せき止めの薬「コデインリン酸塩」ってどんな薬?副作用や使えない人に注意!
せき止めの薬「コデインリン酸塩」ってどんな薬?
副作用や使えない人に注意!

咳が長く続くのでしっかり効く咳止めが欲しいです。

コデインリン酸塩は、咳をしっかり抑えたいときに使われる代表的な薬です。
依存の可能性があり、長期処方はできません。
コデインリン酸塩はオンライン診療で処方可能です。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
コデインリン酸塩とは
コデインリン酸塩は、咳止め(鎮咳薬)としてよく使われる薬です。
また、痛み止め(鎮痛薬)や、激しい下痢のときにも使われます。
体の中で一部がモルヒネに変わることで、効果を発揮します。
コデインリン酸塩の特徴
発見と歴史
1832年、アヘンから偶然発見され、のちにモルヒネから合成されました。
安定した薬
「コデインリン酸塩水和物」として、長く安定した製剤が使われています。
効果の強さ
モルヒネに比べると痛み止め・眠気の作用は弱めですが、
咳を抑える力が強く、咳止めとしてよく使われます。
用途が幅広い
- 咳の鎮静
- 痛みの緩和
- 下痢の改善(腸の動きを抑える)
依存に注意
長く使うと依存症になることがあります。
医師の指示に従い、必要最小限の量と期間で使用しましょう。
効能・効果
- 咳を抑える(各種呼吸器疾患における鎮咳・鎮静)
- 痛みの緩和(鎮痛)
- 激しい下痢の改善
※咳や下痢の原因によっては、症状を抑えるだけでなく、根本的な治療が必要です。
自己判断での服用は避けましょう。
有効性(薬の効き方のしくみ)
●体内での変化と作用
コデインは、肝臓で酵素の働きによりモルヒネなどに変わって効果を発揮します。
主に以下の酵素が関与しています:
- CYP2D6:コデインをモルヒネに変え、咳止めや痛み止めの効果に関わります
※この酵素の働きには体質差があり、「効きすぎる人」や「効かない人」がいます。 - CYP3A4:コデインを別の成分に分解します。
※グレープフルーツジュースなどで働きが弱まると、薬が効きすぎる場合があります。 - UGT2B7・UGT2B4:モルヒネなどを体の外に出しやすい形に変えます。
※**デパケン(バルプロ酸)**などで働きが落ちると、副作用が出やすくなります。
●他の薬による影響の具体例
| 影響 | 代表的な薬 | 内容 |
|---|---|---|
| 効きすぎる | グレープフルーツジュース | |
| ケトコナゾール(抗真菌薬) | CYP3A4の働きが落ちてコデインが強く効く | |
| 効きにくくなる | パキシル(パロキセチン) | |
| プロザック(フルオキセチン) | CYP2D6を阻害→モルヒネに変わらず効果が弱くなる | |
| 副作用出やすい | デパケン(バルプロ酸) | モルヒネの分解が遅れ、体に長く残る |
➤ 服用中の薬やサプリは、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
効き方や副作用のリスクが変わることがあります。
用法・用量
- 成人:1回20mg、1日最大60mgまで
- 年齢や症状により医師が調整します
使用上の注意
- 眠気やめまいが出るため、運転や機械操作は避けましょう
- 自己判断で増量しないでください(呼吸が弱まったり依存症のリスクあり)
使用できない方(禁忌)
以下のような方は使えません:
- 重い呼吸の病気
- 12歳未満の小児
- 扁桃・アデノイド摘出後の18歳未満
- 喘息発作中
- 重い肝臓障害や心不全、痙攣(けいれん)
- 急性アルコール中毒
- コデインなどアヘン系薬にアレルギーがある
- 出血性大腸炎(O157など)
慎重に使う必要がある方
- 呼吸・心臓・肝臓・腎臓の持病がある方
- 痙攣や精神疾患の既往歴がある方
- 前立腺肥大・尿路や腸が狭くなっている方
- 高齢者・衰弱している方
- 甲状腺や副腎の病気がある方
- 薬物依存の既往がある方
妊娠・授乳中の使用
- 妊娠中は原則使用しません
どうしても必要なときは医師が慎重に判断します
※出産直前の使用で、赤ちゃんに呼吸抑制や禁断症状が出た例あり - 授乳中は使用できません
母乳に移行し、赤ちゃんにモルヒネ中毒が出ることがあります
特にCYP2D6の働きが強い体質の方は注意が必要です
副作用とその頻度
重大な副作用(まれでも注意が必要)
- 依存症(薬をやめたときの下痢・ふるえ・不安など)
- 呼吸が弱くなる
- 錯乱・せん妄(もうろうとした状態)
- 無気肺や喉の腫れ、けいれん
- 腸のまひ・巨大結腸
その他の副作用
- 不整脈、血圧の変動、顔のほてり
- 眠気、めまい、視界のぼやけ、汗
- 吐き気、便秘、排尿しづらい
- 発疹、かゆみ
強い眠気・息苦しさ・意識がもうろうとする場合は、すぐに医療機関を受診してください。
まとめ
コデインリン酸塩は、咳をしっかり抑えたいときに使われる代表的な薬です。
また、痛みや激しい下痢にも使われることがあります。
参考文献・出典
医療用医薬品添付文書(PMDA・JAPIC)
KEGG DRUG:D02101
https://www.kegg.jp/entry/dr:D02101
厚生労働省 薬事・食品衛生審議会資料(12歳未満禁忌改訂)
Madadi P, et al., Clin Pharmacol Ther. 2009; 85(1): 31–35.(授乳と乳児中毒に関する報告)
Koren G, et al., Lancet. 2006; 368(9536):704.(UM代謝体質と中毒)
よくある質問(Q&A)
-
コデインリン酸塩とはどんな薬ですか?
-
コデインリン酸塩は、咳を抑える鎮咳薬として使われる医療用の薬です。
また、軽度〜中等度の痛みを和らげる鎮痛効果や、激しい下痢の症状を抑える止瀉効果もあります。
体内で一部がモルヒネに代謝されることで作用します。
-
この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?
-
コデインリン酸塩は、モルヒネ誘導体の中でも咳止め作用が特に強いという特長があります。
同じオピオイド系の鎮痛薬に比べて、鎮痛作用は穏やかですが、咳中枢に対する効果は1/8~1/9程度で非常に高く、依存性や副作用リスクをある程度抑えながら使用できる点が評価されています。
また、散剤・錠剤など複数の製剤があり、年齢や症状に応じて使い分け可能です。
-
先発薬の発売年はいつですか?
-
日本では1913年に武田薬品から「リン酸コデイン」として初めて発売されました。
その後、日本薬局方の改訂に伴い、製品名や規格の変更がありましたが、100年以上の使用実績があります。
-
1か月(30日)処方時の薬価と実際の自己負担額は?
-
代表的な製剤の薬価(2025年時点)は以下のとおりです。
製品名 規格 1錠・1gあたり薬価 30日処方(自己負担3割)目安 コデインリン酸塩錠5mg「シオエ」 錠剤5mg 10.4円/錠 約280円(1日3錠×30日) コデインリン酸塩錠20mg「タケダ」 錠剤20mg 79.5円/錠 約715円(1日1錠×30日) コデインリン酸塩散1%「フソー」など 散剤1% 7.7〜10.5円/g 用量によるが約250〜400円程度 ※実際の価格は処方量・調剤料・処方日数により異なります。
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作用発現時間と持続時間は?
-
作用発現時間(Tmax):内服後 約1.25時間
作用持続時間(T1/2):約2.5時間(半減期)
効果は比較的早く現れますが、持続時間は短めであるため、1日複数回の服用が基本です。
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妊娠中の使用は可能ですか?どんなリスクがありますか?
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妊娠中は原則として使用を避ける薬です。
特に妊娠後期や分娩直前に使用すると、**新生児の呼吸抑制や退薬症候(神経過敏・不眠など)**が起こるリスクがあります。ただし、どうしても必要と医師が判断した場合には、治療上の有益性が危険性を上回るときに限り慎重に使用されます。
-
授乳中にコデインリン酸塩を使っても大丈夫ですか?
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授乳中の使用は避けるべきです。
母乳中にコデインとその活性代謝物(モルヒネ)が移行し、**乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳不良、呼吸抑制など)**が報告されています。特に「CYP2D6超速代謝型(Ultra-Rapid Metabolizer)」の体質を持つ人では、母乳中のモルヒネ濃度が高くなるため、重大な影響を及ぼすおそれがあります。
-
子どもには使えますか?何歳から?注意点は?
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12歳未満の子どもには禁忌(使用不可)です。
また、18歳未満でも扁桃摘出後・アデノイド切除後の鎮痛目的での使用は禁止されています。さらに、肥満・重度の呼吸器疾患・睡眠時無呼吸症候群のある小児にも使うべきではありません。
理由は、呼吸抑制の感受性が高く、命に関わるリスクがあるためです。
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咳止めなのに下痢にも効くって本当ですか?
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はい、事実です。
コデインは腸の蠕動(ぜんどう)運動を抑える作用があるため、激しい下痢症状の改善にも使われることがあります。ただし、感染性下痢(O157や赤痢など)には絶対に使用してはいけません。
腸内に病原体が残り、悪化や治療期間の延長につながるためです。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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