目のかゆみや充血に「ケタス点眼液0.01%」|花粉症の目薬としての効果とは?

目のかゆみや充血に「ケタス点眼液0.01%」
花粉症の目薬としての効果とは?

アレルギーで『ケタス点眼液0.01%』を使っています。

ケタス点眼液0.01%は、目のアレルギー症状(アレルギー性結膜炎)

に使われる点眼薬です。目のかゆみ・赤み(充血)・涙・ごろごろ感などをやわらげます。

ケタス点眼液0.01%はオンライン診療で処方可能です。

この記事では、公的資料を参考に薬の特徴をわかりやすくお伝えします。

ケタス点眼液0.01%とは

ケタス点眼液0.01%は、目のアレルギー症状(アレルギー性結膜炎)に使われる点眼薬です。
目のかゆみ・赤み(充血)・涙・ごろごろ感などをやわらげます。

有効成分はイブジラスト(Ibudilast)で、1mL中に0.1mg(=0.01%)含まれています。

花粉症の季節に「目がかゆい」「涙が止まらない」といった症状で受診された際にも処方されることがあります。
ただし、「目やにが多い」「強い痛みがある」といった場合は、感染症など別の原因の可能性もあるため、自己判断せず受診することが安心です。


ケタス点眼液0.01%の特徴

この目薬に使われているイブジラストという成分は、もともと杏林製薬で開発されたものです。
先に「ケタスカプセル10mg」という飲み薬として発売されており、抗アレルギー作用に着目されて点眼薬として開発が進められました。

開発の流れ(ざっくり)

  • 一九八七年頃から動物実験で「アレルギーによる目の炎症」に効くかどうかを検討
  • 有効性が確認され、点眼薬として非臨床試験・臨床試験を実施
  • 二〇〇〇年一月:「ケタス点眼液」として承認
  • 二〇〇七年九月:名称整理により「ケタス点眼液0.01%」として再承認
  • 二〇〇九年九月:再審査結果が通知

働きのポイント

  • アレルギー反応に関与する物質(ロイコトリエンなど)の放出をおさえる
  • アレルギー反応そのものも抑える
  • 即時相(そくじそう:すぐに起きる症状)と、遅発相(ちはつそう:後から続く炎症)の両方に効くことが動物モデルで確認されています

効能・効果

  • アレルギー性結膜炎(花粉症を含む)

※一部の臨床試験では「春季カタル(重症のアレルギー性結膜疾患)」も対象とされていますが、承認された効能は「アレルギー性結膜炎」です。


有効性(効果の検証)

国内での比較試験(第Ⅲ相試験)

対象:通年性アレルギー性結膜炎、花粉症、春季カタルの患者さん
比較:ケタス点眼液0.01% vs クロモグリク酸ナトリウム(DSCG)点眼液2%
方法:1回2滴、1日4回、28日間点眼

全般改善率(中等度改善以上)

  • ケタス:75.6%(124/164例)
  • DSCG:60.6%(97/160例)

この結果により、ケタスは効果が劣らない(非劣性)ことが統計的に証明されました。
※非劣性(ひれつせい)とは、「新しい薬が、比べた薬よりも効果が明らかに劣っていない」ことを意味する考え方です。


用法・用量

通常、次のように点眼します。

  • 1回1~2滴
  • 1日4回(朝・昼・夕方・就寝前)

失敗しにくい点眼のコツ(添付文書より)

  • 点眼容器の先端が目やまつ毛に触れないようにする(汚れ防止)
  • 点眼後は1〜5分目を閉じ、目頭(涙の通り道)を軽く押さえる
  • 他の目薬も使う場合は、5分以上間をあける
  • あふれて目のまわりについた液は、すぐに拭き取る

開封後はいつまで使える?

  • 開封後、1か月を過ぎたものは使用しないこととされています。

使用できない方(禁忌)

  • この薬の成分にアレルギー(過敏症)を起こしたことがある方

使い合わせに注意が必要な薬

添付文書上は、以下の通りです。

  • 併用禁忌(いっしょに使ってはいけない薬):設定されていません
  • 併用注意(注意して使う薬):設定されていません

ただし、実際の診療では次のような点に注意が必要です。

  • 他の点眼薬と併用する場合は5分以上あける
  • 持病の薬やサプリがある場合は、必ず医師・薬剤師に伝える

副作用とその頻度

主な副作用(目の局所症状)

  • 頻度:0.1〜5%未満
    しみる・かゆみ(そう痒感)・目の痛み・充血・異物感・まぶたの炎症(眼瞼炎)
  • 頻度:0.1%未満
    結膜のむくみ(結膜浮腫)・まぶたの腫れ(眼瞼腫脹)・まぶたの赤み(眼瞼発赤)

比較試験での副作用発現頻度

  • ケタス群:3.0%(5/165例)
  • DSCG群:4.3%(7/162例)

保存剤による過敏症に注意

この点眼液にはベンザルコニウム塩化物という保存剤が含まれています。
この成分によるアレルギー(赤み・かゆみ・違和感など)の報告があります。

気になる症状が出た場合は、がまんせず、処方元に相談しましょう。


こんなときは早めに受診を

以下のような症状は、アレルギー以外(感染症など)の可能性があるため、早めの受診をおすすめします。

  • 強い目の痛み
  • 見えにくい、視界がおかしい
  • 目やにが多い
  • まぶたがひどく腫れる
  • 点眼しても悪化していく
  • 発熱を伴う

まとめ

ケタス点眼液0.01%は、アレルギー性結膜炎(花粉症を含む)に用いる目薬です。
有効成分はイブジラスト
で、アレルギー反応を広い範囲で抑える作用があります。

開封後は1か月以内に使い切りましょう

国内試験で、従来薬(DSCG点眼)に比べて効果が劣らない(非劣性)ことが示されています

通常の用法は1日4回、1回1~2滴の点眼

他の目薬と併用する際は、5分以上間をあける

過敏症の既往がある方は使用できません

副作用は軽度な目の違和感が中心ですが、気になる症状があれば相談を

参考文献・出典

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医療用医薬品添付文書」

KEGG DRUG データベース(D01385)

北野周作ら「診療と新薬 31(5), 931-938, 1994」

小室正勝ら「あたらしい眼科 12(9), 1445-1453, 1995」

野口和志ら「あたらしい眼科 11(11), 1747-1754, 1994」

Ohashi M. et al., Int. Arch. Allergy Immunol. 101(3), 288-296, 1993験

よくある質問(Q&A)


この薬の同じ系統の既製薬品に対する強みは?

ケタス点眼液0.01%の最大の強みは、即時相・遅発相の両方のアレルギー反応を抑える点にあります。従来よく使われていたクロモグリク酸ナトリウム(DSCG)点眼液は主に予防的な作用が中心で、即効性には乏しい側面がありました。これに対しケタス点眼液は、かゆみ・充血・異物感といった症状をすでに感じている段階でも効果を示すため、実感しやすい点が評価されています。また、有効性試験ではケタス群が75.6%の改善率を示し、DSCG群の60.6%より高い効果が確認されています。

ケタス点眼液の先発薬の発売年は?

点眼剤としての「ケタス点眼液」は2000年1月に製造承認を取得し、後に現在の製品名「ケタス点眼液0.01%」として2007年9月に改めて承認されました。内服薬のケタスカプセルはそれよりも早く、1989年に発売されています。

1か月(30日)処方時の薬価・実際の目安価格は?

ケタス点眼液0.01%は1瓶(5mL)あたり薬価621円です。通常の使用量(1日4回、両眼使用)では、1か月でおおよそ2〜3瓶使用するケースが多いです。

  • 自己負担額の目安(3割負担)
    • 2瓶処方:約372円(621×2×0.3)
    • 3瓶処方:約558円

調剤技術料・薬剤服用歴管理指導料などを含めると、窓口負担は1,000〜1,200円前後になることが多いです。

作用発現時間・持続時間は?

ケタス点眼液の明確な発現時間(効き始め)は添付文書に記載がありませんが、臨床的には点眼後30分〜1時間以内に症状緩和を感じるケースがあります。また、1日4回使用という点から、持続時間はおよそ6時間程度と考えられます。

妊娠中の使用は?使用の可否・リスク・注意点は?

妊娠中の使用は「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用」とされています。動物実験(ラット、経口投与)では新生児の発育遅延が報告されており、慎重投与が必要です。主治医と相談のうえ、必要最小限の使用にとどめましょう。

授乳中の使用は?母乳への移行・使用の可否と注意点は?

ラットでの動物実験において、母乳中への移行が確認されています。そのため、「授乳の継続または中止を検討すること」が記載されています。臨床での報告は少ないものの、安全のため医師の指示に従って使用する必要があります。

子どもへの使用可否と注意点は?

小児に対する臨床試験は実施されておらず、安全性や有効性は確立されていません。ただし、医師の判断で処方されるケースもあります。使用する場合は、症状や年齢に応じた投与量の調整と副作用の観察が重要です。特に点眼操作に不慣れな小児では、保護者が正しい点眼をサポートすることが推奨されます。

この記事の監修者

原 達彦
原 達彦梅田北オンライン診療クリニック 院長
【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。

【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
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