フスタゾールってどんな薬?かぜや気管支炎の咳に使われる理由と副作用

フスタゾールってどんな薬?
かぜや気管支炎の咳に使われる理由と副作用

咳止めで『フスタゾール』を使ってみたいです。


非麻薬性でありながら咳中枢に直接作用するタイプの鎮咳薬です。

また気管支弛緩作用・抗ヒスタミン作用もあわせ持つことが特徴です。

フスタゾールはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

フスフスタゾールとは

有効成分:クロペラスチン

成人用:クロペラスチン塩酸塩
小児用:クロペラスチンフェンジゾ酸塩

分類は鎮咳薬(咳をしずめる薬)です。
服用後に眠気が出ることがあるため、運転などは注意が必要です。


フスタゾールの特徴

なぜ開発されたのか

従来の麻薬性鎮咳薬(咳止め)は強力な反面、次のような副作用があります:

  • 呼吸が抑えられる(呼吸抑制)
  • 便秘になりやすい
  • 習慣性(依存のおそれ)

これらを避けるために、非麻薬性で安全な咳止めとして開発されました。

東京大学薬学部・高木教授らが、抗ヒスタミン薬「ジフェンヒドラミン」の構造をもとに研究し、クロペラスチンを発見しました。


主な作用のポイント

  • 中枢(ちゅうすう)に直接働いて咳を抑える
  • 気管支(きかんし)を広げて呼吸を楽にする
  • 軽い抗ヒスタミン作用もある

効能・効果

次の病気に伴う咳に使われます:

  • 感冒(かぜ)
  • 急性気管支炎
  • 慢性気管支炎
  • 気管支拡張症
  • 肺結核
  • 肺がんに伴う咳

※あくまで咳を抑える薬であり、病気の原因そのものを治す薬ではありません


有効性(臨床試験の結果)

日本国内の142人を対象とした臨床試験での有効率は以下の通りです:

疾患名有効率
感冒85.4%(35/41)
急性気管支炎77.8%(14/18)
慢性気管支炎66.7%(8/12)
気管支拡張症66.7%(6/9)
肺結核66.7%(34/51)
肺がん72.7%(8/11)

※症例数は少ないものの、複数の病気で咳症状の改善が認められました。


用法・用量(のむ量・回数)

通常は1日3回に分けて服用します。具体的な量は医師の指示に従ってください。

成人(クロペラスチン塩酸塩として)

  • 1日30〜60mgを3回に分けて服用

小児(年齢別の目安)

年齢1日量の目安
2歳未満7.5mg
2歳〜4歳未満7.5〜15mg
4歳〜7歳未満15〜30mg

※いずれも1日3回に分けて、年齢や症状に応じて調整します。


使用できない方(禁忌)

明確な「絶対禁忌」は記載されていません。


飲み合わせに注意が必要な薬

特定の薬との相互作用は明記されていませんが、眠気が出る可能性があるため、以下の薬と一緒に使う際は注意が必要です:

  • 一部の風邪薬
  • アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)
  • 睡眠薬・抗不安薬など

※服用中の薬やサプリメントがある場合は、医師または薬剤師に必ず伝えましょう


副作用と発生頻度

頻度は不明ですが、以下のような副作用が報告されています:

  • 眠気
  • 悪心(おしん:吐き気)
  • 食欲不振
  • 口の渇き(口渇:こうかつ)

「いつもと違うだるさ」「ふらつき」「発疹」などが出た場合は、自己判断で飲み続けず、すぐに医療機関へ


まとめ

  • フスタゾールは非麻薬性の咳止めで、安全性に配慮された設計
  • 咳の中枢に直接作用して咳を抑えます
  • 感冒〜肺がんまで広範な咳に対応可能
  • 1日3回服用。眠気などに注意が必要
  • 妊娠・授乳中や高齢の方は必ず医師に相談

咳が長引く・血痰が出る・息苦しい場合は、重大な病気の可能性があります。
放置せず、早めに受診を。


参考文献・出典

【PMDA】医薬品インタビューフォーム(フスタゾール錠)

【KEGG DRUG】D01609(Cloperastine Hydrochloride)

【JAPIC】添付文書情報

高木敬次郎ほか「薬学雑誌」掲載の基礎研究論文(1961, 1967年など)

加藤安之ほか「応用薬理」第5巻第5号(1971)

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

フスタゾール(有効成分:クロペラスチン)は、非麻薬性でありながら咳中枢に直接作用するタイプの鎮咳薬です。
モルモットでの実験では、コデインリン酸塩より強力な鎮咳作用を示したとの報告があり、
また気管支弛緩作用・抗ヒスタミン作用もあわせ持つことが特徴です。

同じ非麻薬性の鎮咳薬であるデキストロメトルファン(メジコン)などと比べても、
咳中枢への直接作用+複合的な作用機序」という点で、やや上位に位置づけられることもあります。

先発薬の発売年はいつ?

フスタゾールは、1965年5月に糖衣錠・散が承認され、
その後、1970年に錠小児用、1972年にシロップが承認されました(※シロップは2014年販売中止)。

長年にわたり使用実績があり、1976年には医薬品再評価において「有用性が認められるもの」と判定を受けています。

1か月(30日)処方時の薬価と実際の目安価格(自己負担額含む)は?

2025年4月時点の薬価は以下のとおりです。

剤形規格薬価30日分の薬価合計自己負担(3割)目安
フスタゾール糖衣錠10mg6.1円/錠549円(90錠)約165円
フスタゾール錠小児用2.5mg10.4円/錠936円(90錠)約280円
フスタゾール散10%25.1円/g753円(30g)約225円

※処方量は医師の判断によるため、上記は標準的用量を想定した目安です。
※薬局での調剤料等を含めた負担額はもう少し高くなる可能性があります。

作用発現時間と持続時間はどれくらい?

動物実験(イヌ)では、経口投与後1.5〜4時間で最高血中濃度に達したとされています。
臨床使用でも、服用後1〜2時間以内に効果を感じるケースが多いです。

持続時間について明確なデータはありませんが、
1日3回投与(=約8時間ごとの間隔)が基本とされており、
半日程度の持続効果があると考えられています。

妊娠中の使用は可能?リスクや注意点は?

妊娠中の使用は、**「治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること」**とされています。
動物や人での催奇形性リスクなどの明確な報告はありませんが、
安全性は十分に確立されていないため、自己判断での服用は避け、医師と相談する必要があります。

授乳中の使用は可能?母乳への移行や注意点は?

フスタゾールの成分が母乳中に移行するかは不明ですが、眠気などの中枢作用があることから、
授乳中に使用する場合は「授乳の継続または中止の判断を慎重に行うこと」とされています。

つまり、使用できないわけではありませんが、医師とリスク・ベネフィットを検討して判断します。
可能であれば、授乳直後に服用し、次の授乳まで時間を空けるのが一般的な工夫です。

子どもには使える?使用可能年齢と注意点は?

フスタゾールは、2歳未満から使用可能な鎮咳薬として承認されています。

年齢ごとの目安用量は以下のとおり:

  • 2歳未満:1日7.5mg(3回分服用)
  • 2歳以上4歳未満:1日7.5〜15mg
  • 4歳以上7歳未満:1日15〜30mg

→ いずれも3回に分けて内服します。年齢・体重・症状によって用量調整が必要です。

眠気やだるさの副作用に注意し、服用後の様子をよく観察しましょう。

咳が出るときは、いつフスタゾールを使えばいい?

以下のような咳が続く場合に、医師が処方することがあります:

  • 風邪で咳がつらい
  • 気管支炎や肺炎の治りかけで咳だけ残っている
  • 肺結核や肺がんで咳が止まらない
  • 就寝時の咳で眠れない

痰が多く出る咳、ゼーゼーした喘息性の咳などには適さない場合もあるため、医師の判断が大切です。

眠気が強く出ることはある?

眠気はよくある副作用のひとつです。
運転や機械操作をする方は服用を避ける時間帯代替薬の検討が必要になる場合もあります。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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