式・PMDAサイト)
■ 薬効薬理・臨床論文
PubMed等でも「shoseiryuto」または「小青竜湯」で検索可能
馬場駿吉ほか, 耳鼻臨床, 88 (3), 389-405, (1995)
Okubo Y. et al., Phytother Res. 11(7):485-9, (1997)
池谷洋一ほか, 日本東洋医学雑誌, 64(3), 143-149, (2013)
よくある質問(Q&A)
-
小青竜湯ってどんな薬?風邪薬やアレルギー薬とどう違うの?
-
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、透明でサラサラした鼻水・咳・くしゃみ・喘鳴(ヒューヒュー音)といった症状に使われる漢方薬です。
抗ヒスタミン薬のように症状をピタッと止めるタイプではなく、体質改善や過剰な水分代謝の調整を目指すのが特徴です。
-
この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?
-
小青竜湯は、漢方の古典処方をベースにしながらも、一定の薬理作用や臨床試験の結果が添付文書で示されている数少ない製品の一つです。
-
小青竜湯(先発薬)はいつから発売されているの?
-
医療用漢方エキス製剤「ツムラ小青竜湯エキス顆粒(医療用)」は、
1985年(昭和60年)5月31日に製造承認を受けて販売が開始されました。
-
小青竜湯の薬価と自己負担額の目安は?【1か月分の費用感】
-
ツムラ小青竜湯エキス顆粒の薬価は
➡ 12.8円/g(2023年12月時点)通常処方:1日9g → 1日あたり115.2円(12.8円×9g)
1か月(30日分)=約3,456円- 【3割負担】約1,040円
- 【2割負担】約690円
- 【1割負担】約350円
※他社製品(クラシエ・三和・JPSなど)は薬価が異なります(9円〜24円/g程度)
-
小青竜湯の効果はどのくらいで現れる?どれくらい続くの?
-
効果発現時間:数日~1週間ほどで症状の改善を感じるケースが多いです。
ただし、即効性を期待する薬ではなく、体質との相性(証)や症状の推移によって変わります。持続時間:基本的に1日3回投与が推奨されており、数時間〜半日程度の作用持続とされます。
-
小青竜湯は妊娠中でも飲んでいいの?
-
原則として、妊娠中の使用は慎重投与とされています。
添付文書では「治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ使用」と明記されています。- 小青竜湯に含まれる**マオウ(麻黄)やカンゾウ(甘草)**が、血圧上昇・子宮収縮・低カリウム血症などに関与する可能性があるため、自己判断での使用は避けましょう。
- 妊娠初期(特に12週未満)は特に慎重に。
>💡 妊娠中の鼻水・咳には、小青竜湯より安全性の高い選択肢もあります。医師にご相談を。
-
授乳中に小青竜湯を飲んでも大丈夫?
-
添付文書では、「治療上の有益性と授乳の有益性を比較し、継続の可否を検討すること」とされています。
授乳の一時中断やミルクの併用を勧められる場合もあります。
カンゾウやマオウなどの成分が母乳に移行する可能性が否定できず、赤ちゃんへの影響が懸念されるため、必ず医師に相談のうえで使用してください。
-
子ども(小児)は小青竜湯を飲めますか?何歳からOK?
-
小青竜湯の添付文書には、
「小児等を対象とした臨床試験は実施していない」と記載されています。ただし、医療現場では体重・年齢に応じて処方されるケースもあり、とくに小児用規格やシロップタイプがある製品(JPS製薬など)では実際の使用経験は多数あります。
>💡小児に使う場合は「体質(証)」を慎重に見極め、医師の判断に基づいて用量調整を行う必要があります。自己判断での使用は避けましょう。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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