ニキビにルリッドは効く?皮膚科でも使われる抗生物質の効果とは

ニキビにルリッドは効く?
皮膚科でも使われる抗生物質の効果とは

にきびで『ルリッド錠』が飲みたいです。

M「ルリッド錠150」は、マクロライド系と呼ばれる種類の抗生物質で、

細菌による感染症や、場合によってはニキビ(ざ瘡:ざそう)などに使われるお薬です。

抗生物質は「念のため」で飲むものではなく、必要なときに、必要な期間だけ使うことが大切です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ルリッド錠150(ロキシスロマイシン)とは?

効果・飲み方・副作用・注意点をわかりやすく解説

「ルリッド錠150」は、マクロライド系と呼ばれる種類の抗生物質(こうせいぶっしつ/抗菌薬)で、細菌による感染症や、場合によってはニキビ(ざ瘡:ざそう)などに使われるお薬です。

抗生物質は「念のため」で飲むものではなく、必要なときに、必要な期間だけ使うことが大切です。



ルリッド錠150(ロキシスロマイシン)とは?

  • 販売名:ルリッド錠150
  • 一般名:ロキシスロマイシン
  • 分類:酸に強く、効果が長く続く「マクロライド系抗菌薬」

ルリッドは、体の中での抗菌作用が長く続く薬で、通常は1日2回の服用で使われます(※医師の指示が優先です)。

どうやって効くの?

細菌が増えるために必要な「タンパク質を作る仕組み」をブロックすることで、細菌の増殖を抑えます。
これはマクロライド系抗菌薬に共通する作用です。


ルリッドの特徴とは?

もともと「エリスロマイシンA」という古くから使われている抗生物質をベースに、改良を加えて作られたお薬です。

改良ポイント

従来のマクロライド系抗生物質の「酸に弱くて壊れやすい」という弱点を克服。
その結果:

  • 胃酸に強い
  • 飲んでも体に吸収されやすい
  • のどや肺などへ届きやすい
  • 効果が長く続く

といった特徴があります。

日本での承認時期

1991年1月に「ニューマクロライド系抗生剤」として日本で承認されました。


血中濃度や持続時間

1回150mg(1錠)を飲むと:

  • 2.5時間後に血中濃度のピーク(最高値)
  • 6.2時間の半減期(効果が半分になるまでの時間)

薬の効果が一定時間しっかり続く設計になっています。


効能・効果

効く菌の種類(感受性のある菌)

  • ブドウ球菌属
  • レンサ球菌属
  • 肺炎球菌
  • モラクセラ・カタラーリス
  • 肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
  • アクネ菌(ニキビの原因菌のひとつ)

適応症(使える病気)

皮膚やニキビに関連するもの

  • 表在性/深在性皮膚感染症
  • リンパ管・リンパ節炎
  • 慢性膿皮症(のうひしょう)
  • ざ瘡(化膿性炎症を伴うニキビ)

のど・肺・呼吸器

  • 咽頭炎・喉頭炎
  • 扁桃炎
  • 急性気管支炎
  • 肺炎

耳・鼻

  • 中耳炎
  • 副鼻腔炎

歯科領域

  • 歯周組織炎
  • 歯冠周囲炎
  • 顎炎(がくえん)

⚠ 抗生物質が本当に必要かどうかは、医師がガイドラインなどを参考に判断します。
風邪の多くはウイルスが原因なので、抗生物質は効きません。


有効性(効果の確かさ)

皮膚・ニキビ

  • 皮膚感染症:有効率 80.0%(356/445例)
  • ニキビ(化膿性ざ瘡):有効率 71.9%(41/57例)

※別の薬と比較する試験(二重盲検試験)でも、同等の効果が認められました。

呼吸器

  • 咽頭炎・扁桃炎・気管支炎:84.1%(297/353例)
  • 肺炎:81.6%(204/250例)

※他薬との比較でも有意差なし(=同じくらいの効果)

耳・鼻

  • 中耳炎:55.5%
  • 副鼻腔炎:87.8%

歯科

  • 歯性感染症:82.9%

飲み方・用法用量

  • 通常の成人:1日300mgを2回に分けて飲む(例:朝150mg/夜150mg)

飲み忘れたら?

次の服用時間が近い場合は、1回分を飛ばすことも。
自己判断せず、薬剤師や医師の指示に従いましょう。


使用できない方(禁忌)

次の方は、原則として使用できません。

  • 本剤にアレルギーのある方
  • 特定の薬(エルゴタミン製剤など)を使っている方
     例:クリアミン、ジヒドロエルゴタミン

理由:これらの薬と併用すると血管が極端に収縮し、重い副作用を引き起こすおそれがあります。


飲み合わせに注意が必要な薬

ルリッドは肝臓の代謝酵素(CYP3A)に関与するため、他の薬の効果や副作用に影響を及ぼすことがあります。

併用禁忌

  • エルゴタミン製剤、クリアミン、ジヒドロエルゴタミン

併用注意(例)

  • テオフィリン:中毒症状(吐き気、嘔吐など)リスク
  • ワルファリン:出血しやすくなる可能性
  • QT延長薬(不整脈の薬):
     例:キニジン、ジソピラミド、アミオダロン、ソタロール

※QT延長(心電図の異常)→ めまいや失神を引き起こすおそれあり

  • ケイ酸アルミニウム:吸収が悪くなり、効果が弱まる可能性あり

副作用とその頻度

比較的よくある副作用(202例/8,903例中:2.27%)

  • ALT(GPT)上昇:0.47%
  • AST(GOT)上昇:0.36%
  • 好酸球増多:0.27%
  • 下痢:0.16%
  • 胃の不快感:0.15%

そのほか、発疹・吐き気・めまい・頭痛などが見られることがあります。


重大な副作用(頻度は少ないが注意)

以下の症状が出た場合は、すぐに服用を中止し、医療機関へ。

  • ショック・アナフィラキシー:息苦しさ、冷や汗、じんましんなど
  • 大腸炎(偽膜性・出血性):強い腹痛、下痢、血便
  • 間質性肺炎:熱、せき、呼吸困難
  • 血小板減少:出血が止まりにくくなる
  • 肝障害・黄疸:皮膚や白目が黄色くなる、強いだるさ
  • Stevens-Johnson症候群(皮膚粘膜眼症候群):発熱、広い範囲の発疹、目の充血
  • QT延長・心室頻拍:動悸、失神しそうになる

まとめ

  • ルリッド錠150は、吸収と持続性に優れたマクロライド系抗菌薬です。
  • 呼吸器・耳鼻科・皮膚・歯科感染症、ニキビ(ざ瘡)などに使用されます。
  • 成人では1回150mgを1日2回(計300mg/日)が基本。
  • 併用禁忌・併用注意の薬があるため、飲み合わせには注意。
  • 副作用の中には重篤なものもあるため、異変があれば早めに受診を。

大切なこと

抗生物質は「必要なときだけ」が基本。
症状が軽くなっても勝手にやめず、医師の指示通りに最後まで飲み切ることが大切です。
余った薬を他の人にあげたり、次回に使い回したりするのは絶対にやめましょう。

参考文献・出典

PMDA 添付文書情報検索(医薬品医療機器総合機構)

KEGG DRUG データベース(D01710)

厚労省『抗微生物薬適正使用の手引き』

論文例:

小山優ら「Chemotherapy. 36 (S-4), 164-83, 1988」→ 国内での臨床成績や副作用評価をまとめた報告です。

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

ルリッド錠150はマクロライド系抗生物質の中でも「酸に強くて長く効く」ことが特徴です。

比較項目ルリッド(ロキシスロマイシン)クラリス(クラリスロマイシン)エリスロシン(エリスロマイシン)
酸への安定性◎(強い)△(弱い)
服用回数1日2回通常1日2回通常1日3〜4回
組織移行性◎ 肺・皮膚・扁桃などに届きやすい
副作用の頻度比較的少なめやや多い(特に胃腸症状)多い(胃腸への負担が強い)
味やにおい少なめ(苦み控えめ)苦みあり酸味や苦みが強いことも

ポイント: ルリッドは服用のしやすさや副作用の出にくさが特徴で、「胃にやさしいマクロライド」としても評価されています。

ルリッド(先発薬)はいつ発売されたの?

1991年1月に日本で承認・発売されました。
フランスのルセル・ユクラフ社(現在のサノフィ社)が開発した薬で、「ニューマクロライド」として登場しました。

ルリッド錠150を30日分処方された場合の薬価と自己負担額の目安は?

薬価(2023年改定):23.4円/1錠(150mg)

● 通常の服用量 → 1日2錠(150mg×2)=1日あたり46.8円
● 30日分での総薬価:46.8円 × 30日 = 1,404円

負担割合自己負担の目安(30日分)
3割負担約420円前後
1割負担(高齢者等)約140円前後

※診察料や調剤料は別途必要です。

飲んでからどのくらいで効きはじめて、どれくらい持続しますか?

ルリッドを150mg服用した場合:

  • 2.5時間後に血中濃度が最大(tmax)
  • 効果の半減時間(t1/2)は約6.2時間
  • つまり、半日程度は抗菌作用が体に残る設計になっています。

※「効いた」と感じる体感時間は症状や感染部位によって異なります。

妊娠中にルリッドは使えますか?リスクは?

原則として、妊娠中は慎重投与です。
ただし、必要性が高ければ使用されることもあります。

  • 動物実験では高用量で胎児への影響(骨格異常など)が報告されています
  • ヒトでの明確な危険性は報告されていませんが、安全性が確立されているとは言えません

👉 医師が「使った方が良い」と判断した場合に限り使用されます。
不安がある場合は、受診時に妊娠の可能性を必ず伝えてください。

授乳中にルリッドは使えますか?母乳への影響は?

授乳中の使用は、医師と相談のうえで可否を判断します。

  • ラットの実験では、乳汁中への移行が確認されています
  • ヒトでの影響は不明確ですが、赤ちゃんへの影響が出る可能性もゼロではありません

👶 授乳中にどうしても使用する場合は:

  • 母乳を一時的に中断する
  • 赤ちゃんの体調をよく観察する

などの対応が取られることがあります。

子どもにルリッドは使える?注意点はある?

ルリッドは、子どもに対する臨床試験が実施されていません。
したがって、小児への使用には注意が必要とされています。

ただし:

  • 医師が感染症の種類や年齢を踏まえて「必要」と判断した場合は処方されることもあります
  • 小児用の適応がある別の抗菌薬が選ばれることもあります

🧒 処方された場合は、用量・服用間隔を守ることがとても大切です。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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