吐き気が止まらないときに…プリンペランってどんな薬?副作用や注意点も解説
吐き気が止まらないときに…
プリンペランってどんな薬?副作用や注意点も解説

吐き気があるので『プリンペラン®』使えますか?

プリンペラン®は、吐き気・嘔吐を抑えるだけでなく、胃の動きも整える薬です。
副作用に錐体外路症状があり、ナウゼリンで効かない場合に処方することが多いです。
プリンペランはオンラインで処方することができます。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
プリンペラン®とは
- 商品名:プリンペラン®
- 一般名:メトクロプラミド(注射・シロップは「塩酸メトクロプラミド」)
- 分類:消化器機能異常治療薬
- 剤形:錠(5 mg)、細粒(2%)、シロップ(0.1%)
- 適応症状:
- 吐き気・嘔吐
- 食欲不振
- 腹部膨満感
- バリウム通過促進(X線検査時)
プリンペラン®の特徴
- 1950年代 フランスで開発された長年使われてきた制吐薬
- 自律神経や中枢神経への影響が少なく、ドパミンD2受容体を遮断することで吐き気を抑える
- 消化管の動きを整える作用(5‑HT4刺激・5‑HT3遮断)もあるため、胃の排出を助ける特長がある
効能・効果
以下のような場面で見られる消化器機能異常(悪心・嘔吐・食欲不振・腹部膨満感)の改善に使用される:
- 胃炎、胃・十二指腸潰瘍
- 胆のう・胆道疾患
- 腎炎、尿毒症
- 乳幼児の嘔吐
- 制がん剤・抗生物質など薬剤投与時
- 胃内・気管内挿管時
- 放射線照射時
- 開腹手術後
- X線検査時のバリウム通過促進
有効性(文献集計より)
過去の文献57報・2,332例をまとめた結果、70〜90%程度の有効性が確認されています。
| 病態・場面 | 有効率(改善率) |
|---|---|
| 胃炎 | 84.8%(139/164) |
| 胃・十二指腸潰瘍 | 91.7%(44/48) |
| 胆道疾患 | 66.9%(91/136) |
| 腎炎 | 85.0%(51/60) |
| 尿毒症 | 78.8%(41/52) |
| 小児の嘔吐 | 82.6〜96.3% |
| 手術時・後の嘔吐 | 87.1〜87.3% |
| 薬剤性の胃腸障害 | 81.8%(319/390) |
| チューブ挿入時の反射抑制 | 75.5%(114/151) |
| バリウム排出改善 | 70例中53例が改善 |
| 放射線治療による嘔吐 | 83.9%(177/211) |
用法・用量
- 成人:塩酸メトクロプラミドとして、1日10〜30mgを2〜3回に分けて食前に服用
- 例:1回1錠(5 mg)、1日2〜3回
- 小児:過量に注意が必要(医師の指示厳守)
注意点
- 眠気・めまいが出ることがあるため、自動車運転や機械操作は控える
- 腎機能が弱い方・高齢者では体に薬が残りやすいため、用量・間隔調整が必要
使用できない方(禁忌)
以下に当てはまる方は使用できません:
- 成分にアレルギーのある方
- 褐色細胞腫・パラガングリオーマの疑い(急激な血圧上昇のリスク)
- 消化管の出血・穿孔・閉塞がある方(腸の動きが刺激されて悪化)
飲み合わせに注意が必要な薬
飲み合わせにより作用が強く出たり、隠れたりすることがあります。必ず受診時に申告を。
⬛︎ ドパミン遮断薬(重複注意)
- フェノチアジン系:プロクロルペラジン、クロルプロマジン、チエチルペラジン
- ブチロフェノン系:ハロペリドール
- ベンザミド系:スルピリド、チアプリド
- ラウオルフィア系:レセルピン
→ 内分泌異常や錐体外路症状が起きやすくなります
⬛︎ ジギタリス製剤(ジゴキシンなど)
→ 中毒の初期症状(吐き気・食欲不振)を隠すおそれ
⬛︎ カルバマゼピン
→ 中毒症状(眠気・吐き気・めまい)に注意
⬛︎ 抗コリン薬(アトロピン等)
→ お互いの作用を打ち消し合うことがある
副作用と発生頻度
⚠️ 重い副作用(頻度不明でも要注意)
- ショック/アナフィラキシー:息苦しさ、喉の腫れ、じんましん
- 悪性症候群:高熱、筋肉のこわばり、無言・無動、脈の異常など
- 意識障害・けいれん
- 遅発性ジスキネジア:口や舌の動きが止まらなくなる(長期投与後も続くことあり)
🌀 よくある副作用(体調異常があれば早めに相談)
- 錐体外路症状:手のふるえ、首や顔のつり、眼球が上を向くなど
- 内分泌:無月経、乳汁分泌、男性の乳房肥大
- 消化器:腹痛、下痢・便秘、胃の張り
- 循環器:血圧低下、動悸、不整脈
- 精神・神経:眠気、頭重感、興奮、不安、めまい
- 皮膚・その他:発疹、むくみ、倦怠感
受診の目安
- すぐに受診:高熱+筋硬直、意識混濁、息苦しさ、けいれん
- できるだけ早く:目の異常な動き、強い眠気、めまい・動悸が続くとき
まとめ
プリンペラン®は、吐き気・嘔吐を抑えるだけでなく、胃の動きも整える薬です。手術後・放射線治療中・薬の副作用・小児の嘔吐など多くの場面で有効性が示されています。
- 眠気・ふるえ・口の動きの異常などの副作用に注意
- 長期使用は主治医と相談しながら進めること
- 他の薬との飲み合わせに注意
- 妊娠・授乳・高齢者・腎機能低下の方は医師と相談を
自己判断での服用・中止は避け、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。併用できる?」などの疑問は、症状や体質に応じて変わります。医師と相談しながら、最適な治療を一緒に見つけていきましょう。
参考文献・出典
添付文書(日医工「プリンペラン錠5」2025年4月改訂版)
→ JAPIC医薬品情報サイト(https://www.japic.or.jp/)で閲覧可能
KEGG DRUG(メトクロプラミド:D00726)
→ https://www.genome.jp/entry/drug:D00726
PubMed 論文("Metoclopramide AND pregnancy" などで検索)
→ 海外における妊娠・授乳中の使用に関する報告多数
厚労省 医薬品リスク管理計画(RMP)
→ 本剤ではRMP設定はなし
よくある質問(Q&A)
-
プリンペランはどんなときに使う薬?
-
吐き気・嘔吐・胃のむかつきなどを抑えたいときに使われる薬です。特に、胃炎、手術後、抗がん剤投与時、小児の嘔吐など、原因を問わず幅広く対応できます。
-
同じ系統の吐き気止めの中でプリンペランの強みは?
-
制吐作用と消化管運動促進作用の両方を併せ持つ点が特長です。
5-HT4刺激作用や5-HT3遮断作用により、胃の排出促進効果が期待できる点は、ドパミン遮断薬の中でもユニーク。
長期的な使用実績がある(1965年から日本で使用)ため、医師側でも使い慣れており、さまざまな場面に応用されています。
-
プリンペランの先発品はいつ発売されたの?
-
プリンペラン®(メトクロプラミド)は、1964年にフランスで初承認・発売され、
日本では1965年に藤沢薬品(現アステラス製薬)から発売されました。
-
プリンペランの薬価は?1か月処方したときの自己負担の目安は?
-
以下は2025年時点の薬価(準先発品・後発品)と30日処方時の目安(3割負担)です。
製品名 剤形・規格 薬価 30日使用量の例 自己負担の目安(3割) プリンペラン錠5 錠剤(5mg) 6.7円/錠 1日3錠 × 30日=90錠 約180円 プリンペラン細粒2% 1g中20mg 11.3円/g 1日1g × 30日 約102円 プリンペランシロップ0.1% 1mL中1mg 2.33円/mL 1日10mL × 30日 約210円 ※後発品だと錠剤で1錠あたり5.9円程度、同条件なら30日で160円前後になります。
-
どのくらいで効いて、効果はどれくらい続く?
-
作用発現時間:内服後30分〜1時間以内に効果が現れます。
持続時間:およそ4〜6時間程度。
1日2〜3回に分けての投与が一般的です。
-
妊娠中にプリンペランは使っていいの?
-
妊娠中でも、必要と判断される場合は使用されることがあります。
動物試験や疫学データでは明確な催奇形性は報告されていませんが、
「治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合のみ」使用されます。特につわりがひどい妊娠悪阻(にんしんおそ)で処方されるケースがあります。
📌【注意点】
自己判断での服用はせず、必ず産婦人科または処方医と相談してください。
-
授乳中にプリンペランは飲んでも大丈夫?
-
メトクロプラミドは母乳中に移行することが知られています。
そのため、授乳中に使用する場合は、
「授乳の中止」または「投薬を避ける」ことも検討されます。一部のガイドラインでは「短期間の使用は許容される」との記載もありますが、
乳児への影響(ふるえ、眠気など)が完全には否定されていないため、
慎重に医師と相談しましょう。
-
子どもにプリンペランは使えるの?
-
乳幼児や小児でも使用される薬です。
例:乳児の嘔吐、胃腸炎、神経性嘔吐など
ただし、過量投与に注意が必要であり、
錐体外路症状(手足のふるえ、眼球上転など)のリスクが成人より高いため、
必ず医師の指示に従うことが重要です。📌【注意点】
脱水状態、発熱時などは副作用が出やすくなるため、慎重に使われます。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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