【花粉・ハウスダスト対策】パタノール点眼液の正しい使い方と副作用の注意点

【花粉・ハウスダスト対策】パタノール点眼液
正しい使い方と副作用の注意点

花粉症で『パタノール点眼液0.1%』を使っています。

有効成分は「オロパタジン塩酸塩」という抗アレルギー成分です。

目の「かゆみ」や「赤み(充血)」を抑えるために使われます。

パタノール点眼液0.1%はオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。


パタノール点眼液0.1%とは

有効成分は「オロパタジン塩酸塩」という抗アレルギー成分です。
目の「かゆみ」や「赤み(充血)」を抑えるために使われます。


どんなふうに効く薬?

アレルギー性結膜炎では、ヒスタミンなどの物質が原因となり、
目のかゆみや赤みが起こります。

この薬は、

  • ヒスタミンの働きをブロックする(=抗ヒスタミン作用)
  • アレルギー反応の原因となる「肥満細胞」から、
    アレルギー物質が出るのを防ぐ

という2つの作用があることが知られています。

つまり、

「かゆみのスイッチを止める」+「かゆみの原因を出させない」

という薬です。


特徴

オロパタジン塩酸塩は、もともと広い作用を持つ抗アレルギー薬として開発され、
点眼薬として使うことで、アレルギー性結膜炎への応用が期待されてきました。

製剤としても、「涙に近い性質(pHや浸透圧)」に調整されており、
目にやさしい処方が意識されています。

※ただし、点眼直後に「しみる」「違和感」を感じることはあります(後述の副作用参照)。


効能・効果

  • アレルギー性結膜炎
    (花粉症、ハウスダスト、動物の毛などが原因)

有効性の裏づけ(臨床試験)

1)海外・後期第II相試験(抗原誘発試験)

無症状の日本人のアレルギー性結膜炎患者さんに、
片目にオロパタジン点眼液、もう片目にプラセボ(有効成分なし)を使用。
その4時間後に花粉などで症状を人工的に誘発し、効果を比較しました。

  • かゆみ(5分後)
    平均スコア差 −1.19(改善)、
    信頼区間 [−1.52, −0.85]
  • 充血(20分後)
    平均スコア差 −0.93、
    信頼区間 [−1.49, −0.37]

→ 副作用は確認されませんでした(35人中)。

2)国内・第III相試験

ケトチフェン点眼液(0.05%)との比較試験。
パタノール点眼液0.1%は、かゆみ・充血の改善度で、

ケトチフェンに劣らない(=非劣勢〔ひれつせい〕:効果が同等以上であること)

という有効性が示されました。


用法・用量

  • 通常、1回1〜2滴を1日4回(朝・昼・夕・寝る前) 点眼します。

使い方のポイント(効果を高め、安全に使うために)

  • 容器の先が 目やまつ毛に触れないように(薬が汚れないように)
  • 点眼後は 1〜5分ほど目を閉じる
    • 目頭(涙の通り道)を軽く押さえると、薬が目にとどまりやすくなります
  • 他の点眼薬を使うときは、5分以上あける
  • ソフトコンタクトを使っている方:
    • 点眼時はコンタクトを外し、10分以上たってから装用してください

よくある質問:「いつから効きますか?」
症状の強さやアレルギーの種類によります。
目の状態によっては、内服薬や他の治療の併用が必要になる場合もあります。


使用できない方(禁忌)

  • 過去にこの薬でアレルギーを起こしたことがある方

また、以下の方は必ず医師に相談してください:

  • 妊娠中または妊娠の可能性がある方
    → 有益性(薬の効果)が危険性(胎児への影響)を上回ると判断されたときのみ使用
  • 授乳中の方
    → 動物実験では母乳に薬が移行したという報告あり
  • 小さなお子さん
    → 低出生体重児、新生児、乳児への試験は行われていません

他の薬との併用について

  • 添付文書では「絶対に併用してはいけない薬(併用禁忌)」は示されていません

ただし、以下の点に注意してください:

  • 他の点眼薬と併用する場合は5分以上間隔を空ける
  • コンタクトレンズ使用者は、10分以上空けてから装用

→ 他の薬を使っている場合は、お薬手帳などで医師に確認してもらいましょう。


副作用について

比較的よくみられる副作用(目の症状)

  • 眼痛(しみる、痛い)
    • 承認時:803例中39例(4.9%)、うち眼痛 2.1%
    • 国内試験:124例中6例(4.8%)、うち眼痛 2.4%

そのほか:

  • 眼刺激、目のかゆみ、充血
  • まぶたの腫れや炎症 など

全身に関わる副作用(まれ)

  • 頭痛(0.2%)
  • 肝機能検査値の上昇(ALT、AST)

使用実績データ(安全性)

  • 3512例中、副作用は22例(0.6%)
    • 眼刺激・眼痛・眼瞼炎・まぶたのむくみ・かゆみ(各0.1%)
  • 小児:721例中、副作用は4例(0.6%)

医療機関に相談すべきサイン

以下のようなときは、自己判断で使用を続けず、医療機関へ相談しましょう。

  • 強い痛みが続く、目が開けられない
  • まぶたが強く腫れている
  • 視界がかすむ、見え方がおかしい
  • 改善がみられないのに、なんとなく長期間使っている

添付文書でも、「効果がないときに漫然と長く使わないように」と記されています。


まとめ

効果が乏しいまま使い続けるのではなく、必要なら治療の見直しが大切です。治療の提案が可能になります。

パタノール点眼液0.1%は、アレルギーによる目のかゆみや充血を抑える目薬です。

「かゆみを止める」「かゆみの原因を減らす」2つの作用があります。

1回1~2滴、1日4回使用。他の目薬とは5分以上空けて使いましょう。

ソフトコンタクトは、点眼後10分以上経ってから装用。

副作用は主に目の軽い症状が中心で、使用成績上の報告は0.6%と少なめです。

参考文献・出典

日本の医薬品添付文書(PMDA)https://www.pmda.go.jp/

KEGG DRUG:D01192(オロパタジン)

海外論文例:

  • Sharif NA et al., J. Ocul. Pharmacol. Ther., 1996
  • Yanni JM et al., Arch. Ophthalmol., 1999

国内第III相試験(ケトチフェンとの比較試験データ)

薬剤師監修の医薬品解説サイト(例:くすりのしおり、メディカルノートなど)

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

パタノール点眼液(有効成分:オロパタジン塩酸塩)は、以下の2点で他の抗アレルギー点眼薬より優れています:

  • W効果(ダブルの作用)
    1. ヒスタミンH1受容体をブロック(かゆみを止める)
    2. 肥満細胞からのアレルギー物質(ヒスタミン・ロイコトリエンなど)の放出を防ぐ
  • 持続的な抗アレルギー効果: 目のアレルギー症状を安定的に抑えることが臨床試験で示されています。

他の点眼薬(例:ケトチフェンやアシタザノラスト)と比較しても、 「抗ヒスタミン+抗アレルギー」の両方の作用をバランスよく持つ点が強みです。

先発薬の発売年は?

先発品「パタノール点眼液0.1%(ノバルティスファーマ)」は、 2006年7月に日本で製造販売承認を取得し、同年に発売されました。

1か月(30日)処方時の薬価と自己負担額は?

  • 先発品(パタノール点眼液)薬価:85.9円/mL
  • 通常処方は5mL×1本で約2週間分
  • 30日分で想定:5mL×2本 → 約172円(薬価)
  • 自己負担(3割負担の方):約52円+調剤料(別途)

※後発品は1本あたり34.9円/mL(=5mLで約175円 → 2本で350円 → 自己負担は約105円前後)

この薬の作用はいつから効いて、どれくらい続きますか?

効果が出始めるのは点眼後30分〜1時間ほどとされています。

臨床試験では点眼4時間後でも効果が維持されていたという報告あり。

そのため、1日4回の点眼が推奨されています。

妊娠中でも使えますか?

基本的には、

  • 「治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用」とされています。

動物実験では、胎児への影響が報告されたわけではありませんが、

  • ヒトでの安全性は十分に確立されていません。
  • 妊娠中は医師と相談して使用の可否を決めましょう。

授乳中でも使えますか?

  • 動物実験(ラット)では、母乳中への移行授乳児の体重増加への影響が報告されています。
  • ヒトでの明確なリスクは示されていませんが、

医師は以下を考慮して判断します:

  • 薬の必要性
  • 母乳育児の重要性

必要であれば一時的に授乳を中止することも選択肢です。

子どもに使えますか?

1歳以上の小児には使用されています。

小児(7〜15歳)における副作用の頻度は0.8%とされ、主に軽微な症状です。

ただし、

  • 低出生体重児、新生児、乳児では臨床試験が実施されていないため、安全性は不明です。
  • 小児に使用する場合は、必ず医師の指導を受けてください。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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