「いぼ痔」や「切れ痔」の薬に悩んだら|プロクトセディル坐薬とは?

「いぼ痔」や「切れ痔」の薬に悩んだら
プロクトセディル坐薬とは?

痔で『プロクトセディル坐薬』を使っています。

古くからある痔の座薬ですね。

抗菌作用や止血成分まで入っているものは少ないため、

多くの症状が重なっているケースに特に有効です。

プロクトセディル坐薬は、オンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

プロクトセディル坐薬とは

痔(じ)=いぼ痔(痔核 )や切れ痔(裂肛 )による
「出血・痛み・はれ・かゆみ」 をやわらげる 肛門から入れる坐薬です。


✅ 4つの成分が1つの坐薬に配合されています

  • ヒドロコルチゾン:炎症とかゆみを抑える(ステロイド)
  • フラジオマイシン硫酸塩:細菌の増殖を防ぐ(抗菌薬)
  • ジブカイン塩酸塩:痛みをしずめる(局所麻酔)
  • エスクロシド:血管を強くし、出血を抑える(止血)

💡体温で溶けて患部に届くよう設計されています
→ 1シート7個の“ウィークリーシート”で提供されています。


効能・効果

痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)にともなう

  • 出血
  • 痛み(疼痛 とうつう
  • はれ(腫脹 しゅちょう
  • かゆみ(痒感 ようかん

をやわらげます。

💡エスクロシド配合により、出血への効果も期待されます


有効性(臨床成績)

日本国内で行われた再評価試験では、
坐薬と軟膏を合わせて642例中、有効率90.3%(「有効」以上の評価)。

※日常診療での結果であり、厳密な比較試験ではありませんが、
多くの患者さんで症状が改善しています。


用法・用量(使い方)

通常、成人は

  • 1回1個を1日1〜3回
  • 肛門内に挿入します

💡使い方のコツ

  • 排便後に使うと、薬がしっかりとどまります。
  • 柔らかくなりすぎて挿入しにくい時は
     → 包装のまま冷水や冷蔵庫で冷やすと使いやすくなります。

📌 保管は30℃以下、特に夏は涼しい場所で。


使用中に注意すべき症状

以下の症状が出た場合は、早めに医療機関へ

  • 強い痛み
  • 出血が続く
  • 発熱
  • 膿(うみ)が出る

➡ 感染症の悪化の可能性があります。


使用できない方(禁忌)

以下の方は使用できません:

  • 肛門や直腸に 結核やウイルス性の感染がある
  • 真菌(しんきん)感染がある(例:カンジダ、白癬)
  • 本剤の成分に アレルギー(過敏症)の既往がある
  • デスモプレシン酢酸塩水和物(夜間頻尿の薬)を服用中

飲み合わせに注意が必要な薬

🚫 併用禁忌薬

  • デスモプレシン酢酸塩水和物(商品例:ミニリンメルト)

→ 一緒に使うと、低ナトリウム血症(電解質異常)のリスクあり
 💡 男性の夜間頻尿治療薬です。服用中は必ず医師や薬剤師に伝えてください。


副作用と発生頻度

【重大な副作用】※頻度不明

  • 下垂体や副腎皮質の機能抑制
     → ステロイド成分(ヒドロコルチゾン)の長期・大量使用により、ホルモンバランスに影響する可能性あり

【その他の副作用】※頻度不明

  • アレルギー症状:かゆみ、赤み、はれ、水ぶくれ など
  • 感染症の悪化:カンジダや白癬、ウイルス性疾患
  • 長期使用の影響:ステロイドの全身性副作用が出ることも

💡異常を感じたら、使用を中止し、すぐに医師に相談を!


まとめ

プロクトセディル坐薬は、炎症・痛み・感染・出血に幅広く対応する痔の治療薬です。

  • 国内再評価での有効率は90.3%
  • 長年の実績があり、成分も多面的

注意点

  • 感染部位には使えない
  • 特定の薬との併用禁止
  • 長期・多量使用NG

参考文献・出典

医薬品インタビューフォーム(IF):製薬会社発行の詳細資料

添付文書(電子化されており、PMDAやJAPICで閲覧可能)

KEGG DRUG データベース(D04699):有効成分や作用機序、分子構造情報あり

論文例:

平松保造ら『基礎と臨床』11(8), 53-59 (1977)

神木照雄ら『医学と薬学』4(1), 76-79 (1980)

野本照子ら『医学と薬学』4(1), 73-75 (1980)

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の薬と比べて、どんな強みがありますか?

プロクトセディル坐薬は、1つの坐薬で以下の症状に多面的に対応できる点が強みです:

  • 出血に強い:「エスクロシド」配合で毛細血管を保護し止血作用
  • 炎症とかゆみを抑える:「ヒドロコルチゾン」配合(ステロイド)
  • 感染対策ができる:「フラジオマイシン硫酸塩」配合(抗菌薬)
  • 痛みをすぐ和らげる:「ジブカイン塩酸塩」配合(局所麻酔)

他の痔の坐薬(例:ボラギノールA坐薬など)は「痛みやはれ」の緩和にとどまるものも多く、
抗菌作用や止血成分まで入っているものは少ないため、
多くの症状が重なっているケースに特に有効とされています。

先発薬の発売年はいつですか?

プロクトセディル坐薬は1957年にイギリスで発売され、
日本では1966年3月に承認・販売開始されました。

長年の実績がある痔疾患治療薬です。

1か月(30日)処方時の薬価と自己負担額は?

薬価は以下のとおりです。

製品名剤形1個あたり薬価30個(1日1個×30日)あたり3割負担の目安
プロクトセディル坐薬坐薬27.9円837円約250円

💡1日2〜3回使用の場合は、倍の数量(60~90個)を想定してください。

※院外処方の場合、薬局調剤料等が加算されるため、実際の自己負担額はもう少し上がります。

効果が出るまでの時間と、効果の持続時間は?

作用発現時間(効き始め):使用後 15~30分以内に鎮痛・鎮痒効果が現れることが多いです。
※ジブカインの局所麻酔作用が比較的速効です。

効果の持続時間:数時間(おおよそ 4〜6時間程度
※成分の局所滞留時間や排便・浸出液の影響で個人差あり。

妊娠中でも使えますか?

使用できますが注意が必要です。

  • ステロイド(ヒドロコルチゾン)が含まれるため、
    妊娠中は必要最低限の使用にとどめること
    が推奨されます。
  • 大量・長期使用は避けること(胎児の副腎機能への影響のリスクが理論上あるため)
  • 医師が「有益性が危険性を上回る」と判断した場合に限り使用します。

💡自己判断で使うのは避け、必ず主治医に相談してください。

授乳中でも使えますか?母乳への影響は?

ヒドロコルチゾンや抗菌薬の全身移行性は低く、血中濃度はほとんど検出されないとされています。

したがって、授乳中でも基本的には使用可能とされます。

ただし、心配な場合は授乳の直後に使用し、次の授乳まで間を空けるなどの工夫が推奨されます。

子どもにも使えますか?

使用は可能ですが、慎重に観察する必要があります。

特にステロイド(ヒドロコルチゾン)を含むため、発育に影響が出ないよう注意が必要です。

長期・広範囲・高頻度の使用は避け、
医師が必要と判断した場合のみ最小限の期間で使用されます。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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