膀胱炎・のどの痛みに出されたケフレックスってどんな薬?副作用や飲み方をわかりやすく解説

膀胱炎・のどの痛みに出されたケフレックスってどんな薬?
副作用や飲み方をわかりやすく解説

膀胱炎になったので『ケフレックス』使えますか?

セファレキシンは、飲み薬のセフェム系抗生物質です

細菌の細胞壁を壊して殺菌的に作用します

皮膚・のど・呼吸器・尿路など幅広い感染症に使われます

ケフレックスはオンラインで処方することができます。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。


セファレキシン(ケフレックス)とは

セファレキシン(商品名:ケフレックス)は、飲み薬(経口薬)の抗生物質です。分類としては、飲んで使うタイプのセフェム系抗生物質(セファロスポリン系)に属します。

抗生物質は、細菌(ばいきん)に対して効く薬です。
風邪(かぜ)やインフルエンザなど、ウイルスが原因の病気には基本的に効きません(細菌感染が疑われるときだけ使います)。


セファレキシンの特徴

開発の経緯(歴史)

  • 1967年:アメリカのイーライリリー社研究所で開発
  • 1970年:日本でカプセルとシロップ用の粉薬が承認
  • 1977年:シロップ用細粒200が承認
  • 2001年:販売名変更により、シロップ用細粒100として再承認
  • 2003~2005年:再評価を経て、効能・効果の一部が変更承認
  • 2016年:販売が塩野義製薬から共和薬品工業へ移管
  • 2019年:製造販売の承認も共和薬品工業に移行

長い歴史を持ち、見直しを重ねて現在も使用されています。


どうやって効く薬?

細菌が増えるために必要な「細胞壁(さいぼうへき)」の合成をじゃまして、細菌を死滅させます。
このような作用を殺菌的作用といいます。


効きやすい菌(例)

  • ブドウ球菌
  • レンサ球菌
  • 肺炎球菌
  • 大腸菌、クレブシエラ属などの一部腸内細菌
  • インフルエンザ菌 など

※薬の形(剤形)によって、承認されている菌が異なることがあります。


体の中での動き(薬物動態)

  • 飲むとすばやく吸収され、血液中・尿中にしっかり移動
  • 排泄は、ほとんどが尿中にそのままの形で出ていきます
  • 投与後6時間以内の尿中への回収率:約90%

腎臓の働きが弱っている人では、薬の濃度が高くなりやすく、効き目が長く続くことがあるため、用量や間隔を調整することがあります。

この性質のため、膀胱炎など尿の感染症にもよく使われます。


効能・効果(どんな病気に使うか)

感染症の種類と主な対象

●皮膚・軟部組織

  • 表面や深部の皮膚感染症
  • リンパ管やリンパ節の炎症、慢性膿皮症(のうひしょう)
  • 外傷・火傷・手術後の二次感染、乳腺炎など

●のど・耳・鼻・呼吸器

  • 咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎
  • 急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器疾患の悪化時
  • 外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎など

●泌尿器・性器

  • 膀胱炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)
  • 前立腺炎、精巣上体炎
  • 淋菌感染症、子宮頸管炎、子宮内感染、バルトリン腺炎など

●眼・口腔

  • 涙嚢炎(るいのうえん)、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)、角膜炎
  • 歯周組織炎、抜歯後・手術後の二次感染など

のど・気管支炎・副鼻腔炎などの注意点

これらはウイルスが原因のことも多く、抗生物質が効かない場合があります。
添付文書でも「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照して、本当に必要かを確認してから使用するよう注意があります。


有効性(臨床試験など)

  • 一般臨床試験:1243例を対象に実施
  • 有効と判断された割合(有効率):85.9%(1068例)

部位別にみても、皮膚、呼吸器、尿路、歯科・口腔領域で一定の効果が確認されています。

※実際の効果は、菌の種類、耐性(たいせい:効きにくさ)、重症度などで変わります。


用法・用量(のみ方)

  • 成人および体重20kg以上の子ども:
     1回250mgを6時間ごとに内服
  • 重症の場合/菌が効きにくい場合:
     1回500mgを6時間ごとに内服

※年齢・体重・症状により調整されます


飲み方のポイント

  • 自己判断でやめないこと:治ったように見えても、やめると再発・耐性菌の原因に
  • 飲み忘れた場合:次の服用が近ければ2回分まとめて飲まない
  • 腎機能が低い方:薬が長く残るため、間隔や量の調整がされます

使用できない方(禁忌)

絶対に使わない(禁忌)とされるのは次の方です。

  • セファレキシンにアレルギー歴のある方

慎重に判断すべき方

  • セフェム系・ペニシリン系抗生物質でアレルギーを起こしたことがある方
  • 気管支ぜんそく、発疹、じんましんなどアレルギー体質の方(家族含む)
  • 腎機能に問題がある方
  • 妊婦・授乳婦(有益性が上回るときに限る)
  • 高齢の方(副作用のリスクが上がるため)

併用薬に注意

資料に相互作用の具体例はありませんが、以下の点を受診時に伝えると安心です。

  • 今飲んでいる薬(処方・市販)
  • 漢方・サプリ・健康食品
  • 腎臓に持病がある場合
  • 過去に抗生物質で発疹・呼吸苦などがあった場合

検査結果への影響(知っておくと便利)

  • 尿糖検査(ベネディクト・フェーリング試薬):偽陽性になることがあります
  • クームス試験:陽性になることがあります

健康診断や他院受診時、「セファレキシンを飲んでいる」と伝えるとトラブルを防げます。


副作用と頻度

●重大な副作用(いずれも0.1%未満)

  • ショック・アナフィラキシー:呼吸困難、全身の赤み、むくみ
  • 急性腎障害
  • 溶血性貧血
  • 偽膜性大腸炎:血便、強い腹痛、頻回の下痢
  • 中毒性表皮壊死融解症(TEN)/スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS):高熱、広範囲の発疹、粘膜のただれ
  • 間質性肺炎・PIE症候群:発熱、せき、息苦しさ、胸部X線の異常

早急な対応が必要な症状があれば、服用を中止し、すぐ医療機関へ連絡を。


●比較的よくある副作用(0.1~5%未満)

  • 吐き気、嘔吐、下痢、軟便、腹痛、食欲不振、胃の不快感など

●頻度不明だが起こりうるもの

  • 発疹、じんましん、かゆみ、発熱、関節痛
  • 口内炎、カンジダ症
  • ビタミンK・B群欠乏による出血傾向や神経炎
  • 頭痛、めまい、全身のだるさ

服用時の注意(PTP包装の誤飲)

PTPシート(薬の包装)ごと飲まないでください。
鋭い部分が食道を傷つけ、重い合併症につながることがあります。


まとめ

下痢・吐き気などの副作用に注意。重大な症状があれば早急に医療機関へ、医師に自分の体質や持病、服用中の薬を伝え、適切な診断のもと使用することが大切です。

セファレキシンは、飲み薬のセフェム系抗生物質です

細菌の細胞壁を壊して殺菌的に作用します

皮膚・のど・呼吸器・尿路など幅広い感染症に使われます

臨床試験では、有効率85.9%(1243例)とされています

用法は250mgを6時間ごと、重症なら500mg

禁忌はアレルギー歴。腎障害や妊娠など慎重な判断が必要

参考文献・出典

  • 厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き」(成人版・小児版)
  • KEGG DRUGデータベース:D00263(Cefalexin)
  • PubMed掲載論文:Kind AC. et al., Antimicrob Agents Chemother. 1968; Bailey RR. et al., Postgrad Med J. 1970 など
  • 添付文書(医療従事者向け):JAPIC CodeやPMDAで確認可能

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

セファレキシン(ケフレックス)は、「第1世代セフェム系抗生物質」に分類される抗菌薬です。

同じ系統にはセファゾリン(注射薬)やセフロキシム(経口薬)などがありますが、セファレキシンの特徴は以下の点にあります:

  • 経口薬として使用可能 → 注射ではなく、飲み薬として使える利便性。
  • 尿中への移行が良い → 膀胱炎などの尿路感染症での効果が期待できます。
  • 長期にわたり使用実績があり、安全性情報が豊富 → 再評価も行われており、比較的安心して使用可能。

また、近年ではペニシリン系やマクロライド系に耐性のある菌も増えているため、代替選択肢として用いられることがあります。

先発薬の発売年の情報

  • アメリカ(開発国)での開発年:1967年(イーライリリー社)
  • 日本での初承認:1970年4月(カプセル・シロップ用細粒)
  • 再評価を経た効能変更承認:2005年3月

非常に歴史のある薬で、安全性評価や使用経験が蓄積されています。

1か月(30日)処方時の薬価・実際の目安価格(自己負担額含む)

ケフレックスカプセル250mgを1回1カプセル、1日4回、30日間服用した場合:

  • 1カプセル薬価:31.5円
  • 1日あたり:31.5円 × 4 = 126円
  • 30日分:126円 × 30 = 3,780円

【自己負担の目安(3割負担の場合)】

  • 1,130円前後

※薬局での技術料や調剤料は別途必要。処方内容により変動します。

作用発現時間・持続時間

  • 作用発現時間(効果が出始めるまで):通常、1〜2時間以内
  • 作用の持続時間:半減期が約1〜1.5時間であり、効果の持続は4〜6時間程度とされています。

そのため、通常は6時間ごとの服用が推奨されます。

妊娠中の使用

使用の可否:使用は可能ですが、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合」に限るとされています。

リスク:動物実験では催奇形性は認められていませんが、人での十分なデータは少ないため慎重に使用します。

注意点:必ず医師の指示に従い、自己判断での服用や中止は避けましょう。

授乳中の使用

  • 使用の可否使用可とされますが、
  • 母乳への移行:少量が移行するとされています(通常量での使用では問題となりにくい)
  • 注意点:赤ちゃんに下痢や発疹などの変化が見られた場合は、医師に相談を。

授乳の継続可否については、医師と相談しながら判断されます。

子どもへの使用可否と注意点

使用可です。体重や年齢に応じた適切な用量で処方されます。

【注意点】

飲み忘れや拒否による中断も、効果や耐性リスクに関わるので注意しましょう。

子どもは体の代謝や腎機能が未熟なため、医師の指示通りに正確に飲ませることが大切です。

下痢や湿疹などの副作用が出やすいため、体調変化には注意を。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら