フロモックスってどんな薬?のどの痛み・副鼻腔炎で処方された方へ
フロモックスってどんな薬?
のどの痛み・副鼻腔炎で処方された方へ

扁桃腺炎で『フロモックス』使えますか?

セフカペン(フロモックス®)は、経口セフェム系抗生物質の中でも
- 幅広い細菌に効く(好気性菌・嫌気性菌どちらにも)
- 食後投与で吸収が良い
- 殺菌的に作用する(菌を殺す力がある)
という特徴があります。
必要な場合はオンラインで処方することができます。
この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。
目次
セフカペン(フロモックス®)とは
セフカペン(一般名:セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物)は、飲み薬タイプのセフェム系抗生物質です。細菌によって起こる感染症の治療に用いられ、処方せんが必要です。
抗生物質とは?
ポイントは、「抗生物質=細菌に効く薬」ということです。
たとえば、インフルエンザや多くの風邪のようにウイルスが原因の病気には効きません。
(必要性がないのに服用すると、副作用のリスクや耐性菌が増える原因になります。)
セフカペン(フロモックス®)の特徴
1)体内で有効成分に変化して効くタイプ
セフカペンは、服用後に腸で分解されて、有効成分であるセフカペンとして抗菌作用を発揮します。
2)食後の方が吸収が良い
空腹時より食後に服用した方が吸収が良いとされており、添付文書にもその旨が記載されています。
3)幅広い細菌に殺菌的に作用
細菌の細胞壁を壊すことで作用し、殺菌的(細菌を死滅させる方向)に働きます。
4)ジェネリック医薬品もある
セフカペンには後発医薬品(ジェネリック)もあり、たとえば長生堂製薬のものは2009年に承認・発売されています。
※参考:先発品フロモックスは、1997年6月に販売開始されています(添付文書より)。
効能・効果
セフカペンは、感受性のある細菌による感染症に使用されます。以下に、代表的な適応疾患を示します。
主な対象疾患
- のど:咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)
- 耳・鼻:中耳炎、副鼻腔炎
- 呼吸器:急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
- 皮膚:皮膚感染症(浅いもの・深いもの)、外傷や熱傷後の感染
- 尿路:膀胱炎、腎盂腎炎など
- 歯科:歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎など
特に「のど」「気管支」「耳」「副鼻腔」などでは、抗菌薬の使用可否を慎重に判断することが、添付文書でも強調されています。
有効性(臨床試験など)
承認時の国内試験データ(成人)
セフカペンは、日本国内で実施された臨床試験において、以下のような結果が報告されています。
- 対象:1261例
- 有効例:1070例
- 有効率:84.9パーセント
疾患別の有効率(抜粋)
- 皮膚感染症:91.4パーセント
- 呼吸器感染症:86.2パーセント
- 尿路感染症:75.6パーセント
- 耳鼻科領域:71.9パーセント
- 歯科・口腔外科領域:90.4パーセント
実臨床データ(使用成績調査)
販売後の使用成績調査では、錠剤での有効率は94.6パーセント(5270例中5569例)と集計されています。
ただし、臨床試験と調査の方法が異なるため、参考値としての扱いが推奨されます。
用法・用量
成人での基本的な使い方
- 通常量: 1回100ミリグラム(力価)を1日3回、食後に内服
- 重い症状や難治性の場合: 1回150ミリグラムを1日3回、食後に内服
食後が推奨される理由
空腹時よりも食後のほうが吸収が良いため、基本的には「食後」が指示されます。
自己判断でやめないこと
抗生物質は、途中でやめると再発や耐性菌の原因になります。
添付文書でも、「治療上必要な最小限の期間での使用」「耐性菌の防止」が強調されています。
※小児の場合は用量が異なるため、処方内容に従って正しく服用することが大切です。
使用できない方(禁忌)
以下の方は、服用できません(禁忌):
- セフカペンの成分に対して過敏症(アレルギー)の既往がある方
以下に当てはまる方は、診察時に申告を
- セフェム系またはペニシリン系抗生物質に過敏症の既往がある
- アレルギー体質(家族も含めて)
- 経口摂取が困難な方/全身状態の悪い方
- 栄養状態が悪い方
- 腎臓に持病がある方(腎機能低下時には投与量の調整が必要)
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 小児での低カルニチン血症が懸念される場合(特に乳幼児)
使い合わせに注意する薬
見出しとしての「相互作用」は明記なし
セフカペン(フロモックス®)の添付文書では、相互作用の項目(併用禁忌・併用注意)は設けられていません。
ただし「何も気にしなくていい」という意味ではありません。
医師・薬剤師に必ず伝えること
- 現在服用しているすべての薬(他院での薬も含む)
- サプリメント・漢方・市販薬
- アレルギーの既往(発疹などが出たことがある抗生物質など)
また、「ビタミンK欠乏による出血傾向」が現れることがあるため、出血しやすい病気や栄養状態の問題がある方は特に注意が必要です。
検査に影響する可能性
- 尿糖検査(ベネディクト試薬・フェーリング試薬)で偽陽性が出る可能性があります。
- 直接クームス試験で陽性になる場合があります。
副作用と発生頻度
重い副作用(頻度不明)
次のような症状が出た場合は、服用を中止してすぐに医療機関へ連絡してください。呼吸困難や意識障害がある場合は、救急受診も検討してください。
- アナフィラキシー、ショック
- 急性腎障害
- 血液障害(無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血)
- 重い大腸炎(偽膜性・出血性大腸炎)
- 重い皮膚症状(スティーブンス・ジョンソン症候群、TEN)
- 間質性肺炎/好酸球性肺炎
- 重い肝障害(劇症肝炎、肝機能障害、黄疸)
- 横紋筋融解症(筋肉痛、脱力、ミオグロビン上昇など)
よくある副作用(頻度あり)
| 頻度 | 主な症状 |
|---|---|
| 0.1〜5パーセント | 発疹、下痢、腹痛、胃の不快感、吐き気・嘔吐、肝機能検査値上昇、尿たんぱく・血尿など |
| 0.1パーセント未満 | じんましん、かゆみ、赤み、食欲不振、便秘など |
| 頻度不明 | 口内炎、カンジダ症、ビタミンK欠乏症(出血傾向)、血清カルニチン低下など |
※とくに小児(特に乳幼児)では、カルニチン低下による低血糖のリスクがあるため、注意喚起があります。
まとめ
セフカペン(フロモックス®)は、飲み薬タイプの抗生物質で、細菌によるさまざまな感染症に用いられます。
- 食後の方が吸収が良く、食後服用が基本です。
- 有効率84.9パーセント(成人・基本量での臨床試験)と、高い効果が期待されます。
- 一方で、重い副作用のリスクもあり、体調の変化には注意が必要です。
特に、のど・気管支・耳・副鼻腔の感染では、まず抗菌薬が必要かを見極めることが大切です。体質や持病、服用中の薬を伝え、適切な診断のもと使用することが大切です。
参考文献・出典
PMDA添付文書情報(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/)
KEGG DRUG セフカペン情報(https://www.kegg.jp/entry/drug:D01680)
抗微生物薬適正使用の手引き(厚労省)
主要文献:Chemotherapy誌 1993年特集号(Vol.41 Suppl.1)
よくある質問(Q&A)
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この薬の同じ系統の薬と比べたときの強みは?
-
セフカペン(フロモックス®)は、経口セフェム系抗生物質の中でも
- 幅広い細菌に効く(好気性菌・嫌気性菌どちらにも)
- 食後投与で吸収が良い
- 殺菌的に作用する(菌を殺す力がある)
という特徴があります。
比較対象としてよく挙がるのは、同じく経口セフェム系の
- セフジトレンピボキシル(メイアクト®)
- セフジニル(セフゾン®)
などですが、
フロモックスは中耳炎や副鼻腔炎、皮膚感染症における実績が多く、乳幼児にも処方しやすい点が特長とされています。
また、β-ラクタマーゼに安定な点もあり、耐性菌への対応力という観点で評価されています。
-
フロモックス(先発薬)はいつから販売されているの?
-
フロモックス錠(先発薬)は、1997年6月に販売が開始されました。
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1か月(30日)分もらった場合の薬価・実際の負担額は?
-
薬価(2024年改定時点)をもとにした計算例です。
〈キャンパス〉
製品名 薬価(1錠あたり) 1日3回×30日 薬剤料合計 自己負担3割の目安 フロモックス錠75mg 36.3円 90錠 約3,267円 約980円前後 フロモックス錠100mg 41.1円 90錠 約3,699円 約1,110円前後 ※実際には調剤料や技術料が加わります。
※ジェネリック(後発医薬品)の場合、薬価が約1/2〜1/3になることもあります。
-
飲んだあと、どのくらいで効き始める?どれくらい効き目が続く?
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通常、服用後1~2時間以内に血中濃度がピークに達し、
効果は約6〜8時間程度持続します(添付文書の薬物動態より)。そのため「1日3回」の服用が基本とされています。
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妊娠中にフロモックスを飲んでも大丈夫?
-
妊娠中の使用は、必要と判断された場合に限り投与可能です。
- 特に妊娠後期に服用する場合、ピボキシル基に関連した低カルニチン血症の報告があるため注意が必要です。
- 妊婦さんには、医師が慎重に判断した上で処方します。
自己判断で飲んだり、止めたりしないでください。
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授乳中に服用しても大丈夫?
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授乳中の使用について、添付文書では「乳汁中への移行は認められなかった」とされています。
つまり、母乳を通じて赤ちゃんへ移行するリスクは低いと考えられます。ただし、赤ちゃんに発疹や下痢などが出た場合は、すぐに医師に相談してください。
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子どもにも使える薬ですか?どんな注意が必要ですか?
-
セフカペン(フロモックス®)は、小児にも広く使われている抗生物質です。
- 小児用の細粒やドライシロップなどもあり、飲みやすくなっています。
- ただし、乳幼児では「低カルニチン血症に伴う低血糖」が報告されているため、
異常にぐったりする/機嫌が悪い/低体温/血糖値の異常などが見られた場合は早めに受診してください。
処方どおりに正しく使うことで、安全に治療を行うことができます。
この記事の監修者

- 梅田北オンライン診療クリニック 院長
-
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
詳しいプロフィールはこちら
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