片頭痛の薬ミグシスはどんな人に効く?副作用や飲み方をくわしく紹介

片頭痛の薬ミグシスはどんな人に効く?
副作用や飲み方をくわしく紹介

片頭痛の発作予防で『ミグシス錠5mg』を使ってみたいです。

ミグシス錠5mgは、片頭痛の発作が起きにくくなるよう予防するためのお薬です。

即効性がある「発作を止める薬」ではなく、「発作を減らす薬(予防薬)」に分類されます。

ミグシス錠5mgはオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

「ミグシス錠5mg」とは

ミグシス錠5mgは、片頭痛の発作が起きにくくなるよう予防するためのお薬です。
即効性がある「発作を止める薬」ではなく、「発作を減らす薬(予防薬)」に分類されます。

  • 販売名:ミグシス錠5mg
  • 一般名(成分名):ロメリジン塩酸塩
  • 用途:片頭痛の予防・発作の軽減に用いる内服薬
  • 名前の由来:MIGRAINE(片頭痛)+CEASE(中断する、消す)

「ミグシス錠5mg」の特徴

脳血管に選択的に作用する「カルシウム拮抗薬(Ca²⁺チャネル遮断薬)」

ミグシスは、血管や神経細胞へのカルシウムの流入を抑える働きを持っています。
この作用により、片頭痛を引き起こすとされる過剰な神経活動や血管の反応を穏やかにすることが期待されています。

特に注目すべき点は、「全身の血管」ではなく、脳の血管により選択的に作用することです。

spreading depression(スプレッディング・デプレッション)を抑える

片頭痛には、脳内で興奮が波のように広がる現象(spreading depression)が関与していると考えられています。
ミグシスは、この反応を抑える作用が動物モデルなどで確認されています。

明確な開発経緯と長年の使用実績

  • 鐘紡株式会社の研究所で新規化合物として発見
  • その後、アップジョン(現ファイザー)と共同開発(1992年〜)
  • 1999年3月:承認・発売
  • 2009年9月:再審査にて「承認拒否事由に該当しない」と評価

長く使われてきたお薬であり、「新しすぎてデータが少ない」薬ではありません。


効能・効果

  • 効能:片頭痛の予防

※ただし、「発作中に痛みを止める薬」ではないことが重要です。

対象となる患者像

  • 月に2回以上片頭痛があり、日常生活に支障がある方

服用中に発作が起きた場合は、別の発作時用の薬(頓服薬)を使用します。
(例:エルゴタミン製剤やカフェイン製剤など)

治療のイメージは、
「予防薬としてのミグシス」+「発作時の頓服薬」です。


有効性(臨床試験のデータより)

  • 試験対象:国際頭痛学会の診断基準に基づく片頭痛患者
  • 二重盲検比較試験を含む324例中、有効率55%(179例)
  • プラセボ(偽薬)との比較試験でも有効性が確認されました

◎ ポイント
「全員に効く」わけではないものの、一定の患者さんに効果が期待される予防薬です。
実際の治療では、「生活がどれだけ楽になったか」も大切な評価指標となります。


用法・用量(飲み方)

  • 通常量:1回5mgを1日2回
  • 服用タイミング
    朝食後・夕食後 または 朝食後・就寝前
  • 最大投与量:1日20mgまで(超えてはいけません)

実際の服薬のポイント

  • 即効性は期待しにくく、発作が減るまでに少し時間がかかる薬です
  • 発作が軽くなり、生活に支障がなくなれば一時中止も検討されます
  • 効果が感じられない場合は、漫然と続けず再評価を行います

使用できない方(禁忌)

次の方は服用できません

  • ロメリジン塩酸塩に対する過敏症(アレルギー)の既往がある方
  • 頭蓋内出血またはその疑いがある方
     → 脳血流を増やす作用で悪化する可能性があります
  • 脳梗塞の急性期
     → 脳の血流バランスが崩れ、病状が悪化する恐れあり
  • 妊婦、または妊娠の可能性がある女性
     → 動物実験での催奇形性(赤ちゃんの骨格や体の形に異常)が報告されています

併用に注意が必要な薬

降圧剤(血圧を下げる薬)

  • ミグシス自体にも血圧を下げる作用があるため
  • 一緒に使うと、血圧が下がりすぎるおそれ(立ちくらみ、ふらつき)があります

よくある相談:「血圧の薬を飲んでいるけどミグシスも飲める?」
→ 使用可能なケースもありますが、医師や薬剤師が薬の種類まで確認して調整します。


副作用と発生頻度

副作用の全体発生率

  • 3.95%(149例/3,769例)
  • 延べ230件の副作用報告

よくある副作用(再審査時点)

副作用頻度
ALT(肝酵素)上昇0.45%
眠気0.37%
めまい0.37%
AST(肝酵素)上昇0.34%
吐き気(悪心)0.32%

→ 特に眠気やふらつきなどは、日常生活に影響するため注意喚起があります。

重大な副作用(頻度は不明)

  • 抑うつ
  • 錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう)
     → 手のふるえ、体のこわばり、動きにくさ などが含まれます

※頻度不明=「極めてまれだが、ゼロではない」という意味です。
既往歴のある方や高齢者では、慎重な確認が必要です。


その他の注意点

  • QT延長 ※不整脈の一種が疑われる方:注意が必要
  • 重度の肝機能障害:薬の代謝と排泄が遅れ、効果が強く出るおそれ
  • 授乳中:授乳しないことが望ましい(動物で乳汁移行の報告あり)
  • 小児:対象とした臨床試験はありません

まとめ

妊娠中、脳出血、脳梗塞急性期は禁忌。降圧剤との併用には注意が必要です。に合わせた最適な治療の提案が可能になります。

ミグシス錠5mg(ロメリジン塩酸塩)は、片頭痛を予防するための内服薬です

カルシウムの流れを抑えることで、脳血流を穏やかにし、発作を起きにくくします

1999年に承認され、有効率は55%(臨床試験324例中)

通常は 1回5mgを1日2回服用(最大20mg/日)

発作時には別の薬が必要になることがあります

副作用は眠気・ふらつき・肝機能異常が多く、重大な副作用(抑うつ、錐体外路症状)は頻度不明ながら報告あり

参考文献・出典

PMDA(医薬品医療機器総合機構)添付文書
 → https://www.pmda.go.jpで「ミグシス」と検索

KEGG MEDICUS(医薬品データベース)
 → KEGG DRUG ID: D02633

厚生労働省 医薬品リスク管理計画(RMP)情報ページ(ただし本剤では追加RMP資料なし)

よくある質問(Q&A)


この薬(ミグシス)の同じ系統の薬との違いは?何が強みなの?

ミグシス(ロメリジン塩酸塩)は、カルシウム拮抗薬として脳の血管に選択的に作用するのが大きな特長です。
同じ片頭痛の予防薬であるフルナリジン(商品名:セレニカRなど)も同系統ですが、ミグシスはフルナリジンに比べて中枢神経の副作用(うつ症状や運動障害など)が少なめとされます。

  • 脳血流を選択的に増加させることで、頭痛の発作を防ぐ点が特長
  • フルナリジンでは体重増加や強い眠気が問題となることがあるが、ミグシスでは頻度が低い

ミグシス(先発薬)の発売はいつ?どれくらい前から使われてるの?

ミグシスは1999年3月に日本で承認・発売されました。
その後、2009年の再審査でも「承認拒否事由に該当しない」と評価されており、20年以上の使用実績があります。

1か月分の薬価はいくら?自己負担額の目安は?

ミグシス錠5mgの薬価(1錠あたり)は 15.4円(2023年時点)。
通常は1日2錠(5mg×2)×30日=60錠なので、

  • 薬価ベース:924円/月
  • 自己負担額(3割負担):約 280円前後/月

※処方箋料や調剤料を除いた「薬そのものの価格」です。

ミグシスの効き始めは?どれくらい続くの?

飲んですぐに効く薬ではありません。
効果が実感できるまでに1〜2週間ほどかかることが一般的です。

長期間服用で定常状態に達するまでには 10日程度かかります

血中濃度のピーク:服用後 約5時間

12時間で半減しますが、毎日続けて飲むことで効果が安定してきます

妊娠中はミグシスを飲めますか?

原則として妊娠中は使用できません(禁忌)です。
動物実験(ラット)で胎児の骨格や外形に異常(催奇形性)が出た
という報告があります。

  • 「妊娠しているかも」という段階でも避ける必要があります
  • 服用中に妊娠が分かった場合は、すぐに医師に相談を

授乳中に飲んでも大丈夫?母乳への影響は?

授乳中の使用は推奨されません(できれば避けるべき)とされています。
ラットで母乳中へ移行することが確認
されているため、ヒトでも影響の可能性があります。

  • 授乳中にどうしても使いたい場合は、授乳の中止を検討
  • 医師とリスク・ベネフィットを相談しましょう

子どもでも使える薬ですか?

ミグシスは小児への臨床試験が行われておらず、使用経験が少ないため、原則として小児には使いません。

医師が特別に必要と判断した場合を除き、原則対象外

特に10代以下の子どもに対する有効性や安全性のデータは不足

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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